カテゴリー別アーカイブ: 油絵科

夏期講習会の総括!

みなさんこんにちは。

油絵科 新宿校です!

また一段と、かのウィルスの威力が強まる中 計6期の夏期講習会が終了いたしました。静物、人物やイメージ、ドローイング等様々な課題をこなす中で、浪人生は更なるレベルアップを目指し、現役生は普段より長時間絵と向き合える貴重な期間でしたね!        内部生は元より、外部生の地方生や高校2年生の人達も含めて実りのある夏になった事を祈るばかりです!!

夏期講習会の間には武蔵野美術大学の諏訪敦先生にも説明会に来て頂き、貴重なお話を聴く事ができました!

夏は課題の自由度が高まり、自分の表現の幅を広げたり、発想力等を高める期間だと言えると思います。

みなさんは今の自分の課題と見つめ合い、充実した時間を過ごすことができましたか?

1週間後からまた2学期がはじまりますが、今は大変な状況の中で受験に向かわなければなりません。できる限りの対策をしっかり行なっていきながら更なるステップアップを目指しましょう!!

また1階で開催中の展示会

『To Rewind Time -受験生だった作家たち-』も絶賛開催中です!!

<出品作家>

大坂秩加、多田恋一朗、友沢こたお、福本健一郎、松田修、宮本瑛未、山口つばさ、吉田晋之介

2021 8.16/mon~9.30/thu

10:00~19:00/mon-sat

10:00~16:30/sun

夏期講習もラストスパート!!

こんにちは

新宿校 油絵科です!

夏期講習も4期が終わり、残すところ5期6期となりました。

夏期は普段描く時間が少ない現役生にとっては力が伸びる大切な時期です!

それぞれ自分の課題、必要な要素と向き合い己の絵と闘っていることと思います!

油絵科の受験には様々なジャンルの絵のタイプがあることは言うまでもありませんが、何を描こうにも必ず最初に出てくる課題が構図!!

そんな構図を学びたい時に、日本の『浮世絵』が参考になるのは聞いたことがある人も多いかもしれません。

中でも印象派で有名なマネやゴッホに影響を与えた『歌川広重』が良く挙げられると思います。

歌川広重(1797~1858) 本名:安藤重右衛門

は江戸時代の浮世絵師で、火消同心(現代の消防隊)の家に生まれ、家督を継ぐも小さいころからの絵を描きたい気持ちを押さえきれず浮世絵師になった人です。

1833年(天保4年)に広重の中でも傑作と言われる『東海道五十三次絵』が生まれました。

広重は構図の素晴らしさだけでなく、青、特に藍色の美しさでも有名で、油絵の具では出すことのできない木版画の藍色の鮮やかさは欧米では『ジャパンブルー』と呼ばれ、フェルメール・ブルーにちなんで『ヒロシゲブルー』と呼ばれるほどです。

そんな広重の作品が現在、ミネアポリス美術館のデジタル・コレクションで1000以上の作品を自由に閲覧し、ダウンロードすることができます!!

リンク↓

Minneapolis Institute of Art’s digital collection:Utagawa Hiroshige

『東海道五十三次』『名所江戸百景』などの風景画は見たことがある人も多いと思いますが、あまり見たことないおもちゃ絵やだまし絵なども数多く見ることができます!

構図だけでなく、シルエットの造形美や発想の面白さまで参考になる事間違いなしです!

気になる人は是非チェックしてみて下さい!

夏期講習もラストスパートになりますが、いい意味で受験を意識せず、『いい絵』を描くことを目指し、また自分のスタイルを探っていきましょう!!

新宿校 油絵科でした!!

夏期講習まだまだ頑張るぞ!

夏期講習も中盤に差し掛かっていますが皆さん自分の作品と向き合えてますかー??

今回は作品を制作する上で自らの存在をも印象つけるためのセルフプロデュースを続けるデイヴィッド・ホックニーを紹介します。

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デイヴィッド・ホックニー。ポップアートの旗手として1960年代から活躍し、現在でもiPadを使いこなして作品を発表し続ける、まさに美術界の“生きるレジェンド”。作品と同じく、本人もお洒落なアーティストとして知られる。彼の着こなしや作品とのかかわり、愛用する“名品”との関係を解き明かす。

デイヴィッド・ホックニーが生まれたのは1937年。代表作の多くはアメリカのロサンゼルスで描かれたものが多いが、生まれはイギリス中北部の都市、ブラッドフォード。『ホックニーが語るホックニー』には、「11歳の時に僕は画家になる決心をしていた」とある。地元の美術学校に進むが、「19歳になるまでロンドンに行ったことがなく、したがって僕の見た“本格”絵画とはブラッドフォード、リーズ、マンチェスター、ヨークのものがすべてだった」とも書かれている。故郷から出た彼は、ロンドンのロイヤル・カレッジ・オブ・アートの絵画科で学んだ後、渡米し、1964年からはカルフォルニアを拠点に多くの作品を描いた。

ホックニー本人と言えば、ブロンドの髪に丸眼鏡を連想する人が多いと思うが、ブロンドの髪はもともとの地毛の色ではない。『ホックニーの世界』には「1961年のニューヨーク滞在中、髪をブロンドに染めていたことなどは、人間としてまた芸術家として注目されたいという彼の欲求を示している」とある。1951年に描いた自画像は褐色の髪のままだが、タイトルは「人生が一度きりなら金髪の男として人生を送りたい」とした。その後、彼は豊かな色彩を使った作品で名声を勝ち取るが、まさに身をもってそれを体現していたのではなかろうか。

彼が身に着けた丸眼鏡もセルフプロデュースをサポートする重要なアイテムで、彼のトレードマークとなった。しかし彼のポートレイト写真を集めてみると、作品同様、眼鏡の色合いもさまざま。若い頃の写真では丸眼鏡でも太いものを特に選んでいるから、丸眼鏡を使って人々に印象を植え付けようとしたのではないだろうか。

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このように作品だけでなく、作家のことも調べてみると作品に向き合う姿勢などが発見できるかもしれません。
夏期講習は長時間制作で力がつくいい時間ですが、行き詰まった時などに調べてみてもいいかも・・・。たのしんで残りの夏期講習も頑張りましょう。

新美油絵科の夏は盛りだくさん!!

こんにちは。新美油絵科鷹取です。
Twitterでもいっていましたが今年の夏は盛りだくさんです。
夏期講習直前講座での実践的戦略から遊びの中で生まれる戦略を学び、そのまま夏期講習に突入。
講習会中に諏訪敦先生にきていただく特別講評会があり、
さらに油絵科特別企画展。
うーん。盛りだくさん。

夏の特別展示については新美コンテンツチームのブログでも発表されましたが、
改めてこちらでも。
今年の夏、油絵科企画で展示をする流れになったとき、どんな展示ができるかな?
と先生たちと話し合っている中で、考えてもみれば新美出身者で今も活躍してる人いっぱいいる!という話になり企画が進んでいきました。
今受験真っ只中にいる学生たちに、あんな人もこんな人も受験生だったんだよな、
と何か励みになってくれたら嬉しいです。
協力してくれた皆様ありがとうございます!!

【展示タイトル】
「To Rewind Time -受験生だった作家たち-」展

【展示期間】 8月16日〜9月30

【展示概要】
新宿美術学院の油絵科は、高い藝大合格率を誇るとともに、今まで数多くの才能豊かな作家たちを輩出してきました。今回SHINBI GALLERYにて開催される企画展「To Rewind Time -受験生だった作家たち-」では、第一線の現場で活躍している油絵科の卒業生たちをピックアップし、合格作品を含む当時制作された作品を紹介いたします。
創作という行為は、受験を経て大学に入学した後も、卒業した後もずっと続いていく営みです。現在それぞれの分野で活躍している作家たちも、かつては皆さんと同じように悩み、試行錯誤を繰り返していた受験生だったかもしれません。各々の道程に想いを馳せながら、ご高覧いただければ幸いです。

新美出身であり、この度この企画に参加していただける作家さんを紹介します。(以下50音順)

◆大坂秩加/アーティスト
合格年度2005年
国内外にて作品を発表

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆多田恋一朗/アーティスト
合格年度2012年
多数展示にて作品を発表

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆友沢こたお/アーティスト
合格年度2018年
東京藝術大学在学、4年生、個展、グループ展多数発表

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆福本健一郎/アーティスト
合格年度2007年
国内外にて作品を発表

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆松田修/アーティスト
合格何度2003年
多数展示にて作品を発表

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆宮本瑛未/アニメーション作家
合格年度/2014年
革命アイドル暴走ちゃんにアニメーション作家として参加。多数映像作品発信。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆山口つばさ/漫画家
合格年度/2010年
現在アフタヌーンにて、ブルーピリオド大好評連載中

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆吉田晋之介/アーティスト
合格年度/2005年
多数展示にて作品を発表

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

全ての画像は当日展示される作品の一部なので全貌は会場にて!
会場は撮影禁止なのでここでしか見られない貴重な展覧会です。

自分とは少し遠く感じる歳が離れた人達も、あの時は受験生だったのだ・・・。

 

原爆の図丸木美術館

こんにちは油絵科昼間部です。

一学期も終盤になって夏休みが近づいてきましたね。昼間部では素描から始まりイメージトレーニングや構図のノウハウなど、表現の土台となる課題を行いました。年間を通して新鮮な経験を積み立てていってほしいと思います。

良い作品を作るには、描くことと共に、多くのものに触れることで目を肥やし、判断力を身に着ける必要があると思います。今回のブログでは、見に行ってほしいおすすめの丸木美術館について紹介しようと思います。

https://marukigallery.jp/

丸木美術館は、埼玉県のちょうど中心当たりで、つきのわ駅(新宿からだと1時間半ほど)のさらに徒歩30分先にある美術館です。都内から足を運ぶにはなかなか気合のいる場所にあります。というのも、もともと丸木位里さん丸木俊さんご夫妻のアトリエだった場所を改装して建てた美術館のようで、収蔵されている作品もお二人と母親の丸木スマさんのものがメインとなっております。

美術館の裏手は斜面になっておりその先に川が流れており眺望の良い立地です。またベンチがあるので休憩がてら景色を眺めるのもよいと思います。ちなみにちょっと大変ですが徒歩で向かうことがおすすめです。丸木美術館の作品を見る体験として体を動かしてちょっと疲れているくらい、自身の息遣いを感じながら鑑賞するのがちょうどいいのかなとも思います。

いろいろ面白い美術館ですがびっくりすることに原子力発電所で作られた電気を使わないために東電と契約せず、太陽光発電で施設の照明や空調をつけているそうです。私が見に行った時は扇風機が回っていました。原爆の図がある美術館として一貫した意見で運営されていることが本当にすごいことで応援したい気持ちです。

肝心な展示ですが、「生きる」ということを意識せざるを得ない内容になっており、圧巻なのが巨大な屏風(訳2x7m)が所狭しと並んだご夫妻の共同制作である原爆の図でした。生と死の狭間にあり、肉体から魂がにじみ出て大気へと蒸発するような群像は、焼けただれた醜さや悲惨さを超越した力強い生命のありようを感じました。

墨などと共に木炭を多用して描かれており、見慣れた素材のはずなのですがここまで素材が何か別のものに変貌して昇華されているのは見たことがありません。油絵科の受験では木炭の素描課題が課されていますが、一つの境地としてぜひ受験生の内に見てほしいです。

そして丸木スマさんの水彩を中心とした作品も非常に魅力的で、とても愛らしい動物や生き生きとした植物に彩られた、原爆の図とはうって変わって、和やかな作品で癒されますが、ただかわいらしいだけではなく、無邪気さと無慈悲さが同居したような自然の姿、何か達観した包容力をもって表現されて感じました。息子の俊さんの勧めでご高齢で絵を描き始めたそうですが、絵画は誰でもいつからでも始められ、開花することが出来る分野なんだなと改めてうれしく思いました。絵を描くことは作業的なことだけではなく、人生をとして多くの経験のもとで培われた見方や判断力こそが手を動かし感動を生むのだと思います。

皆さんも受験だからと言って課題を繰り返すだけでなく多くの経験を通して刺激を受け、楽しみながら試行錯誤していきましょう。今回は美術館の紹介でしたが美術に限らず他の分野にも目を向けることもよいかもしれません。