日別アーカイブ: 2023年6月24日

彫刻科:1学期もあとわずか

講師の新妻です。

タイトルどおり、1学期もそろそろ終わりが見えてきましたね。

課題を制作する中で、自分の中のイメージや実感と作業が結びついてきた人、弱点や気をつけることがはっきりしてきた人、まだ思うように作品が形にならずに落ち込んだり焦りがある人。。様々だと思います。あるいは日によって違ったり。

個人的に大事だなと感じるのは実制作の「前」と「後」だと思っています。アトリエに来て実際に作ったり描いたりしている最中ももちろん大事なんですが、予習(やるべきことの確認、前回の反省点、作品のイメージ、)と復習(制作中に起こったことの振り返り、分析、)をしっかりやることで実際に制作する時にやることがクリアになってきます。

自分の話でいうと、学生の頃に比べて自分の作品を作れる時間は減りましたが、代わりに上で書いたようなことは以前よりも意識するようになって、むしろ制作のスピードや精度は上がっている気がします。

アトリエに車で向かう間に「今日はあの辺を重点的に彫り進めよう」とか「この前ココとココの関係が変なのことに気づいたからそれを直すところから始めよう」とか考えながら向かって、制作終わりで「今日の目標がどのくらい達成したかな、新しい改善点、問題はどこにあるかな」と最後彫り途中の作品を眺めて確認してから帰ります。作品をいじれない時でも、他の人の作品や身の回りのいろんな出来事に、何か自分のつくっている作品にプラスになる要素はないかなーとアンテナを張っておいたりと、意外と直接作品を触ってない時にやれることって結構いっぱいあります。

課題数や内容は同じでもそれ以外の時間の使い方はそれぞれに委ねられています。一見制作のためじゃない時間のなかにもきっと何かヒントがあるはずです。ものづくりをする人としてのこだわりや責任感、美意識を新美アトリエでの制作を軸にしながら各々養って行って欲しいです。

前置きが長くなりましたが最近の作品紹介に参りましょう↓

まず昼間部生の作品です。

 

 

 

 

 

 

物量の持つ密度と余白が空間として見えてきて、見やすさと情報の詰まり方のバランスがいいデッサンだと思います。

 

 

 

 

 

 

 

作者の持ち味が画面全体で発揮された一枚が出ました!描き手の形に対しての実感が伝わってくるようなデッサンです。

 

 

 

 

 

 

 

制作の早い段階から「ブルータスってこういう彫刻だよね?」っていう要素を外さず進行しているところが一番いいなと思いました。

 

 

 

 

 

 

 

引きの印象がとても良くて、いい距離感で自分を捉えているなと思います。

 

続いて夜間部です。

 

 

 

 

 

 

 

静謐で大人な雰囲気の一枚です。シンプルに良い絵だなーと感じさせます。

 

 

 

 

 

 

 

顔の印象や色味と形態感の連動がうまくいきましたね。また一歩成長したデッサンになりました。

 

 

 

 

 

 

 

途中描き込むうちにスケール感が浅くなりそうだったところで再度設定を強められたのが良かったと思います。

 

 

 

 

 

 

 

課題に対して物怖じせず自分が良いと思ったプランをやり切っていて頼もしいです。マスクの精度も申し分ありません。

 

 

 

 

 

 

 

手の所作も気が利いていて、作品やモチーフに対する作者の感性が見えてきます。

 

今回は以上です!ではまた