月別アーカイブ: 2020年6月

映像科:合格者インタビュー④・総合型選抜/クリエイション資質重視方式編

新美映像科から志望校へ合格した人たちにインタビューする企画も4回目。
今回は武蔵美映像学科の総合型選抜クリエイション資質重視方式の合格者に聞きます。
広兼さん(2020年度入試合格)と、樋口くん(2019年度入試合格/現在映像科の学生講師)
の2人に、ポートフォリオや面接試験について教えてもらうべく5つの質問を投げてみました。
インタビュアー:森田(映像科講師)

【Q1:武蔵美映像学科の「総合型選抜クリエイション資質重視方式」は例年かなりの高倍率です。この方式で受験することを決めたきっかけを教えてください。】

広兼:クリエイション資質重視方式に挑戦したのは、まずはチャンスは多い方がいいと思ったこと。そして一般選抜とは違って、大学の教授に映像作品を見てもらえるという入試の形式に興味を持ちました。私は志望校を決めた高校2年の段階で映画を一本製作していました。卒業までにはもう一本撮りたいとも考えていたので、その映画を提出作品として観ていただきたいと考えました。

樋口:僕は高校時代から映像に触れていたわけではありません。現役の年はデザイン系の学科を第一志望にして受験したのですが、合格できず映像に志望を変更した経緯があります。4月から映像科の木金日コースに通い始めて、時間も体力も有り余っている中で自分でも映像を作ってみようと思いました。クリエイション資質重視方式で受験しようと思ったのは、作品を制作していく中で「映像で表現したいこと」「映像で表現できること」が見えてきたからでしょうか。

【Q2:どんな作品を提出しましたか?】

広兼:映像作品と写真作品の両方を提出しました。映像作品は高校3年の夏に製作した映画です。高校2年で製作した映画もありましたが、提出作品の「映像は15分以内」という条件を考えた上で、近作に絞りました。写真作品は二つあって、一つは新美の夏期講習の映像制作実習で展示した組写真です。これは短期間での制作でしたが、作品としては気に入っていたので提出したいと思いました。もう一つは、ほとんど趣味みたいな感じで撮り溜めていた写真のシリーズです。このシリーズは自己紹介のような意味で提出しました。

樋口:僕の場合、提出した作品はジャンルも表現の仕方も様々です。写真作品のシリーズ、展示形式の映像作品、ストップモーションで制作した映像、8mmフィルムの映像を素材にしたビデオ作品などです。こうした構成にすることで、幅広い自分の興味を浮き彫りにできるのではないかと考えました。一見するとバラバラですが、共通点もあります。僕自身それまでに映像表現をずっとしてきたわけではないので、映像という媒体を扱うたびに色々な疑問が生まれる。提出した作品はいずれも、その疑問に対する「解」のようなものだと考えています。


[広兼さん/提出した映画作品]


[樋口くん/提出した8mmフィルムの映像を素材にしたビデオ作品]

【Q3:作品を紹介するためのポートフォリオファイル(作品を紹介する冊子)を提出することもこの入試の特徴です。ポートフォリオファイルを作成する上で何を大事にしましたか?】

広兼:手に取った人の印象に残ることを目指しました。デザインについては「見やすいポートフォリオってどんなものだろう」と思って、背景の色を変えるなど全部で3パターン試作してみたのですが、映像作品をキャプチャした画像を載せる上で背景は暗い方が映えると思い、最終的に黒を基調としたデザインにしました。あとは就職活動に使うポートフォリオを検索して参考にした部分もあります。具体的には冒頭に自己紹介のページを入れて、入学した後の具体的なビジョンを書いたことが、工夫した点です。

樋口:冊子自体の存在感ですね。A3変形のかなり大きなサイズにしています。インパクトを与えたいという意図もありましたが、結果的に写真の見え方はA4サイズよりもA3サイズの方が強い印象でした。細部までしっかり見て貰うためにはサイズは大きい方がいいと感じました。また印刷する用紙やファイルのポケットの透明度にもこだわりました。このポートフォリオは自分にとって、初めての作品集でもあったので、原点として後々見返したいと思えるように作成しました。その分かなり製作費はかかりましたが(笑)。


[広兼さん/ポートフォリオ/夏期講習会総合選抜型対策で展示した組写真を紹介するページ]


[樋口くん/ポートフォリオ/夏期講習会総合選抜型対策で展示した映像作品を紹介するページ]

【Q4:総合型選抜では出願時に「志望理由」などの文章を提出するケースが多いです。クリエイション資質重視方式では「自己推薦調書」という形式で「映像と自分自身との関わり」を記す必要があります。どんな内容を書きましたか?】

広兼:基本的には「映像を鑑賞する視点」と「映像を制作する視点」の二つをまとめました。映像作品を数多く見ている人であれば、その鑑賞体験を総合して映像についての明確な考えを書けると思うんですが、私はそれほど多くの映像を見ているわけではなかった。だから今まで見た映画の中で印象に残っているシーンを具体的に挙げようと思い、岩井俊二監督の『リリイ・シュシュのすべて』を観て考えたことを中心に書きました。そしてその鑑賞から学んだことを踏まえて、自分の映画製作の経験についても書きました。

樋口:構成として大きく前半と後半に分けて、まず前半では映像に限らず「今まで自分が行ってきた表現活動」をテーマにしました。音楽活動やデザインの勉強をしていたので、それらの要素がどのように映像表現にシフトしていくかということをまとめました。後半には提出した作品を制作するプロセスを書きました。ポートフォリオに記した短い解説では伝えきれない「自分と各作品の関係」について詳細に書くことを意識しました。

【Q5:面接試験で印象に残っていることはありますか?】

広兼:私は順番が朝一番だったみたいで、武蔵美に早く着きすぎて建物の前で待った記憶があります(笑)。すごく心配だったんですが、面接官の教授の方から様々な質問をいただいて、話したいことを話せたという印象です。面接自体の時間は思ったよりも短かったです。提出した作品について具体的な演出や技術的なことを聞かれるよりも、映像で表現することの根幹について訊ねられたという印象です。

樋口:そうですね。「表現」について問われたというのは僕の面接でも印象に残っています。提出した映像作品の中で通常あまり無いような長回しのショットを使っているんですが、その作品についての応答から「映像と絵画の違い」に話題が展開していったことを覚えています。事前に答えを準備するだけでなく、普段から「映像ってどういう表現なのだろう」と考えていることが期待されていると感じました。


[2019年映像科/夏期講習会での総合型選抜対策]

【最後に:これから総合型選抜入試の準備をしようと考えてる人に向けてアドバイスをお願いします!】

広兼:一つは「入試に提出する作品」ということをあまり意識し過ぎないこと。高3で映画を製作していた時はクリエイション資質重視方式に提出することを見越していたので、どうしても作りながら「どうしたら受かるだろう」と考えていました。でも今思うと、自分の制作に対する意思を貫くことが一番大切だと感じます。
もう一つは全然違うことでですが、学科の勉強をちゃんとすること。総合型選抜入試を受けた後は不安で何も手につかなかったので、少しずつでも勉強をしていれば「総合型がダメでも一般がある」と思えて安心する。だから学科の勉強はしておいた方がいいと思います!

樋口:比較的短期間で準備したこともあり、予備校の授業以外の時間に見た作品や気になったことを「どうすれば作品の形に変換できるか」ということをつねに考えていました。そしてその考えを言葉にすることも大切だったと思います。クリエイション資質重視方式は「作品を作るだけで合格できる入試」だと思われているかもしれませんが、実際は、作品を作り、それを言語化し、他者に伝えることまでが求められているように感じます。そういう意識を明確に持って準備ができる人にとっては、自分を成長させるきっかけにもなると思います。頑張ってください!

森田:同じ入試でも準備の仕方や作品についての考えが違うということがよくわかりました。
お二人とも、今日は貴重な話をありがとうございました!


《2020.6 オンラインでのインタビュー/広兼さん&樋口くん、ありがとうございました!》

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お知らせ:
新美映像科の総合型選抜対策はここから始まる!

○7/11(土)・18(土)映像科・先端芸術表現科合同オンラインゼミ「映像制作・ポートフォリオ・面接試験について・知る、学ぶ」
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映像科夏期講習会の情報(7/20〜) ※今年度夏期講習はオンラインでも行います
映像科年間授業予定について
映像科公式Twitter
映像科公式Instagram

先端芸術表現科の夏期講習と特別ゼミのお知らせ

こんにちは。先端芸術表現科です。

今週の教室では、「身体を観察する、身体で観察する」というワークショップを行い、その後「道具を使わない3分間のパフォーマンス作品を作る」という課題を行いました。
歩き、食べ、思考するための基底となる身体について観察し、思考するためのワークショップとして、毎年この時期に行っています。
例えば「歩く」という行為について、

歩く(教室を歩く)
歩く(ゆっくり歩く)
歩く(意識する部位を変える)
歩く(歩く人を見る)

という形で、様々な仕方で歩いてみることを通し、そこで「歩く」という経験がどのように変容するのか皆でディスカッションを行いました。そうしたプロセスを通して「身体」を捉え直し、制作のきっかけとしてもらうことを目指しました。

さて、二つのお知らせです。

一つ目は、7月11日(土)と18日(土)の二日間で行われる、映像科先端芸術表現科の合同ゼミになります。
詳細は、以下のページをご覧ください。
https://www.art-shinbi.com/event/20event-eizo_sentan-01.html

7/11(土) 13:30〜26:30 【レクチャー+課題提示】
7/18(土) 9:30〜16:30 【1人約30分 課題作品の講評】
という日程で、映像メディアや写真メディアについて考え、また試験におけるポートフォリオや面接という形式についても情報を提供できるような場所にしていきたいとおもっています。全てZoomで行いますので、遠方の方も奮ってご参加くださいませ。

二つ目は夏期講習のお知らせです。
今年度先端の夏期講習は、以下の日程で行われます。詳細はウェブページでもご覧ください。
https://www.art-shinbi.com/season/summer/subject/sentan/index.html

Ⅰ期一次対策コース GA
3時間P.M.5:30〜P.M.8:30

7月
20(月)一次対策(素描・小論)
21(火) 一次対策(素描・小論)
22(水) 一次対策(素描・小論)
23(木) 一次対策(素描・小論)
24(金) 一次対策(素描・小論)
25(土) 一次対策(素描・小論)

Ⅲ期総合コース1GB
8時間A.M.9:30〜P.M.6:30
8月
3(月) 課題演習 観察と想像
4(火) ワークショップ 遊びと身体
5(水) 一次対策
6(木) 一次対策
7(金) 制作日
8(土) 講評会

Ⅳ期総合コース2GC
8時間A.M.9:30〜P.M.6:30
8月
10(月) 一次対策/作品プラン発表
11(火) 一次対策
12(水) 一次対策/合格者デモンストレーション
13(木) ポートフォリオ講座/中間講評
14(金) 制作日
15(土) 作品講評会

Ⅴ期総合コース3・コンクールGD
8時間A.M.9:30〜P.M.6:30
8月
17(月) 一次対策/作品プラン相談
18(火) 一次対策
19(水) 制作日
20(木) 作品講評会
21(金) コンクール 一次試験
22(土) コンクール 総合実技・面接

今年度は多くのスケジュールが変更になり、受講生の方もどのように夏期講習を受講すれば良いのか大変悩まれるかと思います。こちらとしては可能な限り柔軟に対応していきたいと思いますので、もし夏期講習の受講について検討されている方がいましたらご相談くださいませ。

また遠隔にお住まいの方で、東京への滞在が困難な方には、オンライン夏期講習も開講いたします。オンライン夏期講習については、以下のページをご覧ください。
https://www.art-shinbi.com/season/summer/online.html
先端のオンライン夏期講習では、教室でのカリキュラムとは一部変更し、オンラインでもしっかりとした対策ができるように構築しております。授業内容について質問があれば、遠慮なくお問い合わせください。

無料体験授業についても、前期授業が7月19日(日)までなので、引き続き受講可能になっています。こちらもぜひご活用ください。
https://www.art-shinbi.com/event/event-muryo.html

それでは、先端芸術表現科でした。
(画像は昨年度の夏期講習の授業風景です)

さぁ!!ピーター・ドイグ展へ行こう!!

こんにちは。油絵科昼間部です。

3月から美術館が閉館になり、これからの休みに勉強しようとおもっていた方や、受験も終わって気分転換を考えていた方は生で作品を見る機会が減ってしまったことに、落胆したのではないでしょうか。

そこで、5月末から美術館も開館し始め皆さんにも是非自らの目で作品に触れて欲しいとおもい、わたしのおすすめの展覧会を紹介します。

東京国立近代美術館で開催されているピーター・ドイグ展です。
わたしは、予定していた開催期間が昨年の受験期に差し掛かり、その後閉館になってしまったので行けなく残念な思いをしていました。
しかし、閉館してしまっていたので開催期間はが延長され10月11日まで観覧することができます!!
今回、待望の日本での初個展です。
それではピーター・ドイグとは?という方のためにすこし紹介します。 ピーター・ドイグとは1959年、英スコットランド生まれ。カリブ海のトリニダード・トバゴとカナダで育ち、ロンドンで美術を学び、2002年からはロンドンに加え、トリニダード・トバゴの首都、ポート・オブ・スペインにもアトリエを構えています。
膨大なイメージに日々接する現代において、絵画の可能性を切りひらき、アートを牽引してきたドイグは「画家の中の画家」と評されることもあります。
ドイグは既存のイメージに自らの経験を重ね、混ぜ合わせて一つの画面をつくります。美術史上の絵画、写真、映画、自身が過ごした土地の風景など……。ちなみに「ガストホーフ-」のモチーフの一つは、ドイツのダムを写した古い観光絵はがきです。人物は画家本人と友人で、劇場でアルバイトをしていた若き日に、戯れで衣装を着て写した写真を参照したという。どこか、フランスの画家、アンリ・ルソーが描く幻想風景にも似ているように思えます。
見知らぬ風景なのに、懐かしく感じます。ドイグがつくり出す多層的なイメージに、私たちの記憶の引き出しが刺激されるからでしょう。
また、異なる国の歴史や文化を縦横に結びつけるドイグの作品は、多文化主義が進む現代社会に寄り添うかのようです。ただ、特定の考えを押し付けることはなく、自由な解釈が許されますね。
同館の桝田倫広・主任研究員は「絵画を見ることの喜び、見ることの複雑さを改めて気づかされる。SNSに流れては消えていく画像や動画と違い、じっくりと見ることなしに鑑賞体験は得られない」と今展覧会について述べていました。

薄塗りの扱いやイメージの混交している点など画像ではわかりにくい作品だとおもうので、「画家の中の画家」と評されるドイグの初期から最新作までしっかり目に焼き付けて欲しいと思います!

!!注意!!観にいく際は新型コロナウイルス感染症予防対策のため、 入館には事前にチケットのご購入が必要となります!!!
事前チケット購入をお忘れなく!!!

https://www.momat.go.jp/am/exhibition/peterdoig/

《基礎科》通常授業が始まりました!

6月もついに最終週。

テレビをつけると過去のドラマがやっていたりして、
当時も見てたはずなのについつい全部また見ちゃったりして。
気づくと2020年も半分が終わってしまうようです。
BackToTheFuture2の未来の世界は2015年の設定、まだ車は空を飛んでいないし、
サメも立体画像で飛び出ません。

基礎科講師デザイン科担当の名越です。

前回のブログの時にはどうなるかわからなかった緊急事態宣言解除でしたが、
無事新宿美術学院も通常授業が始まりました。
とはいえ東京アラートが発表されたり、感染者数が上がったりと、
まだまだ気を引き締めて行かなければいけない状況です。

基礎科でも、講師はマスクにフェイスシールドを着用、除菌換気を徹底し、
モチーフに関してもなるべく多めに配置して生徒同士間での距離を保ち
安心のできる状況で絵を描けるようにしています。

現在はアトリエにて通常授業がスタートしているのですが、
6月までオンライン授業にて基礎課題をしっかり行ったのもあってか
静物や石膏像などのモチーフがスタートして描いてもらうと
比較的基礎的な部分ができている生徒さんが多いような気がします。

先日は受験科のアトリエにクラスにお邪魔し、
受験科の講師のデッサンを見学しに行きました。

(カメラのせいでかなり生徒同士が近く感じますね)

こんなことも通常授業が始まったからこそできることです。

7月ももうすぐ目の前ですが、
これからいろんなことを勉強していきましょう!

ではでは

彫刻科近況

彫刻科昼間部講師の氷室です。
2020年も半年が過ぎて1学期も残り1ヶ月となりました。
今年は実技の内容や結果が濃い感覚があり、アトリエ全体のポテンシャルが高いなと思います。
この調子で行きたいですね!

実技のポテンシャルが高いがゆえに、今回は、本郷 新 さんと言う彫刻家の方が書いた『彫刻の美』という本の紹介をしたいと思います。
彫刻科の荷物置き棚の1番右上にひっそり講師オススメのBOOKコーナーがあります。
ここに、『彫刻の美』も置いてあります。
大学に進学しても、なかなか集めるきっかけや読むきっかけが無い場合が多いので、ぜひ予備校にいる間に1度は、手に取って読んでみてもらいたい本達です。

この本には、《量》 《空間》 《線と面》 《肉付け》 など、予備校で最も耳にする言葉に対して、各項目2、3ページ程度でザクっと実直に書いてあります。
予備校では受験が前提の場なので、急いで技術の習得が求められる場合が多いですが、作家として先人達の言葉を読むとハッとさせられる瞬間があると思います。
技術が何のためにあるのか。彫刻とは一体どんな世界なのか。
先人達から学んだその言葉が、いつか背中を押してくれたりすることもあるかもしれません。

ここからは、今回の優秀作品の紹介です。

〔↓まずは昼間部の実技から〕


ガッタメラータはどの位置でも絵になりやすいので、必然的にレベルが高くなる印象ですが、モチーフの持つ力強さも余すことなく表現できており、完成度が高い思います。


光の魅せ方が上手です。白い石膏であることを形を逃さずに表現できており、こういったデッサンも並んだ時には強いですね。

〔↓ジョルジョ模刻はなかなか難しいので、ここでしっかり取り組めていると一気に力が安定する気がします〕


粘土へ向かっていく押さえ方が活きており、光と陰がしっかり形として見えてきます。ここまで来ると作品が圧倒的に強いですね。


頬周りや顎は、こやって写真に撮影してみるとやや弱さもありますが、バランス感覚が良く表情の似せ方が上手です。


粘り強く制作できており、結果魅力的な塑像になってきました。髪型の印象も良いですね。


ジョルジョの微妙な動きをカッコよく再構成できており、言い切りの強い作品です。


こちらも実直に積み重ねた粘土が、しっかり形になり強さがでてきました。印象も似ています。

〔↓大きなモチーフは、たまにしかお目見えしないので、楽しみながら描けたのではないでしょうか〕


スカッと抜けていく光と空間がとても綺麗ですね。目を引きます。影側の形も良く追えています。


手前から奥の空間の見せ方が綺麗です。テクニック的に逃すわけではなく、奥もしっかり形が追えており好印象な強さが魅力的な1枚です。


背景も丁寧に描けており視点の作り方も上手なので、見る側に、こういうモチーフですよということが潔く伝えられている1枚です。ヴィーナスの美しさを感じます。


ベルベデーレがモチーフであることの醍醐味を感じながら描けており、その感動が伝わってくる1枚です。こういう印象ですよね!力強い1枚です。


正面位置は非常に難しいですが、脚の構造や筋肉を逃さず奥行きが描けており作者の高いテクニックが垣間見られます。光の設定もしっかりあるので、とても見やすくスッキリとした強さがある1枚です。


やや腹筋周りがまとまり過ぎてしまいましたが、視点があり、画面の余白へのアプローチが上手く空間が綺麗ですね。体の捻れが良く表現できています。

〔↓久しぶりの構成課題でしたが、意図したものがしっかり形になっていました〕


シンプルな設定の中に中に、絶妙に動きが作れています。かぼちゃのぴりっとした接点がとても良く効いており、見る側のことをよく考えられているなと思いました。各々のモチーフの素材感へもよく迫れており完成度が高い作品です。


布の動きで目線を誘導しながら、かぼちゃとレンガを繋ぐ構成がシンプルな中に効いています。なにより、素材の質感が圧倒的に詰められており上手です!布が台からちょっとはみ出ている構成も、演出が効いています。


布の長さが回転させて見た時にどう見えるのか?難しさもありますが、動きに対するストリーを設定していく積極的な姿勢が良いと思います。レンガとかぼちゃの関係性にハッとなる作品です。

〔↓ここからは、夜間部の優秀作品の紹介です〕


かつて、ここまで作りきった現役生を見たことが記憶にないくらいです。上手ですね!難しい頬骨周りもしっかり形になっていますし、印象も似ていて、もう言うことがありません!


目の印象に苦戦しましたが、最終的には似ました。難しい点なのですが、グデアのパチっとした張りを良く表現できており、作っていく行程も上手だなと思います。観察力がありますね。


こちらは自刻像です。柔らかい雰囲気と目線が丁寧に表現できています。首回をもっと研究していけると、さらに良くなっていくと思います。

今回は以上です。
夏期講習が始まると時間の流れが早くなって行く気がします。
1学期の間に出来るだけ苦手な部分の研究をして、突破口を開いていってください!!
暑くなってきますので、特に塑像の時には無理をせず、こまめに水分補給をして体調管理には気を付けて行きましょう。

氷室