月別アーカイブ: 2022年6月

映像科:感覚テスト対策&夏期講習会直前講座のおしらせ

こんにちは。映像科です。早いもので一学期の授業も後半になってきました。
先週からは映像系の入試を想定した実技対策もはじまっています。
武蔵美映像学科の「感覚テスト」や東京造形大の「発想力」などは、絵とともに文章で表現するという特徴があります。最初は難しく感じる人もいると思いますが、何枚か制作していると自分の興味や関心との接点も見えてくると思います。

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そして「夏期講習会直前講座」のおしらせです!
映像科では、6/30(木)・7/1(金)・7/3(日)の3日間、「武蔵野美大映像学科 実技試験を体験する」と題した講座を行います。
内容は武蔵美映像学科の一般選抜を想定した「感覚テスト」、「小論文」、「鉛筆デッサン」の制作と講評です。
「調べてはいるけどまだ映像系の実技を制作したことがない…」という人もぜひどうぞ。
受講の方法など、詳しくはこちらから!

先端芸術表現科合格体験記(1次試験小論文受験Sさん)

こんにちは。新宿校先端芸術表現コースです。
今回は、昨年度1次試験小論文受験で見事に合格された、Sさんの体験記を紹介します。

1 先端芸術表現科を目指そうと思ったのはなぜですか?
小さい頃から絵を描く事が好きで、表現に対して、漠然とした興味がありました。しかし、大学進学のための高校に入学して一度は表現から離れました。結局大学進学することも叶わず、就職をしたのですが、自分のやりたいことは今やっている仕事ではないな、といつもおもっていました。
そんな気持ちがつもりにつもって仕事を辞めて、上京しました。そこで、しばらくフリーターをしながら僕が人生をかけて成し遂げたい事はなんだろうと考えるようになりました。
そんなとき、小さい頃から絵を描いたり、大きな声で歌を歌ったり、秘密基地を作ったりしていたことを思い出しました。僕は何かを作り出し、それを表現することに喜びを感じる人間なんだと気付きました。
しかし自分一人ではその”何か”が漠然としたまま掴めないでいました。その”何か”を考えていた時に見つけたのが先端芸術表現科でした。なんだかやってることはよくわからないけど、ここにいる人たちは僕と一緒で表現における”何か”を探している人たちだと思ったのです。それが理由で先端芸術表現科を目指し始めました。

2 一次試験は小論文で合格しましたが、予備校での小論文対策はどのように役立ちましたか?出される課題文のテーマを自分の興味を持っている事柄に引きつけて考えることができるようになりました。このことは試験にとても役に立ったと思います。試験本番では、自分がどんなことに興味を持っているか、またそれが他の受験生とどう違うのかを明確に示さなくてはいけないと思います。
そのために、小論文対策では自分と他の人の違いは何かを徹底的に考えるための機会をいただきました。
また、小論文を書くために前提となる、細かい所作のようなものを教えていただいたのは大きかったと思います。例えば字を大きく丁寧に書くとか…。基本的なことですが、意外にできてないことが多く、それを厳しく指導していただいたのでは本番に役立ったと思います。

3 総合実技はどのようなことを意識して進めていましたか?
自分が何を作ろうとしているのかを言語化することを意識していました。一度言葉にしてみると、自分が作ろうとしているものがぼんやりしていることが多かったです。そんな時は少し作りたいものがはっきりするまで紙面上で考えていました。それでも煮詰まってしまう時は、とにかく素材を触って造形してみることを意識しました。
問題のテーマについて考えることは造形を決定するために大切なことですが考えすぎもよくないです。よくわからなくなってきたら素材と遊んでみると良いと思います。

4 個人資料ファイルの制作はどのように進めましたか?
僕はまず講師の方と面談をして、今までの人生で起きた自分にとって重要な出来事を洗いざらい言語化することから始めました。
そして、今まで書いてきたドローイングや、日記などを整理して、いったい自分が何に興味があるのかを探るという作業をしました。このことは後の制作にとても役立ちました。
一通り今までにしてきたことの整理ができたら、自分が今何をしたいのか、どんなことに関心があるのかがはっきり見えてきました。そのため、受験までそれほど時間がなかったにも関わらず、いくつか作品を作ることができました。

5 制作において大事にしていることはなんですか?
視覚情報だけでなく、五感で感じた感覚を大事にしています。様々なものを見て、触れて、嗅いでみて何を思ったか、それらの感覚が僕にとって大切なものです。
そのため、僕はよく散歩に出かけます。特に何かを考えながら歩くというわけでなく、なんとなく気が向いた方角へ…。そこには普段何気なく過ごしていては気づくことができないものが隠れていたりします。それが自分の制作につながっているんだと思います。
また、興味がある対象を長い間、そばに置いておくというのも僕が大切にしていることです。すぐになにかの答えや、方針が見えなくてもそれがひとりでに語りかけてくるまで待つということは案外重要だと思います。

6 先端の受験において予備校はどのように活用できましたか?
課題の講評などを通して、受験生の中で自分がどのような立ち位置にいるのかを比較して考えることができました。
自分の作品だけでなく他の人の作品も見ることができたのは、とても大きな経験でした。自分が他の人とどう違うのかを見極めることができたおかげで、短期間で何をやるべきかということが明確に定まり、滞りなく実践できたんだと思います。また、他の人の作品に触れることができたおかげで、新しい興味や考え方に出会えたのも貴重な体験さでした。
また、予備校に行かなきゃという思いで、生活のリズムを一定に保つことができたのも良かったです。本当なら受験前で焦る気持ちが生まれたり、落ち込んだりしてもおかしくはないですが、毎日同じ時間に予備校に通うことで、気持ちが安定していました。

7 最後に何か来年以降に先端を目指す人に向けてひとことありましたら
僕はかなり遅い時期から先端を目指し始めました。周囲の人から応援もたくさんしてもらいましたが、合格できるわけないだろというようなこともたくさん言われました。けれどそんななかで立ち止まることなく受験に向けてがんばれたのは、自分なら合格できると固く信じていたからです。毎日、毎日、どんなに制作がうまくいかなくても、自分なら必ずできる!と唱えて眠りました。結局そのことが、合格できた一番大きな要因だったと思います。
どんなに望みが薄いようにおもえても、最後まで決してあきらめなければ必ず達成できます。来年うける方にはそのことを信じてがんばってもらえたらと思います。

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7月10日(日)の夏期講習直前講座では、Sさんの小論文や総合実技、個人資料ファイルなども紹介しながら、昨年度の入試や、先端芸術表現科の入試においてどのようなことを考えていけば良いのかということを紹介していきます。当日は総合実技課題を行いますが、個人資料ファイルについての面談も行います。これから先端の入試を考えられている方もぜひ受講してください。
https://www.art-shinbi.com/event/2022/22event-s_s_s/s_s_s-G.html

それでは、先端芸術表現科でした(画像はSさんの小論文、総合実技になります)

 

オンライン教育科

こんにちは。オンライン教育科です。

来週は6月ターム講評期間が始まります。

5月末に第13回特別講義アップロードしました。

オンライン教育科では、毎月約3課題(生徒によっては5課題)を生徒に送付し、その講評を Zoomを用いて行っています。 講評はマンツーマン形式で、30分程度の時間をとり、各月の終わりに行っています。それに加えて、オンライン教育受講生のみを対象とした特別講義を各学期に2回行い、受講生の受験対策及びモチベーション維持に役立てることを目指しています。

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2021年度 オンライン教育科生の合格体験記です。https://www.art-shinbi.com/online/taikenki_2021.html

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◯夏期講習会申し込み始まっています。オンライン教育科受講生が通学受講する場合、コース・期間などご相談ありましたら講評の際などに担当講師とご相談くださいね。

◯オンライン教育科 夏期講習会も時期を合わせて開催します。

10コース〈高3生・高卒生〉〈高1・2生〉 3期

オンライン教育科夏期講習会の課題数は各期、デッサンと、専門課題の2課題です。講評はWebミーティングツールを利用したリアルタイム講評になります。作品のやりとりは全てオンライン上で行い、制作途中での質問などはメールや電話で随時受け付けながら、遠隔の受講生をサポートしていきます。
※2課題の内容は、受講生個別にカリキュラム組みます。

Ⅲ期 7/24〜7/31 (申込締切 7/21)

Ⅳ期 7/31〜8/7 (申込締切 7/28)

Ⅴ期 8/7〜8/14 (申込締切 8/4)

 

◯2022-2023 学生募集中です。

オンライン教育科  新美の指導を遠隔地の方にも!

オンライン教育科は、時間的・地理的な理由で各校舎に継続的に通学できない方のためのコースです。
Webミーティングツールを利用したオンライン上でのリアルタイム講評、録画による動画講評、豊富な参考資料によって、遠隔地の方の芸大・美大受験をサポートします。
講評は全てマンツーマンで行われ、受講生の進度に応じて、カリキュラムを組みながら進めていきます。

オンライン教育科では、
油絵、日本画、彫刻、デザイン、私立美大デザイン、工芸、映像、先端芸術表現、建築、デッサンの10講座を開講していきます。

高3・受験生は 10講座 【月5課題コース】と【月3課題コース】から選択になります。

高1・2生は原則【3課題コース】です。

【基礎科】アクリルガッシュこぼれ話

どうやら東京は先日梅雨入りをしたそうです。
梅雨のイメージといえばカビ、去年か一昨年か、梅雨がとても長かった年に
作業場からお風呂場から、ありとあらゆるところにカビが発生したことがありました。
換気をしようにも外気の湿度でカビるし、晴れの日がないしで、
完全にお手上げ状態になっていました。
今年はそうならないことを祈りながらも、意外と雨の日の静かな環境は
嫌いではなかったりします。なので今一番欲しいのは、静かな強力な除湿機です。
基礎科名越です。

カビの中にも白カビ黒カビがあるように、
アクリルガッシュの黒と白にも種類があります。
間違って買ってしまう生徒が毎年いるので、記事にしたいと思います。

まずブラックです。
大きく2種類のブラックがあります。
ジェットブラックとランプブラックです。
ランプブラックのランプはランプの煤(炭素?)から来ていると聞いたことがあります。

ホルベインさんの公式にはこのように書かれています。

ジェットブラックは、アニリン黒(有機顔料)、ランプブラックは、カーボン黒(炭素)を原料とした顔料が用いられています。 ジェット ブラックは単独での黒さに富み、ランプ ブラックは艶がない色合いです。 漆黒度はジェット ブラックが非常に高く、耐光性は、ランプ ブラックのほうがやや優れています。
(ホルベイン技術情報Q&Aより)

だそうです。
またデザイン工芸のベタ塗りの課題などで、白と黒を混ぜたりする時に、
ジェットブラックは粒子のようなものが浮いてきてしまい、綺麗に混じらないということが
あるため、モノトーンで塗る時はランプブラックを推奨しています。

確かにランプブラックはどこか赤く、ジェットブラックは青みがかっていますね。
ジェットといえば、最近公開されているトップガン、
とても面白かったです。映画館で見ることをおすすめします。

次はホワイトです。

ホワイトも色々な種類があるのですが、一番間違えやすいのが
ホワイトとミキシングホワイトです。
ミキシングホワイトは透明度が高いため、ベタ塗りで使うとムラの原因になってしまいます。
また、混ぜても混ぜても色があまりかわらないためベタ塗りには使わないようにしてください。
描写をする際には透明度がたかいので、繊細な混色が可能になります。
(https://www.turner.co.jp/art/gouache/index.html ターナーアクリルガッシュ)

いわゆる芸大系平面や水彩表現などで使いやすいのかもしれません。

このように、自分がどのような色味やテイストの描写をしたいのかによって
絵の具もチョイスできると、表現の幅が一気に広がるかもしれませんね。

ぜひ興味があれば、購入して試してみてもいいかもしれません。

 

では

三者面談とデモ見るだけの日

梅雨入りしました。ちょっと憂鬱な時期が続きます。雨で出かけようという気が減るので、ここでしっかりと勉強タイムにしていきましょう。

デザイン・工芸科夜間部です。

デザイン・工芸科夜間部は、一学期と二学期の年間二回の三者面談があります。一回目は、学科のチェックと第一志望のチェック、そして夏期講習会をどう過ごすのかっていうところを話していきます。二学期では、夏期講習会の報告と実技の上達レベルが主な話になります。親と本人と面談することで、普段見えない生徒の様子が見えて、その辺も今後指導するにあたって参考になるなと思いました。今と昔と親子の関係はちょっと変わってきているのも興味深いです。夏期講習会の申し込みが、6月1日から始まりました。内部生は、早めに申し込むようにお願いいたします。

https://www.art-shinbi.com/season/summer/

 

恒例の授業「デモンストレーション見るだけの日partⅠ」も行われました。今回は、授業の風景写真だけアップしておきます。作品紹介は次回のブログでということで。

毎回思いますが、背中にたくさんの視線を背負って描くのはとても大変です。精神力を持っていかれる気がします…奮闘してくれた先生方、お疲れ様そしてありがとうございました。

では、また次回。