日別アーカイブ: 2014年5月20日

彫刻科 美術館見学

再び 彫刻科の氷室です                                 彫刻とは?と言うことを知るきっかけを探すため、五月晴れのとある日曜日に彫刻科の有志で都内にある美術館めぐりにいってきました!                          谷中にある朝倉彫塑館→芸大→国立西洋美術館→上野公園でランチ→葛西にある関口美術館というコースです                                       askura? ? 日本の彫塑界を代表する存在、自然主義的写実で有名な朝倉文夫の彫刻作品が数多くありました 作品のクオリティーもさることながら建物も素晴らしく、ただただ見入ってしましました    asakurasy  作品の前で一枚 記念撮影!

お次は谷中から上野まで徒歩で国立西洋美術館へ 途中芸大に寄り道をしてロダンの青銅時代や陳列館で行われている展示を見ました                            IMG_0264-1  やっぱりロダンは上手い!!

西洋美術館では常設展示へ! buru                              IMG_0272 jigokunomonn 有名な地獄の門 近くで見ると迫力がありすぎます!向かって右端の門の外にはロープを発見!!主任が教えてくれました                                 美術館の中にも彫刻作品や絵画が多数ありそれぞれのペースで見学してきました

ここで一旦休憩!お腹を満たすため快晴の上野公園で気持よくランチをしました         (鳩と戯れる生徒も…)

午後には電車で葛西へ 閑静な住宅街の中に関口美術館がありましたbannバンッ!! 戦後日本を代表する彫刻家 柳原義達の作品が多数展示してあります 鳩や烏の作品が有名ですがその他の作品やドローイングもありましたsekiguchi とてもくつろげる静かな空間で皆でのんびり語り合うことができました!

近場なところをめぐる一日でしたが個々で彫刻とはと言う問いに、何かヒントを得ることが出来た一日になったのではないでしょうか                            めったにない貴重な時間で ゆっくり風を感じながら歩き語り合えた楽しい一日でした!    また明日から頑張ろう!!

作品紹介

IMG_2045-1

気持ちのよい季節 外を歩くのが心地よいです

初めまして 彫刻科講師の氷室と申します 飴を使った作品を作っています          今年度から小川原主任ともう一方、講師の内田さんの3人で交代で記事を書き込んで行く事になりました!宜しくお願い致します                               早速主任からハードルを上げられて、ハードル上がっとるやないかーいと突っ込んでしまいました 対して笑いを取れる自信はありませんが少しずつ作品の話や、作家として気づいたこと、彫刻に関する話なども書き綴って行けたらと思います                        今回は生徒作品の紹介のみですが、優秀な作品がたくさん出たので、ひとつずつ紹介していきますね                                           まずは、以前紹介したY.M君の円盤模刻と同時期に模刻をしていた2人の作品です 空き時間を使って手を加えつつやっと完成に至りました!

R.Y君の円盤模刻

yamazaki3yamazaki1

yamazaki2     動きに苦戦しながらも粘って大きく粘土を動かしてこれました 髪の毛の質感まで詰められていますね!                                         柔軟な粘土裁きと形の締め方のバランスをこれからもさらに追究していってください!

K.S君の円盤模刻

saitou2

saitou3

saitou1ババランスや動きを見る力は終始安定していました  全体感も損なわずに表現できています   細部と全体を同時に見ながら形を作っていく作業をこれからも追究していってください!

模刻は体、頭、感覚、全てを常に使いながら制作する上、時間もかかります          ましてやこの大きさ!疲れ果てる事は言うまでもなく、そんな過酷な課題に二人とも上記のすべてを駆使し集中して取り組めていました                           この時期にじっくり大作に挑めた経験は皆が出来る事ではありません とても貴重だと思います 出来る事が増えたり、はたまた力不足であることを痛感したり色々な葛藤があった事でしょう  受験当日、この自分に向かい合った時間は必ず背中を押してくれる事と思います!       大型模刻は一生の宝物ですね!

さて次に紹介するのはフォーンのデッサンです                       A.Sさんの作品です                                    shiraishi 自分で時間を決め取り組んだ課題だけあって意気込みがこの迫力へとつながりました     フォーンの動きを良く捉えてあります 持ち味である勢いのある炭使いが形に反応できています さらに、おへそ下の動きが凝縮してくる形や腹筋にもう一歩手が入ればさらに良くなりそうです 実はこの画像、ほぼ加工をしていません。ここまで明快に力強いデッサンが描ける事にとても驚きました!かっこ良いデッサンです!

このデッサンの様にどんな石膏デッサンでも、目指すべきはその石膏を見た事がない人にもこういうモチーフなんだよと描いた絵で伝えられたら理想ですね!

次に上げるのは石膏を台座に立てかけた静物デッサンです                  3人の作品を紹介します                                 R.Yくんの作品                                      yamasekkou 手作りの台なため素直に見て描くとパースの間違いにもつながってしまいますが思い切ったトリミングが効いています                                   石膏と木の台の質感にんも反応できており間の空間がすっきり描けているところが魅力ですね  視点が良く伝わります

Y.S君の作品                                       sudo 今回、逆光側ですが画面左下、台と石膏の間から入ってくる光を描きたいという狙いがありましたその狙っていった構図がひと味違った魅力あるデッサンへとつながりましたね!        上から落ちてくる光や自然な形に反応できる様、ハーフトーンの幅を増やしていきたいですね   ハーフトーンへの飽くなき探求がこれからどういった結果に繋がってくるか楽しみです

T.U君の作品                                       ususekkou 視点が明快なデッサンです 難しい位置ですがマルスにも良く手が入っており、斜めに立てかけてある石膏と台の関係性を良く表現出来ていると思います! 石膏単体のときにもこの観察力を忘れずに!

この様な課題の場合、物を正確に描く以外にも、視点や状況を説明できる事が大切になってきます

次に紹介するのは課題以外で生徒自身が時間を作り制作した作品です            usujikoku 苦手だと言っていた動きのある首像に挑戦していました                   眼差しが感じられる作品です 固さがなくなり柔らかい人体の質感が見えてきましたね!その上で骨格もしっかり見えてくるのでとても魅力のある作品です 粘土の扱いや表現力の幅が増えてきたのでこの調子でさらなる探求心を燃やし頑張ってください!

彫刻家 ジャコメッティは                                眼差しが一番難しい 眼差しを作る事がでれば完成する                   と生涯探求し続けました

彫刻とは時間がかかります 作品にするには時間が必要です                 作品を作る、デッサンをする今はそこにじっくり浸れる貴重な日々だと思います        もちろん考え過ぎる事もたまには大事ですが難しく考えて動けなくなったら まずは目の前の出来ることをやってみましょう!!