日別アーカイブ: 2023年5月13日

彫刻科:5月になりました

こんにちは、講師の新妻です。

新学期はじまって一月ほど経ちましたが調子はどうでしょうか。4月が素描課題が多めだったところからだんだんと石膏像や模刻などお馴染みの課題が増えてきましたね。春先は一番平常運転で課題に取り組める期間だと思います。一つ一つ自分の中での狙い、実験、楽しみなど、なにかしら意識しながら新しい気づきが増えるように取り組んでもらいたいなと思います。

では最近の秀作紹介です↓

生き生きとした良い墨使いです!モチーフから受け取っている印象の確度はいつも高いので、単純な形の見落としなどの抜けがなくなってくるとかなり強いと思います。

難しい位置ですが、マルスのもつ動きと姿勢、どっしり感がうまく表現できました。顔の中の墨の配置をもう少しだけ整理できるとより見やすくなりそうですね。

やや墨が重たい印象ですが、細部描写と大きな形の持つリアリティーの噛み合わせがうまくいきました!この調子です!

表情に内面の含みを感じるような自刻像ですね。作品の前に立った時にハッとするような空気を感じるような人物彫刻っていいですね。

粘土が魅力的で本人によく似ています。髪の毛や細部の表現、肩のカットの見せ方など、自分の作品を作る感覚でどんどんチャレンジしていってほしいです!

続いて夜間部の作品です。

うーん、良いですね!出だしから印象を掴んでいましたが内容がしっかり詰まった見応えある一枚になりました!気にしなければならない要素が多い中でうまくバランスをとりながら進めていける大人な部分を感じます。

基礎科生の静物素描です。特に白布の糸のほつれや、床についた部分の布の重なりとかよく見ています!たのしんでますね〜。

最後に一枚。

自宅のデッサン整理してたら出てきた、新妻が高校2年生春に描いたヘルメスです。まだ構図もバランスも構造も木炭の扱いすらもイマイチよく分かってなかった頃に『なんかこんな感じ」っていう見た印象だけを頼りにぶつかってた頃ですね。懐かしい。

いま描いてるもの、作ってるものは今しか描けない、作れないものです。パーフェクトなものだけに価値があるわけではありません。発展途上の(ずっと途上なんだけど)今この時に感じているものを全力で表現することに意味があります。その積み重ねでどんどん作品も自分も変化していきます。そのプロセスすらも楽しんでいきましょう。

今回は以上です、ではまた。