月別アーカイブ: 2018年7月

石膏デッサン考 Part 4

こんにちは、全科総合部です。

いよいよ「スペシャル・サマー・セミナー」が次の日曜・月曜祝日と迫ってまいりました。
とりあえず、こちらの”石膏デッサン考”シリーズも最終回を迎えます。

今回は、デザイン科主任の増田先生と日本画主任の名雪先生に語っていただきました。
それぞれの立場から共通部分もありますし、相違もあり興味深い対談になっています。

進行(阿部):単純に受験業界では、~科はこういう傾向とか科別の方向性が語られますが、いかがなものでしょうか?

増田先生:そうですね、芸大のデザイン科の石膏デッサンで他科と比べてよく言われているのは、パッと見の良さが大事だと言われています。
多少、手数が少なくても像の持っている雰囲気だとか、トーンの印象がパッと見の良さになってきます。

名雪先生:日本画においても、像そのももの印象は大切にしています。その上で他科とちがうのは、制作時間が長いというところです。なので、それに見合った完成度が求められるのではないでしょうか?石膏の白さや、質感、繊細な描写力など様々な表現が可能となります。
石膏像のありのままの姿を、正直に描く、決して嘘をついたりしない方向で、ある意味、主観や個性とは縁遠いと言えます。

増田先生:デザイン科でも素直さは必要ですが、完璧な正確さよりもそれらしくするほうが優先されています。時間的な制限があるからかもしれません。でもごまかすと技巧的になるし、演出過多も嫌われるでしょう。

進行:なるほど、そうなのですね。
また話しは変わりますが、どちらの科も構図に関しては、オーソドックスですよね。

名雪先生:像が小さくなっても大きくても、左右によっても、本物の像の印象が変わらなければいいのですが、大抵の場合は不自然になるのでほとんどがオーソドックス構図になります。

増田先生:デザイン科も同じく、デッサンしている状況を素直に写生するので、オーソドックスな構図のほうが決まりやすいですから。絵的に追いすぎると、これも過多になる。

進行:やはり入試に限らず、石膏デッサンは将来的に必要なのでしょうか?

増田先生:デザインの世界と石膏デッサンを描くということとは、共通点があると思います。1日中座って像と向き合い描く、制限時間があり、いきなり評価される。デザインの仕事の中で、時間、努力、精神、バランスなどのキーワードが盛り込まれていると考えてます。

名雪先生:日本画の世界では、陰影法を用いない表現が多いです。立体表現の陰影を削り落として平面にしても、立体を感じさせる力をつけるには、現実の立体をありのまま再現する技術は必須です。アウトラインだけで、立体を表すために。

進行:またまたいいところで、この続きは「スペシャル・サマー・セミナー」石膏デッサン強化ゼミで!

最後に名雪先生から、なかなか石膏デッサンがうまくいかない人へのメッセージです!

名雪先生:最初からうまく描けません。技術は頑張れば後からついてきます。「その像にしよう!」としている意志が重要です!やり方ばかり学んでいてもダメ。

ありがとうございました。

みなさん熱い石膏デッサン談義を交わそうじゃせんか!
待っています!

お申し込みはこちらから。
15日の日曜日は、書き出しの強化をはかります。各科の先生より理論だけでなく、実践しながら解説していきます。と同時にみなさんにも実践して実感してもらい、じぶんに合った書き出しを見つけましょう!
16日はコンクールです。石膏デッサンの歴史から意義までの解説もあります。科ごとの講評もありますので、学んだことをより具体的の入試に還元していく方法も見つけられるのではないでしょうか!

頑張りましょう!!

芸大デザインコース

こんにちは。先日工芸科と合同課題、石膏模刻を行ないました。

2?3人一組でチームを組み、クロッキーからそれぞれの石膏を構造を考え、垂木とシュロ縄で組み、粘土をあらづけ、模刻しました。それぞれ話し合いながら、様々な視点から観察し、立体的に合わせて作る難しさと楽しさを経験出来たのではないでしょうか。

7/15(日)&7/16(月・祝)
スペシャル・サマー・セミナー(有料特別講習)

『描き出しの極意!石膏デッサン強化ゼミ! 』

が開催されます。

1日目に石膏デッサンの捉え方の基本であり、
全てと言っても過言ではないクロッキーから描き出しまでを
解説やデモンストレーション、実技制作を通して学んでいきます。
2日目はコンクールを行います。
1日目に学んだ事を実戦的に試してみたり、日頃の特訓の成果を客観的に検証することが出来ます。 参加お待ちしております。

 

 

一学期の締めくくり

デザイン工芸科夜間部です。

夜間部は、一学期の締めくくりとして模擬試験を行っています。

今回の模擬試験は、一学期にやった演習の成果の確認と、生徒の今の力を知ることにあります。通常の授業では、講師のアドバイスが入ってしまい、生徒の真の実力を把握することが出来ません。生徒もアドバイスのない模擬試験を経験することで、現状を理解して夏期講習会に向かえることと思います。

厳しい結果もあると思いますが、現状を受け止め、まだまだこれからだという気持ちの切り替えをしていきましょう。

採点も真剣にやっています。

6月の後半は、少しづつ本番の試験に近づけた課題や、エスキース特訓課題などをやっています。

エスキースは非常に大切です。計画的に作品を進めていくことが、デザイン工芸科には求められます。エスキースでの明度計画に合わせて色彩を考えていってほしいです。

デモンストレーションは講師が行ったり、現役の学生に来てもらったりしています。デモンストレーションでは、手順を最も参考にしてほしいです。描き方が良いと、作品の評価が安定します。

現役生にとって、夏期講習会はじっくりと時間をかけて実技の出来る機会となります。

夏を制するものは、受験に勝つです!

暑い夏の講習会の大変さを楽しみながら乗り越えてください!

先端芸術表現科講評会の記録

こんにちは。先端芸術表現科です。

7月8日日曜日に、現在1Fギャラリーで展示中の作品の講評会を行いました。
夏期講習に入る前にこれまでの制作を振り返り、ここからまた自分なりの興味関心を再定位し、制作を続けていくための機会として、一人1時間ほどの長い講評になりました。制作したものを目の前にしながら言葉でやりとりする時間を持つことで、未だ実現されてないコンセプトや、自分では気づかなかった思いがけない作品の可能性について、講師も生徒も気づくことができたのではないかと思います。
作品や表現にとって白い壁で覆われたギャラリーという空間がどのような条件として機能するのか、外部の人も行き交う場所というのをどのように活用できるのか、といったことも、普段の教室とは異なる場所で行うことで考えるきっかけとなる展示になったのではないでしょうか。

ところで、1学期の授業も終わり先端芸術表現科もこれから夏期講習に入ります。

夏期講習は全部で三期に分かれています。
最初の週は、7月23日月曜日から28日土曜日、
第二期は、8月6日月曜日から11日土曜日、
第三期は、8月20日月曜日から25日土曜日、となっています。
詳細なカリキュラムは、こちらをご覧ください。

受講を考えられている方、迷われている方の相談、面談などは随時受け付けております。
また、講評会は終わりましたが、展示は11日水曜日まで行っておりますので、興味のある方はぜひご覧ください。

 

 

秋葉原校 この夏おすすめ展覧会情報

秋葉原校の石崎です。
もうすぐ一学期も終了の時期となりましたね。光陰矢の如しとはまさにこのこと。
夏期講習会が始まると息をつく暇もありませんから、このお休みの期間は英気を養うようにしましょう!
例えば、、、、 ほら、美術館に行ってみたりとか。

(秋葉原校の掲示板にもいろいろ貼ってあります)

と、流れは少々強引ですが(笑)今回のブログはいつもと趣旨を変えて、秋葉原校の先生方に聞いた
『今、自分が行ってみたい!気になっている!!展示会情報』を一言コメントと共にお届けします。

まずは僭越ながら、私から。
日本画ショートトリップ ―ようこそ避暑地へ―
コメント>世界各国の避暑地をテーマとした作品展です。都心にいながら海外ツアー気分を楽しめちゃう。
受験生の皆さんもそうだと思いますが、自分もなかなか旅行する機会がなく悶々としているので(笑)チョイスしてみました。
現代日本画専門の美術館というのも珍しいですよね。建物の規模もそんなに大きくないので、買い物のついでとか、気軽にふらーっと立ち寄れるところも好きなところです。ぜひこれを見て日本画の魅力に目覚めちゃって下さい!

続いて、油の本村先生おすすめ
アイ・チョー・クリスティン 霊性と寓意
コメント>世界的に注目を集めているインドネシアを拠点とするアーティスト、アイ・チョー・クリスティンの、世界初となる美術館個展です。ペインターならぜひ観てみたい展示です。
ちなみに、金沢21世紀美術館の建築を担当したのは、妹島和世+西沢立衛の「SANAA」。SANAAとして、2004年ヴェネチアビエンナーレ国際建築展 金獅子賞、2010年プリツカー賞など数多くの賞を受賞しています。
建築も展示も合わせて楽しめるので、夏休みを利用して、行ってみたいところです。

デザインの多田先生おすすめ
コメント>秋葉原にちなんで漫画ゲーム系の展示を。
まずFFシリーズのイラストを担当されている天野さんの「天野喜孝の世界展」が8月10日から池袋サンシャインシティで開催されます。独特の雰囲気のある人物の画風と表現が魅力的です。
同じく天野さんのファインアートの「CANDY GIRL」が表参道の「KIKKA GALLERY」で6月29日からスタートしています。同じ作家でありながらこちらは色使いがポップでデザイン系にも参考になりそうです。
もう1人はジョジョで有名な荒木飛呂彦さんの原画展、JOJO 冒険の波紋です。こちらは8月24日から国立新美術館で開催されます。こちらも鮮やかな色使いがデザイン系に参考になりそうです。また彫刻家などの他のアーティストとのコラボ作品があるようなので色々な人が興味を持てるのではないでしょうか。ただしチケットが日時指定制なので注意が必要そうです。
2人共自分が小学生の頃から興味を持っていた作家さんなので行ってみたいです。

工芸の酒井先生おすすめ
JOMON
東京国立博物館
コメント>まさに生活の中で生まれた原始的な美!!
もともと民族仮面や、民族衣装など土着的なものに興味がある私ですが、その土地だからこその個性的な形は美術の根源とも言える内なるエネルギーが集約されていて、心が高鳴ります。生命感のあるフォルム、ラインを是非感じに行きたいですね!

番外編
国立博物館からすぐ!!
国立科学博物館
?昆虫展?
アート作品ではないですが、
細胞が生み出した色彩と私たちとは異なる異形な姿!!にかっこよさを感じてしまう私です。ぜひ見に行きたい…
動いてる虫は苦手だけど静止してる虫はまじまじと見ちゃう。生命が生み出した美!!国立博物館から近いので合わせて見てもいいかもね!

最後に、学科の野澤先生おすすめ
2018年6月16日[土]ー9月2日[日]「小瀬村真美:幻画~像(イメージ)の表皮」展

藝大で油絵を学んだ映像作家、小瀬村真美の個展が、原美術館で開催中です。小瀬さんは、一貫して「絵画の中に流れている時間」を、多重露光やアニメーションで映像化してきました。たとえば16~17世紀のオランダ静物画を借用し、実物のモチーフをセッティングして撮影した映像からは、花が咲いては枯れ、果物が腐敗してゆく時間の流れが、残酷なほどのリアリティで迫ってきます。油絵や日本画を描いている子にもオススメです。僕は映像科をふだん教えているので、「映像で絵画を描いている画家」を紹介してみました。

、、、、とのことです。
ほかの先生の分も紹介したいのですが、今回はここまで。
気になるものをワンポイントで行くもよし、はしごするもよし。

沢山良いものを見て、刺激をうけましょう。
part2はまたそのうち。
それでは!