日別アーカイブ: 2024年3月24日

ena美術新宿 先端芸術表現科 合格体験記その1

こんにちは。ena美術新宿の先端芸術表現科です。
今回は今年度合格した方の合格体験記第1弾になります!今回体験記を書いてくださったKさんは、一浪で無事に合格されました。一次試験は素描受験となります。


私は、高校2年生の春に先端芸術表現科の受験を決めて対策を始めました。高二から現役までは、他予備校に通っており、浪人生になった時に、友人から勧められて、ena美術の講師の方と面談をしました。面談をしてみて、不安症な自分とちゃんと向き合って、一年間通えるように感じ、ena美術に決めました。ena美術では、今まであった受験時の運要素を無くして、確実な実力で受かっていけるように手厚く指導をしていただきました。

一次試験対策について
現役の時は、一次試験の素描の実力も努力も足りていなかったように感じます。ena美術に入ってからは、主に素描に力を入れていました。現役の時は、素描において、何が分かっていて何が分からないのかが分からずにいて、なんとなくで描いていました。
予備校では、そのわからないことを漠然とでもいいから、講師に相談して、少しずつ解決していきました。それは描き方だったり、意識的なことだったり様々でした。ちょっとしたことでも、真摯に講師の方々が言語化して教えてくれたので、安心して描いていけるようになったと思います。感謝です。
また、素描は、緊張や不安でうまく描けない時も多く、自分の中でルーティンを決めて描いていました。ガムを噛んだり、エスキースのサイズはいつも同じにしたりと、自分の心を落ち着かせるため様々なことを実践していました。

制作について
私は、現役までに多くの作品を作っていたものの、何が好きで作っているのかわからずにいました。しかし、浪人生になってからは自由に好きなことをやろうと思い制作をしていました。制作というよりかはやってみようみたいな軽い感覚で作って、また考えて制作をしていくみたいなスタイルでした。とりあえず手を動かして完成までさせていくことを、自分ルールとして決めて、制作をしていました。
結果的に受験が近づくに連れて、自分の考えていることが明確になっていき、過去作も、振り返りながらファイルにまとめることができました。

講評会について
月に一回講評会で作品を見せる機会があり、その時々に完成していたものを見せるようにしていました。講評会を重く捉えず、やっていることのお披露目会として活用してました。講評会でも面談の時でも、講師の方々には自分が何に興味があるのかを、様々な観点から聞き出して掘り出してくれました。自分でもわかりえなかったことが、講師の方々と話すことで浮かび上がっていきました。感謝です。

浪人生活はどう過ごしたか。
浪人生活中はアルバイトをしながら、都内だけでなく地方や韓国の美術館に行ったりと、約45個の展示会に行きました。自分の表現方法が凝り固まらないように、多くの作品を見ていました。また、お金がない時は、美術館の図書館に篭って色々な美術図書を読んだり、作家のウェブサイトを見ていました。美術に限らず、YouTubeで見たライフハックが制作に生かされていたり、画集で見た構造が総合実技に生かされてたりします。自分の記憶に残らなくても、無意識な引き出しとして出せるように、インプットすることを大切にしていました。

個人資料ファイルについて
ファイルはポートフォリオだと思わずに、今までの活動報告書として考えていました。自分がどんなことを考えて、今後していきたいのかがわかるものであれば、どんなものでも載せていいと捉えて作りました。
私は、作品数が多かったので、20ページという限られたページ数で、作品ごとのページ割合にとても悩みました。載せる作品や載せる順番によって、分かりづらくなってしまうので、講師と何度も相談して作り直していました。また、私は講評会や面談時に考えたことや、自分の思考をまとめていたメモが、ファイルの文章を考えていく中で役に立ちました。最終的には自分が後悔しない私らしいファイルができたと思います。

1年を振り返り印象に残っていること
予備校で行ったワークショップでカリフォルニアロールを紙で作った時に、カリフォルニアロールが全ての制作に通ずると言われたことが印象に残っています。その後、講師に何度もカリフォルニアロール論を書けと言われて、とても困っていました。なぜカリフォルニアロールが好きなのか、カリフォルニアロールの良さを、どう感じているのか上手く言語化できず、何度もテキストに起こそうとしていました。
二次試験後の面接対策の時に、講師の一人が一年の締めくくりのまるで名言のように、カリフォルニアロール論を唱えて、思わず涙が出てきてしまいました。

来年の受験生に向けて
一次試験は周りに上手い子がいても挫けず、自分にとって1番の素描を作り上げていければ、上達していきます。懸命にena美術に通いましょう。
制作においては、先端芸術表現科は、いい意味でなんでもありなので、無理に作品という形にせず、自由に制作をしていってほしいです。色々言われても自分のやりたいことを信じて熱心に 制作をしていけば、自分が何を求めているのかわかっていきます。やらない理由を探すより、まずやってみるだけで制作は進んでいくので、まず手を動かして制作してみてください。
何かわからない、進まないということがあったらena美術の講師に相談すればいいです。とても手厚く、生徒一人一人をちゃんと考えて、一緒に考えてくれます


Kさんのカリフォルニアロール論に関するファイルの抜粋も、合格者再現展示では公開される予定なので、興味のある方はぜひ足を運んでみてください!Kさん合格おめでとうございます。これからの活躍も楽しみにしています。

さて、ena美術新宿の先端芸術表現科では、春期講習後期が、3月30日(土)から始まります。

こちらの申し込みは、28日(木)の18時までになるのでご注意ください。今年度の再現などもみせながら、先端の受験において大事なことを1から伝えていきますので、まだ予備校選びに悩んでいる方なども気軽に受講してもらえると嬉しいです。
https://www.art-shinbi.com/season/spring/shinjyuku/sentan/index.html

また、特待生の申し込みも受け付けております!
遠隔にお住まいの方で、移住して受験対策をされる方は遠割という制度もありますのでぜひご活用ください。
https://www.art-shinbi.com/about/scholarship/
https://www.art-shinbi.com/news/a8afab6c8edb49a7aae8b05e46c49ec1/(遠割の詳細はこちらから)。

それでは、ena美術新宿 先端芸術表現科でした。
(画像はKさんの一次素描と総合実技の再現になります)

今回の油画夜間ブログは多摩美推薦入試合格体験記です!

3月頭のブログにて、武蔵野美術大学の推薦入試の合格体験記を載せましたが、今回は多摩美推薦入試です。

昨今推薦入試の倍率需要はどんどんと上がっており、大変難しい試験形態になります。受けるなら本当に覚悟が必要…。3月17日に無料の推薦入試説明会が行われましたが、各科だいぶ覚悟が必要な話をしていました。

4月の7日にも改めて推薦入試説明会が行われます。そこには大量の合格者のポートフォリオなど設置されていますので、推薦入試を検討している人は春から急いで動き出して下さいね!

では今回は2名分の合格体験記を記載しますので、すごく長い記事になりますが、是非受験生のリアルな挑戦の記録をお読みいただければと思います。

【多摩美術大学油画推薦入試 合格体験記①】

油画科夜間部 細川佑子

私が推薦を受けた理由は、私自身のためだった。  自分について知りたかったし、チャレンジしたかった。私を見てくれる試験だからそこで上手く伝えられたら今よりも私になれると思った。

推薦入試を受ける中で1番楽しかったのはポートフォリオ作り。自分の絵をまとめてみるとやっぱり好きなところが沢山あって嬉しかった。また、まだまだ行けるなーと思えた!これは、頑張りのスイッチに繋がったと思う。

整理して、どんな形で私の作品を見せようか考えていると、どんどんやりたいこと、楽しいことが出てきたから時間は絶対に必要だと思う  予備校の先生とか、友達とかポートフォリオを見てくれる人がいたのが、モチベーションになっていた。イラレについて学べたのも良い機会だった。

面接は、初めのうちは上手く話す私の理想像に頭の中で固執しすぎていたかも。 思った事を私の納得出来る形で伝えられないことも、こんな私を試験官がどう思うかも不安だった。無理に当てはめようとしすぎたことで、少し苦しかったのかもしれない。

私は心の真ん中にある事の話をすると詮が取れてドバーっと涙がでることがある。これで混乱、不安が加速し収集がつかなくなる。最初は本当に訳も分からず泣きながら面接をしていた。

入試前日の面接練習でまあいっか!と諦めがついてからは気楽になった。 私が話したいことでいいんだなーと納得した 。すごく話すのが楽しくなる、 本当に人が聞いてくれること、絵と私について話せることが凄く楽しかった!

頭の中で焦らずにのんびり考えを回して素直に答えるようになった。ようやく自分のペースで相手とのやり取りを楽しむ余裕を作ることって大切だなと気づけた。

何故か泣かなくなった。

試験当日はすごく晴れていて空気もよかった。 ワクワクしながら電車に乗った 、少し乗り過ごしたけど大丈夫だった。集合時間1時間前に着いて、のんびりしたらあんまり緊張しなかったので良かった 。自分の楽しい気分を切らさないように焦らずいれたのがきいたと思う。

言うことは言うぞ!と思って、前向きに話せたことは良かったんじゃないかな。楽しく話したけど、内容は結構くちゃくちゃになっていたかもしれない。 教授の反応がうかがいうかがいって感じでよく分からなかった。

結果推薦入試をやって本当に良かったなと思っている。私について、知れたことがやっぱり嬉しくて、私ってこんなに楽しめる人間なんだーと思えた。時間の中でやることをやる経験になったし、なんか行けー!みたいなパワーがついた。

この中で意外と色んな人との関わりがあって、それも凄く嬉しくて良い事だった。

【多摩美術大学油画推薦入試 合格体験記②】

油画科夜間部 阿部夏苗

《準備したこと》                ◆ポートフォリオ◆

夏頃から手をつけ始めたポートフォリオが一番時間がかかりました。                 今ある作品の写真を一旦全部撮影、写真加工、載せたい作品をリストアップ、レイアウトを決める、印刷して確認を繰り返す・・・などなど、当初自分が思っていたよりもやることがたくさんあって驚きました。

とはいえ日頃から画集のレイアウトやフォント、製本などに興味があったのでとても楽しみながら制作できたと思います。

最初は文字を打って入れていたところを先生からアドバイスを受けて自分の手書きの字に差し替えたり、レイアウトにドローイングを入れてみたり、だんだんポートフォリオが私自身に近づいていく感覚が楽しくて波に乗ってくると、もうこだわったもん勝ち!私だけの画集を作ってやりますよ!の気分になっていきました。

完成した時は完全に心酔してたと思います。自分のポートフォリオに。

それぐらいお気に入りの一冊ができると、面接に対する気分も上がってきて受験自体がかなり楽しくなりました。

◆面接◆

私は教授に自分の口から絵の話がしたい、という理由で推薦での受験を決めました。

高校受験の時の面接とはかなり違って、返答をきっちり準備するのではなく、自分の中にある考えの筋をしっかり通して、それを相手に伝わりやすく話す練習を重ねました。

元から考えを飾るようなタイプではなかったので、質問に対してはわりと柔軟にバカ正直に返すことができたと思います。

面接って言葉が少し堅苦しいので、自分の作品をテーマにした相手との対話だと思うようにしたら自然な考えが口から出やすくなりました。

私は自分の作品について相手に伝えようとするとありえないぐらい涙が出てくるタイプの人でした。慣れたら治るかな〜と思って色々試しましたがあまり効果がなかったので、諦めて最初の練習から本番までずっと大号泣面接で貫き通しました。

しっかりとした受け答えをするためになにかを押さえ込むよりも、もういくとこまでいけ!の気持ちで泣きながら話した方が自分から出てくる言葉の純度が上がった気がするので、これはこれでよかったかなと思っています。

◆やってよかった!◆

ポートフォリオ・志望理由書・面接への準備の過程で、自分について理解を深める時間をたくさんとれたことです。

また、自分の中に潜在的にある考えを相手に伝えるために言語化することも繰り返し行いました。すごく難しかったですが、新たな視点から自分を見つめ直す良い機会になったと思います。

ポートフォリオ・ドローイングファイル作りも、普段の制作よりものびのびと自分のやりたいように進めることができたので、楽しかったです。