日別アーカイブ: 2015年7月10日

学生講師の活躍と受験期の話

デザイン科総合コースの滝口です。

今回は、新美の総合コースや渋谷校に学生講師で教えている芸大デザイン科の院1年の木下真彩先生が、先日グラフィックデザインで有名なJAGDA(日本グラフィックデザイナー協会)の学生コンペティションで見事優秀賞を受賞されて、他にも2014と2015の東京TDC(東京タイプディレクターズクラブ)賞で入選に選ばれ、学生でいながらとても精力的に活動されている木下真彩先生の受賞作品や受験時代についてインタビュー形式で紹介したいと思います。

JAGDA学生優秀賞
タイトル:『Read the Space of Japan』

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Q:先ずは、今回の受賞された作品についてですが、どういう経緯で作品が生まれたのでしょうか?

木下:学部3年生のときの「伝統とデザイン」という課題で制作したものです。日本建築をテーマに文字をつくりました。

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(上)『Read the Space of Japan』細部。それぞれの文字は、日本の古典的な家屋で作られています。日本の古典美術画や箱庭的な空間視点が感じられます。

Q:制作されているのはタイポグラフィーの作品が多いですが、タイポグラフィーの魅力って何か少しお話し頂けますでしょうか?

木下:意味を持つ記号の中にキャラクター性を持っているところが面白いなって思います。同じ言葉でも書体が違えば雰囲気が変わりますよね。奥が深いです。

2015東京TDC賞入選
タイトル:『塩の道』
Salt-Tells

Q:受験時代についてお話しを伺いたいですが、受験ではデッサン/色彩/形体では、どれが得意でしたか?

木下:一番好きなのはデッサンでした。立体も楽しんでつくってましたね。描写ばっかしていたので、平面構成はあまり得意ではありませんでした(笑)。

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木下15
(上二つとも)東京芸大合格作品

Q:受かる年にはデッサンに自信があったそうですが、デッサンが得意になるにはどうしたら良いでしょうか?どんな練習をしていましたか?

木下:確認の仕方をたくさん持っておくことが形を合わせるコツだと思います。パズルを完成させていくみたいに、あるポイントを決めて、ここが合えばじゃあこことここが決まる…みたいな。そうやって全体を比較しながら確認していくと自然とズレが修正されていって、ピタッとしていくと思います。練習というか、いろんな描き方を試してみましたね。アウトラインからとらえたり、ボリュームからとらえたり。失敗も繰り返して、自分の描き方を見つけていった感じです。だまされたと思って、違うやり方を試してみると、意外と発見が多いですよ。

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(上)昨年の新美プロセスポスターになったデッサン

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(上)受験時代のデッサン

Q:今現在でもそのデッサン力というのは、作品等に活きていると思いますか?

木下:そうですね。直接表面に出てこなくとも、頭の中ではデッサン的なイメージが強くあると思います。受験時代と違うのは、そのイメージをどう応用していくかってことかな、と。

Q:東京芸大を1本で受験していましたが、今東京芸大にいて、芸大の魅力って何だと思いますか?
また、新美で受験勉強していてどうだったでしょうか?

木下:よく言われるのは、平面系も立体系も一緒に課題をやるってところですかね。わたし自身、グラフィックを専攻するって決めたのも3年生の夏頃でした。入ってからいろんな分野の人たちと交流することで、世界も広がっていくし、刺激が多いのが魅力だと思います。デザイン科のみならず、他科の人と話すのもとても面白いです。

新美には高校3年の夏から2年半くらいお世話になっていました。今思えば、悩んだり落ち込んだりしてても毎日楽しかったな?。戻りたくはないですけど。受験勉強って、入試のための修行期間ですよね。地道にやっていくしかないんです。休むのも頑張るのも全部自分。ずっとバスケをやってきたので、受験に対する姿勢も体育会系だってよく先生たちに言われてました。(笑)

色々なお話しありがとうございました。

普段教わっている講師たちの活動や、受験時代の話とかも聞いてみると、本当に色んな刺激になると思います。皆が今美大受験という事で切磋琢磨しているデッサンや色彩/形体等の実技が、どう将来のクリエーターとしての基礎の力へと活かされて行くのか。
また受験という事で終わらず、大学に行ってからもどんどん精力的に活動していく気持ちなんかも大事だと思います。

新美には色々な学生講師が来ています。実技指導だけでなく、そういった色々な経験話も聞いてみると良いと思いますよ。