月別アーカイブ: 2014年10月

本日はワークショップ

先端科です。

本日はワークショップをおこないました。
お題は秘密ですが、リサーチと制作を兼ねたワークショップで、それぞれの作品制作の幅を広げるようなものになったと思います。

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こんにちは。通信教育です。

ただいま、9月タームの作品を添削中です。

台風が続き、すっかり気温も下がって寒くなってきましたね。

夏が終わって、今年も志望校別の公開コンクールが盛んに開催される季節がやってきました!

通信教育を受けている学生のみなさまも、土・日・祝日に行なわれる公開コンクールに参加してみてはいかがでしょうか。実際に他の受験生(内部だけでなく外部生も)の作品を見られる絶好のチャンスです!毎年公開コンクールを受けた受験生から多数の方が芸大、多摩美、武蔵美への進学を決めています。

通信教育は、講師と1対1のやりとりで作品添削を行なっていきます。年間を通じて丁寧な個別講評をできるのが通信教育の良い部分ではありますが、なかなか他の受験生と一緒に課題をすることが難しいところ。できるだけ参加して、普段とは違った良い刺激を受けて頂けたらと思います。

通信教育ではこちらからお送りする課題以外にも、志望校に合わせて制作された自主課題にも講評をしています。受験生はそろそろ志望校も確定してきている頃かと思いますが、課題以外で制作した作品も是非通信の方へお送りください。

気温の変化も激しい時期ですが、風邪をひいたりしないよう、体調には気をつけて制作していきましょう?!

 

 

 

秋の校外授業

写真 1

こんにちは。工芸総合コースの松井です。写真は講師の酒井先生&トンボです…

台風も上陸…すっかり夏の余韻を吹き飛ばされてしまいましたね。

工芸科は9月の校外授業をホキ美術館にて行なってきました。各自の描写に対する目標をもっともっと高く意識してもらえればと。新宿から2時間、簡単に行ける距離ではないこともあり、ほとんどの学生が初来館。

写真 5

静物画のリアリティーにみんな衝撃を受けた様子。小さく唸り声をあげつつ、描写力に圧倒され、鑑賞終了。

このレベルを目標に掲げ頑張れば受験レベルを軽く凌駕です。

午前中で作品鑑賞を終え、午後は隣の昭和の森公園でBBQ。

写真 4

来月はもう公開コンクール!どれだけ成長できたか楽しみです

 

季節は秋 

彫刻科の氷室です。 季節は秋 私は大好きな栗をせっせと煮ては食べ、食欲の秋を堪能しています。

みなさんセンター試験の申し込みは無事に終わりましたか? いよいよこれから!と言う時期ですね。

さて、一昨日と昨日の連休に、新美の彫刻科で公開コンクールが行われました!!IMG_10131 IMG_10132 (コンクール結果上位のメンバーへの受賞式が行われました)

台風が近づく中、外部から参加して下さった皆様、ありがとうございました。さすがだな!と感心させられる作品があったり、現役生が上位へ食い込むなど、内部生のみんなには特に刺激になったことと思います!結果をそれぞれ考えながら、気持ちを新たに1つ1つの課題を大切に、さらなる高見を目指して切磋琢磨していきたいですね!!!

ここからは作品紹介です!

デッサン・塑像においての課題は共に、どう観察するのか? その観察力を鍛える課題だとおもいます。たとえば新宿駅の人混みを歩く時、自然に人とぶつからない様に先を読みながら歩く、自然と身についていることですが、これも空間の観察力だと思います。また、先日作品展示のために1週間、栃木のとあるお家に滞在してきたのですが、そこでの共同生活においても、お風呂掃除や食器の片付けなど自分に出来る事を探す、こんな事も観察力だなと実感しました。デッサンや模刻ではみんなで共通のモチーフを描いたり作ったりするのですが、その人がどう物事を捉えているのか、その人の生き様が現れてきますよね。全ては妥協のない観察からです!!ちょっとでも、なんとかなるかな?なんて言う気持ちが出て来たら、その小さな積み重ねが、、、なんて言う結果になるのは皆も経験済ですかね。

R.Y君のデッサンIMG_876411 頭部の傾いてくるボリューム感、腕の動き、アゴ周りなど惜しいですがそれ以上に作者の視点や光の落ちてくる雰囲気が感じられる1枚です。とても大切な要素ですね!

T.U君のデッサンIMG_1002 形への執着を持って、空間や動きにアプローチが出来るのは実力のある証拠です。さらにはジョルジョの難しい表情も臨場感を持って表現できています!レベルの高い言い切りのある1枚です。素晴らしい!!

A.SさんのデッサンIMG_10021 光の印象が綺麗で空間をも取り込めています。鼻や目や耳の印象が動きにハマっていないので、惜しいですね。精度を上げていきたいところです。

同じくA.SさんのデッサンIMG_10022 最近のデッサンには安定感があり、彫刻としてモチーフを捉えていく強いデッサンが印象的です。量感を感じてここまで持って来る力はあるので、影側の形や顔も丁寧に描けると最高です!

こちらは模刻です T.U君の作品IMG_10042 IMG_1004 円盤は普段中々作らない像なので難易度の高いモチーフですが、印象を大事にできています。欲を言えば、さらにおでこから頭部にかけての形態感のベースがしっかり見えて来ると良いですね。

K.S君の作品IMG_10043 形態のベース感じさせながら、しっかり印象を合わせられています。ベースと作り込みのバランスを作者が強く意識できている証拠です!粘土付けも柔らか過ぎず固過ぎず、塑像の魅力が感じられます。

K.S君のデッサンIMG_10071? 奴隷の重たさを感じさせる黒が、チラつくことなく使えています。自分の持つイメージを比較的綺麗に表現出来たのではないでしょうか。細部にも手が入りつつボリュームをしっかり感じさせてもらえる1枚です。

A.HさんのデッサンIMG_10072 独特な描き込みのリズムで、立脚側に体重がかかってくる円盤の迫力を感じます!逆光側の暗さの中にも形を探って行く姿勢が丁寧で自然さがあります。良さが先に見えてくる、それも自信につながる要素です!

T.U君のデッサンIMG_10073 円盤の腕を引いている動き、伸びと縮み、構造がしっかり見えてくるデッサンです!背骨が感じられるデッサンは、そうお目見え出来ません!形一つ一つをとっても考えながら描かれています。作者の力を感じます。

R.Y君のデッサンIMG_10074 床に座り、視点を少し下げて描いたデッサンです。モチーフと近いのでバランスを取るのに苦戦していましたが良く描き上げてきました!やや台座のパースが劇的ですが、こう見えている!という形の説得力があり、円盤らしい腕を引いているスケールを感じます。

こちらは自画像素描ですIMG_1008 説得力があり、完成イメージをしっかりと持って取り組めた1枚です。そこに本人が居るかの様な空気が表現出来ています。体の描き方がかっこ良いですね!顎下の明るさや鼻立体感がやや気にはなりますが、何より意志の強さを感じる素描は見習いたいです!

Y.M君のデッサン?IMG_1010 明確なデッサンです!ジョセフの髪の毛に風があたっている様な空気感も感じます。かつ、色味で消えてしまいがちな首の形も追求してあり、実力を感じます!

T.U君のデッサンIMG_10101 ややハッチングが気にはなりますが、逆光側の臨場感や奥行きを感じる1枚です。余白の部分に手が入って行きそうです!前髪や手前に見える髪の毛はもう少し描きたかったですね。惜しい!

こちらも自画像素描ですIMG_101010? 本人の雰囲気をとても良く表現できていると思います!!願わくば肌の色味が欲しい!なんて欲張ってはしまいますが、丁寧に描かれたこの素描を見ていると、今しか描けない大事な作品の様にも感じます。眼差しを感じる秀作だと思います!

K.S君のデッサン IMG_1112 首から髭周りの空間が固く、奥の布の色味が単調にも感じますが、普段なかなか出番の少ないミケランジェロ、そのモチーフをここまでの理解力で描けると言うことは自信につながりますね!

T.U君のデッサンIMG_1011 これも同じく手前のハッチングが気になりますが、光の状況を綺麗に作れています。奥行きのあるデッサンですね!視点が分かり易く、この石膏像を見たことが無い人にも、こう言う石膏像なんだよと伝えられる気がする、そんなデッサンです。

さて今回の作品紹介はここまでです。

 

おまけでもう1枚

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私が先月参加した野外展、茂木里山アートフェスタにての作品です。

足を運んでもらった皆さん!本当にありがとうございました!!嬉しかったです!!!

次回のブログ更新は10月28日です! 内田先生にバトンタッチーーー!

 

 

故郷に流れる遺伝子

こんにちは。油絵科の関口です。
今週も台風が直撃ですね。2週連続で来るのはちょっと勘弁してもらいたいものです。

 

さて、今日はこの作品から見てもらおうと思います。作者が誰か分かりますか?
ヒント:この作者はエコール・ド・パリの画家で、イタリア人です。?15歳のデッサン
これは自画像という事なんですが、顔立ちには まだあどけなさが残っています。彼がこれを描いたのは何と15歳!日本だと中学3年か高校1年の年齢ですね。しかもデッサンを勉強し始めたのが14歳の頃とか。こんなのを描き始めて1年目の子に描かれたら、周りの人は嫌になってしまいますよね?

さて、僕がこの作品を見て特に感心するのは、顔の描写力はさることながら、この身体の表現の素晴らしさです。客観的な観察力というのは、訓練である程度何とかなるものだと思っていますが、この省略の仕方やタッチの使い方は観察だけではどうにもならないものです。よくぞここで筆を止めたものだと思います。完全に脱帽です。作者は素晴らしい感性を持った子供だったんですね。

さあ、勿体ぶってしまいましたが、そろそろ答えを言いましょう。
この作品の作者は夭折の画家、モディリアーニ(1884?1920年)です。ありゃ、デッサンにサインが入っていたのでバレバレでしたね(笑)。

 

さてモディリアーニというと、目の青いこんなタイプの絵を思い浮かべる人が多いと思います。モディリアーニらしい作品

以前モディリアーニの作品を見ていると「誰かの作品に似ているな?」と漠然と思っていました。最初は誰の作品に似ているか、ハッキリと分からなかったのですが、ある時ピンと来ました。
タマゴ型の頭に流線形にデフォルメされたその身体・・・僕が結びつけたのは、前回このブログでも取り上げたボッティチェルリでした。

類似作品
どうですか?作風はかなり違いますが、横に比べると結構近い感じがしませんか?

 

ところで、僕が新美の講師を始めた頃、海老澤先生がボッティチェルリの図版を出してきて「ボッティチェルリの作品は、目の高さが段違いになってるのが多いんだけど、身体全体で見ると全く違和感を感じさせないんだよね。身体の動きに合わせて高さを変えてあるから、目の高さを合わせると、逆に凄く変になっちゃうんだよね」と教えてくれました。

ヴィーナス顔1
実際よく見てみると、かなり段違いになっているんですが、言われてみるまで全く気付きませんでした。恐らく皆さんも今まで気になった人は殆んどいないんじゃないでしょうか?
当時はパソコンなど無い時代でしたので、海老澤先生はハサミで図版を切り抜いて試したものと思われます。確かに顔だけでよ?く見ると変な気もしますが、絵全体で見ると全く違和感を感じません。

段違いの目
段違いコレクション(ボッティチェルリ編)
※前回のブログで「ボッティチェルリの作品は殆んど日本に来ない」と書きましたが、一番右の絵は東京都美術館で12月14日まで見ることができます。次に日本に来るのはいつになるか分かりませんので、興味のある方は是非見に行って下さい。ちなみにこの作品はカンバスにテンペラで描かれています。
http://www.tobikan.jp/exhibition/h26_uffizi.html

 

さて、もう一度モディリアーニの話に戻りましょう。どうですか、この段違い!ボッティチェルリに負けず劣らず、かなりずらしていますね。

段違いの目
段違いコレクション(モディリアーニ編)
気が付かなかった人も多いと思いますが、実は上の帽子をかぶった絵も、よく見るとかなりの段違いっぷりです。段違いに気付かなかった人は、もう一度スクロールして確認してみて下さい。

 

モディリアーニはイタリア人として生まれて、フランスで活躍した画家ですが、遥か故郷の画家を尊敬し、時空を超えてその遺伝子を受け継いだ…と考えると、ちょっと面白いと思いませんか?