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フクロウとミミズクのお話

こんにちは。油絵科の関口です。
さて、今年の芸大一次試験では、油画専攻では珍しく鳥の剥製が出題されましたね。恐らく過去を遡っても剥製が出たのは初めてではないか?と思います。
モチーフは選択できましたので、剥製を描いていない人もいると思いますし、剥製を描いて落ちてしまった人には申し訳ありませんが、今回のブログはフクロウとミミズクのお話です。
フクロウ
ところで、皆さんはフクロウとミミズクの違いはご存知でしょうか?耳が付いているか付いてないか、の違い?いやそんな馬鹿な…と思ったあなた。実は正解です。簡単な分け方ですね(笑)。ミミズク
正確には羽角というもので、あれは耳ではなく飾り羽なのですが、日本では耳に見立ててミミズクという名前が付いているそうです。生物学的にはフクロウもミミズクも殆ど一緒のものらしいです。ちなみに今回出題されたミミズクは、受けた人の話を統合すると、トラフズクという種類ではないかと思います。
フクロウはその可愛らしい外観とは裏腹に、猛禽類というワシやタカに近い分類になります。他の鳥と決定的に異なるのは、夜に活動して狩りをする、夜のハンターという点でしょう。
正面に目が付いているのは、肉食の捕食動物の特徴で、両眼で1つのものを見るという仕組みは、獲物までの距離を正確に把握する事が可能になるのです。その代わり、フクロウの仲間は眼球が殆ど動かせず、視野も人間より狭いので、辺りを見渡す時には首を回転させるしか手立てがないそうです。ミミズクの目
確かにこの鋭い眼はどう見ても獲物を狙うハンターの目です。

 

大きい顔は、獲物の音を聞き逃さないよう進化したようです。メンフクロウを始めとするフクロウの多くの種類は、耳の付いている位置が左右で異なり、左右の耳に届く僅かな時差で、音の方向をより立体的かつ正確に把握する能力が備わっているのだとか…。メンフクロウ
メンフクロウ

動物の獲物や敵の位置を把握する能力を定位と言いますが、フクロウの仲間は音源定位という能力を備えています。脳内にある細胞が、空間内の特定の領域から発した音のみに反応するんだそうですよ。凄いですよね。ところが今回のモチーフにあったトラフズクは、どうやら両耳の位置は左右対称らしいです。メンフクロウとトラフズクは脳の構造も違うんでしょうかね?・・・自然界って摩訶不思議です。
今回の知識の半分くらいはCS番組のアニマルプラネットから得たものですが、こういう事実を知ると、本当に自然界の奥深さを感じます。

二次試験まであとわずか。一次を通過した皆さん。是非頑張ってきて下さい。