月別アーカイブ: 2014年6月

入試情報 ムサビの入試が変わります。

こんにちは。進学情報センターです。美大受験の諸々の情報を集めたり、ひそかに分析などをしています。

さて、ムサビの平成27年度入試の変更点が発表されました。(武蔵野美術大学HP参照)
細かい部分でかなりの変更が出ていますので、受験生は早めにチェックしましょう。
正確な情報は必ずムサビHPまたは募集要項でご確認ください。以下は参考までに。。

全受験生に関わるところとしては、一般方式の「国語」の出題範囲が【国語総合(古文・漢文を除く)】となっています。古文がなくなるそうです。センター方式の「国語」も【『国語』近代以降の文章のみを評価】となります。
またセンター方式で選択できる教科・科目が大幅に変わっています。ほとんどの学科専攻で6教科29科目より2教科・2科目選択になるそうです。(建築学科は若干異なります)

その他、芸術文化学科の専門試験の選択肢に「鉛筆デッサン」が追加されたり、などなどあります。映像学科や基礎デザイン学科でも専門試験選択科目の変更があります。

さらにセンター試験のみで受験ができる「センターB方式」が建築学科、基礎デザイン学科、映像学科、芸術文化学科の4学科で実施となるそうです。

募集人員も一般方式とセンター方式の人数比が変わる学科があります。
このあたりは志願者数や実質倍率で大きな影響が出そうですので、要注目です。
フタを開けて見るまでは分からないのですけどね。。

センター方式は新指導要領に伴う「数学」「理科」の試験科目・出題範囲の変更などもありますので、出願の際間違えないように!

次の週末、6月14日(土)、15日(日)はムサビのオープンキャンパスです。
HPを見て分からないことなどは、ぜひ直接聞きに行ってください。

今週はいい作品が多く出ました!

こんにちは。彫刻科の小川原です。梅雨ですね?。いかに濡れないように傘のポジションのコントロールに集中するんですが、結局背中や足下が濡れてげんなりしてしまいます…。
ところで彫刻科は石膏デッサンを木炭で描くのですが、僕は受験時代の入試直前の時期に木炭紙への木炭の乗りの悪さに困ったことがあって、当然自分の技術を全く疑うことなく(笑)何か別に原因があるんじゃないか!と考えたことがあります。その結果湿気不足と言う結論に至り、イーゼルにずぶ濡れのぞうきんをかけたり、周囲の床に霧吹きで水を撒いたものです。もちろん芸大入試当日も(笑)相当白い目で見られましたが、湿気の効果もあって両隣の人は無意識のうちにいつもよりいい作品になったことでしょう(笑)自分的には効果はあったように思いますが、実際描き比べをした訳ではないのでどれほど有効であったかは今でも不明です…。予備校で講師を始めてから生徒から乗りのいい木炭と乗りの悪い木炭の見分け方を教えてもらってからは湿気なんて全く問題なく乾燥してても描けるようになりました(笑)

そもそも木炭にはそれぞれナンバーが割り振られています。木の種類や木炭の製作行程によって描き味が変わるわけです。ただし同じ種類であっても全く紙に乗っていかないものなんかも混ざっていて、質にはばらつきがあり、買ったものから使いやすいものを選定していく訳です。見分け方を知りたい方は是非聞きにきて下さい(笑)カンタンすぎて笑ってしまいます!

さてそれでは作品の紹介に入ります!数が多いので2回に分けようと思います。
ヌードモデルデッサン。
T.U君の作品。木炭紙に鉛筆デッサン。うすだ

隅々まで行き届いた観察と、破綻無くコントロールされた調子にかなりのレベルの高さを感じます。コンスタントに結果を出せていて、なおかつ惰性で描いていないことが素晴らしいです。今回は木炭紙に鉛筆描きでしたが、彼の描写の特徴で、中盤以降H系の硬い鉛筆でベースを抑え込んでいってピタッとした形を表現する方法が木炭紙の質に合わず、木炭紙が負けて波打ってしまいました。木炭紙は普通の画用紙と違って描写が詰めていきやすいし、もともとマットに仕上げやすいので出来るだけB系からFくらいまでの鉛筆で探り切って、H系は最小限にとどめておいた方が良いかもしれません。画用紙のようにH系で抑えて抵抗感を出す。と言うのは向かなそうです。でもそれをしなくても形にしやすいと言う風にポジティブに考えて大丈夫だと思います。

自刻像プラス手
horaguti
ポーズに雰囲気を感じる作品です。顔の印象も柔らかく魅力的になりました。まだまだ首、肩、胸、髪など、表現として成り立っていない部分が多いのでどうしても荒削りな印象を受けてしまいますがもう少し技術を磨けばとても光る作品が生み出せそうです。どこまでやりきるのか、しっかり目標立てて取り組みましょう。完成した作品を早く見たくて僕はうずうずしています(笑)

3

saitou
自分の「手」ではない設定でつくりました。が、本当は自分の手としてつくってほしかったです(手首と肩の間に肘を想像しながら作品を見たかった)。それは抜きにして、柔らかく粘土の特性を生かした土付けと、自然な動きが魅力的な作品です。表情の弱さ(まだ生きている人間の精神を感じない)や切り口付近(こだわりが感じられない)の工夫が何とかなれば言うことは無いです。自分がここまで出来ればいいかなというレベルを常に越えていくことを目標として下さい。その為に工夫したり努力することを楽しめるようになるといくらでも上手くなれます。それが積み重なっていつかロダンを越える時が来るかもしれません!そう考えるとまだまだです!

IMG_6104IMG_6108
迫力のある造形感が魅力的な作品です。かなり全体に手が回るようになってきましたがまだまだ大味な雰囲気は抜けません。単純に丁寧に作り込む意識(密度を上げる)を高めることによって克服することも出来ますが、要点を絞って形を締めていく方法や、これ以上密度を上げることは考えずに、大きな構造の張り、締まりの展開を追求する方向性(彫刻的に形を分析し再構築する。現実と違ってよい)なども考えられます。形に緊張感を与えるコツが掴めるとガラッと見え方が変わってくるので是非テーマに加えてほしいです。

メディチの模刻。
K.S君の作品。IMG_6144
全体にわたってバランスやプロポーション、印象を合わせられています。荒付け段階から(狂いはあっても)メディチそのものを捉えながら進めることが出来たと思います。問題点は二つ。一つ目は全編通して作業の確実性が甘いところがあることです。そのために行ったり来たりするため、時間を効率よく使えていません。もう一つは作品のクオリティに対しての追求心の甘さです。まだその形の特徴が出せていない段階で完成としてしまっていることです。美術とは決められた答えが無く、無限に追求していくことが前提の学問なので、基本「終わり」は無いのです。例え受験生であっても「合格」を目標とせず、その先を目指して下さい。その結果「合格」は必ず貰える「ご褒美」のようなものなのです。

名言でた!と思った人、そんなの精神論でしょ?と思った人。まだまだですね(笑)作品の評価が数名の教授達の主観でしか無い以上、確実に合格する為にはいわゆる予備校が打ち出す「合格のライン」を目指していては足りないのです。(皆がそこを目指しているから)100点の答案で120点を出せるのが美術のおもしろいところで、皆が100点を目指してきわどい争いをしている中(大抵100点は取れない。ここが重要)、100点以上のことが普通に出来る人は余裕で合格を手にすることが出来るのです。
当たり前のことを話しました(笑)しかし真実でもあります。
芸大に入りたい!と思ったとき、多くの人は必至で努力することと思います。必至になってやれるだけやって、ギリギリで受かっていくのだと思います。でも現実には少数ながら全く苦労することなく余裕で受かっていく人も何人かいるのです。
苦労してギリギリで受かるタイプと、苦労せず余裕で受かるタイプ…。真逆ですね。
苦労しないで受かる人なんて、どうせ元から上手い人か、天才ってことでしょ?と思うかもしれませんが、実はそうではないのです。ここで話は戻りますが、苦労しないタイプの人は100点を越えることを目標にしている人たちのことです(100点に興味が無い)。どんな人かと言うと、「上達することが最大の目標である人」であり、「上達する為にあらゆる工夫をする人」であり、「その過程のすべてを楽しむ人」です。そういう人は意外に入試のことなんてあんまり考えてなくて、もっぱら自分の作品をどうしたらもっと良くできるか考えて、研究して、挑戦します。その連続でどんどん成長するのです。彼らの原動力は「大学に受かりたい」というものではなく、より高いレベルへの「好奇心(探究心)」と「成長する喜び」。それだけです。人によって成長のスピードには差がありますが、この二つを合わせ持った人は少なくともその人の中での最速での上達が見込めます。そんな彼らにとって受験の世界は自分を成長させるための絶好の環境であり、1年通して研究し切ったご褒美に「合格」がついてくるのです。
「好きこそものの上手なれ」ということわざがありますが、まさにその通りなのだと思います。
美術の世界を目指す全ての人は美術が好きだからこの道を選んだはずなのに、受験の世界に身を置いている間にいつの間にか「美術」そのもののおもしろさを見失ってしまい、受かる為の努力しか出来なくなってしまいがちです。
本当に上手い人は特に何も悩まず、制作そのものを楽しんでいるパターンが多いのです。でもよく考えてみて下さい、美術を始めたきっかけは皆そんなものだと思います。これが才能だと言うのなら皆が持っているはずのものです。もし忘れかけてしまっているなら是非思い出してみて下さい!
自分自身の経験(自分の受験の経験、講師としての経験)を振り返って、大学に受かる必勝法は何かと聞かれたら、自信を持ってこれだと言い切れます。

 

 

秋葉原進学相談会

各大学進学相談情報

こんにちは、新宿校古関です。(上の写真は油科の関口先生です)

今日は秋葉原の進学相談会に行ってきました。
場所は秋葉原UDX 2F、アキバ・スクエアで各大学のブースと一緒に相談会を行いました。
来場して話をした多くの皆さん、ありがとうございました。
また、新美でお会いしましょう。

と、いうことで
この後行われる各大学の進学相談会等の情報をお知らせします。

東京芸術大学 7/27.28 (入試説明会&アトリエ.工房見学 ※要予約)

その他芸大では受験生を対象とした
油画デッサンコンクール 8/28.29
工芸科デッサン講習会 8/28.29
(両講座共に6/30までにインターネットによる申し込みが必要です)
詳しくはこちらまで

武蔵野美術大学 6/14.15
オープンキャンパス詳細
ムサ美のHPではこの他に2015年度の入試変更点
(募集人数やセンター試験制度等)が載っていますので、こちらで確認して下さい

多摩美術大学 7/19.20
オープンキャンパス×進学相談会詳細
今年度、多摩美は今まで夏や秋に行っていた説明会を行わない予定なので進学希望者はなるべく行ったほうが良いです。

女子美術大学 7/18.19.20.21
オープンキャンパス・進学相談会詳細

東京造形大学 7/19.20
オープンキャンパス詳細

秋葉原進学相談会

秋葉原進学相談会

また、新美でもこの後
6/22    ?1日体験講習新宿校詳細国立校詳細
6/22、29 ?プレ夏期講習新宿校詳細
6/29   ?推薦入試受験対策説明会建築学科受験対策説明会 詳細

さらに、横浜でもイベント
6/29 プレ夏期講習新宿セミナー横浜校詳細

と様々なイベントが続きます。
是非ご参加下さい。

更に夏期講習会も申し込みが始まっていますので、お早めに申し込みすることをおすすめします。
夏期講習会詳細

横浜プレ夏期

横浜プレ夏期

 

こんにちは。通信教育です。

 

梅雨の季節がやってきました。

皆さんいかがお過ごしでしょうか?

 

work02-L

 

2014.6栗原石こう

 

このように新美の通信教育では添削しています。

受講生が自分で決めた時間で制作出来る、唯一のコースです。

心を込めて添削します。

私達も意欲的な作品を心待ちにしています。

 

 

 

 

古美術研究旅行

こんにちは、国立校 基礎科講師の末永です。

先月、芸大の人なら誰でも経験する古美術研究旅行(略して古美研!)にいってきました。

芸大ではどの科も学部3年生になると、学生の視野を広げることを目的に2週間、奈良・京都の古美術を見学しにいきます。
特別拝観をはじめ普段なら入る事ができない場所まで入れてもらえるなど、芸大ならではです!

古美研1

その中でも良かったのは、浄土寺でした。

一見ほかのお寺と変わりなく、部屋の中に大きな仏像が3体いるだけなのかと思いきや...
夕方になると仏像の後ろにある戸から西日が差し込み、その光が朱色の壁や柱・仏像に反射して部屋全体が赤く輝きます。
赤く輝く部屋のなかで極楽浄土の世界を実際に体感できるようになっているんだそうです。

残念ながら私達は時間があわず見る事ができなかったのですが...
計算された光の設計には現代のアート作品にも通じるところがあり、感動というか...感服しました。

仏像が浮いているように見せるために台座を一段上げていたり、建物の構成にも無駄がなく、仏像をふくめた空間作りをしているのが他と違いました。
これを鎌倉時代の人々が作ったというのだから驚きです!

お寺ばかりではなく、中盤には京都の帯屋さんで華やかな帯作りの裏側まで見せていただきました。

古美研2

古美研3

他にも京都のレジデンスをみせていただけたり、夜には先生を交えて自転車で東大寺に探検にいったり、飲み明かしたり...
みんな、奈良・京都の町が離れがたくなっているほど、本当に充実した2週間でした。

制作をしていると内にこもりがちになってしまいますが、いろんなものを見て、刺激を受け、人と関わり、自分の視野や幅を広げることの大事さに気付かされた旅でした。

みなさんもたくさんの刺激を受け、いい作品を作っていってくださいね。

古美研4