月別アーカイブ: 2017年3月

先端科:春期講習はじまります

こんにちは。新美先端科です。

今年の東京芸大-先端科合格者の報告です。

1次試験の合格者は8名中6名。
最終合格者は2名でした。
一人は現役生、もう一人は帰国子女枠からの合格です。
ここ数年の入試の傾向は、素描、小論ともにしっかりと基礎力をつけることや課題にしっかりと応えることが求められています。
現在、新宿校7階のフロアで、合格者の入試直前に描いた素描や総合実技の再現作品、個人資料ファイル(提出したものの写し)を展示しています。この機会に是非ご覧になってください。

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明日から春期講習会が始まります!

26(日)「3色ボールペンで自画像を描く」
27(月)「0円」ワークショップ
28(火) 先端・映像合同ワークショップ1
29(水) 先端・映像合同ワークショップ2
30(木)「場と作品」

講習5日間のうち2日間は映像科との合同ワークショップを行います。
これまで全く作品を作ったことがない人でも、この春期講習では「素材選び」「テーマの設定」「作品展示」と幅広く体験できるようになっています。

明日から講習会が始まりますが、申し込みは直前でも受け付けしています。
この期間はどなたでも面談できますので、この機会を是非ご利用ください。

芸大油画現役合格者に聞く②

こんにちは。油絵科の関口です。
前回に引き続き、芸大現役合格した山道くんのインタビューです。今回は試験の直前の話が中心です。前回は山道くんがどんなに絵が失敗していても、僕は尻を叩いたりしなかった…というところで終わったので、その続きです。

関:芸大の直前だってね、最後の週は前日も含めて全然上手くいってなかったけど、僕は全然焦ってなかったでしょ。むしろ、なんか良い感じになってきたじゃない?って言ってたもんね(笑)。
まぁ、でもきっと本人的には結構焦りはあったよね?
山:そうですね。上手くいったのは試験の6日前に描いた自画像くらいでしたからね。何というか、これをやれば大丈夫!みたいな型が無かったから…まぁ安心は出ないですよね。焦りは…やるしか無かったから、そんなでも無かったですけどね。でもやっぱり緊張はしましたね。
山道自画像
試験6日前に描いた自画像。この作品を見てからは、その後どんなに失敗続いていても「山道くんには底力があるから大丈夫」と自分に言い聞かせ完全に信頼していました。

 

関:で、一次終わった後、エスキース見せてもらった時にさ。正直あんまり良くなさそうだな…って思ったんだよね。自分でも落ちたと思ってたよね?
山:そうですね。周りと比べてインパクトはあったと思うんですけど、それしか無かったので…

関:でもね。面接でエスキース見ながら山道くんの話を聞いている内にね、(希望的観測で)これって結構上手くいってるんじゃないか?って変わってきたんだけど…。
ただ、さっき再現で描いた素描を見せてもらって、やっぱりヤバイな(一歩間違えたら落ちてたかも)って思ったよね(爆笑)。
山:(笑)ヤバイですよ。入試で描いたヤツは(笑)。自分のだらし無さが出たというか…面倒くさいから、伝われば良いやみたいな。

一次エスキース
これが芸大一次の作品を思い出しながら描いてもらったエスキース。手前が鴨のシルエットで、奥にミミズクがいます(お腹から足に掛けての部分)。パッと見は隙間の形が鳥の頭の輪郭みたいになっています。

 

関:だらし無いという印象はないけどね。
山:いやぁ?こだわらない事には全然こだわらないですからね。

関:そっか…。でも描くときにスゴい…こう…考えるじゃない?1つのことをやるのにもさ、凄く考えて、終わった後とかにもずっと残ってメモを取ってるし。ああいうところを見ると、だらしないとか、大雑把という印象は無かったよね。むしろ結構慎重な方だと思って見てたけど。
山:その辺は二面性って言うか…。でも慎重って言うかビビりなだけですよ。でもビビってない時とか、絶対勝てる相手だと思った時は「こん位でしょ?」みたいな感じで行けるんですけどね(笑)

関:芸大は絶対勝てる相手だと思った(笑)?
山:いや?それは(笑)。正直、芸大は周りに「受けた方が良いんじゃない?」みたいな感じで言われて受けたので、自分的には、まぁ無理でしょ。みたいなスタンスだったんです。だから気持ち的には受かるとは思ってませんでした。

関:最初は筑波受けるって言ってたもんね。
山:そうですね。芸大は手を出すにはあまりにも遠すぎるんじゃないか?って思ってましたから。

関:11月位に筑波の推薦受けるっていう事だったんだけど、山道くんの中では、そこで落ちるのは最初から織込み済みで「落ちて気合を入れる」って言ってたもんね。
山:筑波の推薦は、もう最初から落ちて良いって思ってて、試験を体験して体勢を整えようって思ってました。

関:こっちとしては、筑波受かったら芸大受けられなくなるから複雑な心境だったんだけど、でも『受けるかからには受からせるつもり』でいたから…。一緒に石膏デッサン描いたもんね(笑)。
山:そうでしたね。自分の中でも100%の力でやんなきゃ…っていうのはあったんですけど、一方で「ここで受かんなくても良いじゃん」っていうのがあって…。

関:気持ちの行きどころというか、その辺は難しいだろうな…って思ってたけどね。
山:そうですね。

関:芸大終わった後にもさ、後期の筑波も受けるって事で、石膏描いてたんだけど、アレはキツかったでしょ(笑)?
山:いや?本当、精神的に(笑)。『これが受験だ』って感じがしましたね。やっぱ石膏デッサンって楽しくないなって(爆笑)。

関:そうやって考えてみると普段描いてた絵っていうのは、まだ受験ではあるんだけど、一枚一枚「この作品どうしよう?」っていう事を考えて描いてたと思うんだよね。これはこうだから、こうすれば良い…っていうマニュアルがある訳じゃないからね。その辺は石膏デッサンとは全然違うところだよね。『ルールは自分で作る』みたいなさ。
山:そうですね。

関:もし違う課題が出てたら全然違う作品描いてたんだろうな?って。だからそういう一枚一枚の思考力というか、作家的な力は一年でだいぶ付いたかな?って思ってるんだよね。
山:まぁ、そうですかね。

関:僕自身の今年の方針として『自力で考える力をつけさせる』ってところに重点を置いて見てたんだよね。だから敢えて作品に対してあまり口出しや手出しをしなかった。一人ひとりが、その課題に対してどうやって考えて答えを出していこうとしてるのか?っていう部分に焦点を当ててね。結構言いたくなるのを我慢してたんだよ(苦笑)。
山:僕としては課題をこなすだけだったから「本当に力着いてんのかな?」っていうのはありましたね。

関:僕はね、カリキュラムって『合格する為のプログラム』だと思ってるんだよね。皆にどうやったら作品について考えてもらえるのか?考える事を習慣付けられるのか?っていう…。アトリエではどう考えたかを聞いて「それだったらこうなんじゃない?」とか、行き詰まった時には「こういう事を考えたら前に進めるんじゃない?」っていう手助けをする位でね。だから課題ができた時には、僕の仕事はもう半分くらい終わってるんだよね(ニヤリ)。
山:あぁ、なるほど。

関:あとは個々の問題として「この技術がないと、どうしてもクリアできない」ってところがあったら、よく考えた末に教えちゃうけどね。まぁ僕の教え方っていうのは他の予備校とか、他の先生方とはちょっと違って特殊だったと思うから…
山:他の予備校がどうなのかは分からないですけど、絵画の見方っていうか、例えば明暗構成だったり、そういうのは結構教わったなって思いますね。色々言ってもらう度に、あぁそうなんだ。みたいな…

ー次回に続くー

渋谷校HPバナー

こんにちは渋谷校です。

今日は先日行われた1日体験の様子をお伝えしようと思ったのですが。

写真を取り忘れてしまったので、別な話題を載せます。

せっかく平面構成や油彩を1日で制作して盛り上がっていたのに、お伝えできずすいません。

 

今回は新美のホームページの渋谷校のバナーが変わった事をお伝えします。

今までのバナーだと、あまり渋谷感がないということで変えてもらいました。

ハチ公

渋谷といえばハチ公の写真と

スクランブル交差点

スクランブル交差点のQフロントのビルの写真。

合体して

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少しは渋谷感出たでしょうか?これもデザインですね。

ちなみに、この後4/9、4/16に1日体験が行われます。1日体験でデッサン以外の課題がやりたい方もご相談下さい。詳細はこちらから

1学期も4/10から始まります。今年もよろしくお願いします。

2017年度 東京芸大建築科 入試結果

みなさん、こんにちは。新美建築科です。

東京芸大の今年度入試ですが、3名の合格者を輩出することが出来ました。内訳は現役生が2名、浪人生が1名でした。この結果は、合格者数、現役合格者数、合格率ともに日本一の結果となりました。

芸大建築科は定員が15名と狭き門です。ここで、最近の芸大の傾向と入試についてお話ししたいと思います。

試験は①空間構成、②総合表現 の二つです。

かつては、感覚考査、空間構成、立体構成、建築写生という課題だったものが、2011年に総合表現という新しい課題に大きく変わりました。

総合表現はその字の通り、総合的な建築の資質を見るものです。そのため、決まりきった型があるわけではなく、毎年、試験の傾向というのが変わります。

さて、課題が毎年変わるのにどういった対策をとるのか?という問題点があります。

はっきり言って、「こういう感じが受かる」という指針というものはありません。毎年度の問題をしっかりと研究しなければ対策は出来ない試験になっています。

制作における「なんとなく」はかならずNGです。自分がしたことには責任を持たなくてはなりません。

芸大側が求めているのは、ずばり、建築設計の資質なのです。

入試での表現方法は図と絵と文の3つしかありません。多くの予備校ではこの部分を指導されると思います。もちろん、表現の巧さは合格にとても大切な要素です。

しかし総合表現という課題は、表現されるもの、表現にいたる思考回路こそが重要な課題なのです。大げさに言えば、図が書けなくてもよく、絵も下手でよく、文章力も必要ないのです。

重要なことは、

①課題の意図を読み解く能力

②自分の造形の意図を説明できる能力

③あらゆる問題に柔軟に対応できる能力

この3つです。毎回時間の限り思考錯誤し、自分なりにひとつの正解を導きだすこと、そしてその空間が第三者に共感可能なように工夫することが必要なのです。

近年の不合格者のパターンを出して行くと、

カタチ遊びで終わってしまっているもの、造形が単調なため空間が話に追いついていないもの、与えられた寸法や図形が正確に表現されていないもの、造形とその結果起こることが普遍的、あるいは説明できないもの、アイディア勝負で観念的なもの

大きくはこの5つに分けられます。

そして「カタチ遊び」系によくある例として、通り過ぎるだけの空間の提案をすること。これは大きな問題と言えます。もちろんそれ自体は否定しませんが、まずはその空間内に留まることを考えなくてはいけないと我々は考えています。そして、

形態の持つ機能はなにか。

またその機能がどう人に、環境に、影響を与えるのか

この2点を常にクリアできなければ、芸大合格は難しいと言えます。この2点を考えてこそ、アイディアは発展して行き、その問題ならではの空間が出来上がるからです。

 

新美では、受かりそうな絵を教えるのではなく、建築の基礎と美しいデッサンの描き方を教えます。

そのため、総合表現対策としての独自課題を数多く作成していて、時には絵ではなく写真を作品として提出したり、立体構成も課題として出しています。また紙芝居を作ったり、講師を交えたチーム対抗で総合表現を行ったりすることで、建築の資質を育てます。

高橋_総合表現_160703

板倉勇人_総合表現_160703

独自課題:生徒作品

(街を巡り場所を見つけ、その環境へアプローチするための空間をつくる。)

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講師を交えたチーム対抗総合表現!

 

 

芸大にどうしても受かりたい受験生は、お気軽に新美へお問い合わせください。指導にいっさいの妥協はありません。皆様の合格への手助けをいたします。

■イベント情報

3/23 17:30 – 20:30  2017年度芸大試験にチャレンジ!! ※参加無料

3/31 – 4/4 ? ? ? ? ? ? ? ?   ?春期講習会 ? ? ?※受付中

 

 

 

映像科:春期イベント

こんにちは。映像科の森田です。
3/19.20のオープンスクールにいらした皆さん、ありがとうございました!
(記録写真を撮るのを忘れてしまいましたが…)映像科の教室では、感覚テストの展示のほか、
推薦入試合格者の映像作品の上映なども行いました。

そして日曜日からはいよいよ、春期講習が始まります!
今年はスケジュールに合わせて受講できます。
・3/26(日)?4/4(火)【10日間】
・3/28(火)?4/4(火)【8日間】
・3/30(木)?4/4(火)【6日間】
申し込みは直前でも受け付けているので、美大の映像系で進路を考えているという人は、ぜひどうぞ。
去年も行った先端芸術表現コースとの合同ワークショップに加えて、
今年は映像作品鑑賞の課題や、一風変わった(?)デッサン課題など、盛りだくさんの内容です!

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※画像は去年の春期講習の様子です。