夏期講習会直前講座 (油絵科編)

いよいよ梅雨明けの頃となりました。じめじめがとても苦手な油絵科の箱岩です。

やっと夏到来ですねぇ。

新美とゆかりの深い「ブルーピリオド展」も受験生の皆さんにはとても興味深いことと思いますが、ここだけの話、正直に言います。。。。。お勧めです!!

ブルーピリオドの世界観がさらに広がりを持つ気がします。渋谷で教えていた期間には保護者の皆様にこっそりお勧めしていたマンガです。受験生の苦悩や葛藤、藝大受験のリアリティが感じ取れます。美術畑じゃない保護者様ほどぜひ読んでみて欲しいマンガです。

さて会場を飾る作品群の中で主人公矢口八虎くんの藝大同期生で圧倒的な画力を見せつける村井八雲くんの再現自画像、および劇中の八雲君の大型作品の画像提供をしており、村井八雲のモデルなのではと噂されている アーティスト 川田 龍 (かわだ りょう)君

実は新美の卒業生なんですが、このタイミングだからこそ、ぜひいろいろ話を聞いてみたい。

そこで、今回の夏期講習会直前講座にお招きして講演会を開催します。

 

 

スケジュール紹介

日時 7月10日(日)  参加費;有料

午前9:30~12:30

門外不出・秘蔵の藝大合格再現を披露。どのような着眼点で、どのようなテクニックで描かれたか。また、担当講師だけが知る受験のエピソードなどを紹介します。

過去作品の分析は東京藝大がこれまでにどんな作品を認めたかの歴史でもあります。ひとりひとりの個性に寄り添ってきた新美生ならではの多様な作品群をぜひこの機会に目撃してください。

午後13:30~16:30

「川田龍講演会」

新美での浪人時代の話、大学での活動や卒業後のアーティスト活動、受験の心得や大学生活の心得

アーティスト活動についてなどなど

「川田龍さんへの一問一答」

受講者からの質問をつまみに座談会を開催します。先輩に聞きたいことが聞ける大チャンスですよ。

https://www.art-shinbi.com/event/2022/22event-s_s_s/s_s_s-B.html

夏期講習会の申し込みも始まっております。

この夏、明らかなアドバンテージを手にしたい君!! 新美で一緒に最強を更新していかないか?

 

 

 

 

 

彫刻科 1学期後半の預かり作品。7/10(日)公開石膏クロッキーゼミ開催!

こんにちは!彫刻科の小川原です。

1学期ももう後半ですね!新学期始まってからここまでの期間でかなりの成長をしてきました!これだけの実力があるのなら今大事なのはまさに「勢い」です!限界を自分で定めてしまわずに、進化し続けていけるだけのモチベーションが維持できるかどうか。これが合格を手に入れられるかどうかの鍵であると思っています。まあ実際は1年通して気持ちを高めてやり通せる人は少ないですが、そういう人はほぼ確実に芸大に受かっていきます。僕は今の時点では実力よりもこっちの方が大事だと思うくらいです。

また夏期講習でも盛り上がっていけるように気合入れていきましょう!

イベントの告知です。7/10(日)描き出しを極める!石膏クロッキー徹底特訓!
<トルソー編>
※クロッキーコンクール付き開催!

東京芸大の試験の出題内容は多様化の傾向があります。
頻出の石膏像が一通り上手く描けたとしても全く安心出来ません!特にトルソーの形を印象よく捉える難易度は胸像の比ではないです。むしろ次元が違う話だといっても過言ではありません。
動きやプロポーションを印象に合わせてコントロールするためには、「形をよく見て、丁寧に描く(見えた情報を見えた順に捉えていく)」という意識では不十分であり、「常に全体を把握していること(像の理解が先にある必要性)」が不可欠です。
石膏像を「形」として見て写すレベルを超えて、「人体」として意識し、表現できるレベルを目指してください!

この講習では、石膏デッサンを研究しつくした講師がデモンストレーションを交えながら理論の解説から実践まで徹底的に指導します。
また、講習の最後にクロッキーコンクールを行います。弱点を見極めて、課題克服の目標を立てましょう!
新美のホームページから申し込みをどうぞ!

https://www.art-shinbi.com/event/2022/22event-s_s_s/s_s_s-A.html

それではこれまでの預かり作品を紹介します。

まずは昼間部生の作品。

クオリティの高い作品になりました。印象がとてもよいです!

こちらも高い完成度です!ポツポツも作ると印象がグッと引き締まりますね。この調子で頭頂部もポツポツを表現したいですが、時間が足りないのであれば全部でなくてよいので必要な箇所を作り込んでうまくフェードアウトして行ったりするとよいです。

土のおさえ方に緊張感があり、実際のグデアの張り詰めた印象が良く表現できています。

印象が良く捉えられています。ここまで言い切れれば言うことないです。

フォーンの動きによく反応した仕事ができていると思います。力作ですね!回り込みはもう少しきい感を感じていきたいです。

好きな石膏像好きな場所に設置して描く課題でした。髭の男がステージに立っているような雰囲気です。後ろのカーテンに落ちる影がまたいいですね。

超見上げの微笑みの天使。顔の構造が自然になってきてよいです。

組み石膏デッサンです。ミケランジェロの印象が良いですね。炭の扱いも研究してかなり改善してきました!

手前のジョセフから奥の馬頭の鼻先までの距離感がとてもよく感じられます。完成度の高い作品です!

色々な設定で狂いが多かったですが修正が効いていい作品になりました。描き進めることよりも自分の作品が自然な状態であるか警戒しながら、空間を実感して作品に落とし込んでいくことが重要です。違和感に気づけることがまず大事です!

木曜日夜間にヌードクロッキー会があります。彫刻の基本は人体ですよね!人体について理解し、表現できるまでに感覚を高めることはとても重要です!このような感覚がすべての問題の解決策に繋がるので、入試に出ないからとおろそかにしないで皆に向き合って欲しいと思っています。

普段から電車や街で自主的にクロッキーをしている学生がいます。「形を見る」「空間を見る」「状況を見る」「存在を見る」20秒で描くとしたらあなたは何を見て何を描きますか?
デッサンでも塑像でも、皆形や印象が狂うのは絶対的に見る力が足りていないためです。予備校に入って1、2年ほどではどれだけ頑張っても足りないのだと思いますが、だからこそそれを伸ばしていく必要があります。受験は運とは関係無いものです。得意なモチーフとか、不得意なモチーフとか、そんなことを超えたところで挑戦してほしいと思います。

基礎科の生徒も育っています!

構成もポーズも自分でどんどん考えてグイグイ作っていました。意欲の高さが作品に気迫を与えています!

動きをよく捉えてきました!やや顔が縦に短いのが惜しいですが、これだけコントロールできることは素晴らしいことです!

 

以上です。受験はとにかく合格してなんぼのところがありますが、受かった後も大事なのは「向上心」や「探究心」です!それがなければそもそも美術をやる意味はないのではないでしょうか。
芸大に合格できた人であっても、結局はそこまで彫刻が追及できないまま彫刻から離れてしまう人も少なくありません。彫刻という世界に少しでも関わってくれるなら、それを一生の宝物にしてほしいと思います。ひとまず何か掴めるまでは苦労しますが、必死で食らいついてくれればいずれ大きなものが手に入ります。ああ。彫刻やってよかったなあ。あの時頑張ってよかったなあ。と思えるような今を過ごしてほしいと思っています!

一緒に頑張りましょう!

 

 

 

デザイン 工芸科 昼間部

こんにちは
デザイン・工芸科講師の山本です。

6月の授業では、これまで培ってきた基礎力をもとに、より高めるための2つの研究課題に取り組んでいます。

ひとつは銀座のデザインギャラリー巡りで、第一線で活躍するプロのデザインに触れることで入試実技という枠組みからもっと引いて、美術、芸術、デザインを俯瞰してみるというものです。

もう一つは水族館のポスターをデザインし制作する課題です。制作を通して、『観察、発見、表現、伝わる』といった実感を伴う経験をする目的です。

画像は、これらの郊外授業の様子です。

映像科:感覚テスト対策&夏期講習会直前講座のおしらせ

こんにちは。映像科です。早いもので一学期の授業も後半になってきました。
先週からは映像系の入試を想定した実技対策もはじまっています。
武蔵美映像学科の「感覚テスト」や東京造形大の「発想力」などは、絵とともに文章で表現するという特徴があります。最初は難しく感じる人もいると思いますが、何枚か制作していると自分の興味や関心との接点も見えてくると思います。

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そして「夏期講習会直前講座」のおしらせです!
映像科では、6/30(木)・7/1(金)・7/3(日)の3日間、「武蔵野美大映像学科 実技試験を体験する」と題した講座を行います。
内容は武蔵美映像学科の一般選抜を想定した「感覚テスト」、「小論文」、「鉛筆デッサン」の制作と講評です。
「調べてはいるけどまだ映像系の実技を制作したことがない…」という人もぜひどうぞ。
受講の方法など、詳しくはこちらから!

先端芸術表現科合格体験記(1次試験小論文受験Sさん)

こんにちは。新宿校先端芸術表現コースです。
今回は、昨年度1次試験小論文受験で見事に合格された、Sさんの体験記を紹介します。

1 先端芸術表現科を目指そうと思ったのはなぜですか?
小さい頃から絵を描く事が好きで、表現に対して、漠然とした興味がありました。しかし、大学進学のための高校に入学して一度は表現から離れました。結局大学進学することも叶わず、就職をしたのですが、自分のやりたいことは今やっている仕事ではないな、といつもおもっていました。
そんな気持ちがつもりにつもって仕事を辞めて、上京しました。そこで、しばらくフリーターをしながら僕が人生をかけて成し遂げたい事はなんだろうと考えるようになりました。
そんなとき、小さい頃から絵を描いたり、大きな声で歌を歌ったり、秘密基地を作ったりしていたことを思い出しました。僕は何かを作り出し、それを表現することに喜びを感じる人間なんだと気付きました。
しかし自分一人ではその”何か”が漠然としたまま掴めないでいました。その”何か”を考えていた時に見つけたのが先端芸術表現科でした。なんだかやってることはよくわからないけど、ここにいる人たちは僕と一緒で表現における”何か”を探している人たちだと思ったのです。それが理由で先端芸術表現科を目指し始めました。

2 一次試験は小論文で合格しましたが、予備校での小論文対策はどのように役立ちましたか?出される課題文のテーマを自分の興味を持っている事柄に引きつけて考えることができるようになりました。このことは試験にとても役に立ったと思います。試験本番では、自分がどんなことに興味を持っているか、またそれが他の受験生とどう違うのかを明確に示さなくてはいけないと思います。
そのために、小論文対策では自分と他の人の違いは何かを徹底的に考えるための機会をいただきました。
また、小論文を書くために前提となる、細かい所作のようなものを教えていただいたのは大きかったと思います。例えば字を大きく丁寧に書くとか…。基本的なことですが、意外にできてないことが多く、それを厳しく指導していただいたのでは本番に役立ったと思います。

3 総合実技はどのようなことを意識して進めていましたか?
自分が何を作ろうとしているのかを言語化することを意識していました。一度言葉にしてみると、自分が作ろうとしているものがぼんやりしていることが多かったです。そんな時は少し作りたいものがはっきりするまで紙面上で考えていました。それでも煮詰まってしまう時は、とにかく素材を触って造形してみることを意識しました。
問題のテーマについて考えることは造形を決定するために大切なことですが考えすぎもよくないです。よくわからなくなってきたら素材と遊んでみると良いと思います。

4 個人資料ファイルの制作はどのように進めましたか?
僕はまず講師の方と面談をして、今までの人生で起きた自分にとって重要な出来事を洗いざらい言語化することから始めました。
そして、今まで書いてきたドローイングや、日記などを整理して、いったい自分が何に興味があるのかを探るという作業をしました。このことは後の制作にとても役立ちました。
一通り今までにしてきたことの整理ができたら、自分が今何をしたいのか、どんなことに関心があるのかがはっきり見えてきました。そのため、受験までそれほど時間がなかったにも関わらず、いくつか作品を作ることができました。

5 制作において大事にしていることはなんですか?
視覚情報だけでなく、五感で感じた感覚を大事にしています。様々なものを見て、触れて、嗅いでみて何を思ったか、それらの感覚が僕にとって大切なものです。
そのため、僕はよく散歩に出かけます。特に何かを考えながら歩くというわけでなく、なんとなく気が向いた方角へ…。そこには普段何気なく過ごしていては気づくことができないものが隠れていたりします。それが自分の制作につながっているんだと思います。
また、興味がある対象を長い間、そばに置いておくというのも僕が大切にしていることです。すぐになにかの答えや、方針が見えなくてもそれがひとりでに語りかけてくるまで待つということは案外重要だと思います。

6 先端の受験において予備校はどのように活用できましたか?
課題の講評などを通して、受験生の中で自分がどのような立ち位置にいるのかを比較して考えることができました。
自分の作品だけでなく他の人の作品も見ることができたのは、とても大きな経験でした。自分が他の人とどう違うのかを見極めることができたおかげで、短期間で何をやるべきかということが明確に定まり、滞りなく実践できたんだと思います。また、他の人の作品に触れることができたおかげで、新しい興味や考え方に出会えたのも貴重な体験さでした。
また、予備校に行かなきゃという思いで、生活のリズムを一定に保つことができたのも良かったです。本当なら受験前で焦る気持ちが生まれたり、落ち込んだりしてもおかしくはないですが、毎日同じ時間に予備校に通うことで、気持ちが安定していました。

7 最後に何か来年以降に先端を目指す人に向けてひとことありましたら
僕はかなり遅い時期から先端を目指し始めました。周囲の人から応援もたくさんしてもらいましたが、合格できるわけないだろというようなこともたくさん言われました。けれどそんななかで立ち止まることなく受験に向けてがんばれたのは、自分なら合格できると固く信じていたからです。毎日、毎日、どんなに制作がうまくいかなくても、自分なら必ずできる!と唱えて眠りました。結局そのことが、合格できた一番大きな要因だったと思います。
どんなに望みが薄いようにおもえても、最後まで決してあきらめなければ必ず達成できます。来年うける方にはそのことを信じてがんばってもらえたらと思います。

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7月10日(日)の夏期講習直前講座では、Sさんの小論文や総合実技、個人資料ファイルなども紹介しながら、昨年度の入試や、先端芸術表現科の入試においてどのようなことを考えていけば良いのかということを紹介していきます。当日は総合実技課題を行いますが、個人資料ファイルについての面談も行います。これから先端の入試を考えられている方もぜひ受講してください。
https://www.art-shinbi.com/event/2022/22event-s_s_s/s_s_s-G.html

それでは、先端芸術表現科でした(画像はSさんの小論文、総合実技になります)