映像科:実技模試(公開コンクール)でした。

こんにちは、映像科です。
10/11(日)の武蔵野美大映像学科型の実技模試に参加されたみなさん、丸一日の制作と講評会お疲れさまでした!。この時期の模試としては非常にレベルが高く、今後のさらなる成長も期待できる内容でした。この記事では当日出題された模擬試験問題とその出題意図を紹介します。今回参加できなかった人も、ぜひ今後の対策の参考にしてください。

■感覚テスト(B3マス目画用紙/3時間制作)
下記の文から想起する場所のイメージあるいは出来事のイメージを絵と文章で表現しなさい。
混ざっていく

出題意図&アドバイス:
武蔵野美大映像学科の感覚テストでは、与えられた言葉から映像的なイメージを表現することが求められます。今回のキーワード「混ざっていく」では、二つ以上のものが一つになる、その「時間」を「場面」として表現してもらいたいという意図がありました。「混ざっていく」は物質的な解釈も、心理的な解釈もあり得ると思います。いずれにせよ、映像という視覚的な表現の資質を見極める試験なので、「何を見せて」「何を想像させるか」をそれぞれ明確にすることが、場面の演出の鍵になると思います。


(感覚テスト講評風景)

■小論文(600字原稿用紙/2時間制作)
配布されたモチーフを観察して、文章で描写しなさい。

出題意図&アドバイス:
武蔵美映像学科の小論文では、例年モチーフが渡されます。今回のモチーフはかなり大きなサイズの松ぼっくりが1個。近年出題されている「巻貝」「鳥の羽」を踏まえて、規則的な構造を持った自然物を選びました。この傾向の問題については、問題文にもポイントがあります。小論文でありながら問題文に「~論じなさい」ではなく「描写しなさい」と書かれていることで、まとめ方がわからないという意見もよく聞きます。まずはモチーフをよく「観察すること」が大切です。その観察の過程で「わかったこと」を明確に書くという意識が高得点に繋がると思います。


(こちらが小論文のモチーフ。大きい…!)

■鉛筆デッサン(B3画用紙※縦長の指定/3時間制作)
配布されたモチーフを、自由に描きなさい。

出題意図&アドバイス:
デッサンのモチーフも小論文と同様に松ぼっくりが1個。ただしこちらは普通サイズです。条件は昨年の出題を踏まえて「モチーフは2個以上を描くこと」「そのうち1個は克明に描くこと」としました。実際の試験では配置や演出の度合いに関して、かなり様々なタイプの合格者作品が制作されていたようですが、まずは「問題文の条件にしっかり答えていること」「モチーフをよく観察して丁寧に描写していること」は評価されます。むしろトリッキーな構図に走ったり演出で悩みすぎたりして、描写が不十分にならないように気をつけたいです。


(鉛筆デッサン講評風景)

講評会の最後には表彰式。総合1〜3位の他に、「感覚テスト」「小論文」「鉛筆デッサン」の各部門賞は、講師から副賞もありました。今回良い結果だった人はおめでとうございます!

そして今回力を出しきれなかった、あるいは力不足を感じた人も、まだ大丈夫。ここから4ヶ月弱でレベルアップできます。結果が伴わないとどうしてもネガティブになりがちですが、そういうときこそ、まずは自分の作品の「良い部分」「好きな部分」を見直してみましょう。作品を制作するスタート地点では必ず、何かしら表現したいことがあるはずです。それを鑑賞する人に伝えるためにはどうしたらよいか。今後の授業の課題制作でたくさん実験してみてください!

映像科のコンクールは12月にもあります!少し先ですが、12/22~冬期講習会の中期EBコース内で「感覚テスト」「小論文or鉛筆デッサン」「学科(英語・国語)」模試を行います。試験まで残り一ヶ月ちょっとの段階で、良い成績が出せると良いですね。次の目標に向けてまたここから頑張っていきましょう!

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2020年度合格者インタビュー公開してます!
Vol.1:感覚テスト編
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Vol.3:小論文 / 文章表現編
Vol.4:総合型選抜 / クリエイション資質重視方式編
Vol.5:学校推薦型選抜/ディレクション資質重視方式編

小中学生のためのデザイン&アートスクール

渋谷校です。

今回中学生または小学生 向けの講座を作りました。
絵が好きで、将来イラストやデザインの仕事に興味があり、
もしかしたら美術大学進学を考える中学生(または小学校6年生)向けの講座です。

1講座より、お好みの回の講座を選択して受講いただけます(複数受講も可)。
道具の使い方からご説明しますので、初心者の方も安心して受講してください。

開催日時
○11/7(土),14(土),21(土),28(土)
14:30〜17:30
各回の講座内容
○11/7  鉛筆の使い方と簡単なモチーフの描写(立方体を描く、発泡立方体)
○11/14 鉛筆の使い方と簡単なモチーフの描写(円柱を描く、紙コップ、模様付き)
○11/21 多少複雑なモチーフ(自然物を描く、リンゴ)
○11/28 絵具を使用して、文字を描く(レタリング)

詳細は
https://www.art-shinbi.com/event/20event-syougaku-01.html
でご確認ください。

くにたちの基礎科・秋

国立校です。

受験生は推薦入試、来週から始まる公開コンクール(実技模試)に向けて、緊張感を持って制作しています。

さて基礎科では、その受験生に刺激を受け、恒例の国立をアピールするポスターデザインにチャレンジしています。
みんなそれぞれ苦戦しながらも、爽やかなイメージのものや、とても細かく凝ったものなど、
楽しいデザインがどんどん生み出されそうです!

美大受験を考えている高1.2年生、中学生の方、
国立校で体験から初めてみませんか。
お待ちしています。

 

演習課題と自画像コンクール。

あっという間に、二学期も1ヶ月過ぎました。過ごしやすい時期となりました。去年はこの時期に台風の被害があったことを、思い出します。今年は来ないことを祈りたいですね。

デザイン•工芸科夜間部です。

まずは、静物デッサンに限定したデッサン見るだけの日の報告です。講師5人で2時間半ちょっと、生徒の視線を背負って描くという講師には過酷な授業です。今回のモチーフはその後生徒も描いたので、描き方に直接的な影響を感じる生徒が結構いたのではないかと思います。デモンストレーションしていただいた講師の方々、お疲れ様でした。

 

そして、新美合同自画像コンクールの制作、投票、そして上位作品のギャラリー展示です。 投票前の風景はこんな感じです。  新美のウィンドウは、こんな感じにカラフルな作品となっています。デザイン・工芸科夜間部の主任賞は、こちらの中央の作品にしました。とても素直でそれでいて見せ方に工夫があって、良い作品だと思います。

 

公開コンクールも、いよいよ今週末から始まります。申し込みを忘れずにしましょう。

https://www.art-shinbi.com/koukai/2020/

自画像

こんにちは、油絵科です。

先週は全科合同のコンクールの採点がありました。毎年自画像関連の課題が行われるのですが今年は「私について」でした。並んだ作品を見ると鏡に向かって真剣な間ざしで描写するものやイメージで描くもの、今年は着彩をしたものなど多彩な取り組みがあって全科で幅があって面白く鑑賞させていただきました。

自画像は古くから描かれている題材で、一般的にはレンブラントやゴッホなどが有名でよく知られていると思います。

また自画像として変わり種を紹介すると「泉」で有名なデュシャンも72歳の時に自画像「わが舌はわが頬のうち」を制作しています。

紙に描いた横顔の線描の上に石膏撮りされた彼の頬を思わせる物が合わせられています。口が固く閉ざされた自画像ですが、何を語り、もしくは語らないようにしているのでしょうか。絵画としても彫刻としてもある意味で中途半端なその作品はメディアから解放された彼の信念や魂がより鮮明になっているようにも見えてきます。

 

日本人の作家では石田徹也   は自画像で有名な作家です。彼の作品は強い物語性があり見るものを創造の世界に引き込みますが、実際に間近で見たときに何よりも惹かれたのが、絵画内からこちらをのぞき込むような絵画内にいる彼の純粋でまっすぐな瞳でした。丹念で実直に仕上げられた絵は、見るものに鑑賞しているのではなく、見返されてるような不思議な感覚を与えています。

 

他にもPHAIDONの500の自画像という画集に多くの自画像が掲載されていて楽しむことが出来ますよ!