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先端科 14日講評会/21日特別講習のお知らせ

こんにちは。先端科です。

今週末、14日日曜日の授業では、今年度初めての自主制作の展示とその講評会を行います。

芸大の先端芸術表現科受験では、自分の活動・制作記録をまとめた個人資料ファイルの提出が求められています。

一体どんなことを面白いと感じるのか、自分の興味を具体的に手を動かしながら探る時間を過ごすことが必要です。

先端科を受験しようと考えている人たちがどんなものを作っているのか知り、そのことについて考えることは、自分の制作にもかえってくる重要なことだと思います。

また、次週の日曜日、21日には無料で参加出来る特別講習を予定しています。

どんなことをするか詳しくお知らせしているページのリンクを貼っておきます。

http://www.art-shinbi.com/event/2017/sentan-0521/

お気軽にいらしてください。

 

見学や体験の申し込みは以下のリンクからできます。

当日突然の参加も申し込み可能です。
http://www.art-shinbi.com/event/muryoutaiken/

授業時間
火・水 17:30-20:30
日   9:00-16:00

 

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講師が今気になっている展覧会情報を載せます。

東京ステーションギャラリー「アドルフ・ヴェルフリ 二萬五千頁の王国」

Yumiko Chiba Associates viewing room shinjuku「イ・ウォノの個展 The weight of the vacuum <空白の重さ>」

(↑新美から歩いて5分!)

日本民藝館「江戸期の民藝?暮らしに息づく美?」

インターメディアテク

神奈川近代文学館「生誕150年 正岡子規展」

最後に載せたのは横浜の中華街から歩いて15分ほどのところにある神奈川近代文学館の特別展です。

正岡子規という人の生涯を素晴らしい密度で紹介しています。

俳人として名高い子規は、19世紀のナショナリズムが高揚していた時代を生き、政治家になり国のためになることを夢見ていた人でした。

しかし、20代の終わりに重大な病に侵され、寝たきりの生活を余儀なくされたとき、その夢を捨てて文学者として生きる決意をします。

親友夏目漱石をはじめとする明治の知識人たちと親密に交流を深めながら、西洋の美術用語であるスケッチからヒントを得た「写生」という方法で、世界を、そして自らの身体をはかろうとした人でした。

つまり、写真や絵のように俳句を扱い、その風景を捉えようとしていたと言えます。

文字が多いのは確かですが、この展示では子規や漱石が描いた絵や直筆の原稿、書や、作った雑誌など、ものをたくさん見ることができて、美術を志すみなさんが訪れてとても楽しめるものになっていると思います。

6月21日(日)先端科 プレ夏期講習会のお知らせ

こんにちは、先端科です。

6月21日に行う「プレ夏期講習会」のお知らせです。
無料で受講できますので、是非この機会に試してみてください。

《はじめての総合実技対策》

先端プレ夏期ブログ

試験と言われると、何だか緊張しますね。能力を試されているように感じてしまいます。
先端科の試験では、与えられた課題や素材から、自分なりのアイデアをかたちにできるかどうかが鍵になります。
アイデアはひとつではありませんし、どんなに小さくても構いません。
一息になにか大きなものがつくられるわけではなく、小さな発見や工夫の積み重ねが大切です。
たとえば一般的なテストでは、こたえのが正誤がそのまま点数として結果になりますが、先端科の試験はそれとは少し異なります。
最終的なこたえに辿り着くまでのアイデアの積み重ねが評価の対象になります。
重要なのは、実際に課題や素材に触れ、考え、試してみないことには、そもそもアイデアは出てこないということです。
まずはこのプレ夏期講習会からはじめてみましょう。

時間9:00~18:00

タイムテーブル 
9:00~9:30 イントロダクション
9:30~12:00 ドローイング+ディスカッション
13:00~16:00 造形課題(個人面談)
16:30~18:00 ディスカッション+講評会
※時間内に芸大・美大入試ガイダンス、面談も行います。

【ゼミ内容】
二次対策(総合実技)を想定した内容の課題に取り組みます。
これまで対策をしてきたひとは、試験の雰囲気を知る機会になります。
また、先端科に興味はあるけど受験をするか迷っているひとは、一通り試すことで受験をするか判断できる良い機会だと思います。
外部生対象で個人面談も予定しています。
はじめての方でも気楽に参加してください。
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持参するもの:鉛筆などの筆記用具、色鉛筆、はさみ、カッター、定規1本(60cm以下)、のり

道具の他に、今まで制作した作品の写真、ファイル、小論文など個人を表現する資料があれば持参してください。

先端芸術表現科とは

新学期も始まって1ヶ月が経ちました。

1学期の間は、みなさんには様々なエクササイズをしてもらっています。
というのも、新美に来るまで自ら作品を作ったことの無い人も多くいるからです。
どのような人が先端科を目指すのか?
「先端科って何をする科なの?」
「いろいろな表現を学べるの?」
「卒業制作の展示を観に行ったけど、作品を観てもよくわからないけれど、なんだか面白そう。」
など、これまで作品を作ったことがないけれど、直感的に面白そうだなと興味を持ってくる人。
「わたしは小さい頃から絵を描くのが得意でした。しかし、大学ではもっと違うメディアも使い表現の可能性を広げたい。」
「わたしは現代美術を観ることが好きで、○○というアーティストに興味があります。」
といった、制作することや作品を鑑賞することが、好きなひとも来ます。
または、もっと具体的に、
「わたしは、これこれこういう作品を作っています。このようなことを続けていくことで先端科に入れますか?」
「今の時代、こういう活動が必要だと思っています。」
など、自分のやりたいことが明快な人もごく稀にいます。
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生徒作品(パフォーマンス)
ではいったい東京芸大の先端科とはどのような学科なのでしょうか
インターネット環境に慣れ親しんだみなさんは既にされていると思いますが、念のためお伝えします。
やはり、まず最初にやることは、
芸大先端芸術表現科のホームページ(HP)を見ることです。
東京芸術大学のHPと、先端芸術表現科が管理しているHPとふたつあるので両方見て下さい。
1)東京芸術大学のHP内の先端科→
ここでは、先端科の理念が書かれています。
芸術の持つ意味そのものを「表現の問題」として問いかけます。
?
先端科の「先端」という意味について、よく聞かれるのですが、
上記の理念からすると「Intermedia Art」と「先端科」を定義しているので、こちらの方が何を意図して作られた科なのか理解できます。
?
また、年間カリキュラムも公開されているので、大学でどのような授業が行われているのか一通り目を通しておくと、何をする科なのかイメージが掴めると思います。
2)先端芸術科公式HP→
ホームページでは、
学内のイベント、現在活躍している卒業生、先端科の教授陣が紹介されています。
イベントは、常に何かしら行っているので、観に行くことをお勧めします。
HPで調べることは、
1、どのような理念のもとに作られた科なのか?
2、卒業生はどのような活動をしているのか?
3、教授はどのような方達なのか?
4、大学の授業内容は?
3の教授に関しては、HP内では詳しく紹介されていないので、教授の名前でインターネット上で検索すると、多くの情報を得ることができるので調べてみてください。
3
生徒作品(教室に設置されてあるエアコンに、人型に切り抜いたビニールを展示)
では、新宿美術学院の先端科ではどのように芸大先端科を解釈しているのか?
芸大先端科である理念「芸術の持つ意味そのものを「表現の問題」として問いかけます。」という難解な問に対し、
まず最初にやってみる導入の問いとして、
自分で作品というのものを定義してみる。
だと思います。
これはとても難しいことで、すぐにはできるものではありません。
しかし、その都度、「自分なりに作品とはこういうものである。」と定義してみることが重要だと思います。
間違えても良いのです、その都度更新していけば良いだけなので。
何を言いたいかといいますと。
先端芸術表現科で作られた作品というものは、世の中一般としては「現代美術」または「現代アート」と呼ばれているものが想定されていると思います。
しかし、それも先端科の問いである「芸術の持つ意味そのものを「表現の問題」として問いかけます。という射程の一部にすぎません。
おそらく、もっと広い意味で表現活動または作品というものを捉えようとしているのではないでしょうか?
「作る」または「創る」「想像」する。など生産的なイメージが美術やアートにはあります。
また「アート」とは「技術」という意味もあります。
または「発見」「見出す」など新たに価値を見出すことも、表現の中には含まれています。
ただ作るだけではなく、社会や物、自然を観察することから、多くのことに気づくことも、制作に含まれます。
絵画にしろ、造形にしろ、既にあるものの模倣からはじまっているといっても良いくらいです
と考えると、
「10年後の生活環境を想像する。」
「今の社会がどのような経緯で出来たのか?日本や世界の歴史を遡ることで、今やるべきことを考える。」
「日々ニュースを見ていても、山ほどの難題と直面しています。それらとどのように向き合うのか?」
物の形について考えるのであっても、人体は毎日の食事によって体型も変わりますし、環境によっても左右されます。
スポーツ選手の体型とオフィースワークをしている人の体型はまったく異なります。
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生徒作品(布にペイントされた顔:布の重みによって描かれた表情が弛む)
話はかなり飛躍しましたが、「作品を作る」ということを考えた時に、どうしても大文字の「作品」「美術」「アート」っぽいものを想定してしまいます。
しかし、世の中を見渡せば、あらゆる物が造形され、デザインされ、様々なひとの工夫によって成り立っています。
そのときに自分にとって創造的な行為、技術は何なのか?また作品とは何なのか?問いを起こすことから始まると思います。
いや、もしかすると本末転倒かもしれません、世の中を見渡し、自分が何を発見し、驚き、自分もその中に参加してみたいと思うのか?
手探りで、世界と直面していくことが、問いであり、制作活動なのかもしれません。