月別アーカイブ: 2023年4月

彫刻科 GW前の預かり作品

今年度から講師を担当する事になりました臼田です!普段は大理石を主に用いて人間をモチーフにして作品を制作しています!よろしくお願いします!

さてGW前にいい作品が沢山出たので紹介していきます。

昼間部生の作品から紹介していきます。

密な形を追い込んで作り上げることができました。そのモノらしさ(線の緩急や陰影、形のメリハリなど)を感じることはどのモチーフにおいても必ず必要になります。石膏デッサンや模刻などにおいても今回の課題で大事にできたことを忘れずに生かせるようにしましょう。

しつこくしつこく形に対して向き合うことができました。骨らしい三次曲面の繫がりを強く表現することができました。かっこいいです!普段は少しカタチが単調になってしまう時があるので今回のようなカタチに対しての執着を他の課題においても心がけましょう。

時間を延長して頭部だけでなく、角の細かなディティールまで作り上げれました。ベースから密なカタチを作り出す時に迷いや躊躇が普段は見受けられます。ここまで密に作るあげることができるので他の課題においても自信を持ってどんどん形を作り上げてしまって大丈夫です!トライできれば必ず良い作品を作り上げることができると思います。

続いてヘルメスのデッサン

顔の印象で苦戦することが見受けられますが今回は柔軟に印象を合わせてこれました。カタチに対しての素晴らしい反応ができる反面、細かい起伏を表現する際にやや大きなカタチが崩れてチカチカしてしまう時があります。落ち着いて自分の画面に施した作業内容を頻繁に確認することを心掛けてください。

今回は強引になることがなく顔の印象を引き出せました。この感覚を忘れないようにしてください。一手一手にもっと自覚を持って、作品の最終的な完成イメージを強く持って作業するように心がけましょう!そうすれば必ず良い作品を制作できると思います。

力強くヘルメスの印象を捉えることができました。カタチを力強く表現できる反面、そのモノらしさから外れた際に悪目立ちする事になります。最後までモチーフに寄り添い、よく形を観察し、よく分からない状態でなんとなく作業をしない、これを強く意識して作業するようにしてください!

夜間に残って自主的に仕上げた作品になります。最終的なフィニッシュは良いです。途中でモチーフをなんとなくみてなんとなく作業を重ねることをしないようにしましょう。そのモチーフらしい特徴や強さ他のものにはない魅力など既に知識的に知っていることはフルに活用して観察することを心がけてください。

続いて夜間部生の作品紹介に移ります。

とてもよく印象を引き出せていると思います!毎回高いレベルで作品を上げてきていますが、出だしはまだ不安定な瞬間があります。精度を上げていく際の見方やポイントを毎課題で増やしていきましょう!この調子!

自刻像課題 この時期でここまで上げてこれることはすごいと思います。フィニッシュ時の陰影の濃淡をコントロールして、細部周りの三次曲面の形をもっと追えると素晴らしいです!

人間らしい佇まいを自然に拾ってこれました。とても印象がいいです。やや体の肩の位置関係に対しての顔の向きに固さを感じます。先の形をもっと想像して作っていけると良いです!

動きをつけての難しい構成でしたが破綻なく自然に作れています。動きがつくことによって起きる左右の形の差も抑えられました。出だしで顔まわりの彫りがキツくなりすぎる癖があるのでそこを気をつけつつ進められると良いです。

パジャント 完成度はもっと欲しいところですがとても綺麗な空間を出せていると思います。画面奥と手前の関係性の設定が初めからかなり意識できていたこともとても評価できます!この調子で頑張りましょう。

片手塑像 高い精度でバランスを合わせてこれました!手の持つ柔らかい肉感や関節周りのコツっとした感じはもう少しだけ追えるとよかったです。今回知った手の構造的な知識は忘れずに次に活かしましょう!

各生徒強みと弱みを持っています。それを自覚し自発的によく考え制作できると良いと思います。弱みは夏前までに払拭できるようにとにかくもっとトライしていきたいですし、強みはもっと研ぎ澄ましていけると良いと思います。一手一手にもっと責任と認識をもって作業するようにしましょう!

長くなりましたが以上になります。

 

 

 

夜間部デザイン工芸科 今月の生徒優秀作品

どうも講師の山内です!
今月の生徒優秀作品紹介のコーナーです!

昼間部 私大デザインコース Iさん

うまい……!
まだ4月なのに…。まだ春なのに…。
デッサンの難しいポイントとして、空間を描くという考え方があります。モチーフを描くことが出来るひとは多いけど、空間を描く……?なにそれ?てひとは多いと思います。この絵にはめちゃくちゃ空間があります!テクニック的に難しいことをしてるわけではないけど、素朴に色を合わせていく感じが素晴らしい!
空間をリアルに描くコツは、自然にみえる色をつくること!
そして自然にみえるコツは上手に嘘をつくことです笑
約30の嘘という言葉がありますよね。大きな嘘をつきとおすためには、小さな嘘が30個必要っていうアレです。
静物デッサンでいうと、白背景で描いている時点でひとつ大きな嘘をついています!笑
なので、白い世界に存在してる感じを成立させるために、反射光を入れたり明度彩度を調整したり小さなフォローが30個くらい必要なわけです。そういった細やかな気配りがこの絵の中にはたくさん発見できます!うまい!

 

 

夜間部 私大デザイン工芸科コース Hさん

うまい…。
しかも偉い…。なにが偉いかというと、細い線が綺麗に描ける筆をネットで探して買ったらしいんです。賢い!
この日はHさん遅刻してた気がしますが、それでもスピーディーかつ丁寧な作業でこのクオリティ!
時間をかければかけるほどいい作品になるとは限らないのが絵を描くことの面白さですよね。実際の試験でも5時間の試験を3時間ぐらいで終わらせて、満点で合格したひとが過去にいます…!
話を戻すと、この作品の良さはスピーディーかつ丁寧なところなんです!(2回目)
速さと丁寧さって別の概念じゃなくて、速さを求めるなら丁寧に描けばいいし、丁寧さを求めるなら、速く描く工夫(物理的な意味だけじゃないですよ!作業工程とかも含めて)をすればいいんですよね!この時期にそれが理解できてるのはちょっと賢すぎるな!

芸大デザイン・工芸コース

こんばんは
新宿校デザイン・工芸科 芸大コース講師の山本です。

新学期も間もなく1ヶ月が経過しようとしています。新しいメンバーと学ぶ環境に慣れてきた時期ではないでしょうか?昼間部の1学期カリキュラムは入試課題対策と大きく変わって時間をかけて観察力を高めたり、講師のレクチャーをじっくり見たり、入試直前講習会では得ることが難しかった基礎力の強化を目指しています。来月5月は基礎実技課題と並行して、校外学習を中心とした様々な事象を面白がるための練習課題があります。しなやかな思考力を育てるための課題が用意されています。

今年度ここまでの講師によるデモンストレーションの一部をここで紹介します。

静物デッサン課題、瓶の着彩課題、百合の着彩課題、デッサン描き出し特訓課題

 

先端芸術表現科合格体験記2023その4

こんにちは。先端芸術表現科です。
新年度の授業も開始し、現在は小論・素描の一次対策にくわえて、いくつかの制作課題などを通して各受講生の関心を一緒に探り、そこからいかにして表現を作り上げるのかということについて考え始めています。

5月から受講を検討されている方や、先端の受験をこれから始めようとしている方には、無料体験や個別で受験相談というシステムもあるので、ぜひご検討ください。
https://www.art-shinbi.com/event/2023/23event-soudan.html 個別で受験相談の申し込みはこちらから

https://www.art-shinbi.com/event/event-muryo.html 無料体験の申し込みはこちらからどうぞ

さて、今回は合格体験記第4弾ということで、昨年度小論文受験で合格されたKさんの体験記を掲載します。Kさんは現役のときは別の大学を受験し、浪人から先端の対策を始められました。Kさんの再現制作も現在展示中なので、ぜひ見に来てください!

先端を受験しようと思ったのはなぜですか?
今までずっと続けてきた音楽に対して、私は100%自己表現できていないと感じていました。「音楽」ではなく「音」そのものに注目し、身体と音の関係や私がいかにして音を媒体とし他者と関わってゆくことができるのか、を追求したいと思い、自分の新しい表現方法に挑戦しようと思いました。
また、昔からアートマネジメントやキュレーションといったことに興味がありましたが、それらは創作活動をしない限り、「芸術とはなにか」という問いに対して綺麗事でしかこたえてゆけないと感じていました。実際になにかをつくる、生み出すという行為を経験する事で、どのように芸術と関わってゆくかという自分の選択肢も広がると考え、志望しました。

新美にしようと思ったのはなぜですか?
体験が楽しかったからです。

一次試験小論文受験ですが、予備校での対策はどのように役立ちましたか?
様々な文献に出会えました。一時的な試験対策というよりは、多様なまなざしから書かれた文章を読むことで自分の内側にあった思考が浮き出てくる事を実感したり、ハイコンテクストな読む力が身についたと感じます。

予備校での講評はKさんの制作にどのような影響を与えましたか?
自分でも気づいていなかった、私の中にあった一貫したひとつのテーマや、興味の根底を掘り起こすことに導いて頂きました。

個人資料ファイルを制作するプロセスで予備校はどのように役立ちましたか?
文章と作品のバランスの判断や、作成から提出までの流れは1人では絶対に不可能だったため、1からのサポートが本当に助かりました。

総合実技はどのような試験であると捉えて取り組んでいましたか?
一次試験からの一貫したテーマに気づいて、さらにそのテーマに対する問いとなるものへどのように自分なりの表現で返答できるか、という力が求められているのだと思います。

予備校で印象に残っていることなどあれば自由にどうぞ。
受験生同士の空気感もよく、お互いの制作を見て自分と異なる考え方や感じ方を生身で感じることができました。特にロビーで展示することができた機会は自分にとってとても大きな体験になり、制作することへのモチベーションにもなりました。

それでは、先端芸術表現科でした(画像はKさんの総合実技と小論文の1部になります)

大宮、新学期授業も順調にスタート。

暖かい日が多くなってきました。春の嵐もありました。花粉や黄砂もありました。春の風物詩も時代によって変わってきますね。そういうのも楽しんでやっていきましょう。

ena美術大宮です。

そうです。今年度から名称が変わったのです。新宿美術学院からena新美に変り、さらにena新美からena美術に変わりました。色々とご意見はあるかとですが、今後は「ena美術」を広めていくように頑張っていきます。大宮校はこれから「ena美術大宮」という名称になります。よろしくお願いいたします。

さて、ena美術大宮も新学期が始まっております。

講師もよく一緒に描いています。

デザイン・工芸科のアトリエも華やかになってきました。

Twitterもぼちぼち進んでいるので、ぜひフォローしてみてください。

天気が良いととても気持ちの良い場所です。虫がちょっと多めなのが気になる点ですが…おおむね気持ち良いです!まだena美術大宮に来たことない方は、ぜひ校舎見学してみてくださいー。

では、また次回にー。