
気持ちのよい季節 外を歩くのが心地よいです
初めまして 彫刻科講師の氷室と申します 飴を使った作品を作っています 今年度から小川原主任ともう一方、講師の内田さんの3人で交代で記事を書き込んで行く事になりました!宜しくお願い致します 早速主任からハードルを上げられて、ハードル上がっとるやないかーいと突っ込んでしまいました 対して笑いを取れる自信はありませんが少しずつ作品の話や、作家として気づいたこと、彫刻に関する話なども書き綴って行けたらと思います 今回は生徒作品の紹介のみですが、優秀な作品がたくさん出たので、ひとつずつ紹介していきますね まずは、以前紹介したY.M君の円盤模刻と同時期に模刻をしていた2人の作品です 空き時間を使って手を加えつつやっと完成に至りました!
R.Y君の円盤模刻


動きに苦戦しながらも粘って大きく粘土を動かしてこれました 髪の毛の質感まで詰められていますね! 柔軟な粘土裁きと形の締め方のバランスをこれからもさらに追究していってください!
K.S君の円盤模刻


ババランスや動きを見る力は終始安定していました 全体感も損なわずに表現できています 細部と全体を同時に見ながら形を作っていく作業をこれからも追究していってください!
模刻は体、頭、感覚、全てを常に使いながら制作する上、時間もかかります ましてやこの大きさ!疲れ果てる事は言うまでもなく、そんな過酷な課題に二人とも上記のすべてを駆使し集中して取り組めていました この時期にじっくり大作に挑めた経験は皆が出来る事ではありません とても貴重だと思います 出来る事が増えたり、はたまた力不足であることを痛感したり色々な葛藤があった事でしょう 受験当日、この自分に向かい合った時間は必ず背中を押してくれる事と思います! 大型模刻は一生の宝物ですね!
さて次に紹介するのはフォーンのデッサンです A.Sさんの作品です
自分で時間を決め取り組んだ課題だけあって意気込みがこの迫力へとつながりました フォーンの動きを良く捉えてあります 持ち味である勢いのある炭使いが形に反応できています さらに、おへそ下の動きが凝縮してくる形や腹筋にもう一歩手が入ればさらに良くなりそうです 実はこの画像、ほぼ加工をしていません。ここまで明快に力強いデッサンが描ける事にとても驚きました!かっこ良いデッサンです!
このデッサンの様にどんな石膏デッサンでも、目指すべきはその石膏を見た事がない人にもこういうモチーフなんだよと描いた絵で伝えられたら理想ですね!
次に上げるのは石膏を台座に立てかけた静物デッサンです 3人の作品を紹介します R.Yくんの作品
手作りの台なため素直に見て描くとパースの間違いにもつながってしまいますが思い切ったトリミングが効いています 石膏と木の台の質感にんも反応できており間の空間がすっきり描けているところが魅力ですね 視点が良く伝わります
Y.S君の作品
今回、逆光側ですが画面左下、台と石膏の間から入ってくる光を描きたいという狙いがありましたその狙っていった構図がひと味違った魅力あるデッサンへとつながりましたね! 上から落ちてくる光や自然な形に反応できる様、ハーフトーンの幅を増やしていきたいですね ハーフトーンへの飽くなき探求がこれからどういった結果に繋がってくるか楽しみです
T.U君の作品
視点が明快なデッサンです 難しい位置ですがマルスにも良く手が入っており、斜めに立てかけてある石膏と台の関係性を良く表現出来ていると思います! 石膏単体のときにもこの観察力を忘れずに!
この様な課題の場合、物を正確に描く以外にも、視点や状況を説明できる事が大切になってきます
次に紹介するのは課題以外で生徒自身が時間を作り制作した作品です
苦手だと言っていた動きのある首像に挑戦していました 眼差しが感じられる作品です 固さがなくなり柔らかい人体の質感が見えてきましたね!その上で骨格もしっかり見えてくるのでとても魅力のある作品です 粘土の扱いや表現力の幅が増えてきたのでこの調子でさらなる探求心を燃やし頑張ってください!
彫刻家 ジャコメッティは 眼差しが一番難しい 眼差しを作る事がでれば完成する と生涯探求し続けました
彫刻とは時間がかかります 作品にするには時間が必要です 作品を作る、デッサンをする今はそこにじっくり浸れる貴重な日々だと思います もちろん考え過ぎる事もたまには大事ですが難しく考えて動けなくなったら まずは目の前の出来ることをやってみましょう!!