こんにちは、油絵科夜間部です。台風の影響でネットが安定しません。その為ブログのアップも遅れてしまいました。申し訳ありません。今回も笑って見過ごしてやって下さい。パロディーです。

こんにちは、油絵科夜間部です。台風の影響でネットが安定しません。その為ブログのアップも遅れてしまいました。申し訳ありません。今回も笑って見過ごしてやって下さい。パロディーです。

油絵科 松田です。
やっと過ごしやすい季節になってきましたが、私の頭からは夏の暑さの記憶がなかなか出て行ってくれません。
夏期講習も終わり、二学期が始まるまでの休みの間に予定していた登山に出かけました。
私はよく山登りをするのですが、昨日の御嶽山噴火のニュースに衝撃をうけ、用意していたブログの記事を上げる気になれませんでした。
この場をお借りしてしまうことをお詫び致します事と、いまだ尚、捜索活動に尽力されている方々や被害に遭われている方々のご無事と、亡くなられた方々のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
油絵科の箱岩です。
秋らしい奥行きのある空が見られる季節になりました。画像は、お休みごとにパトロールしている利根川で一息ついた時の景色です。

昔、小学生のとき校庭で壇上で話す校長先生をすっかり無視して、頭上に広がる群青色の宇宙に、真っ逆さまに落っこちるような感覚になりながら、夢中で見上げた福島の空の色を思い出します。
智恵子抄で語られた本当の空の色。その色は県民の誇りその物だったなと、地元を離れた今になって思います。なぜか、関東で見る空の色とは違うんですよね。
あの頃の自分が想像もしなかった未来に、今、自分が立っていて、まるで浮遊するような実感のうすい感覚を味わい続けている。この感じって、あのときの妄想以上だな?なんて思う今日この頃です。日々の実感を追い求め「今を生きる」を目標に我が儘に暮らしているつもりの自分ですが、本当に人生は不思議なもんです。
さて、なかなか話の進まない裏美術に関するお話です。
夏期講習会の後半に募集をして、いろいろと審判団で審議をしていましたが、どうやらこんな定義が我々の思う裏美術なのかな?という物が見えてきました。
ここに、ちょっとばかり気合いを入れまして「裏美術についての定義」を宣言してみたいと思います。
『裏美術とは・・・』
裏美術自体に何ら根拠が無い以上、鑑賞する側にも新しい価値に対する好奇心と寛容な感受性が求められます。もしも貴方が「裏美術」の深みにはまってしまったとしても、一切の責任は各自にゆだねられます。
さて、皆さんの創作活動の中で、上に列挙された裏美術の条件に当てはまる作品が出来た時、その作品の善し悪しを「裏美術コンクール」で試してみませんか?
詳細は、いつも通り唐突な掲示によって告知致します。
真面目な皆さんの事ですから、新美の公開コンクールも勿論全員参加するでしょうが、「裏美術コンクール」開催の際は、そちらも宜しくお願い致しますね。
こんにちは。油絵科の関口です。
先週に引き続き、ボッティチェルリの代表作の二点を比較し、何故これだけ違う雰囲気の作品が生まれたのか?検証してみようと思います。先週の記事を読んでいない方はこちらからどうぞ。
http://www.art-shinbi.com/blog/20140908/

大らかな「ヴィーナスの誕生」(左)と、繊細な「春」(右)この二つの違いは一体何に由来しているのでしょうか?
考えられるのは「ヴィーナスの誕生」はカンバスに描かれていて、「春」は板に描かれている。という事です。え?たったそれだけで、そんなに作風に影響が現れるものなの?と思われるかもしれませんが、大いに影響があるのです。
実はテンペラ画でカンバスに描かれている作品というものは非常に珍しく、殆んどありません。ボッティチェルリ以外には同時代の画家、マンテーニャの作品にカンバスにテンペラで描かれたものが数点だけ存在します。(マンテーニャの作品も殆どが板に描かれていますし、同時代の他の画家達は描画材をテンペラから油絵具に移行していきました)

マンテーニャ作「死せるキリスト」(制作年は1480年、1497年など諸説あり)

キリストに短縮法を利用した作品として有名?ですが、技法的にはカンバスの凹凸を利用しながら「かすれ」を使って描いています。
ところで、ボッティチェルリの「ヴィーナスの誕生」は生の麻布(カンバス)に少し厚め(若干布目が見える程度)に石膏で下地が施されています。その上に描かれた表現は、他の作品よりハッチング(線影、線の集積で調子を表す表現のこと)の跡もあまり見えません。
カンバスの目を利用しながら、少し大きめのタッチを使って、薄?く薄?く塗り重ねていったものと考えられます。制作時間は約2年となっていますが、構図にかなり時間を掛けて、実制作には1年に満たない期間だったと思われます。

左手にいる西風の神ゼフュロスの息吹きで、ヴィーナスの髪の毛が靡く様子が大胆なタッチで描かれていますね。

さて、これはどこの部分か分かりますか?・・・そう、まさかのヴィーナスのヘソです(笑)。
あと、海のところの表現を見ると、まるで魚の鱗の様な波模様が様式的に描かれているのが分かります。ガマの描写もかなりシンプルですね。このように「ヴィーナスの誕生」は全体的にザックリ、ゆったりと描かれているのです。
一方「春」は何枚も継ぎ足した板に石膏で下地を施して、平滑に磨かれた画面に描いています。板の継ぎ目や木目などは完全に分からないほど厚く石膏が塗られています。(ちなみにここで言う石膏とは、石膏像や彫刻などで型を取る時に使う石膏とは異なり、水を入れても固まらない「二水石膏」というものです)
「春」はおよそ2年の時間を費やして精魂込めて描き込まれ、かなり気合を入れて制作されています。登場人物も多く、複雑で美しい画面構成と、柔らかく緻密な描写が鑑賞者の心に降り注ぎます。
自分も学生時代に何枚かテンペラ画にチャレンジした事がありますが、数週間掛けて3号程度の作品がやっと…でした。それを考えると300号を越えるサイズのこの作品、たったの2年でどうやって描いたんだろう?と思う程です。

ボッティチェルリの殆どの作品は板絵で、ツルツルに磨かれた石膏地に、時間を掛けて丹念に絵の具を塗り重ねて描かれています。自虐的とも言える制作スタイルを生涯に渡って貫き通したボッティチェルリは、その優雅な作風とは裏腹に、かなりのパワーと忍耐力を持った作家だと断言できます。
ボッティチェルリの作品は日本には滅多に来る事はありませんが、将来フィレンツェにあるウフィッツィ美術館を訪れた時、今回のブログを思い出してもらえたら幸いです。
こんにちは。油絵科の関口です。最近は各地でで大雨が降ったり、東京ではデング熱が流行したり、日本も熱帯地方の仲間入りをしてしまった様なニュースが続いていますね。これから台風シーズンに突入しますし、心配している人も多いと思います。全国に穏やかな季節が訪れる事を祈っています。
ところで、皆さんはこの絵をご存知ですよね??
そう。ボッティチェルリの描いた「ヴィーナスの誕生」(1485年頃)です。今日はこの作品の作者、サンドロ・ボッティチェルリについて書こうと思います。
とても有名なこの作品ですが、カンバス(キャンバス)に※テンペラで描かれています。油絵ではないんですよ。知っていましたか?
※テンペラとは、簡単に言うとメディウム(接着剤)に卵を使った絵具です。(実際には色んな種類がありますが、長くなりますので、ここでは割愛します)
「ヴィーナスの誕生」は明るく、健康的で、優雅な雰囲気を漂わせ、ボッティチェルリらしい特徴が至る所からにじみ出てきています。嫌味のないその作品が500年以上に渡って世界中の人々を魅了してきたのも納得がいきます。
僕は学生時代、友人とイタリアで本物を見ましたが、その時の印象は「わ?。本物だ?。でも意外とザックリ描かれているんだな?」とまるで素人(笑)みたいな事しか浮かばなかったのです。既に画集などで図版を見ていたので、その印象との違いを比べる位しか出来なかった様な気がします。逆を言えば、それは「図版でも一度見たら忘れられない程の印象を植え付けてしまう、普遍的なデザイン性を持っている」という事なのかもしれませんね。
ところで、この作品のすぐ近くにボッティチェルリのもう一つの代表作「春(ラ・プリマヴェーラ)」(1477?1478年頃)が展示されています。この作品は板にテンペラで描かれています。
こちらも旅行前に図版でよく見ていたものですが、この作品の方が実物を見た時の印象は強く残っています。・・・と言っても「すげ〜。無茶苦茶綺麗だな〜」という、やはり素人丸出し(笑)の感想しか出てきませんでした。
「ヴィーナスの誕生」と比べると「春」は全体のコントラストが強く、それでいて繊細。隅々のかなり細かい所まで描き込んでいます。中でも足元に生える植物や花々は非常に美しく、タイトルの「春」を感じさせる名脇役として、文字通り花を添えています。研究者によると、ここに描かれた殆どの花々は今でもフィレンツェ周辺で見る事が出来るそうです。
これは右端下の部分。本当に細かいところまでよく描いています。
ちなみに、この作品は1980年代に修復され、足元の暗闇の中から克明に描かれた植物が再発見されたそうです。余談ですが、油絵科の海老澤先生曰く「私が見た時には、コントラストの強い花はともかく、葉っぱなんか凹凸のマチエールだけで、色も何も見えなかった」との事です。
大らかな印象の「ヴィーナスの誕生」と、繊細な印象の「春」という二つの代表作。これらは同じ部屋に展示されているので、否が応でも比較してしまうのですが、同一作者の作品でありながら、この違いは一体どうして生まれたのでしょうか?
今回は長くなりそうなので、来週この続きを少し掘り下げて書こうと思います。