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今週はいい作品が多く出ました2

こんにちは。彫刻科の小川原です。今日しばらく放置していた作品に手を付けました。ほぼ完成状態だったのであとちょっとだったのですが、もうすぐ終わる!という安心感と、ちょっと間が空いてしまったことによる気持ちの離れから結構な時間が経ってしまいました。複数の作品を同時並行的に進めていたので、どうしても時間の割き方のバランスが取れなかったです。結局メインの作品に目をかけてしまうわけですね。作品は無事完成しました!なんかほっとしてます(笑)

さ、前回に続いて作品を紹介していきます!
自刻像。
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隅々まで観察が行き届き、説得力のある作品になっています。自刻像は鏡(平面)を見て立体におこすので、どうしても複雑な形が追いきれずに甘くなりがちです。日頃から筋骨が与える表皮への影響を研究しておくことが必要不可欠です。さらには自刻像は「自分自身」がテーマであるので、自分の内面性を形に置き換えるということも考えられると作品にさらに高い価値が生まれます。そういった意味では模刻的な形合わせに一生懸命になるだけでなく、作品の内面性を感じ取り、足りないと感じるものを探していくのも大切なことと言えます。

石膏デッサン。円盤投げ。
Y.M君の作品。
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量感も動きも全体の印象も円盤投げの持つ魅力に迫れていて、迫真に迫る内容の作品です。素直に、謙虚に対象を追った結果と言えるでしょう。やや白側のグラデーション、特にハイライトが不足している為に鈍さが目立ちます。最後まで作品としてデッサンをコントロールしきれるよう理想的な完成のビジョンを持てるようにしましょう。

T.U君の作品。
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2列目から描きました。この位置は動きや厚みを出すのが難しく、円盤投げの中で最も難しい位置と言えるでしょう。そんな中でかなりの精度が出せているので作者の実力の高さが伺えます。今回の作品に関しては手前の脇から脚にかけての陰の調子がべったりしてしまい、やや具体性を欠いてしまったのがもったいないです。陰の中での調子の変化についてはさらに意識を高く持って取り組めると良いです。

Y.S君の作品。
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やや首が長いものの、状態を後ろに傾け、伸びている印象がとても良く出ています。色は独特で多くの作品が並んだときに目立ってくるのが良いですが、形の抵抗感はやや弱めです。色と形が相互に関係し合えるような表現が目指せると良いです。

R.Y君の作品。
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調子の幅の広さが作品のリアリティを高めることに一役買っています。質量感を感じることも魅力的です。腰より下は良いのですが、回り込みの仕事がやや浅く、背中までの断面の厚みが足りなく感じてしまうのがこの位置から描く円盤投げとしてはもったいないところです。あと、口が2mm上に上がると印象が合います。集中して描いていると何が合っていて何が違うのか分からなくなりがちですが、常に客観的な目(普通の目)で見れるようになるとデッサンにおいて印象を外したり、何かの要素が足りなくなったりしなくなるので常に一定以上の評価が得られるようになります。最終的な作品性に関しては本人の意思を詰め込んでいくことが必要になるのでそこは「見たまま」以上に「狙い」や「目的」が必要です。

T.F君の作品。
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見上げたスケール感が良く出ています。胴から腰、脚までの調子のコントロールが断面の量感や印層をしっかり捉えられていてとても魅力的です。反面肩から頭部にかけては探りが非常に浅く、実態感が感じられません。画面全体で一つの世界観をつくっていくと言う意味ではやや仕事がばらけてしまっているのがもったいないところです。とはいえ作品からは他の人には無い魅力を感じます。
放課後T.F君が体を張って上半身裸で円盤投げのポーズ解説をしてくれました。ちょっと違ったような気もしますが、石膏像のポーズを自分でしてみるのは理解を深めると言う意味で重要です。(写真をブログに載せてくれと本人の強い希望がありましたが割愛します。)さ、1学期も後半戦!気合いを入れていきましょう!!