日別アーカイブ: 2022年6月20日

先端芸術表現科合格体験記(1次試験小論文受験Sさん)

こんにちは。新宿校先端芸術表現コースです。
今回は、昨年度1次試験小論文受験で見事に合格された、Sさんの体験記を紹介します。

1 先端芸術表現科を目指そうと思ったのはなぜですか?
小さい頃から絵を描く事が好きで、表現に対して、漠然とした興味がありました。しかし、大学進学のための高校に入学して一度は表現から離れました。結局大学進学することも叶わず、就職をしたのですが、自分のやりたいことは今やっている仕事ではないな、といつもおもっていました。
そんな気持ちがつもりにつもって仕事を辞めて、上京しました。そこで、しばらくフリーターをしながら僕が人生をかけて成し遂げたい事はなんだろうと考えるようになりました。
そんなとき、小さい頃から絵を描いたり、大きな声で歌を歌ったり、秘密基地を作ったりしていたことを思い出しました。僕は何かを作り出し、それを表現することに喜びを感じる人間なんだと気付きました。
しかし自分一人ではその”何か”が漠然としたまま掴めないでいました。その”何か”を考えていた時に見つけたのが先端芸術表現科でした。なんだかやってることはよくわからないけど、ここにいる人たちは僕と一緒で表現における”何か”を探している人たちだと思ったのです。それが理由で先端芸術表現科を目指し始めました。

2 一次試験は小論文で合格しましたが、予備校での小論文対策はどのように役立ちましたか?出される課題文のテーマを自分の興味を持っている事柄に引きつけて考えることができるようになりました。このことは試験にとても役に立ったと思います。試験本番では、自分がどんなことに興味を持っているか、またそれが他の受験生とどう違うのかを明確に示さなくてはいけないと思います。
そのために、小論文対策では自分と他の人の違いは何かを徹底的に考えるための機会をいただきました。
また、小論文を書くために前提となる、細かい所作のようなものを教えていただいたのは大きかったと思います。例えば字を大きく丁寧に書くとか…。基本的なことですが、意外にできてないことが多く、それを厳しく指導していただいたのでは本番に役立ったと思います。

3 総合実技はどのようなことを意識して進めていましたか?
自分が何を作ろうとしているのかを言語化することを意識していました。一度言葉にしてみると、自分が作ろうとしているものがぼんやりしていることが多かったです。そんな時は少し作りたいものがはっきりするまで紙面上で考えていました。それでも煮詰まってしまう時は、とにかく素材を触って造形してみることを意識しました。
問題のテーマについて考えることは造形を決定するために大切なことですが考えすぎもよくないです。よくわからなくなってきたら素材と遊んでみると良いと思います。

4 個人資料ファイルの制作はどのように進めましたか?
僕はまず講師の方と面談をして、今までの人生で起きた自分にとって重要な出来事を洗いざらい言語化することから始めました。
そして、今まで書いてきたドローイングや、日記などを整理して、いったい自分が何に興味があるのかを探るという作業をしました。このことは後の制作にとても役立ちました。
一通り今までにしてきたことの整理ができたら、自分が今何をしたいのか、どんなことに関心があるのかがはっきり見えてきました。そのため、受験までそれほど時間がなかったにも関わらず、いくつか作品を作ることができました。

5 制作において大事にしていることはなんですか?
視覚情報だけでなく、五感で感じた感覚を大事にしています。様々なものを見て、触れて、嗅いでみて何を思ったか、それらの感覚が僕にとって大切なものです。
そのため、僕はよく散歩に出かけます。特に何かを考えながら歩くというわけでなく、なんとなく気が向いた方角へ…。そこには普段何気なく過ごしていては気づくことができないものが隠れていたりします。それが自分の制作につながっているんだと思います。
また、興味がある対象を長い間、そばに置いておくというのも僕が大切にしていることです。すぐになにかの答えや、方針が見えなくてもそれがひとりでに語りかけてくるまで待つということは案外重要だと思います。

6 先端の受験において予備校はどのように活用できましたか?
課題の講評などを通して、受験生の中で自分がどのような立ち位置にいるのかを比較して考えることができました。
自分の作品だけでなく他の人の作品も見ることができたのは、とても大きな経験でした。自分が他の人とどう違うのかを見極めることができたおかげで、短期間で何をやるべきかということが明確に定まり、滞りなく実践できたんだと思います。また、他の人の作品に触れることができたおかげで、新しい興味や考え方に出会えたのも貴重な体験さでした。
また、予備校に行かなきゃという思いで、生活のリズムを一定に保つことができたのも良かったです。本当なら受験前で焦る気持ちが生まれたり、落ち込んだりしてもおかしくはないですが、毎日同じ時間に予備校に通うことで、気持ちが安定していました。

7 最後に何か来年以降に先端を目指す人に向けてひとことありましたら
僕はかなり遅い時期から先端を目指し始めました。周囲の人から応援もたくさんしてもらいましたが、合格できるわけないだろというようなこともたくさん言われました。けれどそんななかで立ち止まることなく受験に向けてがんばれたのは、自分なら合格できると固く信じていたからです。毎日、毎日、どんなに制作がうまくいかなくても、自分なら必ずできる!と唱えて眠りました。結局そのことが、合格できた一番大きな要因だったと思います。
どんなに望みが薄いようにおもえても、最後まで決してあきらめなければ必ず達成できます。来年うける方にはそのことを信じてがんばってもらえたらと思います。

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7月10日(日)の夏期講習直前講座では、Sさんの小論文や総合実技、個人資料ファイルなども紹介しながら、昨年度の入試や、先端芸術表現科の入試においてどのようなことを考えていけば良いのかということを紹介していきます。当日は総合実技課題を行いますが、個人資料ファイルについての面談も行います。これから先端の入試を考えられている方もぜひ受講してください。
https://www.art-shinbi.com/event/2022/22event-s_s_s/s_s_s-G.html

それでは、先端芸術表現科でした(画像はSさんの小論文、総合実技になります)