アーカイブ

彫刻科 近況

彫刻科講師の氷室です。
GWも過ぎ、一気に集中する時期に突入ですね!
暑くなって来ましたし梅雨にも入りますから、無理はせずしっかり体調の管理にも気をつけて行きましょう。
今のうちに色々挑戦し、夏を迎えたいたいです!

さて、
GWに彫刻科では、小川原主任のアトリエ見学会を開催しました!
アトリエは大きく何棟か分かれており、色んな作家さんが借りられています。
主任の歴代の大作の数々も保管されており、圧巻でした!!
また、自らブロンズ鋳造ができる環境を作られており、その作業場の改良の経過なども話を聞くことができ、とても刺激になりました。
(凄すぎて、気が遠くなりました・・)

少しアトリエの空間のご紹介を。

こんな自然の中にあります。

主任のアトリエです。

電気窯もあります。

フォークリフトがあるアトリエも珍しいです。いいなあ。

主任の作品も大切に保管されています。

こちらは、色々な作家さんが借りられているアトリエスペースです。

BBQ!お天気に恵まれ、お腹いっぱい食べました!

小川原邸の敷地を存分に活かしての花火も!

暑い中でしたが楽しい1日になりました!

また、GW明けの授業では、スライドを使って生徒各自の展示鑑賞の発表会&情報交換会を行いました。
持ち時間15分前後で、観てきた展示名・作者や背景について、感想(どの点が気になったか、または気にならなかった点は素直に)を発表してもらいました。
写真や画像を準備して、しっかりとまとめてきてもらっており、なるほどな!そう言う鑑賞の仕方があるのかと私も勉強になり、非常に興味深い貴重な時間を過ごすことができました。
戦争画の展示や奈良の仏像、絵画の展示作品まで、最初に想像していたよりも、広範囲に及ぶ内容でとても充実していました。
みなさん、ありがとうございました!

さて、ここからは最近の優秀作品の紹介です。


とても良く観察できています!ヘルメスの特徴を余すことなく拾えており、魅力のある1枚です。いい作品ですね。


髪の毛はもう一歩ですが、首から頭部のねじれや右腕を上げている所の動きがしっかり感じられ、強さがある1枚ですね。


ラオコーンの持つ大きな張りやボリュームが柔らかい炭で表現されており、その対比が目を引きます!断面の形がしっかり感じられますね。


光や空間、動きや描写、全てを絡めとり、それらを上手いバランスで組み立て画面にアウトプット出来ています!

自刻像です。

形を感じるためには影の存在がとても重要です。
その影の使い方が上手です。人を見る→それは骨格が土台になって居る事が良く分かる作品です!


色々な挑戦の上に重なって起き上がってくるテクスチャーが、魅力的です。
追って追って、気が付くと、粘土と言う素材が形になる瞬間。何とも言葉に出来ない良さがあります!

手の塑像

一番身近にありながら、なかなか難しいのが手です。
比率やバランスが取れており、ねじれて行く動きも違和感なく観察できており、何より手の質感までもが感じられる作り込み、上手いですね!!

こちらは、自主課題での制作。
お互いを作り合う、友人像です。
自刻像では把握し辛い奥行きも見やすくて勉強になりますよね。


鼻から頬骨を通って耳を触り、後頭部に抜けて行く空気を、きちんと感じながら作れている作品だなと思います!
この空気感を出せる様になると作品がより強くなります。

Yさんの作品


髪の毛のボリュームを粘土で作って行くのは難しいのですが、うるさくならずかつ魅力的に表現出来ているのは、ベースがしっかり観察できていることと、作者の持っているセンスを感じます。

この2作品までの完成度があると、もう予備校の範囲を抜けて行く感じがします。
日々、自分の限界を越えて行きたいと闘っている中で生まれてくるこの様な作品は、宝だと思います!
今、この時にしか出せない魅力も詰まっています。
こういった作品に出会わせてもらえると、私も嬉しいです。

6月から夏期講習までのこの時期は
制作や生活においてでも良いですし、些細な事でもいいので、昨日とは違ったチャレンジをして
どんどん研究していってみて下さい!