月別アーカイブ: 2019年7月

映像科:夏期講習はじまりました!

こんにちは、映像科です。表題の通り夏期講習、はじまっています。
7/20までの4日間は「感覚テスト特訓」。合格者2名にデモンストレーターとして参加してしてもらい、アイディアを構想する秘訣や画面を綺麗に仕上げる極意など、惜しげも無く話してもらいました。オススメの図書なども紹介してもらい、講師としても「なるほど、そんなことを考えながら受験の一年頑張っていたのですね」という感じで、大変参考になりました!

前回のブログでもお伝えした通り、夏期講習での感覚テスト対策は、5期(8/12〜817)と6期(8/19〜8/24)でも引き続き行います。受験で感覚テストを制作する人はぜひご参加ください。

さて話は変わり、Youtubeの新美チャンネルの「新美のつくるをみせる」シリーズでは、映像科の授業の様子を紹介してもらっています。普段映像のことを授業で話していますが、いざ自分たちが映像に映ると、ちょっと緊張。。こちらでも6月の感覚テスト対策や映像制作実習の様子が見られます。ぜひご覧ください。それでは引き続きからだに気をつけて充実した夏を!

夏期直前、そして「夏、グラ。」

涼しいというか、ちょい寒な感じがします。デザイン工芸科夜間部です。

模擬試験が終わりました。当然まだまだこれからという成績でした。成績ふるわないなぁ、イマイチだなぁというより…こらからでしょ!今でしょ!夏でしょ!って感じです。厳しい結果もありましたが、少年漫画の主人公のように駄目でもくじけず立ち上がって修業と鍛練する。そして次に繋げていってほしいです!現在の位置を知る上で、模擬試験はやはり重要だと思います。

そして、夏ということで「夏、グラ。」です。
今回は、風神と雷神というテーマで、特大デッサンを描いてもらいました。デッサンであっても、グラフィカルな画面作りになっています。受験生も、見せることを意識してデッサンもやってほしいと思います。

映像科の先生に、動画も作ってもらいました。とても清潔感のある夏のイメージがします。ありがとうごさいました!

 

そして、新美ギャラリーでも「夏、グラ。」展が開催されています。5年分の特大デッサンと、映像を展示しています。夏のイメージで、外のディスプレイも出来上がっていますので、チェックしてみてください。

 

次回は、夏期講習会真っ最中のレポートになります。夏の熱気を伝えてられればと思います。

先端とホワイトキューブ

こんにちは。先端芸術表現科です。

前回の投稿で7月7日(日)に、ギャラリーを用いて作品の展示・発表をしたことについて書きました。今回は報告というよりも、ギャラリーや白い壁をめぐるいくつかのことなどを書いていきたいと思います。

さて、今日私たちが美術館やギャラリーにでかけて作品を見るとき、その背後にある壁の多くは白く塗られています。こうした白壁によって覆われた展示空間のことを一般的に「ホワイトキューブ」と呼びます。

このように白く囲われた空間が美術館に導入されたのは、1929年に開館したMOMAだといわれています。つまり絵画や彫刻などは、それ以前にも多く作成されてきましたが、必ずしも白い空間に置かれたり、かけられたりしていたわけではなかったのです。
それまでは王侯貴族のコレクションとしてある特定の個人の所有物であった美術品が、そのような場所から切り離され、「美術館」という場所をその鑑賞の空間とするのは、18世紀の後半のことです。フランス革命が起き、それまでは王侯貴族のプライベートなコレクションだった美術作品をパブリックなものとするために、1793年にルーブル美術館は設立されました。そこから19世紀でのサロンでの展示空間などを経て、先にも述べたように20世紀前半からは、今日のように、白い壁に作品が一点一点並べて置かれるという形式が主流になっていったといわれています。そして、ホワイトキューブという空間それ自体が、その後の現代美術の展開を規定していった、という議論もなされています。

参考サイト
英語 https://www.tate.org.uk/art/art-terms/w/white-cube
日本語https://artscape.jp/artword/index.php/%E3%83%9B%E3%83%AF%E3%82%A4%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%AD%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%96

さて、先端の1学期最後の講評会では、新美1Fのギャラリーを用いて発表したことは、前回のブログでも報告しました。新美のギャラリーでは、外光が入らないような白い壁とガラスの空間で、スポット照明を用いて展示を行います。そしてこのような展示空間自体は、上でも述べたように、歴史的に規定された、作品のための場所でもあります。つまり先端がギャラリーを使用するということは、必ずしも「理想的な」作品空間としてそこを用いるのではなく、そうした場所自体を再考し、表現と呼ばれるものがいかなる場所や空間において成立するものであるかを自らで捉え直すためのきっかけとしても機能している、と考えています。何がホワイトキューブやギャラリーと呼ばれる空間でしか成立しないものなのか?ギャラリー、教室、学校、道路、駅、ウェブページなどなど、作品や表現と呼ばれるものが今日いかなる場所で成立するものであるのか?ということを、自らの表現のあり方を考える中でも常に考え続けること、場所と作品との関係を再設定していくことも、先端の受験においては重要なことの一つだと考えられます。

以上の事柄に関係する2つのことを紹介します。

1つめは、「Chambres d’Amis」(フランス語のタイトルで、カタカナでかけば「シャンブル・ダミ」となります。直訳すると「友人の部屋」となりますが、英語での定訳は「ゲストルーム」となっているようです)という名前の1986年に開催された展覧会。これはヤン・フートというキュレーターの企画によって、ベルギーのゲントで開催されました(この展示については、以前のブログでも紹介しました)。
この展覧会は、タイトルが示すように、私邸に作品を設置するというもので、美術館に代表されるホワイトキューブで公共性を有する展示空間ではなく、私的な生活空間においてアーティストが作品を設置するところにその批評性があります。artscape内の記事も参照してみてください。

https://www.macba.cat/uploads/20101111/chambres_amis_eng.pdf
このpdfで、展覧会風景の写真がいくつかみられます。

もう一つ紹介するのは、トーマス・ヒルシュホルンというスイスの作家の、次の文章です。
Less is Less, More is More
ヒルシュホルンは、今日では様々なプロジェクトや、大量のゴミのようなものが集積したインスタレーション作品、アルミホイルやガムテープなどの素材で作られた平板な彫刻作品で著名な作家ですが(例えば、1999年にベネチアビエンナーレにも出品された《世界空港》という作品や、《TOO TOO-MUCH MUCH》という作品)これは作家が95年に書いたテキストの英語翻訳になります。
まずはタイトルから。これは、建築科ミース・ファン・デル・ローエの有名な言葉”Less is More”のもじりになっています。「より少ないことはより豊かなことである」とでも訳せるこの言葉は、最小限の要素から成立する建築を称揚するモダニスム建築の有名な標語でもあります。
このタイトルはそれをもじりながら、「より少ないことはより少ないことであり、より豊かなことはより豊かなことである」という同語反復が用いられています。
この文章の中でヒルシュホルンは、美術館やギャラリーにおいて、白い壁に少ない数の作品が置かれていることを批判します。そしてそのような空間は、労働者階級の家や売店のような空間ではなく、「中産階級の上位層の家」に類似していることを指摘します。つまり、ホワイトキューブに少ない作品が置かれていることは、単に美的な問題ではなく、それ自体が経済的な格差に基づいた設計によって基礎付けられているということです。そしてヒルシュホルンは、自らの作品のあり方それ自体も経済的な観点から成立させようとします。それが上でも掲げられた「より少ないことはより少ないことであり、より豊かなことはより豊かなことである」というタイトルが示していることです。大量のもので埋め尽くされた空間は、上のような空間の捉え方から帰結するものなのです。

これから始まる先端の夏期講習でも、自らの状況や表現の起点を自明なものとするのではなく、課題や講評を通して皆でそれぞれの表現の立ち上げについて考えていくことができれば良いと考えています。それがひいては、受験に必要な個人資料ファイルを作るためのもっとも重要なはじまりになると考えるからです。

それでは、先端芸術表現科でした。

秋葉原校:体験授業ご参加ありがとうございました。

秋葉原校です。7/14(日)に一日体験と推薦対策体験授業を行いました。
今回はテストも終わり、各大学オープンキャンバスの時期だということもあってか、沢山の生徒に集まって頂きました。
特に推薦入試というのは、ポートフォリオの提出があったり、一般とは違う異なる実技対策が必要だったり、面接や志望理由書の提出など、かなりやることが多いです。
加えて推薦でうまくいかなかった時のために、一般に向けての準備も同時並行で必要となるため、実はとても難しい入試です。
だからと言って、初めから推薦は諦めなさいとか、そういうことではありません。
推薦入試を選ぶのであれば、一般入試を選ぶより、さらに早い準備が必要になるということです。

当日はそれぞれの志望校やレベルに合わせて課題を準備しました。
空デの構想力テストや、多摩グラのクリエイティビティテスト等、推薦入試独自の実技課題も色々ありますね。
事前の聞き取りの中でも、かなり不安に感じているようでしたが、みなさん少しずつコツをつかんだようでした。

今回の経験を踏まえて、また各々で頑張って下さい!
引き続き新美で頑張りたいという生徒さんは、まずは夏期講習会でお待ちしております。
いきなり講習会は不安だという生徒さんは3時間デッサン体験もあります。何だか色々あって、よくわからないな?という方は、まずはお問い合わせ下さい。

秋葉原校の夏期講習会は、7/20(土)からスタートです。
皆さんのパワーで、熱い夏にしましょう!
石崎でした。

余談ですが、先日今年初の花火をしました。
写真映えする(=煙が出ない)花火だそうです。なるほど・・・

通信教育

こんにちは。通信教育です。

梅雨明けが待ち遠しい今日この頃ですが、通信教育には力作がどんどん届いています。
ただいま6月添削を随時返送していますのでお待ちください!
この時期は夏期講習前ということもあり、作品にも緊張感がみなぎっていて、添削する方も気合いが入ります。

夏期講習では、自宅とは違う環境で制作するということもあるので、今一度自分の画材ボックスをチェックしてみましょう。

●鉛筆の数は充分足りているか?
●消しゴムは真っ黒のカチカチになっていないか?
●鉛筆の先を尖らせる用の紙ヤスリを買ってみる。
●絵具や鉛筆を色別にまとめて整理してみる。仕切りを活用する。
●固まった筆を洗い、メンテナンスする。もしくは新調してみる。
●「触るだけで手が汚れる画材ボックス」になっていないか? いったん中身を全部出して拭いてみる。

……などなど。
いつもと違う環境に画材を持っていくということは、「何が自分にとって必要な道具なのか」を改めて考えてみる機会でもあります。
漠然と使っていた道具を、自分にとってもっと「使いやすい」状態にするために、ちょっとだけ工夫をしてみてください。
万全のコンディションで、初日から良いスタートを切れるようにしましょう!
(もちろん新美内のtoolsで画材を揃えることも可能です。ただ講習中は混みがちになるので注意しましょう!)

それでは7月制作も頑張ってください。
夏期講習でお会い出来るのを楽しみにお待ちしています。