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先端芸術表現コースの春期講習は明日30日(火)から!

こんにちは。新宿校先端芸術表現コースです。

いよいよ先端芸術表現コースの春期講習は明日30日から開講されます。
春期講習のスケジュールは以下のようになっています。これから先端の入試を考えている方、まだ迷っている方にも、先端がなにをできるところなのか、なにを考えようとしている科なのかを、課題を通して伝えていき、経験してもらえることを目指しています。
受講はまだ受け付けています。以下のページからお申込みください。
https://www.art-shinbi.com/season/spring/subject/sentan/index.html

3/30(火) ガイダンス・メディア演習(素材)
3/31(水) タイトルのワークショップ
4/1(木) ★春のスペシャルイベント
映像・先端合同ワークショップ
4/2(金) 総合実技
4/3(土) メディア演習(場所)
4/4(日) 作品制作・講評会

初日の30日は、ガイダンス後に、さっそく演習課題を素材を用いて行っていきます。持ち物は筆記用具などで大丈夫です(もしすでに何か制作されているものなどあれば、ぜひ持ってきてください)。
2日目は、タイトルのワークショップ、と題して、ことばとものとの関係について探っていきます。
3日目は、映像科と合同で行うワークショップ。詳細はまだ秘密ですが、教室にとどまらない課題を行っていきます。
4日目は先端二次試験で課される総合実技を行い、試験のポイントなどを解説していきます。
5日目は場所について。場所と制作というものがどのように関連するのかを、演習を通して考えていきます。
6日目は、自身の興味や関心に基づく自由な制作を行ってもらい、生徒と講師でディスカッションしながら、その可能性を探っていきたいと思います。
これまでまったく作ったことがない、という方でも、まだ形になっていない自分自身の興味や関心を携えてきてくれれば大丈夫です。多くの方の受講をお待ちしております。

現在1Fギャラリーでは合格者再現展示を行っていますが、春期では展示スペースに収まりきらない参考作品も見せながら、昨年度の試験を振り返ってみたいと思います。

それでは、先端芸術表現コースでした。
(画像は今年の総合実技再現のクローズアップです)

先端芸術表現科合格体験記その3

こんにちは。新宿校の先端芸術表現コースです。
春期講習会は30日(火)からの6日間になります。
https://www.art-shinbi.com/season/spring/subject/sentan/index.html
受講相談も随時受け付けておりますので、ご連絡ください。
https://www.art-shinbi.com/shinjyuku/sentan/index.html

今回は合格体験記その3です。新美には冬期講習会から参加し、その後入試直前講習会で実力を伸ばして現役で東京藝術大学先端芸術表現科に合格した方Sさんの体験記をお伝えいたします。新美には、寒いなか毎日2時間かけて通ってくださいました!

Q.先端芸術表現科の受験でもっとも面白かったところは、どういうところですか?
A.自分とは違うタイプの人がたくさんいて、さらにその違いが尊重されるところです。
素描はこういう風に描かなきゃいけないというものがないので、自分に合った描き方ができます。
自分に合った描き方をすることで、上手い下手よりも自分にしかない素描の良さや、友達にしかない素描良さが自然と見えてきます。
さらに、ポートフォリオを作るにあたって制作をする機会があるので、友達の作品を見ることもできます。そこでも自分と全く違う視点を知ることができます。
先端の受験はあまり「受験の敵!」みたいな意識は生まれない印象です。(普通科の高校受験と比べた感想です。)
むしろ自分とは違う考え方に皆興味をもっているため、作ったものの感想を話してくれたりしてくれたりします。
先端の受験は本当の意味で自分との戦いです。
自分がどれだけ美術と向き合えたかが大切です。
そこで何か自分ではどうしようもないことが生まれたら、それは大学の志望動機となると思います。

Q.一次試験は素描で合格しましたが、予備校での素描対策はどのように役立ちましたか?
A.試験本番の課題は今までやったことのないスケッチというものだったけど、ねらいの作り方や、ものを観察して描く力、時間の使い方は本番も生かせました。
大切なのは何か一つを慣れで描けるよりも、描いたことの無いものも描けるような力をもつことだと思います。

Q.制作のアイデアはどのようにして考えていましたか?
A.日頃から様々なものを観察して生活すると意外とアイデアはたくさんでてきます。
しかしそのアイデアがそのまま作品になることはあまりありません。ほとんどの作品は、そのアイデアを膨らませたものです。
アイデアの膨らませ方は人それぞれですが、私はそのアイデアがどういうものなのかをもっと考えるために、アイデアに関わることをたくさん調べます。調べていくうちに、はじめのアイデアとは少し変わったりすることももちろんあります。

Q.個人資料ファイルを作ることは、Sさんにとってどのようなことでしたか?
A.自分を客観的に見つめ直す行為でした。
私は自分を客観的に見ることがあまり得意ではなかったようで、どういうところが私だけのものなのか考えるのに苦労しました。そこで役に立ったのが、私が今までしてきた美術に関することを全て書き出してみたことです。講師のアドバイスで行ってみました。美術館にいったことや好きだった絵や本なども全て年表のように書くことで自分という人間が見えてきました。

Q.予備校に通っていて印象に残っていることはなんでしょうか?
A.まず、予備校によって全くタイプが違うので、自分に合った予備校を選ぶことは大切だと思います。ちょっと大変かもしれないけど、気になる予備校は全て面談だけでも行ってみるといいです。
新美には冬期講習から行き始めたのですが、はじめの素描の授業のときに、素描において自分の足りないところが今までより明確に見えてきました。それまでは自分には何かまだ足りないようなきがなんとなくする、みたいな感じだったから、分かったときはとても嬉しかったです。
さらに、面談のときも私自身に可能性を見出だしてくれそうな印象を受けて、入試直前も新美にいこうと決めました。

Q.最後に来年度先端を受験する方に何かあれば。
A.作品制作もあり何かと焦ると思うけど、思うより1年は長いので焦らずいろんなことを試してみるといいです!がんばれ!

 

合格者体験記その2 https://www.art-shinbi.com/blog/20210322/22/
合格者体験記その1 https://www.art-shinbi.com/blog/20210319/22/

Sさんの素描と個人資料ファイルを含む合格者再現展示も新宿校1Fギャラリーで既に始まっています。興味のある方はぜひご覧ください。

それでは先端芸術表現コースでした。
(画像は合格者の再現から、です)

先端芸術表現科合格者体験記その2

こんにちは。先端芸術表現科です。春期講習は30日(火)からになります。まだ新規受講生募集中です!
https://www.art-shinbi.com/season/spring/subject/sentan/index.html

前回の合格体験記https://www.art-shinbi.com/blog/20210319/22/に続き、合格体験記その2になります。今回は、現役の時は一次小論で通過しましたが、惜しくも二次試験を合格することができず、一浪で無事に合格したKさんの体験記になります。今年度は特待生としての入学でした。併願で受けたムサビ映像と版画も合格しています。

1浪のときはどのように過ごしていましたか?
一年の前半は家から出られなかったため、さまざまなジャンルの本を読んだり、興味のあることを調べたりしていました。そのとき得た知識を基に、自分や自分のやってきたことについて客観的に考え、深めることが出来たように思います。
夏からは予備校に通い、素描や制作をメインに動いていました。

現役のときは小論文選択で1次試験通過でしたが、なぜ素描に変えたのですか?
現役のときは、先端科以外一般大学を志望していたため、他大学の受験を圧迫しないように小論文を選びました。しかし受験を経て、やっぱり美術系大学に進みたいという気持ちが強まり、美大受験の幅が広がる素描を選択しました。
また、現役のときも新美に一年通っていたのですが、春の間は素描と小論文、どちらも体験できたので、そのときの感触も参考にして選びました。

新美の素描対策は単なる自画像の描き方ではないことを教えていますがその点はいかがでしたか?
まず課題が多岐に渡っていると感じました。もちろんモチーフの違いや、自画像、静物、構成などの違いもありますが、問題文の問われ方が様々で、単純に◯◯を描きなさい、というテンプレートではなかったのが印象的でした。実際に今年の素描の試験でも、いつも通りに問題文から出題者の意図を考え、落ち着いて答えることができたと思います。
それから、絵の巧拙だけではなく、その人個人の持ち味や描き方を伸ばすような、細やかな講評があったのもありがたかったです。小論文の先生もコメントをするときがあり、違う視点からも自分のデッサンを知ることができました。

予備校の講評会は、制作を進めていくときにどのように役立ちましたか?
講評会では他の人の講評も聞けるため、自分が得意とするメディア以外のものも検討するようになりました。月に一回あるため、それに向けて制作のペースを作っていくことができるのも重要な点だと思います。

総合実技はどのようなことを意識して進めていましたか?
何を聞かれても答えられるくらい、意図を明確にすることを意識していました。
総合実技は答えの幅が非常に広い試験だと感じます。講師の方にも「Kさんの総合実技は要素が多くて分かりにくいから、一つに絞った方がいい」と指導を受け、自分が何を答えているのか、ぼやけないように苦心しました。
問題文には「風景」や「気持ち」など、自分なりの解釈が必要なキーワードがあると思います。それらに一度答えを出し、その答えを基にしつつ、何が一番重要か取捨選択をして進めていきました。

予備校に通っていて印象に残っていることはなんでしょうか?
もともと美術系に進む予定がなかったため、初めての美術予備校だったのですが、本当にいろいろなタイプの生徒がいて驚きました。
それぞれがそれぞれの興味を持っており、制作のプロセスもモチベーションも、もちろん作ったものも全く違い、雑談すら刺激的で楽しかったです。ほどよい人数だったことも関係しているのか、先生や生徒の垣根を越えて様々なことを話し、相談しましたが、そのことは制作でも、ごく個人的な経験としても、よい影響をもたらしたと思います。

特待生の申し込みはこちらから。第3回の応募締め切りは4/2(金)となっております。
https://www.art-shinbi.com/about/scholarship/

合格者再現展示も始まっています!ぜひ試験の解説とともにご覧ください。春期では展示作品の解説などもいたします。

それでは、先端芸術表現科でした。

先端芸術表現科合格者体験記その1

こんにちは。先端芸術表現科です。
今回は1次試験小論文受験合格者による合格体験記を紹介します。秋葉原校の基礎科出身で、先端コースは高校3年の春期講習から参加。現役合格のSさんの合格体験記になります。

先端芸術表現科を受けようとおもったのはなぜですか?
なんででしょう。思い出してみます。私は美術系高校に通っていました。周りの子は元々絵が描ける子が多くて、私は「絵が下手」ということで学校で有名でした。だから、デッサンは何があってもやりたくなかったんですよね。けれど、表現っていうものには興味があって、その時たまたま見つけたのが先端芸術表現科でした。「あ!ここデッサンじゃなくても受けられるじゃん!」という軽い気持ちで、先端を受けることにしました。

いざ予備校の見学に行くと、何やらよくわからないことを討論してる。その日は講評会でした。しばらく聞いているとなんだか頭痛がしてきて、すぐ帰りました。
けれど、なんだか帰った後もずっと気になり続けていました。

結局それから、高校3年生の春に予備校に入ることにしました。そんなこんなで予備校時代を過ごしていましたが、やっぱり1番嬉しかったことは、自分の表現に対して講師の方々や同じ受験生の方々が真摯に意見をくれることですね。
今までは「下手」だとか「おかしい」っていう雑な言葉で片付けられていた、私の表現の中にある細部が少しずつ現れてきたんです。
それって、めちゃ面白いことだと思うんですよね。

一次試験は小論文で合格しましたが、予備校での小論文対策はどのように役立ちましたか?
小論文、最初は嫌でした。
課題文の著者に対して「なんか『難しいこと』言ってるぞこいつ」と思っていたからです。

それが変わり始めたのは、2月ごろでしょうか。
謎の楽しさが生まれてきて、それってなんだろうって今振り返って考えてみると、その楽しさは先程言っていた「難しいこと」を細かくした時に現れてくるものだったんだと思います。

それに気づくことをきっかけに、私にとっての本のあり方が少し揺さぶられました。
本を書いている著者は、「全くの他者」ではなくて、「私と私の表現を一緒に考えられるかもしれない他者」が潜んでいるかもしれない、と考えるようになりました。この気づきは、私の表現にとって大切なことになってくると思います。

制作のアイデアはどのように考えていましたか?
私は、人との関係に悩んでいました。
いや、今も悩んでいます。ただ、表現する前と今で変わったことはあります。

当時の私は、自分が人とうまく付き合えないことにプレッシャーを感じていました。そしてそれを悪いことだと思い、自分を否定し続けていました。けれど、ふと疑問に思うこともあって、それは人と「うまく」付き合えないってどういうことだ?という疑問です。
実際、今の私もそれがどういうことかはっきりとはわかりません。けれど、それが「うまく」という言葉じゃなくて、自分の言葉で言えるようになったらそれは私にとっての表現になると思います。
私の制作の根源には、そのような自分の考えへの揺らぎを自らで与えるというところにあります。
つまり、私自身、はっきりとしたアイデアの出し方は持っていないんです。ただ、今、自分が少しでも疑問に持ったことを突き詰める、それが私の表現の最初の一歩になっているんだと思います。

二次試験の総合実技はどのようなことを意識して進めていましたか?
二次試験では、与えられた素材を使って、どれくらい自分の作りたいものに引き寄せられるかということを試行錯誤していました。毎年、先端の二次は何が出るかわかりません。けれどそれは周りの受験生も同じなので、そんなに緊張することではないと思います。
それよりも大切なのは、自分の表現と素材を上手い具合にカチッと交差させるために、日常の中での興味をよく観察することだと私は思います。総合実技って試験っていうより、遊びに近いかもしれません。その遊び方を見つけることが、総合実技を楽しむ秘訣だと思います。

予備校に通っていて印象に残っていることはなんでしょうか?
私は人と集団で生活することが難しく、教室の中でも他の受験生の方々と一緒に授業を受けることができないときもありました。その時は、講師の方々の配慮を受け、別室での受験対策をすることになりました。最初は申し訳なく感じており、迷惑なのではないかとずっと思っていました。その趣旨を講師の方々に伝えた時、言われた言葉が印象に残っています。
「教室にいれないということは、悪いことではありません。むしろ、その状況にあるSさんだからこそ見えることもあるのではないのでしょうか。そこにはSさんにとっての表現があるかもしれません」という言葉です。
その言葉は、今まで恐怖の対象であった「他者」を「一人の人間」として捉え直すきっかけとなりました。
もう一つあります。
受験直前、私の涙腺は崩壊していました。もし本番失敗したらどうしよう、という思いでいっぱいだったからです。その時、講師の方が私の話を丁寧に聞いてくださり、本当に親身になってアドバイスをくれました。
私は午後の受験だったため、午前中に予備校に行ってそれから受験会場へと行きました。
その日の午前に、講師の方は応援のために来てくれて、おまじないとおまもりをくれて、本当に幸せでした。人よりも不安になりやすい私にとって情緒面のサポートは本当に嬉しいことでした。

最後に来年度先端を受験する方に何かあれば
「サボる」ことは大事なことだと思います。わたしは詰め込むことができないのでよくいろんなことをサボっていました。サボりながら見える景色もあります。多分。いろんな視点に立って、いろんな角度から物事を見つめてほしいです。つまりあれですね。
「臆病な眼差しで世界を凝視する」ってことですね。

Sさんの総合実技を含む再現展示は3月23日(火)から始まります!面接も随時受け付けていますのでぜひご連絡ください。春期講習は3月30日(火)からになります。
https://www.art-shinbi.com/season/spring/subject/sentan/index.html

それでは先端芸術表現科でした。
(画像は合格者の授業内で制作した総合実技になります)

先端芸術表現科6名合格(現役3名)と特待生試験、春期講習会のお知らせ

先端芸術表現科は昨年度より合格者数を増やし、6名合格になりました(現役生3名)!受験生の方は本当にお疲れ様でした。そしておめでとうございます。
現在のところ全国2位の合格者数になっています!

先端の春期講習は、3月30日(火)からの6日間。今年度の合格者作品を見せながら、試験のポイントの解説なども行っていきます。
https://www.art-shinbi.com/season/spring/subject/sentan/index.html

また、今年度は遠隔地にお住まいの方には、オンライン春期講習も開講しています。こちらの申し込みは3月18日(木)までとなっています。
https://www.art-shinbi.com/event/online-event/spring.html

特待生試験を希望される方は、3月22日(月)に、第二回の試験が開催されます。こちらも申し込みは3月18日(木)となっております(今年度特待生も合格しています!)
https://www.art-shinbi.com/news/04e64b24e3344b13a4b3a33716ac2726/

それでは、先端芸術表現科でした。