日別アーカイブ: 2014年6月4日

友人像制作

工芸科講師の高澤です。昼間部では、6月3日より4日間で友人像の制作をしています。

今回友人像制作にあたり、彫刻科小川原先生にご指導いただきながら

みな楽しく制作しております。

DSC08050

作り出しの説明。

 

 

DSC08058

2日目の様子です。

 

木彫作品制作1 足の荒彫り終わり。腕の荒彫りへ。

こんにちは。彫刻科の小川原です。彫刻科ってツナギを着ているイメージがあると思います。でも僕はこのツナギがダメなんですよね。全部の重さが肩にかかってくるので疲れるし、あとしゃがんだりするとき背中が引っ張られる感じがあって。意外に動きにくいです。なので僕は予備校生の時からほとんど作業着は着ずに、デッサンも塑像も服を汚さず作品をつくる力を身につけました。という話を友人にしたら、「だとしても舞ってる粉とかついて汚いじゃん」と一蹴されました。
それはそれとして作業着は着古した上下別のものが一番だよね!と言うのが僕の持論です!
さて、今回は僕の制作状況の報告です。前回は脚が形になってきたところでした。その続きです。

足を荒彫り。
IMG_0215
これで立ちの印象は概ね決まってきました!足はとにかく重心を決めるのが難しいです。粘土のように後でグイグイ動かせたらいいんですけどカービングでは一発勝負です!

次に腕に入ります。左腕の先は今つけてしまうとそれが邪魔になって脇や胸が進められなくなってしまいますが、右腕は問題ないのでこの時点で寄せ木しておきます。
まずは腕用の材を丸太から切り出すところからです。
IMG_0220
次に材をちょうどいい太さ(後で削るので当然太め)にさらにカットします。↓下の写真のものをさらに半分に。
IMG_0221
二の腕への接合部にはダボ(丸棒)を入れて強度を高めます。その為の穴をドリルで面に対して垂直に空けます。
IMG_0224
材を台に乗せて角度を確かめます。
IMG_0222
接着剤をつけてラッシング(ラチェット式のベルトかしめ)で固定します。接着剤はボンドが理想なのですが、木が生なので乾くのに何週間もかかります。それだと作業が進まないのでエポキシ接着剤と言う化学反応で硬化する接着剤を使用します。この接着剤は主に硬化時間が5分型、30分型、60分型、90分型と4種類あります。厳密に言うと硬化時間が早いほど強度が弱いのでよほど急いでなければ90分を使います。エポキシはカチンカチンに固まるので鑿には良くないですが、作業効率はとてもいいです。ただしエポキシはボンドより歴史の浅い品物なので、長期保存(例えば100年とか)を考えた場合にどんな劣化が出てくるかは未知数です。ボンドは仏像なんかの保存修復にもバンバン使ってるし、信頼度は厚いです。安いし。
IMG_0225

IMG_0228
この後胴と左腕を中心に彫り進めました。
IMG_0624
次回から右腕もどんどん削ってきます!僕のアトリエはもちろん冷房が無いので夏は地獄ですが、暑い中木槌振りまくってるのもそれはそれで健康的ではあるかもしれないです(笑)