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木彫作品制作1 左腕の接合から内ぐり、体前面の中間まとめまで。

こんにちは。彫刻科の小川原です。
しばらくぶりのうちに作品も大分進んできました。今日までの制作過程を紹介します。
頭部のまとめの後、胴体正面のまとめ作業を行いました。
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次に左腕をつける作業です。まずは材を新たに丸太から切り出します。
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材を加工し、ダボ(プラモの接合部の凹凸みたいなもの)をつけて接合準備完了。接合面は両面とも平らでないといけないのと、腕の3次元的な角度を事前にしっかり合わせておく必要があります。当然ダボも面に対し垂直でないといけません。
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接着剤(エポキシ接着剤、90分型、30分型混合)をつけてラッシングベルトでがっちり固定します。
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とりあえずロックマンみたいな状態ですが、これからどんどん彫り込んでいきます。
接着剤が硬化したらチェーンソーで荒取りして、形にします。
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ここから内ぐりの作業を開始します。内ぐりとは作品を中空にする為に中の木を削り落とす作業のことを言います。僕は最初の方の作品ではこの内ぐり作業を作品の胴体をまっぷたつにして上下にドリルで穴を空けながら落としていく形を取っていましたが(きれいにくっつくので形に影響が少ない)最近は背中に大穴をあけてそこから削り出して後から穴にふたをするやり方を取っています。この方法だと一度つくった形を壊すことになりますが、上から下まで形はつながったままなので強度が強いです。
このチョークの線に沿って穴を空けます。1つの大穴だとふたを合わせるのが難しいのと、作品の乾燥による歪みの影響を受けやすいです。
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まずはチェーンソーで線に沿って切れ目を入れていきます。
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次にドリルで端からどんどん穴を空けていきます。
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残った部分をチェーンソーで崩していきます。
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上下崩したら間を貫通させます。
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腰、脚は出来るだけ長い穴を沢山空けておきました。
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これで内ぐり作業は完了です。
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続いて脚(前面)を形にしました。片脚まとめるだけで半日かかります。
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今日の制作でここまで進んでいます。
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次回から手をつくり始めます。手は別でつくって後から取り付ける形にします。

8月に入り、夏期講習も踏ん張りどきです。

こんにちは、昼間部講師内田です。気づけば7月が終わり、個人的には、嫌いな夏が一ヶ月過ぎたと思うと少し嬉しいです。夏期講習は中盤にさしかかりました。蒸して熱いですが、中だるみしている人はいませんか?頑張っていきましょう。

彫刻科夏期講習もなかなか盛り上がっています。良い作品が普段より多いので、早速紹介していきます。
アバタ冨樫2
T.Hさんの作品

全体感を崩さず細部まで詰めるところまできています。普段は手が遅いほうなので、目鼻口まで印象を崩さず出来ているので、本人も何か掴んできたのではないでしょうか。

アバタ齋藤

S.Kさんの作品

軸を捉え、全体的に進められています。傾いた鼻の左右の面の関係性や髪の細部に至るまで、気を抜くことなくよく観察しています。

 

村田アバタ2

M.Yさんの作品

頬の張りから首にかけての伸びを面で捉え、自然な表現になっています。髪の表現などは、無理に細部をつくろうとせず、全体の流れで細部までもっていけたような気がします。

 

齋藤ブルータス2

S.Kさんの作品

首の伸びる動きに連動した、左右の眉の違いなどの細部に加え、右頬へ張り出す強さと、ブルータスの塊感が表現できています。

臼田自画像

U.Tさんの作品

画面向かって右からの光を設定し、眼球の細部に至るまで一つの空間に佇むように描かれています。光と影を上手く使って空気感を出すことが素描の醍醐味であり見せ場となるのではないでしょうか。

 

齋藤モデル

S.Kさんの作品

齋藤モデル2

モデルさんの特徴をつかんでいます。の面性や、前かがみに座っていた様子がよく捉えられています。

 

臼田モデル2

U.Tさんの作品

前髪に隠れたおでこから後ろ髪、後頭部へと、外しがちな骨格をかちっと捉えています。初心者には難しいので、おでこから後頭部への繋がりを参考にしてみてはどうでしょうか。髪も頭蓋骨から浮くことなく一体感に落ち着きがあります。

江藤静物

E.Kさんの作品

モチーフ大に置かれている状況説明が明解に説明できています。ブロックの比率やパースもしっかり捉えられました。

 

臼田静物

U.Tさんの作品

複雑なモチーフでしたが、素材感の違いも描き分け、完成度の高い作品として仕上げることが出来ました。

洞口構成塑造

H.Aさんの作品

3つのモチーフの関係性と空間を最大限活用して表現できました。
齋藤構成塑造

S.Kさんの作品

緊張感のある構成になりました。マスクやセロリの完成度の高さにも説得力があります。

 

佐藤構成素描2

S.Rさんの作品

シンプルですが魅力的な造形物ができました。デッサンの内容も客観的で良いです。

岩田構成素描

I.Hさんの作品

 

隙間の空間性を生かした魅力ある構成です。作品としての完成のイメージを強く持って言い切れると尚良いです。

山崎構成素描

Y.Rさんの作品

構成や配置がよく考えられています。床面がもっときれいに空間が抜けてくれると良いです。

臼田細密

U.Tさんの作品

細部まで丁寧に描写できていて良いです。固有色の差も明快に表現できています。

洞口細密

H.Aさんの作品

花のしっとりとした質感が良く表現できています。欲を言えば色味がもう少し美しくコントロールできると良いです。

須藤細密

S.Yさんの作品

絵画的に美しく表現できています。作者の美的センスが光る作品です。

臼田ラオコーン

U.Tさんの作品

力強い熱量を感じるデッサンです。厚みに対して敏感に反応し、魅力的な表現に繋げています。

 

山崎ラオコーン

Y.Rさんの作品

全体の空間をうまくコントロールしながら完成させることが出来ました。雑味がなく、魅力をダイレクトに感じることができる作品です。

 

齋藤ラオコーン

S.Kさんの作品

全体をコントロールしながらも、部分ごとの形体感の特徴(緊張感)を的確に捉えながら表現に繋げることが出来ています。
洞口ラオコーン

H.Aさんの作品

木炭の扱いが独特の魅力を放っています。単純にセオリーに乗っ取った作業以上の作者のモチーフへの観察と探りの深さを感じます。

村田ラオコーン

M.Yさんの作品

出だしから大きな構造に反応して作業が出来ていました。その意識を完成まで維持できたことで厚みの感じられる作品を完成させることができました。

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S.Yさんの作品

調子の扱いに独特の魅力を感じる作品です。表面の起伏だけでなく。背中までを含めた断面の「厚み」に対するアプローチが更に深まると尚良いです。

この夏、皆頑張っているのでブログ紹介が長くなりました。読んでくれた皆様、お付き合いありがとうございます。誤字脱字あったらすみません。。。1人でコメント書ききれずひーひーしてたら、途中から主任がコメント挿入助けてくれました。男前!ありがとうございました!

そんなこんなで、本当に全体的に皆伸びています!紹介しきれなかった作品もありますが作品数が多くて一つ一つのコメントはあっさりになってしまいました。(ごめんね。)しかし、受験生の皆さんは、この調子で熱く、夏に負けないくらいジリジリと攻めて行ってくださいね。

次回の彫刻科ブログ更新担当は氷室先生です。8/19日(火)お楽しみに!ではまた。

 

彫刻科 夏期講習 最初の課題。

こんにちは。彫刻科の小川原です。夏期講習が始まりました!前期昼は塑像を集中特訓していきます!第一課題はニワトリでした。動物も彫刻を学ぶ上で欠かせない要素の一つです。将来的に動物を作品としてつくっていく事だってありますから。
ほとんどの場合は彫刻作品として動物を制作する場合実際に動物を見ながらつくることはないです。大抵は動物園等に取材に出かけてクロッキーをしたり写真を撮ったりして、それを元に彫刻に置き換えます。予備校の段階では本物の動物を目の前にして作品をつくる訳ですが、こちらの方が稀な例なんですね。
「動物」というジャンルにおいて、基本的な骨格構造だったり(どの動物も思ったよりそんなに変わらない)断面の形状や起伏の特性のリズムを掴む事で最低限の資料さえあればどんな動物であってもつくれます。動物の課題で学ぶべき事は「ニワトリ」ならニワトリの、「ウサギ」ならウサギのつくりかた、という事ではなく、(それもあるかもしれないけど)もっと大きなくくりで、「動物」そのものの性質を理解する。というところに詰まるのだと思います。
さて、それでは今回の秀作を紹介していきます。
まずは現役生、R.S君の作品。
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一つ一つの形に抑揚があって変化に富んでいます。丸みも単純化する事なく複雑に捉えられているのでそれも魅力を高める事に一役買っています。まだまだ手が遅く、具体的にしていくのに時間がかかってしまい完成度は十分とは言えません。最終的な形がどうなると良いのかという事を早い段階で捉え、荒付け段階で60%、中付けで80%を言い切るくらいの見切る力を養いましょう。

K.S君の作品。
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出だしからポージングのイメージを持って取り組めていました。特に指導を必要とする場面も少なく、自分で考えて自分で探っていく事が出来ていたので、かなり実感を持って取り組めていたのだと思います。生命感があり、密度も十分で高い完成度が感じられます。この調子でどんどん研究を深めていきましょう。

F.Tさんの作品。
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途中立ち方を根本的に大きく動かして直すという一幕がありましたが最終的には安定して地面を捉える事が出来たと思います。印象も良く、冴えた作品と言えます。
「見る目」が良く、軌道修正する力がずば抜けていますが、逆にもう少し冒険する部分があっても良いかなと思います。探り探りの作業が多いので結果となって現れるのが遅い傾向にあります。もっと大きくやり取りを重ね(失敗があってもよい)、それを繰り返して正解に近づいていくような道筋もあります。いろいろ試してみて下さい。(2日課題であっても1日で完成させるつもりで挑んでください)

T.U君の作品。
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誰より手が早く、完成度がどんどん上げられるのが強みです。この作品も端々まで意識が行き届いて重厚な作品となっています。
逆を言うと完成度以外のところで戦っていないので作品追求がおろそかであった場合一気に作品の質が落ちてしまう危険性も孕んでいます。とにかく形の狂いは一切なくす事、その上で常に自分の限界を半歩越えた完成度を目指す事を原点として下さい。それさえ守れれば必ず結果はついてきます。

F.T君の作品。
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生命感の感じられる形の起伏が捉えられていて魅力ある作品となっています。本人はなかなか完成の糸口が掴めないと思っているようですが、やっている事は間違っていません。むしろセンスもいいし、高度な事が自然と出来ていると思います。手を止めてしまえば作品も止まってしまいますが、手が動いている限りは決して悪くない方向に作品は動いているので自分を信じてやりきってください。

最初の課題でしたがいくつもいい作品が出て良い流れだと思います。夏期講習ではとにかく今まで自分になかったものを新たに取り込んだり、出来なかった事に挑戦したり、攻めの姿勢でこなしていってほしいです。夏を制するものはなんちゃら…。という名言があるように、この時期自分を高められた人は2学期以降得られるものも段違いで変わってきます。そして勝負を見据えて全力で取り組んで下さい。自分には何が足りないのかしっかりと見極めて、必要な力を強く欲して下さい。「求めよ、さらば与えられん」ではありませんが、「こうしたい」「ああしたい」と強く思っている事は自然と吸収できるものです。淡々とこなしているだけではあまり上達しないのです。一緒に頑張って、この夏を乗り切りましょう!

1学期の実材実習。テラコッタ首像の台座制作。

こんにちは。彫刻科の小川原です。1学期に制作したテラコッタのモデル首像の台座制作を僕のアトリエで行いました。
素材は楠を使います。楠は木彫でスタンダードに扱う素材です。大学に入ってから必ず扱う事になるので、今のうちから触っておくのはいいかもしれません。
まずはチェーンソーで材を切り出すところから。
※写真はやらせです(笑)チェーンソーの作業は僕がやりました。危ない工具は大学に入ってから使ってね(笑)
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切り出した材を電気カンナで成形、面出しします。電気カンナの回転の性質上外から中に削り込んでいくようにして、抜けて出ないように気をつけないと木の繊維が割れてはがれてしまいます。
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このあとベルトサンダーをかけて大まかに仕上げます。IMG_0844
その後サンダーで仕上げて鑿で軸を立てる為の穴を空けます。
(先にドリルで蜂の巣状に穴だらけにしておいて、鑿はそれを崩すだけです。)IMG_0850
首像作品が完全に乾燥したら窯で焼成作業に入ります!割れずに全部上手く焼ける事を祈ってます!

木彫作品制作1 耳の彫り込みと頭部の中仕上げ。襟周辺まで。

彫刻科の小川原です。夏は暑くて制作がきついです…。体も使うし頭も使うし、数時間でオーバーヒートしてしまいます。気合いだよ気合い!って若いときは思ってましたが、そんなもんは若いうちだけです。ちょっと彫ってはエアコンの効いた部屋で休む、すぐ暑いアトリエに戻って彫る。の繰り返し。そして風邪を引く…。
今回は作品の耳を彫り込んでいきます。耳は左右あって、角度はもちろん形が対応関係にあるので感覚的にささっと進める訳にはいけないところです。片側決めたらもう片方は反対側に合わせて慎重に決めていきます。
まずは顔の角度や頬からの距離等を踏まえてデッサンを入れます。
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輪郭の周囲を落として耳自体の形を浮き上がらせます。
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耳の穴に向かって奥行きが螺旋状に深まっていくフォルム感を意識しながら荒彫りしていきます。
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少しずつ具体的な形にしていきます。失敗を恐れて彫り込みが浅いともっさりした造形感になってしまいます。カービングこそ思い切って量を削っていく勢いみたいなものが大事だと思っています。
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とりあえず荒彫りから中仕上げの段階ではこんなものです。最終仕上げの時にさらに彫り込んでいきます。
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次は後頭部を進めます。荒彫りから中彫りまで。
荒彫りは本当に荒いです。量を合わせて表情を入れていく際の見当を取っておくくらいです。
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中彫り完成。とりあえず彫り込みやすい丸刀でどんどん形にしました。
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襟周辺を彫り込みます。
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次回から肩周辺を彫っていきます。