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今回の油画夜間ブログは多摩美推薦入試合格体験記です!

3月頭のブログにて、武蔵野美術大学の推薦入試の合格体験記を載せましたが、今回は多摩美推薦入試です。

昨今推薦入試の倍率需要はどんどんと上がっており、大変難しい試験形態になります。受けるなら本当に覚悟が必要…。3月17日に無料の推薦入試説明会が行われましたが、各科だいぶ覚悟が必要な話をしていました。

4月の7日にも改めて推薦入試説明会が行われます。そこには大量の合格者のポートフォリオなど設置されていますので、推薦入試を検討している人は春から急いで動き出して下さいね!

では今回は2名分の合格体験記を記載しますので、すごく長い記事になりますが、是非受験生のリアルな挑戦の記録をお読みいただければと思います。

【多摩美術大学油画推薦入試 合格体験記①】

油画科夜間部 細川佑子

私が推薦を受けた理由は、私自身のためだった。  自分について知りたかったし、チャレンジしたかった。私を見てくれる試験だからそこで上手く伝えられたら今よりも私になれると思った。

推薦入試を受ける中で1番楽しかったのはポートフォリオ作り。自分の絵をまとめてみるとやっぱり好きなところが沢山あって嬉しかった。また、まだまだ行けるなーと思えた!これは、頑張りのスイッチに繋がったと思う。

整理して、どんな形で私の作品を見せようか考えていると、どんどんやりたいこと、楽しいことが出てきたから時間は絶対に必要だと思う  予備校の先生とか、友達とかポートフォリオを見てくれる人がいたのが、モチベーションになっていた。イラレについて学べたのも良い機会だった。

面接は、初めのうちは上手く話す私の理想像に頭の中で固執しすぎていたかも。 思った事を私の納得出来る形で伝えられないことも、こんな私を試験官がどう思うかも不安だった。無理に当てはめようとしすぎたことで、少し苦しかったのかもしれない。

私は心の真ん中にある事の話をすると詮が取れてドバーっと涙がでることがある。これで混乱、不安が加速し収集がつかなくなる。最初は本当に訳も分からず泣きながら面接をしていた。

入試前日の面接練習でまあいっか!と諦めがついてからは気楽になった。 私が話したいことでいいんだなーと納得した 。すごく話すのが楽しくなる、 本当に人が聞いてくれること、絵と私について話せることが凄く楽しかった!

頭の中で焦らずにのんびり考えを回して素直に答えるようになった。ようやく自分のペースで相手とのやり取りを楽しむ余裕を作ることって大切だなと気づけた。

何故か泣かなくなった。

試験当日はすごく晴れていて空気もよかった。 ワクワクしながら電車に乗った 、少し乗り過ごしたけど大丈夫だった。集合時間1時間前に着いて、のんびりしたらあんまり緊張しなかったので良かった 。自分の楽しい気分を切らさないように焦らずいれたのがきいたと思う。

言うことは言うぞ!と思って、前向きに話せたことは良かったんじゃないかな。楽しく話したけど、内容は結構くちゃくちゃになっていたかもしれない。 教授の反応がうかがいうかがいって感じでよく分からなかった。

結果推薦入試をやって本当に良かったなと思っている。私について、知れたことがやっぱり嬉しくて、私ってこんなに楽しめる人間なんだーと思えた。時間の中でやることをやる経験になったし、なんか行けー!みたいなパワーがついた。

この中で意外と色んな人との関わりがあって、それも凄く嬉しくて良い事だった。

【多摩美術大学油画推薦入試 合格体験記②】

油画科夜間部 阿部夏苗

《準備したこと》                ◆ポートフォリオ◆

夏頃から手をつけ始めたポートフォリオが一番時間がかかりました。                 今ある作品の写真を一旦全部撮影、写真加工、載せたい作品をリストアップ、レイアウトを決める、印刷して確認を繰り返す・・・などなど、当初自分が思っていたよりもやることがたくさんあって驚きました。

とはいえ日頃から画集のレイアウトやフォント、製本などに興味があったのでとても楽しみながら制作できたと思います。

最初は文字を打って入れていたところを先生からアドバイスを受けて自分の手書きの字に差し替えたり、レイアウトにドローイングを入れてみたり、だんだんポートフォリオが私自身に近づいていく感覚が楽しくて波に乗ってくると、もうこだわったもん勝ち!私だけの画集を作ってやりますよ!の気分になっていきました。

完成した時は完全に心酔してたと思います。自分のポートフォリオに。

それぐらいお気に入りの一冊ができると、面接に対する気分も上がってきて受験自体がかなり楽しくなりました。

◆面接◆

私は教授に自分の口から絵の話がしたい、という理由で推薦での受験を決めました。

高校受験の時の面接とはかなり違って、返答をきっちり準備するのではなく、自分の中にある考えの筋をしっかり通して、それを相手に伝わりやすく話す練習を重ねました。

元から考えを飾るようなタイプではなかったので、質問に対してはわりと柔軟にバカ正直に返すことができたと思います。

面接って言葉が少し堅苦しいので、自分の作品をテーマにした相手との対話だと思うようにしたら自然な考えが口から出やすくなりました。

私は自分の作品について相手に伝えようとするとありえないぐらい涙が出てくるタイプの人でした。慣れたら治るかな〜と思って色々試しましたがあまり効果がなかったので、諦めて最初の練習から本番までずっと大号泣面接で貫き通しました。

しっかりとした受け答えをするためになにかを押さえ込むよりも、もういくとこまでいけ!の気持ちで泣きながら話した方が自分から出てくる言葉の純度が上がった気がするので、これはこれでよかったかなと思っています。

◆やってよかった!◆

ポートフォリオ・志望理由書・面接への準備の過程で、自分について理解を深める時間をたくさんとれたことです。

また、自分の中に潜在的にある考えを相手に伝えるために言語化することも繰り返し行いました。すごく難しかったですが、新たな視点から自分を見つめ直す良い機会になったと思います。

ポートフォリオ・ドローイングファイル作りも、普段の制作よりものびのびと自分のやりたいように進めることができたので、楽しかったです。