月別アーカイブ: 2019年5月

映像科:「映像って何?」を考えるための図書の紹介

こんにちは。映像科です。
今週の木金日コースでは「映像」と認識される様々な表現や技術についてのレクチャーや課外授業を予定しています。というのも一口に「映像」と言っても指している対象は幅広く、映像科の学生も(講師も?)「映像って何ですか?」というストレートな質問を投げられると、一瞬固まってしまうことがあります…。興味ある分野に限らず、映像を使って表現する人は「映像とはこういうもの」という自分なりの考えを持っておきたいものですね。
今週の授業の詳しい内容はまた機会があれば紹介しますが、今回はそうした「映像って(そもそも)何?」ということを考える上で参考になりそうな図書をいくつか紹介してみようと思います。しかし紹介する上でいつも困るのは、映像が技術的につねに更新されてゆくこと。必然的にある程度新しい情報に触れることが必要になります。もちろん内容的に古びない本も沢山ありますが、今回はこの1〜2年くらいに出版された本限定で選んでみました。

・『インフラグラム 映像文明の新世紀』港千尋/講談社選書メチエ
・『アニメ制作者たちの方法 21世紀のアニメ表現論入門』高瀬康司など/フィルムアート社
・『ヴァナキュラー・モダニズムとしての映像文化』長谷正人/東京大学出版会
・『スクリーン・スタディーズ:デジタル時代の映像/メディア経験』光岡寿郎など/東京大学出版会
・『現代写真アート原論「コンテンポラリーアートとしての写真」の進化形へ」』後藤繁雄など/フィルムアート社
・『ホンマタカシの換骨脱胎:やってみてわかった!最新映像リテラシー入門』ホンマタカシ/新潮社
・『インスタグラムと現代視覚文化論』レフ・マノヴィッチ/BNN
・『ゲームする人類-新しいゲーム学の射程』中沢新一など/明治大学出版会

やや難しそうに感じる本も入れてありますが、手に取ってみて自分の興味と繋がりそうな部分から読んでみることをおすすめします。

画材と仲良くなろう!!Pebeoワークショップ☆

こんにちは、油絵科です。
日曜日、記事の上げ方がわからないという失態…1日遅れてしまいました(◞‸◟)

今回は6月8日土曜日に行われるPebeoワークショップ(ミクストメディアセミナー)についてです。Pebeoってなんだ?という方も多いと思います。Pebeoとはフランスの創立100周年を迎える画材メーカーさんです。
何故今回新美でワークショップをしてもらうことになったのか。
それはなんと言っても特殊で楽しい素材にあふれているから!

受験まで時間のある今の時期、難しいことを考えずただただ素材の美しさ面白さを知って、少しでも画材との距離が縮まればと思っています。

女子美、造形大などで行われた、Pebeoワークショップの様子がこちら↓↓↓

皆さん中山智介先生の実演を食い入るように見てますねー。

美しい!この画材も当日さわれるかな?

マットピュブ、ヴィトラーユ、またパミスストーンモーター、ファンタジームーンにファンタジープリズムなど魔法の名前かな??と思うような未知の画材盛りだくさんです。
油絵科が中心の参加となりますが、アクリル系画材の説明から始まり、ミクストメディアへ移っていくので誰でも楽しめる物になっています!申し込んだ人は当日をお楽しみに〜(^ ^)

画材と仲良くといえば、過去の合格者で、絵の具を固く練りすぎてペインティングナイフでは混ぜられず、まるで陶芸でも始めるかのように手で絵の具を捏ね出した人、泡立て器で絵の具を攪拌しだした人、和紙をチミチミさきだした人、様々な生徒がいました。(もちろん全員がそうではこまるのだけど!笑)皆それはそれは真剣!!真剣なら真剣なほど見てて面白いのですが(笑)

一昨年の現役合格をした女の子で、油はぬるぬる~とした質で楽しく描けるのに、デッサンになると突然、『描写しなきゃ!!』っと、カチンコチンになってしまう子がいました。
とても苦しそうにデッサンを描いていたので、自分の好きなテクスチャーに寄せられるよう素材の使い方を伝授したところ、眉間にシワを寄せながら描いていたはずのデッサンを、『楽しい!!』と笑顔で描くようになりました。
木炭と仲良くなってからは、良くなり方のスピードが凄かったのが印象的です。
そしてそのまま見事に芸大現役合格!!
今の時期から皆さんも画材と仲良くなるためにフットワーク軽くいきたいですね!

今回のPebeoワークショップは完全内部向けですが、6月16日(日)には内外問わず参加できる)無料のワークショップがあります。各科で実施され毎年豪華な内容になっています。
今年の油絵科は下地について。下地材って色々あるけどなんなんだろう…効果あるの…そもそも下地って何…とピンと来ていない人は必見です!
油絵科ツイッター(https://twitter.com/shinbiabura)新美HPで随時情報は更新していくのでチェックしてみてくださいねー。

彫刻科 近況

彫刻科講師の氷室です。
GWも過ぎ、一気に集中する時期に突入ですね!
暑くなって来ましたし梅雨にも入りますから、無理はせずしっかり体調の管理にも気をつけて行きましょう。
今のうちに色々挑戦し、夏を迎えたいたいです!

さて、
GWに彫刻科では、小川原主任のアトリエ見学会を開催しました!
アトリエは大きく何棟か分かれており、色んな作家さんが借りられています。
主任の歴代の大作の数々も保管されており、圧巻でした!!
また、自らブロンズ鋳造ができる環境を作られており、その作業場の改良の経過なども話を聞くことができ、とても刺激になりました。
(凄すぎて、気が遠くなりました・・)

少しアトリエの空間のご紹介を。

こんな自然の中にあります。

主任のアトリエです。

電気窯もあります。

フォークリフトがあるアトリエも珍しいです。いいなあ。

主任の作品も大切に保管されています。

こちらは、色々な作家さんが借りられているアトリエスペースです。

BBQ!お天気に恵まれ、お腹いっぱい食べました!

小川原邸の敷地を存分に活かしての花火も!

暑い中でしたが楽しい1日になりました!

また、GW明けの授業では、スライドを使って生徒各自の展示鑑賞の発表会&情報交換会を行いました。
持ち時間15分前後で、観てきた展示名・作者や背景について、感想(どの点が気になったか、または気にならなかった点は素直に)を発表してもらいました。
写真や画像を準備して、しっかりとまとめてきてもらっており、なるほどな!そう言う鑑賞の仕方があるのかと私も勉強になり、非常に興味深い貴重な時間を過ごすことができました。
戦争画の展示や奈良の仏像、絵画の展示作品まで、最初に想像していたよりも、広範囲に及ぶ内容でとても充実していました。
みなさん、ありがとうございました!

さて、ここからは最近の優秀作品の紹介です。


とても良く観察できています!ヘルメスの特徴を余すことなく拾えており、魅力のある1枚です。いい作品ですね。


髪の毛はもう一歩ですが、首から頭部のねじれや右腕を上げている所の動きがしっかり感じられ、強さがある1枚ですね。


ラオコーンの持つ大きな張りやボリュームが柔らかい炭で表現されており、その対比が目を引きます!断面の形がしっかり感じられますね。


光や空間、動きや描写、全てを絡めとり、それらを上手いバランスで組み立て画面にアウトプット出来ています!

自刻像です。

形を感じるためには影の存在がとても重要です。
その影の使い方が上手です。人を見る→それは骨格が土台になって居る事が良く分かる作品です!


色々な挑戦の上に重なって起き上がってくるテクスチャーが、魅力的です。
追って追って、気が付くと、粘土と言う素材が形になる瞬間。何とも言葉に出来ない良さがあります!

手の塑像

一番身近にありながら、なかなか難しいのが手です。
比率やバランスが取れており、ねじれて行く動きも違和感なく観察できており、何より手の質感までもが感じられる作り込み、上手いですね!!

こちらは、自主課題での制作。
お互いを作り合う、友人像です。
自刻像では把握し辛い奥行きも見やすくて勉強になりますよね。


鼻から頬骨を通って耳を触り、後頭部に抜けて行く空気を、きちんと感じながら作れている作品だなと思います!
この空気感を出せる様になると作品がより強くなります。

Yさんの作品


髪の毛のボリュームを粘土で作って行くのは難しいのですが、うるさくならずかつ魅力的に表現出来ているのは、ベースがしっかり観察できていることと、作者の持っているセンスを感じます。

この2作品までの完成度があると、もう予備校の範囲を抜けて行く感じがします。
日々、自分の限界を越えて行きたいと闘っている中で生まれてくるこの様な作品は、宝だと思います!
今、この時にしか出せない魅力も詰まっています。
こういった作品に出会わせてもらえると、私も嬉しいです。

6月から夏期講習までのこの時期は
制作や生活においてでも良いですし、些細な事でもいいので、昨日とは違ったチャレンジをして
どんどん研究していってみて下さい!

芸大デザイン総合コース

こんにちは。

5/26(日)好評だった前回に引続き、平面構成ゼミ(レイアウト)を開催します。

構成とは何か?

モチーフの特性を引き出し、その魅力をどのような配置、レイアウトで表現すればどのように伝わるのかの実践です。シンプルなモチーフでレイアウトに特化した講座です。デモスト制作のプロセスも大変勉強になります。ぜひご参加下さい。

 

 

5月の制作風景の一部です。

一人1卓石膏顔面静物デッサン課題:それぞれ石膏顔面を選び、卓上に組みデッサンしました。

 

 

石粉粘土模刻彩色課題:模刻したのち彩色しました。試行錯誤し、充実したプロセスで学ぶことが多かったように思います。なかなかの完成度です、9F廊下に展示しています。

 

■パーフェクト描写ゼミ①花編課題:ガーベラの着彩をしました。花の構造の解説と描写プロセスの確認プリント、歴代の花の再現作品や参考作品の解説、デザイン科と工芸科のデモストと一緒に制作し、描写の実際を体感しました。描写に特化した課題で、整理して制作出来たのではないでしょうか。

芸大デザイン科講師デモスト2人 薄塗と厚塗りで

パレットも観察:チューブの色のチョイスから調色と水分量、筆への含ませ具合、画面への量の置き具合と手さばきなど。

芸大工芸科講師デモスト

■日本画、工芸、デザイン合同石膏デッサン課題:ただいま1週間合同で石膏特訓です。各科のデッサンの質の共通することや差異を、講師それぞれの指導や生徒みなさんの作品制作プロセスを通して深めていきます。モチーフの観察と表現を繰り返ししています。

 

鹿児島での実技講習会。

新宿美術学院では、様々な近郊・遠方の高校などから依頼を受け、実技講習会や入試説明会を開催しています。

5月は、鹿児島県で実技講習会が行われました。「鹿児島市高等学校美術春季講習会」、200名を越える生徒が集まり、かなりの熱気のこもった講習会となりました。生徒達の真剣な眼差しを見て、こちらもそれに応えなくてはなかないと、改めて背筋を伸ばして指導にあたりました。

実技指導だけでなくデモンストレーションや描写講義、そして大学進学の相談や、実技上達の悩みなどの相談も同時に受け付けし、あっという間に時間が過ぎていきました。教えたいことはまだまだあり、やりきった感は足りないなという思いでしたが、時間の許す範囲内で全力を尽くせたのではないかと思っています。

今回の指導で上達のきっかけや、更なるやる気ををゲットして頂けたら幸いです。

新宿美術学院の実技講習会・説明会のご用命がありましたら、ぜひご相談ください。日程等の調整で開催の検討をさせて頂きます。