日別アーカイブ: 2014年6月8日

今週はいい作品が多く出ました2

こんにちは。彫刻科の小川原です。今日しばらく放置していた作品に手を付けました。ほぼ完成状態だったのであとちょっとだったのですが、もうすぐ終わる!という安心感と、ちょっと間が空いてしまったことによる気持ちの離れから結構な時間が経ってしまいました。複数の作品を同時並行的に進めていたので、どうしても時間の割き方のバランスが取れなかったです。結局メインの作品に目をかけてしまうわけですね。作品は無事完成しました!なんかほっとしてます(笑)

さ、前回に続いて作品を紹介していきます!
自刻像。
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隅々まで観察が行き届き、説得力のある作品になっています。自刻像は鏡(平面)を見て立体におこすので、どうしても複雑な形が追いきれずに甘くなりがちです。日頃から筋骨が与える表皮への影響を研究しておくことが必要不可欠です。さらには自刻像は「自分自身」がテーマであるので、自分の内面性を形に置き換えるということも考えられると作品にさらに高い価値が生まれます。そういった意味では模刻的な形合わせに一生懸命になるだけでなく、作品の内面性を感じ取り、足りないと感じるものを探していくのも大切なことと言えます。

石膏デッサン。円盤投げ。
Y.M君の作品。
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量感も動きも全体の印象も円盤投げの持つ魅力に迫れていて、迫真に迫る内容の作品です。素直に、謙虚に対象を追った結果と言えるでしょう。やや白側のグラデーション、特にハイライトが不足している為に鈍さが目立ちます。最後まで作品としてデッサンをコントロールしきれるよう理想的な完成のビジョンを持てるようにしましょう。

T.U君の作品。
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2列目から描きました。この位置は動きや厚みを出すのが難しく、円盤投げの中で最も難しい位置と言えるでしょう。そんな中でかなりの精度が出せているので作者の実力の高さが伺えます。今回の作品に関しては手前の脇から脚にかけての陰の調子がべったりしてしまい、やや具体性を欠いてしまったのがもったいないです。陰の中での調子の変化についてはさらに意識を高く持って取り組めると良いです。

Y.S君の作品。
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やや首が長いものの、状態を後ろに傾け、伸びている印象がとても良く出ています。色は独特で多くの作品が並んだときに目立ってくるのが良いですが、形の抵抗感はやや弱めです。色と形が相互に関係し合えるような表現が目指せると良いです。

R.Y君の作品。
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調子の幅の広さが作品のリアリティを高めることに一役買っています。質量感を感じることも魅力的です。腰より下は良いのですが、回り込みの仕事がやや浅く、背中までの断面の厚みが足りなく感じてしまうのがこの位置から描く円盤投げとしてはもったいないところです。あと、口が2mm上に上がると印象が合います。集中して描いていると何が合っていて何が違うのか分からなくなりがちですが、常に客観的な目(普通の目)で見れるようになるとデッサンにおいて印象を外したり、何かの要素が足りなくなったりしなくなるので常に一定以上の評価が得られるようになります。最終的な作品性に関しては本人の意思を詰め込んでいくことが必要になるのでそこは「見たまま」以上に「狙い」や「目的」が必要です。

T.F君の作品。
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見上げたスケール感が良く出ています。胴から腰、脚までの調子のコントロールが断面の量感や印層をしっかり捉えられていてとても魅力的です。反面肩から頭部にかけては探りが非常に浅く、実態感が感じられません。画面全体で一つの世界観をつくっていくと言う意味ではやや仕事がばらけてしまっているのがもったいないところです。とはいえ作品からは他の人には無い魅力を感じます。
放課後T.F君が体を張って上半身裸で円盤投げのポーズ解説をしてくれました。ちょっと違ったような気もしますが、石膏像のポーズを自分でしてみるのは理解を深めると言う意味で重要です。(写真をブログに載せてくれと本人の強い希望がありましたが割愛します。)さ、1学期も後半戦!気合いを入れていきましょう!!

先端科卒業生の活躍

 こんにちは、先端科です。今日は、これから東京で開催予定の展覧会をひとつ紹介したいと思います。

 ところで、芸大先端科に興味をもっている人に一番よく尋ねられるのは、「先端芸術表現科って一体どういうところなの?」という疑問です。芸大の先端科とは?新美の先端科とは?ということについては前回のブログでも書きました。そちらも是非参考にしてもらいたいのですが、前回が理論編だとするなら今回は実践編です。

 事実、芸大先端科は種々様々な方法で自分なりの作品のかたちを模索しているひとたちが集まっています。そのような集団を一言で要約することはなかなか容易ではありません。しかし考えてみれば、それは先端科という集団に限ったことではなく、「美術」あるいは「アート」と言われる領域そのものがもっている定義のしづらさと、それほど大きな違いはないとも言えます。「たまたま出会ってなんとなく面白そうだなと思ったものが、ちょっと調べたてみたらどうやら<現代美術>と呼ばれているらしい」というように、何かに興味をもつということは、何か具体的な経験が先にやってくる場合のほうがむしろ多いのではないでしょうか?

 芸大先端科の人たちがどういうことをやっているかを実際にみることが出来る機会は、毎年12月に取手で開催される学部1年生から3年生までの成果展『取手ARTPATH』と、1月の『卒業・修了制作展』の2つがあります。ただ、最近先端科のことを知って興味をもち、今年の受験を視野に入れたいと思っている人にとっては、時期的に少し遅いかもしれません。そこで今日は、芸大先端科の卒業生の活躍を実際にみることが出来る展示を紹介したいと思います。

 渋谷と本郷にあるトーキョーワンダーサイト(TWS)で今月14日から始まる展覧会『トーキョー・ストーリー 2014 第二期』に、芸大先端科を2012年に終了した潘逸舟さんが参加しています。(HP:http://www.tokyo-ws.org/archive/2014/05/s0614.shtml

ちなみに潘さんは新美の卒業生でもあり、インスタレーションから映像、パフォーマンスにいたるまで、一貫して領域横断的に制作を続けている作家です。さらに、渋谷会場では芸大先端科准教授である小沢剛先生の作品も観ることができます。

 卒業生に限らず在校生でも、たとえばコンペに応募したり、展覧会や上映会を開いたり、だれかと共同でプロジェクトを始めたり、学外に活動の場をひろげていくケースは実はリアルタイムでいくつも起こっています。このブログでも機会をみて紹介できればと思いますが、どこかで情報を見かけたら、実際に足を運んでみるのもよいと思います。

 最後に、新美の先端科では、今月22日(日)に夏期講習会のプレイベントとして、映像科との合同オープンスクールを企画しています。先端科と映像科の合同授業は今回がはじめての取り組みで、私たち講師陣も楽しみにしています。先端科に興味を持っている人、映像科に興味を持っている人はもちろん、大学や科は決まっていないけど映像や写真を使った表現に興味を持っている人も、ぜひ参加してみてください。(パンフレットPDF:http://www.art-shinbi.com/open-s/images/20140622/leaflet.pdf

入試情報 ムサビの入試が変わります。

こんにちは。進学情報センターです。美大受験の諸々の情報を集めたり、ひそかに分析などをしています。

さて、ムサビの平成27年度入試の変更点が発表されました。(武蔵野美術大学HP参照)
細かい部分でかなりの変更が出ていますので、受験生は早めにチェックしましょう。
正確な情報は必ずムサビHPまたは募集要項でご確認ください。以下は参考までに。。

全受験生に関わるところとしては、一般方式の「国語」の出題範囲が【国語総合(古文・漢文を除く)】となっています。古文がなくなるそうです。センター方式の「国語」も【『国語』近代以降の文章のみを評価】となります。
またセンター方式で選択できる教科・科目が大幅に変わっています。ほとんどの学科専攻で6教科29科目より2教科・2科目選択になるそうです。(建築学科は若干異なります)

その他、芸術文化学科の専門試験の選択肢に「鉛筆デッサン」が追加されたり、などなどあります。映像学科や基礎デザイン学科でも専門試験選択科目の変更があります。

さらにセンター試験のみで受験ができる「センターB方式」が建築学科、基礎デザイン学科、映像学科、芸術文化学科の4学科で実施となるそうです。

募集人員も一般方式とセンター方式の人数比が変わる学科があります。
このあたりは志願者数や実質倍率で大きな影響が出そうですので、要注目です。
フタを開けて見るまでは分からないのですけどね。。

センター方式は新指導要領に伴う「数学」「理科」の試験科目・出題範囲の変更などもありますので、出願の際間違えないように!

次の週末、6月14日(土)、15日(日)はムサビのオープンキャンパスです。
HPを見て分からないことなどは、ぜひ直接聞きに行ってください。