日別アーカイブ: 2015年5月15日

グループ立体

こんにちは。建築科講師の半田です。

先週は初めての立体構成をグループ課題として行いました。

まずは簡単に道具のレクチャーをし、スチレンボードで立方体などをつくる練習をし、部材の勝ち負け、接着の方法、綺麗な切断方法を学びます。

その後チームに分かれ、各チームに1500円を渡し、立体を作ってもらいました.

今回のテーマは「霧」です。作品は後ほど写真を上げます。

立体構成01_201505010

 

立体構成は各美大の主要試験課題でしたが、最近はなくなる傾向にあり、「大学新入生は模型の施工がよろしくない」と方々で耳にします。

立体構成は、頭で考えるだけの空間構成とは次元が違います。3次元なのです。

立体構成という課題ははじめて、建築科志望の生徒が「構造」と「施工」に向き合うとっても身になる課題でした。造形力もこの課題で養います。

この入試課題がなくなってしまうことはとても残念でしかたがありません。建築がフォルムだけを気にする時代が終わったとはいえ、それでもやはり美しい形を自分で創造する経験は必要であると、新美建築科は思っております。ディティールへの感性もここで養うのですから、予備校では当然、立体構成をするべきだと考えている次第です。

立体構成の面白いところは、思い通りに行かないところにあると個人的には思います。

時間が足りなかったり、部材の計算を間違えたり、しなってしまったり、思っていたように成り立たなかったりしたとき、それらの事件を瞬時に捉え直し臨機応変に対応して行くことで、自分の頭のなかを超えたデザインが生まれ、ボキャブラリーが増えるのです。Serendipityという語がありますが、まさにそれで、手を動かさないと気づけないことがあることは、建築をしている人なら誰でも知っています。

しかしそれも、ある程度作れるようになってからでないと気づけないような楽しさであるとは思います。

ですからもちろん今回、生徒は悪戦苦闘しながら、はじめてらしい立体作品をつくりました。

施工や時間配分やデザインはまだひどいものですが、現象の抽出は悪くないと思います。

半年後にはきっちり表現できるように、鍛えていく所存でございます。

 

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