こんにちは。ena美術新宿 先端芸術表現科です。
大学もいよいよ始まりましたが、合格体験記をさらに頂いたのでブログの方で紹介いたします。
過去の合格体験記はこちらから!
2023年度体験記その1 その2 その3
2022年度体験記その1 その2 その3 その4
今回は一浪で小論文受験で合格されたSさんの体験記になります!
一次試験について
浪人したての私の小論文には自意識の強さ故の「余裕かましてる感じ」が顕著に現れていました。しかし授業や講評を通して、その余裕は全く大切ではないことに気がつきました。私の書いた小論を読む教授は決して敵ではありません。先端の小論で問われているのは「この人はこの課題文を読んでどんな事を考え、そしてどんな興味の所在を更新したのか」ということだと思います。だからそれに対してこちらは精一杯の切実さを持って、ある種愚直に応答すればいい。私はこういう人間でこういう事を面白がっているという風に。そこに余裕かましてる感じは必要ありません。課題分中での言及を背負いながら答えるべきところをきちんとした場所に置いてくれば、後から余裕がついてくる。いい小論文がどんなものなのかを理解するのには時間がかかりましたが、きちんと予備校に通い量を解けばそれも自ずとわかるはずです。
ファイルについて
ena美にきてまず初めに良かったと思ったのは、講師が個人資料ファイルの事をポートフォリオと呼ばなかった事です。それにより、作品集的なものを作らなければならないと思い込んでいた現役の頃の肩の荷が下りたような気がしました。個人資料ファイルという呼び名にこだわるという事はつまり、作品未満のものや作品を作る前段階を掲載しても全く問題ないという事です。未完成な作品達にはきっと可能性が潜在しているはずです。そういうものを見せる事、自分の中でまだはっきりとしない興味や関心を無理やり言語化してしまうのでは無く、それを源泉のまま吐き出してみる、そういう態度で起こりうる容態を観察する事が私にとってはとても大切だったのです。作品を言語にすることと言語にしてから作品を作ることは大きく違います。自分の言葉で責任で身体で、一体この世界のどこまでの領域を語れるのか、それを強く意識したからこそ私のファイルにはいい塩梅のナードさとそれに伴う可能性があって気に入っています。
最後に
私がena美の授業を通して1番印象に残っているのは一次試験前日の夜に講師に言われた「豊かさを奢るな」という言葉です。今だからこそ思えることではありますが、2年間の私の先端受験はある意味この言葉に象徴されていたように感じます。小論や総合実技の対策だけに終始していると段々と出涸らしのようになってしまいます。私は浪人が始まってから夏期講習でena美に通い始めるまで、ひたすら図書館で本を読んだり映画を観たりする期間がありました。それは私に豊かな蓄積を産んでくれました。たくさんの文化資本に触れられるからこそ、そこで得た豊かさを振り翳すのではなく、しっかりと自分のものにすること。それが自信につながるのだと思います。本当の最後に半年間一次試験の指導やファイル、制作の相談、メンタルのケアまでしてくださった講師の方、ありがとうございました。こっからも頑張ります☆彡
最後の「☆彡」がとてもSさんらしい文章で、素敵な体験記でした!
Sさんは現役の時は他の予備校で対策し、浪人生の夏期講習から参加し9月以降も受講を継続して無事に合格しました。最初から文章の構築自体はできていましたが、少しだけ地に足がついていない文章になっていて、そのことが最後の文化資本をめぐる省察にあらわれているところだと思います。毎回の講評会では、こちらにとっても言語化を新たに更新しないといけないような形式の制作を多くもってきており、とても刺激的で楽しい時間でした。ファイルにそれらをまとめるときに、どのようにして自分の興味とともにファイルという形式でそれらの制作を提示できるのかという点が難しかったと思いますが、最後にはとても素晴らしいファイルができていたと思います。本当にお疲れ様でした。
新学期は4月13日(土)から始まります。現在、本科生の申し込みは継続中です。
遠隔にお住まいの方は、オンライン教育でも先端芸術表現科は受講可能です!こちらも詳細など希望ありましたらいつでもお問い合わせください!
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新学期授業の無料体験(1週分)の申し込み。無料体験では受講生と同じ課題を同じ講評で行いますので、普段の教室での様子や講評の様子が知りたい方はぜひご活用ください!
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それでは先端芸術表現科でした(画像は今回体験記をいただいたSさんの総合実技の再現になります)