月別アーカイブ: 2014年10月

建築写生

建築科講師の荘司です。

今日は葛西臨海公園で建築写生でした。朝から天気もよく建写日和!!
描いたのは谷口吉生設計のクリスタルビュー。全面ガラス張りの巨大な建物で、外から見ると後ろの風景が見えて、とってもかっこいいのです!

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ですが描くのはかなり難しく、生徒は苦戦していました笑。
講評のときにはみんな不完全燃焼で疲れ顔をしていましたが、『完成させて持ってきます!」という声も聞いたのでモチベーション高く描いてくれているんだな、と安心。
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勉強も大変な時期で、青空の下に1日いることなんてあまりないと思うので、いい休憩になったと思います、、、

秋の受験科訪問

こんにちは、基礎科日本画講師の佐々木です。

すっかり肌寒くなり、季節は秋になってきたのだなあと感じます。
受験生にはちょっと、焦りを感じる季節でしょうか。

と言いますのも、先日、デモンストレーターとして受験科に参加してきたのです。
普段は基礎科の講師として教えていますが、去年からこの時期に、昼間部で着彩のデモスト、指導と講評をさせてもらっています。

今回の課題はケイトウ、ステンレスピッチャー、カリフラワー…などなど、描きごたえたっぷりのモチーフでした。
日本画の着彩は、二日間(計11時間)かけて描き上げる持久戦ですが、のんびりしているとすぐに時間がなくなってしまいます。描き出す前のイメージと戦略、それをやり切る根性、両方を兼ね備えないと完成させることができない課題だなあと、つくづく思います。

そんなことを考えながら、完成した作品がこちら。

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本当に生徒と同じ時間できっちり描きましたが、とても疲れました…。
様々な質感のあるモチーフなので、それが綺麗に出るように、楽しみながら描きました。

なぜ、基礎科の先生が受験科に?と思われるかもしません。
受験科には、高校生の時に基礎科で見ていた生徒もいるので、その時からの癖、逆に成長したポイント等、昔から知っているからできる指導があるのです。
初めて合う生徒も、基礎科の先生なので、受験科の先生には恥ずかしくて今更聞けないようなことを聞けてしまったり…。
受験科と基礎科の行き来をしやすくすることで、いろいろな視点から自分を確認できるようになればいいな、というおもいから、この毎年恒例のイベントは行われています。
(ちなみに、基礎科生も、よく受験科におじゃまして、よりレベルの高い絵を見させてもらっています!)

当日の様子をちょこっと紹介。

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デモストだけではなく、私が受験生だった頃のノートを見たり、思い出話を聞いたり。
臨場感のある受験のイメージも、想像できたでしょうか。
みんな興味津々で話を聞いてくれました。

そのときの様子は、後日、日本画受験科のブログにもまた紹介されるようですので、そちらも合わせてご覧ください。

そして。
基礎科の生徒も、今週は専門課題で着彩をしていました!

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基礎科といえども、もうすぐ高3。
受験生になるんだという気合も充分で、どんどんのびています。

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完成作品はこちら!

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着彩に石膏像というすこし難しいモチーフでしたが、しっかりかけています。
それぞれの質感や光の流れも表現出来はじめていますね。ガラスのお皿の表現など、ほんとうに綺麗です。

そろそろ冬期講習の受付も開始しています。
日本画、ちょっと気になるけど難しそうだな、無理そうだな、なんて思わず、気になったらまずは描いてみましょう。
高校二年生は基礎科に、三年生は受験科に。一人一人をしっかりと見て指導していくので、ひと冬でぐんと力がつきますよ。初心者でも、安心して描きに来て下さい。
やりたいことに一歩、踏み出していきましょう!

デザイン・工芸夜間部

デザイン・工芸夜間コース

今週9階 芸大デザイン・工芸科を目指している生徒さんの様子です。

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平面構成 1日目 夜間芸大デザインコース

平面構成1日目

平面構成 1日目 夜間工芸コース  DSC09619DSC09624

現役生は初めて描くモチーフばかりで毎回新鮮ですね。3日目になると絵の方は

段々と仕上がり上達してきています。

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デザイン科 では 想定の水の入った容器をデザインする課題でした。容器のデザインやガラス、水の表現など、決断の連続ですね。

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デッサンもこの絵くらい上達して描けると良いですね。

映像科:金土日コースの近況とおすすめ展覧会

こんにちは、映像科の森田です。直前のお知らせということになってしまいますが(というかこの記事をアップする金曜日が申し込みの締切日ではあるのですが)12日・13日は映像科の公開コンクールが開催されます。映像科では毎年武蔵野美大映像学科の模擬試験を行っていますが、今回は受けられないという人のためにも少しコンクールの内容を紹介しておきます。また次回のブログでは公開コンクールの問題を解説しながら、最新の武蔵美映像学科の対策についてもお伝えする予定です。お楽しみに!

■【実技/必須】
○感覚テスト(150点/3時間)…与えられたテーマから創作する問題です。B3画用紙に絵と文章によって表現します。去年のテーマは「近づくにつれて」というキーワードでしたが、さて今年はどうでしょうか。

■【選択科目/小論文と鉛筆デッサンから選択(実際の試験では数学を選択することもできます)】
○小論文(150点/2時間)…工業製品などのモチーフを観察したことをきっかけとして書く内容になってします。
○鉛筆デッサン(150点/3時間)…こちらも工業製品を中心とした基本的な鉛筆デッサンですが。
*なお、ここ数年の過去の出題では、小論文と鉛筆デッサンのモチーフが一部共通することもありました。

■【学科】
○国語・英語(各100点)…今年から出題に変更があることが発表されています。詳しくは武蔵美のWebで見てみてください。

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ところでそんな映像科生やすべての美大受験生におすすめしたいしたいのは、9月27日から東京都現代美術館でやっている『AROUND MICHEL GONDRY’S WORLD ミシェル・ゴンドリーの世界一周』展です。ミシェル・ゴンドリーは元々はミュージック・ビデオの制作で有名だった人ですが、2000年代以降は映画監督としても活躍しています。映像科の授業でも「記憶をビジュアル化している映像作品」のひとつとして初期の映画『エターナル・サンシャイン』を紹介したことがあります。

今回の展覧会はミュージック・ビデオの代表作19作品を見られるインスタレーションと、映画に使われた大道具や小道具、そしてゴンドリーのドローイングなどが展示されていますが、ある意味で展覧会のメインになっているのが、展示会場のセットを使って実際に映画を作ることができるワークショップでしょう。期間中の水・土・日曜日と祝日に行われているらしく、事前に予約すれば誰でも申し込めるようです。そんなこととは知らずに観に行ったのがちょうど水曜日だったのですが、さすがにワークショップの風景は載せられないので、展示されているセットのうちのいくつかだけ撮影してみました。

展示スペースへの入り口はこんな感じ。美術館の中に突如ちょっとレトロなレンタル屋が現れます。
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路地裏(?)のセット。グラフィティやブロック塀の汚れもリアルです。
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電車に乗っているシーンも撮れちゃいます。写真ではわかりづらいですが、車窓は液晶モニタになっていて、昼/夜、都会/郊外などの操作も可能。
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キャンプのシーン。楽しそうですね。
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派出所と、奥には取調室的な部屋もあり。
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ワークショップがない日もこれらのセットは入ったり写真を撮ったりできます。興味を持った人はぜひ実際に行って見てみてください!(来年の1月4日までやっているようです!)

デザイン科総合コース ―イベント課題ー

デザイン科総合コースの滝口です。
10月に入って、いよいよ秋が本格的になって来て、秋と言えば公開コンクール等の各種イベントも開催ですね。
芸大の公開コンクールは、10/26がデッサン、11/2と3が平面構成と立体構成となります。皆さん奮ってご参加ください!!
http://www.art-shinbi.com/contest/images/2014contest.pdf

今回は、9月の行った課題ですが、デザイン科総合コースのイベント課題の作品を少し紹介したいと思います。昨年度から行っていますが、上野にある各種施設(上野動物園、国立博物館、科学博物館)にそれぞれ1日取材に行き、そこから各自テーマを見つけての制作を、1週間かけて行います。
といっても、この取材は実はもう9月初めなので、もう1ヶ月も経ってしまっていて、夏の装いがある作品もありますが、とっても素晴らしい作品も生まれたので、是非紹介を。
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こちらのH君の作品は、動物園の取材から生まれた作品で、本人曰く動物園の取材中、とんでもないくらい沢山の蚊に遭遇してしまい、かつ丁度都内ではデング熱が騒がれていて、その時に蚊取り線香が動物の形をしていたら面白いんじゃないかという視点を見つけたそうです。
素晴らしい着眼点とともに、デザイン科に求められる自分の体験や感じた所からアイデアを生み出せる力は、受験作品を超えた作品や商品のプレゼンテーションになっていると思います。
もし本物が売っていたら、買って行きたいですね。
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火の着いた所も再現していて、リアリティーもありますね。
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こちらのYさんの作品も動物園がテーマですね。とても長くて大きな作品で、動物たちの棲むアパートの楽しいイラストレーションです。まるで、現代のノアの箱船みたいで力作です。色彩もとても豊かで1つ1つのイラストも物語があって、細かく見ても楽しめる内容です。

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こちらのTさんの作品も動物園がテーマですね。立て掛けている檻が立体的になっていて、そこに動物の眼と人間のイラストが差し替え可能となってます。イラスト同士の関係性や立体の檻との関係等も考えられていて、かつしっかりとしたデッサン力もあり、上手さとアイデアが融合しています。
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こちらのUさんの作品も・・・みんな動物園のテーマが多いですね。
空間を含んだ立体イラストレーションで、遠近感を巧みに利用して表現されています。ちょっとした色の変化(ピンクや黄色)が個性的な夢のような世界を演出しています。外形の形もとってもオシャレですね。
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こちらのHさんの作品は、科学博物館のマンモスの化石ですね。一部分がカラーになっていますが、実は・・・
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刺繍が施されています。ちょっとした工夫が、作品を実に豊かに引き立ててくれます。
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その他にも様々な作品がありました。こちらはNくんの作品で、科学博物館には零戦の実物もあったんですが、それを針金とスチレンボードで構造から再現。とてもマニアックな視点で、小さいながらも凄い存在感があります。
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デッサンもありました。こちらはSさんの作品です。デッサンは、石膏や静物等のモチーフを自由に組んで大きなサイズ(こちらはA0サイズでしょうか)で制作しています。時間をかけて描いて行く行程も色々と勉強になると思います。
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先月の課題になりますが、10月過ぎからいよいよ試験に向う意識も高まって行く時期になると思います。その一歩手前でこうした自分の視点を少し広げてみて、予備校という場ではありますが、自分の視点を見つけてみるのも良いと思います。

あと私ごとですが、僕(滝口)は写真家としても活動をしていますが、今度アメリカの出版社でLittle Big Manというところから、僕の写真集が発売されます。
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タイトルの「窓」の文字は、アラーキーこと荒木経惟さんに書いてもらいました。日本の書店では、ごく僅かな写真集専門店しか置かれる事はないかと思いますが、是非機会があったら手に取って見てもらえたらと思います。
元となる作品は、Canonの写真新世紀2004で荒木経惟さんから受賞頂いた作品がきっかけとなっています。
また、今週の10/10?13日までで、恵比寿にあるEarth & Saltという芸大のデザイン科生も
多く利用するスペースで、個展も開催します。
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写真展 滝口浩史「狭間_窓_」
2014年10月10日(金)→ 10月13日(月)11:00 → 19:00
Earth & Salt カフェギャラリー: 〒150-0012 東京都渋谷区広尾2-2-18