カテゴリー別アーカイブ: 先端芸術表現科

先端芸術表現科夏期講習6期のお知らせ

こんにちは、先端芸術表現科です。

2ターム目の4期も終了し、いよいよ夏期講習も残すところあと1タームとなりました。

2ターム目の初日では、まずガイダンス代わりに「棒のワークショップ」を行いました。このワークショップは「与えられた棒を加工変形せずに、作品を作りなさい」というもので、こちらは4人一組のグループになって制作を行いました。

その後、午後の課題は「観察と想像」のワークショップ。こちらでは、「鳩を1時間観察し、そこから発見したことをもとに制作しなさい」という課題を行いました。各々が鳩を観察し、そこから発見したことを元に制作するこの課題では、表現の重要なはじまりとしての観察からどのように対象のあり様を見出し、自らの関心につなげていくのか、ということを考えていきました。

2日目は、まず皆でいくつかの遊びを実際に行ってみました。ウィンクキラー、形態模写、ジェスチャーゲーム、などなどを行った後に、3人一組のグループになり、「新しい遊びを作る」という課題を行いました。グループワークでは、自らの制作や思考のプロセスとは異なる他者とともに制作することで、自らの制作行為自体を客観的に捉え直すことが、重要な一つの契機となります。遊びのワークショップでは、各グループが新しい可能性を有した遊びを作成しました。最後はグループでの制作のプロセスがどのように進行したのか皆でディスカッションすることで、うまくいった点、うまくいかなった点を再度捉え直し、制作におけるプロセスの問題を皆で検討していきました。

3日目、4日目は一次対策を、素描・小論に分かれて行いました。4日目には、現在先端の学部に在籍している生徒をデモンストレーターとして招き、一次試験において念頭においていたこと、本番での問題への応答の仕方などを、受験生と話していきました。また個人資料ファイルの進め方などについても、自らの個人資料ファイルを紹介しながら話してもらいました。

 

最終日の作品講評会では、ギターによる暗闇での演奏から、パフォーマンス作品、粘土による造形作品、自らの家で行った制作活動などなど多種多様にわたる表現が提示され、講師一同も非常に刺激を受ける講評会になったように思います。4期での成果がしっかりと発揮された講評会になり、ここでの自らの気づきをもとに、これからの制作を進めていくことができれば、自らの表現を立ち上げていくきっかけになるのではないでしょうか。一日8時間を6日間という合宿のような日程でしたが、表現について考える大変濃密な6日間になったと思っています。

 

さて、来週の月曜日19日からは、3ターム目が始まります。

19 月 一次対策(小論or素描)
20 火 一次対策(小論or素描)
21 水 総合実技
22 木 ゲストアーティストによるWS
23 金 作品制作日
24 土 作品講評会

22日の特別ワークショップでは、いつもの予備校の課題と異なる特別な授業を、現在アーティストとして活躍している方をお招きし開催します。夏期講習の申込みは、こちらのウェブページから行えます。
受講相談など随時受け付けていますので、先端受験を考えている方は遠慮なくご連絡ください。
また18日日曜日には、2学期入学の方の高卒生を対象とした特待生試験もあります。こちらも関心のある方はぜひご覧ください。

というわけで、大変充実した夏期講習4期のレポートと6期のスケジュールの紹介でした。

先端の8月5日(月)からの夏期講習2ターム目のお知らせ

こんにちは。
先端芸術表現科です。夏期講習の第1タームが終わり、8月5日(月)から第2タームが始まります。

先週の第1タームは、一次対策に特化した6日間でした。
素描・小論に分かれ、8時間という通常のカリキュラムより長い時間をいかして、基礎的な事項から確認しながら進めていきました。

素描は静物から、面取り石膏、人物モデル、自画像など、近年出題が続いている自画像の対策を念頭に置きながら、幅広い試験課題に対応できるための基礎力を養っていきました。

小論文は、要約や内容説明、理由説明などの現代文的な読解問題に加え、自らの経験から思考し読み手を説得する議論の進め方や、昨年久しぶりに復活した色鉛筆によるイメージ課題など、こちらも基礎からゆっくりと進めていきました。


みなさん確実に6日間の成果は出ており、今後もこの調子で1次試験対策は着実に進めていければ、と思います。

さて、夏期講習2ターム目のスケジュールは以下のとおりです。

8月 9:30-18:30
5 月 ガイダンス・メディア演習(観察と想像)
6 火 メディア演習(遊びと身体)
7 水 一次対策(小論or素描)
8 木 一次対策(小論or素描)デモンストレーター参加
9 金 作品制作日もしくは演習課題
10 土 作品講評会

2ターム目では一次対策に加え、課題演習を通して自らの興味に気づき、それを深める契機にしてもらうことを目指しています。
最終日には作品講評会を行い、皆で各々の表現を検討し合います。2ターム目から参加される方は、初日にこれまで作ったものや、これから作りたい作品のプランなど持参していただければ、初日に面談し10日の作品講評会までの時間の使い方を相談することも可能です!皆さんこれまでの成果や、これからのプランなどぜひ持参してください。日常的に表現や制作について思考し実践し続けることが先端では最も大事なので、これからの一週間予備校がない間も美術館や博物館にいって他者の表現に触れたり、散歩して自らの思考をまとめたりしながら、4期に臨みましょう。

受講はまだまだ可能です。夏期講習の受講はこちらのページからおこなうことができます。
また遠方から受講を考えている方は、学生会館の方もぜひご検討ください。

(上の3点の画像は昨年度の夏期講習4期の記録です)

先端とホワイトキューブ

こんにちは。先端芸術表現科です。

前回の投稿で7月7日(日)に、ギャラリーを用いて作品の展示・発表をしたことについて書きました。今回は報告というよりも、ギャラリーや白い壁をめぐるいくつかのことなどを書いていきたいと思います。

さて、今日私たちが美術館やギャラリーにでかけて作品を見るとき、その背後にある壁の多くは白く塗られています。こうした白壁によって覆われた展示空間のことを一般的に「ホワイトキューブ」と呼びます。

このように白く囲われた空間が美術館に導入されたのは、1929年に開館したMOMAだといわれています。つまり絵画や彫刻などは、それ以前にも多く作成されてきましたが、必ずしも白い空間に置かれたり、かけられたりしていたわけではなかったのです。
それまでは王侯貴族のコレクションとしてある特定の個人の所有物であった美術品が、そのような場所から切り離され、「美術館」という場所をその鑑賞の空間とするのは、18世紀の後半のことです。フランス革命が起き、それまでは王侯貴族のプライベートなコレクションだった美術作品をパブリックなものとするために、1793年にルーブル美術館は設立されました。そこから19世紀でのサロンでの展示空間などを経て、先にも述べたように20世紀前半からは、今日のように、白い壁に作品が一点一点並べて置かれるという形式が主流になっていったといわれています。そして、ホワイトキューブという空間それ自体が、その後の現代美術の展開を規定していった、という議論もなされています。

参考サイト
英語 https://www.tate.org.uk/art/art-terms/w/white-cube
日本語https://artscape.jp/artword/index.php/%E3%83%9B%E3%83%AF%E3%82%A4%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%AD%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%96

さて、先端の1学期最後の講評会では、新美1Fのギャラリーを用いて発表したことは、前回のブログでも報告しました。新美のギャラリーでは、外光が入らないような白い壁とガラスの空間で、スポット照明を用いて展示を行います。そしてこのような展示空間自体は、上でも述べたように、歴史的に規定された、作品のための場所でもあります。つまり先端がギャラリーを使用するということは、必ずしも「理想的な」作品空間としてそこを用いるのではなく、そうした場所自体を再考し、表現と呼ばれるものがいかなる場所や空間において成立するものであるかを自らで捉え直すためのきっかけとしても機能している、と考えています。何がホワイトキューブやギャラリーと呼ばれる空間でしか成立しないものなのか?ギャラリー、教室、学校、道路、駅、ウェブページなどなど、作品や表現と呼ばれるものが今日いかなる場所で成立するものであるのか?ということを、自らの表現のあり方を考える中でも常に考え続けること、場所と作品との関係を再設定していくことも、先端の受験においては重要なことの一つだと考えられます。

以上の事柄に関係する2つのことを紹介します。

1つめは、「Chambres d’Amis」(フランス語のタイトルで、カタカナでかけば「シャンブル・ダミ」となります。直訳すると「友人の部屋」となりますが、英語での定訳は「ゲストルーム」となっているようです)という名前の1986年に開催された展覧会。これはヤン・フートというキュレーターの企画によって、ベルギーのゲントで開催されました(この展示については、以前のブログでも紹介しました)。
この展覧会は、タイトルが示すように、私邸に作品を設置するというもので、美術館に代表されるホワイトキューブで公共性を有する展示空間ではなく、私的な生活空間においてアーティストが作品を設置するところにその批評性があります。artscape内の記事も参照してみてください。

https://www.macba.cat/uploads/20101111/chambres_amis_eng.pdf
このpdfで、展覧会風景の写真がいくつかみられます。

もう一つ紹介するのは、トーマス・ヒルシュホルンというスイスの作家の、次の文章です。
Less is Less, More is More
ヒルシュホルンは、今日では様々なプロジェクトや、大量のゴミのようなものが集積したインスタレーション作品、アルミホイルやガムテープなどの素材で作られた平板な彫刻作品で著名な作家ですが(例えば、1999年にベネチアビエンナーレにも出品された《世界空港》という作品や、《TOO TOO-MUCH MUCH》という作品)これは作家が95年に書いたテキストの英語翻訳になります。
まずはタイトルから。これは、建築科ミース・ファン・デル・ローエの有名な言葉”Less is More”のもじりになっています。「より少ないことはより豊かなことである」とでも訳せるこの言葉は、最小限の要素から成立する建築を称揚するモダニスム建築の有名な標語でもあります。
このタイトルはそれをもじりながら、「より少ないことはより少ないことであり、より豊かなことはより豊かなことである」という同語反復が用いられています。
この文章の中でヒルシュホルンは、美術館やギャラリーにおいて、白い壁に少ない数の作品が置かれていることを批判します。そしてそのような空間は、労働者階級の家や売店のような空間ではなく、「中産階級の上位層の家」に類似していることを指摘します。つまり、ホワイトキューブに少ない作品が置かれていることは、単に美的な問題ではなく、それ自体が経済的な格差に基づいた設計によって基礎付けられているということです。そしてヒルシュホルンは、自らの作品のあり方それ自体も経済的な観点から成立させようとします。それが上でも掲げられた「より少ないことはより少ないことであり、より豊かなことはより豊かなことである」というタイトルが示していることです。大量のもので埋め尽くされた空間は、上のような空間の捉え方から帰結するものなのです。

これから始まる先端の夏期講習でも、自らの状況や表現の起点を自明なものとするのではなく、課題や講評を通して皆でそれぞれの表現の立ち上げについて考えていくことができれば良いと考えています。それがひいては、受験に必要な個人資料ファイルを作るためのもっとも重要なはじまりになると考えるからです。

それでは、先端芸術表現科でした。

先端芸術表現科一学期の終わりと夏期講習の始まり

こんにちは。先端芸術表現科です。

1学期最後の講評会が7月7日(日)に開かれました。
最後の講評会ではギャラリーを用いて展示や発表が行われました。
受講生の方それぞれの興味や関心からなされた表現群は、まだまだもちろん詰めて考えなければいけないところは多くあれど、多くの可能性を潜在的に有しているものになっていたように思われます。

さて、先端芸術表現科の夏期講習は全3タームに分かれていますが、7月22日(月)から最初のタームが始まります。最初は6日間一次対策のみを行うタームになっています。一次対策では、素描・小論共に、モチーフや課題文としっかり向き合い、観察・読解することが求められます。最初のタームでは、基礎的な課題から、本番想定課題まで6日間かけてきっちりと一次対策に必要な力を鍛錬していきます。
これから先端入試の対策を始めるかたでも大丈夫です。また高校2年生で来年先端受験を考えている方にも、夏期講習はその最初の入り口として受講を勧めていますので、もし興味のある高校2年生の方がいらっしゃいましたらぜひご相談ください。
小論と素描で悩んでいる方は初日にガイダンスを行い、受講の仕方を決めていきます。

先端夏期講習第一タームの日程(時間は全て9時半-18時半)

22 月 一次対策(小論or素描)
23 火 一次対策(小論or素描)
24 水 一次対策(小論or素描)
25 木 一次対策(小論or素描)
26 金 一次対策(小論or素描)
27 土 一次対策(小論or素描)

第二タームの日程は
8月
5 月 メディア演習(観察と想像)
6 火 メディア演習(遊びと身体)
7 水 一次対策(小論or素描)
8 木 一次対策(小論or素描)デモンストレーター参加
9 金 作品制作日もしくは演習課題
10 土 作品講評会

第3タームの日程は
8月
19 月 一次対策(小論or素描)
20 火 一次対策(小論or素描)
21 水 総合実技
22 木 ゲストアーティストによるWS
23 金 作品制作日
24 土 作品講評会

となっています。
第二タームでは、課題演習や制作を通して、自らの表現のありかを探りながら、最終日の講評会に向けて制作を進めて行きます。途中の8日木曜には、昨年度合格者をデモンストレーターとして呼び、一次試験の問題をともに解いてもらいます。またその後に、個人資料ファイルを解説してもらう時間を設け、合格者が受験のときにどのように考えて制作を進めていたのか話していただきます。

第3タームでは、一次対策、総合実技対策、作品講評会に加え、22日木曜には現在アーティストとして活動している方を招聘し、特別授業を行っていただきます。先端の個人資料ファイルは、もちろん受験で求めらているものではありますが、それにとどまらず受講生自身がこれまでとこれからにどのような表現を志向するのかを考えるための、要石ともなりえるものです。

夏期講習の申し込みは、こちらからできます。
遠隔にお住いの方がお使いになることができる学生会館等の情報はこちらをご確認ください。

先端芸術表現科7月7日(日)の講評会のお知らせ

こんばんは。先端芸術表現科です。

7月7日(日)の先端芸術表現科前期最後の講評会では、1Fのギャラリーも用いて、1学期のまとめとして各々が制作してきた作品を展示・発表します。

昨日23日(日)には、自作のプラン発表と検討を皆で行いました。

 

プラン発表といえども、形式は自由です。各々のプレゼンテーションの方法によって、パワーポイントを用いたり、写真を用いたり、ドローイングを用いたりして行います。今回のプラン発表では、自分の興味や制作のきっかけを通して、以下にしてそこからコンセプトを立ち上げ、実現まで至るのかということのための最初の段階として、皆で様々な点について検討したり、こうしてみてはどうかという提案が繰り広げられました。

次週30日(日)では、今回のプラン発表を経た上での次の段階として、実際にやってみたこと、制作してきたものなどによって講評を行う予定です。その上で、7月7日(日)には、今回制作してきたものだけでなく前期で行ってきたことも含めたうえで、個人個人の活動を振り返り講評していく予定です。その後、9日10日の火曜水曜では、記録写真の撮影を皆で行ってみたり、一度紙媒体で文章と写真、ドローイングなどを通して自分の作品を他者に伝えるということを前期最後の授業として行ってみます。

先端の夏期講習会は7月22日(月)から、最初のタームが始まります。
7月7日(日)の講評会は無料体験の枠組みでどなたでも参加可能です(見学のみも可能です)。
無料体験の申込みはこちらから。
夏期講習前の最後の講評会となりますので、夏期講習の受講を考えられている方、先端の受験を考えられている方はぜひ参加してみてください。