みなさん、こんにちは。新美建築科です。
東京芸大の今年度入試ですが、3名の合格者を輩出することが出来ました。内訳は現役生が2名、浪人生が1名でした。この結果は、合格者数、現役合格者数、合格率ともに日本一の結果となりました。
芸大建築科は定員が15名と狭き門です。ここで、最近の芸大の傾向と入試についてお話ししたいと思います。
試験は①空間構成、②総合表現 の二つです。
かつては、感覚考査、空間構成、立体構成、建築写生という課題だったものが、2011年に総合表現という新しい課題に大きく変わりました。
総合表現はその字の通り、総合的な建築の資質を見るものです。そのため、決まりきった型があるわけではなく、毎年、試験の傾向というのが変わります。
さて、課題が毎年変わるのにどういった対策をとるのか?という問題点があります。
はっきり言って、「こういう感じが受かる」という指針というものはありません。毎年度の問題をしっかりと研究しなければ対策は出来ない試験になっています。
制作における「なんとなく」はかならずNGです。自分がしたことには責任を持たなくてはなりません。
芸大側が求めているのは、ずばり、建築設計の資質なのです。
入試での表現方法は図と絵と文の3つしかありません。多くの予備校ではこの部分を指導されると思います。もちろん、表現の巧さは合格にとても大切な要素です。
しかし総合表現という課題は、表現されるもの、表現にいたる思考回路こそが重要な課題なのです。大げさに言えば、図が書けなくてもよく、絵も下手でよく、文章力も必要ないのです。
重要なことは、
①課題の意図を読み解く能力
②自分の造形の意図を説明できる能力
③あらゆる問題に柔軟に対応できる能力
この3つです。毎回時間の限り思考錯誤し、自分なりにひとつの正解を導きだすこと、そしてその空間が第三者に共感可能なように工夫することが必要なのです。
近年の不合格者のパターンを出して行くと、
カタチ遊びで終わってしまっているもの、造形が単調なため空間が話に追いついていないもの、与えられた寸法や図形が正確に表現されていないもの、造形とその結果起こることが普遍的、あるいは説明できないもの、アイディア勝負で観念的なもの
大きくはこの5つに分けられます。
そして「カタチ遊び」系によくある例として、通り過ぎるだけの空間の提案をすること。これは大きな問題と言えます。もちろんそれ自体は否定しませんが、まずはその空間内に留まることを考えなくてはいけないと我々は考えています。そして、
形態の持つ機能はなにか。
またその機能がどう人に、環境に、影響を与えるのか
この2点を常にクリアできなければ、芸大合格は難しいと言えます。この2点を考えてこそ、アイディアは発展して行き、その問題ならではの空間が出来上がるからです。
新美では、受かりそうな絵を教えるのではなく、建築の基礎と美しいデッサンの描き方を教えます。
そのため、総合表現対策としての独自課題を数多く作成していて、時には絵ではなく写真を作品として提出したり、立体構成も課題として出しています。また紙芝居を作ったり、講師を交えたチーム対抗で総合表現を行ったりすることで、建築の資質を育てます。
独自課題:生徒作品
(街を巡り場所を見つけ、その環境へアプローチするための空間をつくる。)
講師を交えたチーム対抗総合表現!
芸大にどうしても受かりたい受験生は、お気軽に新美へお問い合わせください。指導にいっさいの妥協はありません。皆様の合格への手助けをいたします。
■イベント情報
3/23 17:30 – 20:30 2017年度芸大試験にチャレンジ!! ※参加無料
3/31 – 4/4 ? ? ? ? ? ? ? ? ?春期講習会 ? ? ?※受付中