9月18日19日に行われた、全国石膏デッサンコンクールの報告になります。
全科総合部です。
新宿美術学院では、年に数回『全国石膏デッサンコンクール』が行われます。
9月18日(日)・19日(月・祝)に開催されたコンクールは、学年・選考を問わない無差別級の頂上決戦で、制作時間も2日間(12時間)と一番長いです!
今回は郵送参加115名、会場参加105名、合計220名の力作が競い合いました。
ボーダーラインは75/100点。完成度が分かれ目です!
*各科先生方の総評*
日本画科講師:「会場全体の印象として、けっこうクオリティが高くて良かったと思います。ぱっと見の印象、らしい形って言うのがポイントになるのかなと思います。まずは慌てずによく離れて全体の印象を合わせていけると、より上位を狙えるんじゃないかなと思います。」
彫刻科講師:「時間が短くなっても対応できるように、応用力をどんどんつけて、最終的に安定して完成度をここまで持ってこれればいいかな。」
デザイン・工芸科講師:「トータルバランス、描かれているものの精度、似ているかどうか、抑揚、粗密のバランス、光と影のバランス、表現の全体的な完成度、情報量の高さ、そのすべてをトータルで見て、いい感じだなーとか言うところの差だと思います。」
デザイン・工芸科講師:「最初のかたち取りだったりとか、大きい印象を似せていくって言う作業を、ちゃんとじっくりやってあげるのがまずは大事になってくるかなと思います。まずは初動。」
油絵科講師:「油絵科の場合は石膏出されても石膏デッサンを求めていません、ただ石膏がモチーフで、それをあなたがどのように感じ取って描くかということ。自分の感性でいかに対象を見るかという事が問われます。」
*優秀作品*
第1位
「ヘルメス」
(+)形・比率・トーン・動き・表情・たたずまい、それらが落ち着いている。
(+)ぱっと見の印象が良く出ている。
(-)上の空間に対して、台座の部分が2面に見えなくてもったいない。
第2位
「ジョセフ」
(+)全体の位置関係の中で、大きな理解があって、その中で細部の仕事をしている。
(+)見ていて気持ちのいい。
(+)空間と、形が持っている立体の整合性が、全部位で無理なく成立している。
(-)ちょっと首が長い?頭が大きい?
(-)腕(肩?)がもっと前に出てくると。
第3位
「ジョルジョ」
(+)らしさがよく出ている。
(+)隅から隅までよく観察して描いているなっていう印象。
(-)近くから遠くまでの距離感に応じて、描き込みの量だったり色味だったりの差を作っていけると、もっと画面の中での空間が出てくる。
(-)少し見栄えが劣る。ちょっと単調。メリハリがもうちょっとあったら。
当日会場で行われたデッサンのデモンストレーションと解説、上位作品の講評をぜひ自分の作品制作に役立てて下さいね!
なお、前回までの「全国石膏デッサンコンクール」と「高校生デッサンコンクール」のデッサン解説や上位作品の講評動画は、YouTube新美チャンネルで見ることができます。
https://www.youtube.com/channel/UCDKr5XZAd8nA8LGae2wFsRg
次回の『全国石膏デッサンコンクール』は来年1月ですが、10月11月は『全国実力コンクール』が毎週のように開催されます。各専攻科別の専門実技模擬試験なので、こちらもぜひチャレンジしてみて下さい!
https://www.art-shinbi.com/koukai/2022/