日別アーカイブ: 2015年7月18日

1学期末ラスト 大型石膏頭部模刻。

学科はしっかりやってますかー!?
こんにちは。彫刻科の小川原です。彫刻科昼間部で1学期末に3日かけて大型石膏像の頭部模刻を行いました。実際試験では出ませんが、そこを突き抜けてこういった課題に体当りしていくことで視野も広がるし、意識も高まっていくことだと思います。
ジョセフ。
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出だしでは量の大きさに翻弄される部分もありましたが、最終的にはかなり印象を合わせてきました。慣れている像であっても、初めてつくる像であってもその魅力に反応していければ今持っている技術で充分な物が出来るでしょう。

ラオコーン。
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土付けは地味ですが、裏を返せば丁寧に対象を追えています。ここまで合わせてくると、むしろやるべきことがどんどん見えてきて、いくらやって終われない。ということに気付いてくれたと思います。それらをやり切るためには前半の見切りを限りなく正確にしていき、時間を短縮していく必要があります。繰り返しトレーニングを積んで的確な荒づけ作業が出来るようにしましょう。

さて、しばらく前に課題で行なった実在実習の木彫作品が完成しているのでそれも紹介したいと思います。

「動」をテーマにした手の木彫です。
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正直うまいなと思いました。大学生より上手いんじゃないかな 笑。粘土でつくったり、デッサンを描いてみれば分かる通り、手はとても難しいんです。これだけ複雑なものを木の塊から彫り上げるというのは半端なデッサン力や、形体を見切る力では出来ません。その上道具の使い方も慣れが必要です。彼は初めて木彫を行いましたがこの1作品の中でそれらの能力を伸ばしながら同時に完成へと向かって行くことが出来ました。彫刻の制作においては作る形によって常に新たなスキルを身に付けていかないといけないので、こうした経験が出来たことは彼にとって非常に有益なものであったと思います。

今回は最後に今制作している本制作の作品を紹介します。「夜」をテーマにした作品。もう大分進んでいますが、少しずつ順を追って解説していきたいと思います。
僕は制作前に必ずデッサンを描きます。デッサン、塑造、木彫の順に段階を経て実際の形にしていくのですが、これはすぐ直せる順ということです。特にデッサンはすぐ印象が確認できるし、直すのも楽なのでイメージ作りにはとても重要です。
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次は塑造です。塑造したものをパーツごとに分解、中空にくり抜いて窯で焼成、再度組立ててそれをマケット(実制作の模型)とします。この段階では実際に立体として像を確認できるので、デッサンでは想定できない部分を補っていくことが出来ます。粘土なので形の変形が瞬時に感覚的に行えるのが良い所です。
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そして木彫へ。これまでにイメージを深めてきたことを木にぶつけていきます。まずはいらない部分を大きく落としていくためにザックリとしたデッサンを入れるところからです。ここでミスすると作品としてのダメージが大きいので何度も確認します。
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続きはまた次回。

僕は大学で木彫をやらなかったですが、卒業後しばらくたってからいきなり始めていつの間にか5年くらい経ちました。大分慣れてきた感じがします。

20日から夏期講習が始まりますね!僕の目標は夏期講習中に現役生も含め、全員を実際の試験で戦えるレベルに限りなく近づけていくことです。
もう勝負は始まっています!頑張りましょう!