こんにちは!彫刻科の小川原です。
時が経つのは早いもので夏期講習、公開コンクールとイベントが続き、あっという間に冬期講習となりました。
これまでどのように実技と向き合ってきたか、入試に向けて制作時間が短くなったことで克服できたこと、まだまだ甘かったこと、それらがはっきり見えてくると思います。
完璧人間なんているわけ無いです。、できないことに対していちいちうつむいてしまうのではなく、いかに改善していくか考えて取り組んで残りの期間で最大限の成長をものにできるように前向き取り組みたいものです。
まあ実際そういう意識を持った人物の方が作家に向いているわけだし、入試でもそのような部分での差が作品にもろに反映されてくるので、選ばれる人たちがそもそもそういうタイプの人であるということを考えるとよくできたものだとも思ってしまいます。
何にせよ美術においてはとにかく自己と向き合い、理想を高め、より良い答えを目指して挑戦していくこと。これが根本であり喜びの源泉であるので、受験生であってもぜひそこに気づいて楽しんでもらいたいと思います。「受かりたい」「受からなきゃいけない」それは分かります。でもそれを原動力にして作品を向上させるにはパワー不足なんですよね。
自分が一体何を目指して今デッサンを描いているのか。今一度問いかけてみてください。
それでは優秀作品の紹介をしていきます。
浪人生の作品。
自身と向き合い、リアリティを深めて行くことができました。自刻像で「精神」を感じるレベルまでできたら相当レベル高いと思います。
冬期講習に入って制作時間も試験時間に合わせています。まだまだギリギリ間に合ってる感なところはありますが、スタート時点でここまで喰らいつけたら十分だと思います。
白い石膏像を自然に表現できていると思います。描写も丁寧にまとめられていて、これが安定できればなかなかのものだと思います。
続いて現役生の作品です。
クリアに描ききれています。すでに6時間でここまで描けることに驚きです。現役生はこれまでの課題数を考えるとここからの追い込みはものすごいことになるので今後が楽しみです。
印象がとても良いです。印象を自分の意志でアクティブに捉えていくことができる人なので、とにかく自分に自信を持って取り組んでもらえたら良いです。陰側の調子はまだ美しくないのでそこも含めて感覚を磨いていきましょう。
すべての仕事に対して丁寧に取り組めていて良いと思います。積み重ねの仕事が効果的に響き合っています。逆にもう少し大きく形や調子が捉えられればかなり時間短縮ができそうです。ヘルメットのレリーフはもう少し描きたいところ。
出だしはやや自信なさげでしたがだんだん自分の持ち味を思い出し、力強くフィニッシュできました。まあ変に測ってもそこに自分の意志は介在していないので、感覚的に優れた眼を持っているタイプの人はむしろ測れば測るほど狂ってしまいます。自分が「こうだ!」と思ったことには確信を持って欲しいと思います。鍛えるべきはまさにそこで、自分でいいと思ったことが第三者から見てもいいのかどうか、繰り返し経験を重ね、良い状態に収束させていくことが最も重要です。
基礎科の生徒作品です。
短い時間ですが、徹底的にリアリティに拘って完成させてくれました。観察すること、作り込むこと、修正すること。どれに対しても積極的で素晴らしいです!
御者のマスクはかなり難しいです。グデアなんかもそうですが、様式美が強いのでそれが理解できているか、または感じ取れていないと全く似てこないです。それにしても初めて作ってここまでできるのはすごいなあ。
以上です。
ここからが入試に向けてのラストスパート出発点!一つ一つ着実にこなしていって自分を限界まで成長させましょう!