カテゴリー別アーカイブ: 新美

《基礎科》オンライン授業やって〼

昨日緊急事態宣言解除が発表されました。
長かった緊張状態も少しは、解れるようになるかもしれませんね。
解除されたからとはいえ、引き続き手洗いうがい、十分な睡眠と休息など
良いことは続けていかないといけませんし、続けていくことがいろいろなことが良い方向に
向かっていくのではないかと思います。

基礎科講師デザイン科担当の名越です。

世の中がテレワークやオンライン授業となっている中、新宿美術学院基礎科もオンライン講評などをしつつ
今月からオンライン授業が始まっています。
授業内容を予め生徒側にお伝えし、モチーフなるべく自宅の中にあるもの
もしくは手配しやすいもので準備してもらっています。(果物などは送ってしまうと腐ってしまったりするため)

普段の授業とは環境も違い、ずっと作品を見続けるわけにもいかないので、
何がベストな方法なのか講師も課題をやっているような気分です。

授業の中ではこのように、課題のプロセスを見ながら、気を付けるポイントや、
どんな箇所に気をつける必要があるのかなどを解説します。

また、課題の初めにはここのモチーフの確認を行うのですが、
その時に普段はモチーフはモチーフ担当の方が設置してくださるので気付けないようなことなども
気付けたりします。
“なぜこのモチーフはこの向きの方が良いのか?”
“このモチーフがこの位置にあるとどのように見えるのか?”
など、構成力がそこで培われたりもするのではないかと、思ったりもします。

今後どのような授業形態になっていくかはわかりませんが、
今行っていることは基礎練習としてしっかり今後受験にも役立ってくることですので、
しっかりと取り組んでいけると良いかと思います。

学校からの課題もたくさん出ている中、
学業と絵の両立はなかなか大変かと思いますが、踏ん張っていければと思います。

自宅で買っている猫は、晩ご飯の時間が毎日20時なのですが、
7時前ぐらいから催促の鳴きが始まります。
ですので僕の夜間部授業ではたまに裏ですごい猫の泣き声がしたりもします。
まさにオンライン授業、という感じです。

ではでは

日曜学科:秋葉原校

こんにちは、秋葉原校の石崎です。
久しぶりの投稿になってしまいました。すみません。

自然と共存しマイナスイオンあふれる講師陣で構成された秋葉原校でも、バリバリタブレットを使いこなし、オンライン授業が展開されています。

秋葉原校では日曜日に学科講座を開講しています。
こちらも現在はオンライン授業です。
本日は13:30~美大国語、15:20~美大英語の授業がありました。
今日は私も一緒に授業を聞きました。
社会人ともなると英語や国語の講義を聞く機会なんてめったにありませんから貴重な機会です。

新美生の中には学習塾と新美を掛け持ち・・・というウルトラ多忙な生徒もおりますが、私大受験生であれば基本新美学科を受講することをおすすめしております。

勿論タマビ・ムサビの学科事情を知り尽くしている先生に見てもらえるということもありますし、個人的には少人数制というところがポイント高いと思います。
わからないままどんどん先に進んでしまうこともありませんし、先生が細かく声をかけてくれます!!あと秋葉原担当の先生方はとっても褒め上手です。
気分良く勉強ができます笑

そしてタマビ受験生向けに、小論文の添削授業も用意しています。
どんどん描く!そして添削!!その繰り返しで高得点も狙えます。

特に現役生は学科を確実に抑えておくことで合格に確実に近づきますので、
体力のある1学期中にある程度かたちにしておきましょう。

6月にはタマビ型有料模試もあるのでぜひ受けて、自分の今の位置を確認しておいて下さいね。
まずは立ち位置を知ることを第一歩目としましょう。
お待ちしております。

それではまた~

芸大デザインコース

こんにちは。デザイン科の山本です。

オンライン授業にもだいぶ慣れてきて、芸大デザインコースでは思いのほか楽しく授業展開ができています。
資料を多く使いながら生徒にわかりやすい内容を心がけています。
普段の対面の授業では感覚的に伝えている内容も、細かく言語化する事により新たな伝わり方を実感しています。

生徒が自宅にいる「リモート」という状況を生かしたワークショップにも取り組んでみました。
「観察→伝達」がテーマで、自宅の中を条件に従って写真を撮影するという内容でしたが、互いに意見を交換する中で、自分自身を客観視できるものになりました。

以下、オンライン授業内で使用している資料の一部を紹介します。

鉛筆の基礎について


かぼちゃの描写のコツ


ペットボトル、ラベルの捉え方

この時期は、画材を扱う基礎技術と観察とデザインの基本を大事にしています。
くれぐれも感染症対策に気を配りながら、学びましょう!

映像科:合格者インタビュー①・感覚テスト編

2020年春、新美映像科から志望校へ合格した人にインタビューする企画。
今回は武蔵美映像学科の試験で感覚テスト140点というハイスコアで合格した宮脇さんに
実技制作の秘訣から、日頃の生活におけるアドバイスまで、詳しく聞きました。
映像系での受験を考えている人は、ぜひ参考にしてください!
インタビュアー:森田、百瀬(ともに映像科講師)

森田:こんにちは。今日はよろしくお願いします。
宮脇:よろしくお願いします。
百瀬:お願いしまーす。

【感覚テストについて】

森田:早速なんですが、宮脇さんが武蔵美の試験で制作した「感覚テスト」について聞いてみます。感覚テストはキーワードから発想して絵と文章で映像的な場面を表現する問題ですね。2020年度入試の問題では「その先は」というキーワードが与えられました。まずはこの作品について教えてください。


[入試再現作品/感覚テスト/武蔵野美大映像学科]

宮脇:はい。私は感覚テストを制作する上でいつも「場所の面白さ」を伝えたいと思っていました。この作品はトンネルが舞台なんですが、実在する場所です。小さい頃に親とドライブをしたときに通ったトンネルなんですが、どこか普通のトンネルとは違う雰囲気がありました。記憶に残っていたその雰囲気を、この感覚テストで伝えられたらいいなと思って作りました。

百瀬:私はこの作品の2つ目の段落「トンネルの中へ入ると~音は鈍くなる」というところが良いと思います。この作品ではトンネルを水中と重ね合わせていますが、視覚だけじゃなくて聴覚で捉えた情報を言葉で表現してるんですね。別の箇所では、コンクリートの柱に触れてみる触覚的な描写もあります。作品における「感覚の言語化」ということは意識していましたか?

宮脇:意識してました。「場所の面白さ」を伝える上では、その場所に降り立った時の聴覚や触覚といった感覚ーそれを私は「五感の情報」と考えていましたがーを書くことが大切だと思っていました。そのことに気づいたことで、感覚テストを作る手がかりを掴んだ感じです。
文章の表現に関してもう一つ言うと、キーワードの「その先へ」ということを読む側に意識させるために、最初の段落の後に、2行ブランクを入れています。

森田:確かにそうですね。逆にこの部分以外はすべて1行ずつ空いています・・・どういうことですか?

宮脇:最初の段落は作品の導入のようなものとして、文章全体からは切り離すような構成にしています。この作品で問題のキーワードの「その先」というのは、トンネルの中でもあり、トンネルの柱の隙間から見える風景でもあります。でもまずはトンネルに「入る」ということを読む人に強調したいと思ったので、こういう工夫をしています。文章の区切り方については教室で制作をしていたときにも、講評でアドバイスを受けて、かなり気をつけていました。

森田:なるほど、ありがとうございます。・・・と、ここで新美で制作した課題作品も見てみましょう。実は宮脇さんのこの作品には、いくつかのプロトタイプがあります。


[授業作品/感覚テスト型/新宿美術学院映像科]

百瀬:懐かしいですね。課題は毎回違ったキーワードだけど、同じトンネルが舞台になっているんですね。

宮脇:最初の作品は「斜光」というキーワードで制作した作品です(①)。この課題の講評会の時に百瀬先生が「映像装置のように見える」ということを話してくれて。

百瀬:ゾートロープですね(※)。柱から差し込む光が明滅することで、風景の見え方が変化する。舞台設定が面白いと思いました。


※ゾートロープ(Zoetrope)…スリットの間から静止画を見ることで絵が動いて見える。アニメーションの原理が体感できる装置。

宮脇:そのお話を聞いて、あらためてこの空間の魅力に気づいたこともあって、少しレイアウトを変えてリメイク制作してみました(②)。二枚の絵で表現することは挑戦だったのですが、正直ちょっと違うなと思いました。でもこの作品を作ったことで、このトンネルが持っている雰囲気を伝える上では、やっぱり一枚絵の方がいいんだということに気づけました。
その後入試直前の課題で制作したのが③です。この時の課題は「もしも今この瞬間にあなたが旅をしているならば、その旅でどんな印象的な出来事に出会うか」というちょっと変わった問題文だったのですが、「印象的な出来事」という言葉から、やはりこのトンネルが浮かびました。

森田:これは入試の作品とほぼ同じレイアウトです。あ、でも絵と文章は区切られているんですね!

宮脇:はい。画面全体に鮮やかな色を乗せることは試験本番での新しい挑戦でした。ひとつのイメージとして見せることで、この場所の広さを感じさせられるんじゃないかと思って。あと絵と文章をはっきり区切った画面のレイアウトは一見整理されて見えるけど、ちょっと安易かなとも思いました。試験で作品を採点する教授に「簡単なレイアウトを選んでる」と思われたら嫌だなとか(笑)そんなことも考えました。

百瀬:実際に試験本番の作品では、トンネルの隙間から海を見ているということが、画面全体で表現されていますね。全体に入れられた白いタッチがエフェクトになって、トンネル=水中という空間が繋がるような効果が生まれています。

森田:授業で制作するたびに試行錯誤したことが、試験本番の一枚に活かされてることがよくわかりました!

【受験生活について】

森田:ここからは新美で対策した一年間について聞いてみたいと思います。いつ頃から美大の映像系への進学を考えてましたか?

宮脇:元々映画を作りたいという気持ちがあって、在学中に何本か友達と製作したり、映画甲子園に出品したりしていました。映像で受験をしようと思ったのは高二くらい、でしょうか。私の高校に武蔵美を卒業された講師の方がいて、お話を聞いて「武蔵美の映像学科で映画を作りたい」と考えるようになりました。

百瀬:最初に受講したのは通信教育科(注:現オンライン教育科)でしたよね。

宮脇:現役の時は高校が美術科だったので、おもに学校の先生に見てもらって、入試の直前は他のアトリエに行って対策をやりました。でも結果はダメで。もう一年となった時に、やっぱりちゃんと映像科がある予備校に入らないと無理かもしれないと考えて、まずは一学期に通信教育を受けたんです。
送られてきた課題を見て「こんな対策をやるんだ」「面白い…けどちょっと苦手な課題かも」と思ったのは覚えています。たしか最初の課題のテーマは「私の部屋」でした。

百瀬:たしかに映像科の課題って、いきなり「私」のことを聞かれるというか、作る側としては、自分の内面を見せるような部分があって、最初はびっくりするかもしれませんね。
夏期講習から上京して教室での制作になりましたが、その変化はスムーズでしたか?


[課題制作時のエスキース帳/下書きや講師からのアドバイスがびっしり!]

宮脇:高校やアトリエでの制作の経験はあったので授業にはすぐ馴染めましたが、一人暮らしということもあって環境自体の変化の方が大きかったかもしれません。入試の時期がちょうど好きなアーティストのツアー中だったので、その様子をチェックしながら「頑張ろう」と思ってました(笑)。
本格的に学科のスパートをかけたのは11月くらいからでしたね。新美の講習会の学科の授業も取りました。家では集中できないので、家から新美までの間に単語をやることだけは徹底しようと思ってました。あとは…運です。

森田:運も大事ですね(笑)。ところで今後大学では特にどんなことを学びたいですか?

宮脇:映画を作りたい気持ちもあるんですが、今は映像を使ったメディアアートに興味があります。今までは画面の中で成立する映像に取り組んできたので、その枠から映像を解き放つような空間的な表現をしてみたい、という気持ちが強いです。

森田:楽しみですね。じゃあ最後に、いまこれを読んでいる映像科の受験生へ向けて「普段の生活の中でこんなことをするといいよ」みたいなアドバイスがあれば、ぜひお願いします!

宮脇:自分が今まで経験したことを思い出して欲しいと思います。家族とのやりとりとか、些細なことであっても作品になる。それは感覚テストだけじゃなくて映像作品を作るときにも役立つと思います。自分の経験は他人は経験したことがないと思うので。あとは、自分が好きなことを感覚テストに落とし込むことでしょうか。私はどこか行くときに街の様子を見ることが好きだったので、受験の直前でも街の特徴をよく観察していました。日常生活の中に作品の手がかりを探しながら、一日一日を過ごして欲しいです。

森田:今日はたくさん聞けて楽しかったです。宮脇さんのこれからの活躍に期待してます。
百瀬:また新美にも遊びにきてください!


《2020.5 オンラインでのインタビュー/宮脇さんご協力ありがとうございました!》

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5月からのオンライン課題 生徒作品紹介

こんにちは!彫刻科の小川原です。5月に入ってオンラインによる同時授業が始まっています。デモンストレーションを見ながら制作できるので、参考になると思います。5月は主に彫刻1対策と表現研究モチーフ(素描)を中心にこなしていきます。

それでは生徒作品を紹介します。


大根の置かれている状況がよく表現できています。縄の影など丁寧でよいですね!


固有色の感じられるデッサンです。大根の丁寧な探りが魅力的です。


現役生も頑張っています。量感が素晴らしいです。


おなじく現役生の作品です。形の精度が高いですね。調子の幅も多いです。


形としてもよく描かれていますが、絵画的に見ても魅力的な作品に仕上がっています。


しなやかに、美しくてというモチーフに迫れています。
風船の反射を描きつつ、立体感も出せている表現力がすごいです。手の質感もいいですね。


ポーズにこだわって表現しています。手の筋肉の厚みが魅力的に描けました。


実直に丁寧に描き進められました。手の肉感の印象が良いです。

生きた視線を感じるデッサンに仕上がっています。完成度も高く、素晴らしい内容です。


生き生きした表情が良いです。炭も生き生きしていますね。


写り込みの表現が素晴らしいです。ステンレスの質をリアルに感じます。


構成にこだわってモチーフを配置し、そのビジョンを大事に完成させました。ボウルの距離感がうまく表現できています。


背景を作ることで光の印象を強調しています。絵画的な雰囲気にグッときます。


りんごが映り込むボウルの印象が良いですね。立体感もよく出せています。


ステンレスの硬さや叩いたらどんな音がするのか伝わってくるようです。やりきってこの安定感は素晴らしいです。


着彩に挑戦してくれました。いろんな色を使って表現していますね。指揮官が素晴らしいです。この集中力を大事にしてください。

5月も後半に入っていきます。今のうちに作品として制作に向き合う意識を養って、登校がスタートしてからの課題に活かしましょう!