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彫刻科 芸大合格発表!

芸大入試は3名合格!2名基礎科からの合格!うち1名現役合格でした!おめでとうございます!!

3人ともしっかり作品と向き合い、向上していくことに前向きでした。おそらく本番でも冷静に力を発揮できたのだと思います。
逆にたとえ上手くなったとしても自分の中にぶれない軸みたいなものを持てなかった人は本番の緊張感に気圧されて判断力が鈍ったところはあるのではないかなと思います。

本当に良い作品というのはコンクールでいい成績を獲るとか、そういう限定的なものではなくて、その可能性は本来無限大であるべきものではないでしょうか。一通りできているから良い。とか間違っていないから評価できる。とかはかなり消極的な評価であって、求められている作品像とはかけ離れています。そういう意味でも自分の中にある「良い作品のイメージ」を高め、目指していける人物が最も合格に近いのだと思います。「良い作品」であるか「未熟な作品」であるかは一目瞭然であり、できているかいないかよりそっちが見えている人が伸び続けられる人なんだと思います。
そういう感覚って潜在的に備わっている人はごく僅かなので、多くの人は特訓する中で育んでいく必要があります。実際それが分かってからが本番みたいなところはあると思うので、来年度挑戦する人たちには強く意識していてほしいです。意識を高めて練習量を増やしていかないといけません。意識が高いかどうかは自分では判断できないので、頑張っていることに安心しないことだと思います。常に上を目指す気持ちで。そのうえでいい作品にも未熟な作品にも必ず理由があるのでそれを見極めていくこと。これが重要です。

入試再現はこれからなのですが、直近で制作していた作品を参考までにのせておきます。
まずは基礎科から現役合格した生徒の作品です。
「印象」に対して常に誠実に表現していました。芸大受験では顔が似せられてからが勝負!くらいなところがあるので信頼性は高かったです。

塑像も上手でした。「やり方」頼りでなく、あくまで「印象」を大切にやり取りしている強みですね。

続いての生徒も基礎科出身の生徒です。
浪人生の頼もしさを感じるデッサンです。自分を過信せず、ギリギリまで自分の目を疑う意識を大切にしていました。

難しいモチーフであってもブレることなく、落ち着いて全体を理解しながら進めていました。

もう一名浪人生。「やり方」にとらわれず、表面的な情報に気を取られないところが強みでした。

変なことに変。と素直に気付けるところがとても良かったです。逆をいうと良いものは良い。ですね。シンプルなことですがほとんどの人は誤解しています。

春期講習中には入試再現作品を公開できると思います。お待ち下さい!

さて、基礎科彫刻月火水コースでは6時間+αでジョルジョを描いてみました。
いきなり短時間で無茶振りなんですが、良く描けています!どんどん上達して行けそうですね!顔も似ている!

短い時間の中でこれだけ手が入れられるのはすごいと思います!

こちらは3時間クロッキーです。顔が似ていてよいですね!

こちらはまだ1年生なので入試まであと2年あります。今年1年で伸ばせるだけ伸ばしていこう!

もう来年の試験まで1年を切っています!もう戦いは始まっています!無駄にできる時間は少しもありません。その時できること、考えるべきことを全力で取り組もう!

彫刻科 最後の大詰め

彫刻科講師の臼田です。私大入試も終わり、芸大の入試も迫ってきました。緊張感もかなり出てきていると思いますが、今のままの調子で最後まで走り抜けましょう!残りの毎課題を大事に最後の調整をしていきましょう!それでは優秀作品を紹介します!数を絞って紹介します。

短い時間の中でかなりあげてこれました!力強く、光もかっこいいです!出だしからのリズム感がかなり良かったのでこの感じを意識して継続していけると良いです!

画面全体に手が行き渡っていてかなり重厚な魅力があります!手前から奥にかけての空間性も素晴らしいです!迷うことなく、自分の表現を貫きやりきっていく姿勢が大事だと思います!

出だしから最後まで画面に向かっていく姿勢がとても強いままでいられたことがよかったです。自信をもって毎課題ここまで走り切れるように意識してください!

とてもかっこいいです!色幅も多く、かなり目を引きました!途中段階での黒の処理、そして奥の部分の抑えをより意識できると良いです!

上手いです!出だしから印象をバッチリ合わせられていました!上手いので、慢心することを一切せずに自分の力を出し切ってください!

続いて現役生の作品です

光、色味ともにとても美しく表現できています!すごいです!課題に向かっていくパワーは本当に良いので中盤から終盤にかけてのモチーフとのチューニング合わせをより意識しましょう!

ラオコーンの動きや印象を高い精度で捉えられています!強引になることせずに常に素直にモチーフに寄り添う意識が大事だと思います!

高い精度で合わせてこれました!頭部が丸くなりがちですが、構造的にしっかりと抑えられています。量の付け切るまでの時間をもう少し早めに持っていってあげる意識があるとなお精度はあげられるかなと思います!

最後に基礎科生の作品を一気に紹介します!

みんな本当に飲み込みが早くメキメキ上達しています!自発的に考えられていることも素晴らしいです!この調子でどんどんいきましょう!

以上になります!

彫刻科 2月突入!

こんにちは! 彫刻科の小川原です。
入試直前講座も2月に入り、迫る本番を前に緊張感がアトリエに充満する今日この頃です。あと1月しかない!?いやいや、あと1月もあるんです!それぞれまだ明確に弱点を抱えているので何とか克服して行きましょう!

ここ最近の預かり作品の中で特に良かったものを紹介します。

かっちりと明快な表現が魅力的です!思い切って乗せた炭をうまくコントロールできていますね!

パジャントはシンメトリックながら意外と印象を似せていくのが難しいです。というのも表面的に小さい仕事に囚われがちで、そうなってしまうと大づかみな印象を外してしまいます。この作品は全体と部分をうまくコントロールしてまとめられています!

白い石膏像の第一印象がよく捉えられています。密度に対するこだわりも素晴らしいですね!

ジョルジョは動きも印象も絶妙に難しい像ですがとてもよくバランスが取れていると思います。部分ではなく作品全体での判断が求められますよね!

現役生ながら短時間で大きな像に挑戦しました!とは言っても過去に出題されたモチーフでもあるので乗り越えたい課題でもあります。時間的余裕のない中印象に反応した土付けによってとても印象よく捉えらてました!

ミロビ のスケール感を感じるデッサンです。ミロビの背中って細かい描きどころがあるわけではありませんが、ただ表面的に捉えていくだけでは到達できない魅力がこの作品にはあります!

モデル首像です。リアルな表情が魅力的です。制作中も形に生命を与えていくような、そんな意識で捉えているのかなと思わせるような集中力を感じました!

円盤投げの形態感、空間、美しいバルールを捉えた調子の展開だと思います。調子を使いこなせることは短い時間で作品を魅力的に表現していく上で圧倒的に優位に働く技だと思います!

顔がないから描きやすいかと思いきや、背中の量感を的確に表現するのはむしろ顔側を描くことよりも難しいかもしれません。描写するところがほとんどない中、本当の意味で形を理解してかからないとスカスカなデッサンで終わってしまいます!この作品はとても説得力がありますね!

基礎科生も頑張っています!美しい仕上がりですね!顔も似ています!このクオリティをコンスタントに出していけるように励みましょう!

以上です。
ここまで皆しっかり努力してきたし、上達もしてきました。ここが正念場です!自分のすべてを集中力に変えてさらに前進して行こう!!

彫刻科 入試直前講座へ

講師の臼田です!昨日冬季講習が終わり入試直前講座へ突入していきます。緊張感が増してくると思いますが粛々と課題を重ねていきさらに実力を上げていきましょう!確実に今までの積み重ねが力になってきているのでこの上り調子のまま走り切りましょう!それでは作品を紹介していきます。製作時間が短くなり秀作も多いので数を絞って紹介します。

昼間生の作品です。全体に余すことなく手が入っていて素晴らしいです。しっかりと立っている感じがします。足の隙間に黒がやや溜まってしまっています。ここの空間をもう少し出せると良かったです。

現役生の作品です。人体らしさを良く表現できています。白さもとても綺麗です!関節周りがもう一発こりっと表現できると尚良かったと思います!

昼間部生の作品です。力強く表現できています!炭とカタチがガッチリ噛み合っている感じがします!毎回このレベルで挙げていけると素晴らしいです!そのためには中盤の作業と確認、精度を大事にしてみてください!

現役生の組み石膏デッサンです。要素が多く大変だったと思いますが、やり切れています!もう少しだけ密度を上げてこれると尚よかったです。石膏単体で描くときよりも画面の綺麗さ空間に対してのアプローチを大事にしていきましょう!

続いてモデル首像です。現役生の作品ですが、上手いです。特にいうことはないです。この調子でどんどんやり切って行ってください!

こちらも現役生の作品です。破綻することなくここまでやり切れたことは素晴らしいです!欲を言えば皮膚感表現に対しての髪の毛の形がやや緩いです。もっと束かんを追ってみたり、影を入れても良かったと思います。

昼間部生の作品です。逆光側ですが、光の表現がとても綺麗です!反射光の表現も美しいです!頭部がもう少し立体感を感じ取れるくらい描き切れるとさらに良かったと思います!

現役生の作品です。難しい位置ですが、ジョルジョらしさを良く表現できています!頭部の光源設定を統一できるとより全体としての空間性がすっきりしたと思います!

昼間部生のジョルジョ模刻です。印象良いと思います。最終的にはいいですが、出だしから中盤にかけての制作のリズム感の上げ方を自分でさらに認識して制作できると良いと思います。

コンクール作品です。良いです。この調子でバリバリやり切っていきましょう!もっとジョセフの質感にまでしつこくしつこくアプローチしていけると尚良いです!

現役生の作品です。こちらもコンクール課題です。白さが綺麗で目を引きました!白さの中でもかっちりと止めてこれているので重さも感じます!頭部の出てくる空間に対してはもう一歩踏み込んだ強い表現ができると良かったと思います!

最後に基礎科性の作品を一気に紹介します!

力作揃いです!全て違う学生ですが、本当にみんな上手いです!僕が基礎科にいた時はこんなにできませんでした。飲み込みも早く、上達の速度も目を見張るものがあります!来年が楽しみです。

長くなりましたが、以上になります!

彫刻科 冬期講習

こんにちは!彫刻科の小川原です。
時が経つのは早いもので夏期講習、公開コンクールとイベントが続き、あっという間に冬期講習となりました。
これまでどのように実技と向き合ってきたか、入試に向けて制作時間が短くなったことで克服できたこと、まだまだ甘かったこと、それらがはっきり見えてくると思います。
完璧人間なんているわけ無いです。、できないことに対していちいちうつむいてしまうのではなく、いかに改善していくか考えて取り組んで残りの期間で最大限の成長をものにできるように前向き取り組みたいものです。
まあ実際そういう意識を持った人物の方が作家に向いているわけだし、入試でもそのような部分での差が作品にもろに反映されてくるので、選ばれる人たちがそもそもそういうタイプの人であるということを考えるとよくできたものだとも思ってしまいます。
何にせよ美術においてはとにかく自己と向き合い、理想を高め、より良い答えを目指して挑戦していくこと。これが根本であり喜びの源泉であるので、受験生であってもぜひそこに気づいて楽しんでもらいたいと思います。「受かりたい」「受からなきゃいけない」それは分かります。でもそれを原動力にして作品を向上させるにはパワー不足なんですよね。
自分が一体何を目指して今デッサンを描いているのか。今一度問いかけてみてください。

それでは優秀作品の紹介をしていきます。
浪人生の作品。

自身と向き合い、リアリティを深めて行くことができました。自刻像で「精神」を感じるレベルまでできたら相当レベル高いと思います。

冬期講習に入って制作時間も試験時間に合わせています。まだまだギリギリ間に合ってる感なところはありますが、スタート時点でここまで喰らいつけたら十分だと思います。

白い石膏像を自然に表現できていると思います。描写も丁寧にまとめられていて、これが安定できればなかなかのものだと思います。

続いて現役生の作品です。

クリアに描ききれています。すでに6時間でここまで描けることに驚きです。現役生はこれまでの課題数を考えるとここからの追い込みはものすごいことになるので今後が楽しみです。

印象がとても良いです。印象を自分の意志でアクティブに捉えていくことができる人なので、とにかく自分に自信を持って取り組んでもらえたら良いです。陰側の調子はまだ美しくないのでそこも含めて感覚を磨いていきましょう。

すべての仕事に対して丁寧に取り組めていて良いと思います。積み重ねの仕事が効果的に響き合っています。逆にもう少し大きく形や調子が捉えられればかなり時間短縮ができそうです。ヘルメットのレリーフはもう少し描きたいところ。

出だしはやや自信なさげでしたがだんだん自分の持ち味を思い出し、力強くフィニッシュできました。まあ変に測ってもそこに自分の意志は介在していないので、感覚的に優れた眼を持っているタイプの人はむしろ測れば測るほど狂ってしまいます。自分が「こうだ!」と思ったことには確信を持って欲しいと思います。鍛えるべきはまさにそこで、自分でいいと思ったことが第三者から見てもいいのかどうか、繰り返し経験を重ね、良い状態に収束させていくことが最も重要です。

基礎科の生徒作品です。

短い時間ですが、徹底的にリアリティに拘って完成させてくれました。観察すること、作り込むこと、修正すること。どれに対しても積極的で素晴らしいです!

御者のマスクはかなり難しいです。グデアなんかもそうですが、様式美が強いのでそれが理解できているか、または感じ取れていないと全く似てこないです。それにしても初めて作ってここまでできるのはすごいなあ。

以上です。
ここからが入試に向けてのラストスパート出発点!一つ一つ着実にこなしていって自分を限界まで成長させましょう!