カテゴリー別アーカイブ: 彫刻科

木でつくる動物の花器。

こんにちは。彫刻科の小川原です。今回は楠を使って小さなパンダの花器をつくりました。いつもの作品の雰囲気とのギャップが激しいです。
木で彫り上がってすぐの状態です。
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彩色していきます。まずは全体に黒を塗ってしまいます。ちなみにアクリルガッシュです。
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白いところにホワイトを入れていきます。
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どう花器になるかと言うと、試験管を持たせて、一輪挿しになります。
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たまにはこういうのもおもしろいなとおもいました?(笑)

彫刻科 夏期講習(後期)ダイジェスト!

学生のみんな夏期講習会お疲れさまでした。 講師のヒムロです。

今年の夏は前期の塑造特訓に始まり、中期のベーシックなカリキュラム、後期は外国人首像や最後のコンクールに向けて一気に駆けぬけましたね!!暑い暑い夏、大変な季節を悲喜こもごも、みんな色々な経験を得られたと思います。

導入

では夏期講習の後期を中心に作品を紹介したいと思います。

男性セミヌード1日描き;人体を通しての観察で石膏像ではなかなか得られない骨格や筋肉を学ぶカリキュラムです。

T.U君の作品U

描き込みのリズムに弾みがあります。見えない向こう側の腕など、そういった事の信憑性のつじつまを合わせる仕事は実に楽しい物です。このデッサンには色々可能性を感じます。

K.Oさんの作品O

立ち姿、目線、悦に入っていますね。こちらに作者のイメージが伝わってきます。おしいところは輪郭線ですね。例えば末端、足、手そして指、細く小さな部分までもっと追ってなじむと、なお良いと思います。

A.Sさんの作品S

素描として、とても画面に有効なやり取りが感じられます。探りながらまとめられる所に経験と力を感じます。欲を言えば、床の仕事です。接点は大事ですよ。

K.Oさんの作品 おおた座り

座っている人体は腰がちゃんと座れているかがポイントとなります。プロポーションの安定感がこの作品の良い所です。惜しい所は末端の部分、手足が他よりも主張が少し強いですね。

 

こちらは奴隷のデッサンです。岸本先生のアイディアで普段とは光線状況を少し変えてのデッサンです。

T.U君の作品奴隷u

どの石膏像も離れて見ると、臨場感は近くよりも減ってしまいます。このデッサンは離れる事で逆に客観性に富んだ内容だと思います。どの距離感でも自分とモチーフの位置関係は大切ですね。

A.Sさんの作品奴隷s

きびきびとした印象は好感が持てます。この先求めるのは、正面から見た奴隷の躍動をこの位置からも感じたいです。もっといけますよ。

Y.M君の作品村田奴隷

輪郭線だけでは表せない奴隷の動きを、炭の緩急を使って表現出来た清々しいデッサンです。下っ腹をしっかり押さえられ所に力を感じます。凄くかっこいいデッサンです!

F.Tさんの作品冨樫奴隷

荒削りで未完成な感じはします。ですがこのデッサンには共感を持てるものがあります。ぱっと奴隷の像を見たときの印象が表せています。

K.S君の作品齊藤奴隷

奴隷は螺旋の彫刻です。上昇と思えば下降する。とりとめのない印象に良く反応出来たと思います。もちろんもっと描き込んで欲しい部分もありますが、どうしても手が入れられない所はあります。それはかえってナイーブな表現につながり良い時もあります。

K.Oさんの作品oota奴隷

モチーフを良く見ていますね。観察を通しての描写にはリアリティーを感じます。惜しい所は、輪郭線の未消化な部分です。形や空間になじめればもっと良いですね。

 

こちらはヘルメスの模刻です。大きいですし普段なかなか作らないので知っておくべきポイントが今回で一気に増えたのではないでしょうか。頭部の形態感や正中線、首の傾きや出方など勉強になりますよね。

K.S君の作品齊藤ヘルメス補正済みIMG_7725

首や頬、おでこの形、後頭部をもう少し確認したかったですね。しかし、首の切り口や表情と全体の主張のバランスが良く粘土の表情など硬くならずに健闘しています。

Y.M君の作品村田ヘルメス補正済みIMG_7713

首の出方や顔から頭部に向かっていくねじれが弱いです。ですが頬に落ちて来る影の拾い方や髪の毛の面を意識した作り込みなど良い捉え方ができています。

T.U君の作品 IMG_7721

頭部の形態感が弱いです。面に戻り影を意識してみて下さい。切り口や口元の表現も、もっと研究が必要です。目の表情は似ているので目を引きますね。

夏期講習ラストはコンクールでした! 授業風景 講評風景

デッサンはジョルジョ、塑像がジョルジョの模刻、素描が自画像でした。 ジョルジョは描くにしても作るにしても難しい像なので、一筋縄では行きません。 コンクールということで気合いが入る!そこに実技を噛み合わせて行く!そのバランスの取り方に、この1年がかかっていると言っても過言ではありません。 結果かどうあれ、自分の実技を冷静に分析し経験値を上げて行ってください!!

 

こちらはデッサン1位に輝いたF.Tさんのデッサンです。総合1位の座も獲得しました。実技に安定感があり自然に表現ができる事が持ち味です。その結果が夏期講習で頭角を現してきました!1位冨樫IMG_7765補正済

炭の響きや顔の印象が良いですね。首や体がやや伸びてしまったのが惜しいです。

2位のT.U君のデッサンIMG_7770

白を基調とした画面は目を引きました。書き込みも本人の熱意を感じます。やや顔の印象が幼く見えるのが、もったいないですね。

1位のK.Oさんの模刻1位太田IMG_7689補正済み

全体の中で嫌味なくジョルジョの印象に迫っていました。構造や動きにもっとしっかりした確証が感じられれば良いですね。

2位のF.Tさんの模刻2位冨樫IMG_7781

デッサン共、印象をちゃんと捉えることができました。良いですね。形の言い切りがまだまだ弱いところを減らしたいです。

1位の自画像1位須藤IMG_7790補正済み

採点時、ひとつ頭が飛び出た点数が付きました! 狙いが明快で、実に作品性の高い一枚です。自画像に対する本人のイメージ力が他の追随を許しませんでした。あっぱれな内容だと思います。スゴイ!

2位の自画像2位冨樫IMG_7801修正済

絵心を感じさせる内容から、本人の妖艶な世界観に引き込まれます。こちらも良作と言えるでしょう。

3位の自画像IMG_7827

上記の2枚に比べると、一見世界観や作品性にやや乏しい感じを受けますが、緻密な観察を通した描写にはリアリティが発生します。本人の誠実さがしっかりと伝わってきます。

以上で夏期講習ダイジェスト終了です!

みんな本当にお疲れさまでした!!自分がそのまま出てしまう実技を常に見続け、目指す道に向かって日々努力を重ねる、そんな姿を見ると本当に凄い場所なんだなと日々感動しています。どうしても受験を前には実技の結果がすべてですが、この姿勢は一生モノです! 結果はしっかり受け止め、2学期へ向かいましょーーーーーーーー!!! ここからが勝負です!! 2学期がはじまると受験まであっと言う間です。 ゆっくり休みの期間に鋭気を養ってくださいね!!宿題もお忘れなくー   ※次回の更新は9月15 日です

 

 

 

 

 

 

 

彫刻科。流れに乗って夏期講習後期へ突入!

こんにちは!彫刻科の小川原です。 今回は氷室先生の番でしたが都合により僕がアップすることになりました。 さて、夏期講習もだいぶ盛り上がり、皆かなり力を付けてきました!1学期の時とは大違いです。何より自分自身の弱点を素直に受け入れ、克服していこうという強い意志がひしひしと伝わってきます。
こういういい流れに持ってこれたのは、偏に上達してきた事を少しずつ実感する事が出来始めているからだと思います。上手くなってきたことで逆に弱点も明確に見えてきて、それを克服する為の後押しを、さらに上手くなりたいと言う高いモチベーションが後押ししてくれているのだと思います。指導しているこちらも、非常に楽しくやらせてもらっています!今後が本当に楽しみですね!

さて、前回から今日までの優秀作品を紹介します。例によって数が多いのでコメントは短めですみません。
前回紹介しそびれた構成素描。ウレタンフォームの板とピアノ線で重なりの空間(層)をテーマに造形し、描きなさい。というものでした。
U.T君の作品。
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描写の行き届いた完成度の高い作品です。構成の組み方も知性的で魅力的です。

石膏静物デッサン。
K.S君の作品。
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構図から空間表現まで画面全体の設定がよく考えられています。手前の牛骨の接点付近の形等、さらに緻密に表現しきれると良いです。

模刻。ミロのヴィーナス。
R.Y君の作品。
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全体的に合わせていく意識で常に間違いを探して正していける作業の方向性が良いです。十分な完成度も含めて時間内にまとめ切るビジョンをスタート時から持てると良いです。

Y.M君の作品。 IMG_7083
動きの組み立てを一息に捉えて組み立てていけました。逆に一旦組み上がったものはなかなか動かせていけていないので、より客観的な目を鍛えて極限まで精度を上げていく意識で臨めるようになると良いです。

模刻。ジョルジョ。
T.U君の作品。 IMG_7092
与えられている時間内でここまでつくれたら大した物です。見る角度によって軸の狂いが気になってしまうところがあるので、序盤粘って後半直せない狂いをしっかり潰しておきましょう。

女性ヌードモデル。
R.Y君の作品。
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腰から下の表現にしなやかさがありとても良いです。手、足、顔等末端の表現には更なるリアリティを期待したいです。

U.T君の作品。
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厚みの表現や描写がとてもよく出来ています。物と物の前後関係(顔と奥の腕、右腕と胴体、両脚)に距離感がなくなっている(手前の物のアウトラインの外側に黒がたまっている)ので気をつけましょう。

K.S君の作品。 IMG_7064修正
人体のしなやかな立ち姿が魅力的に表現できています。欲を言うと中身の探りに比べて回り込み付近はやや追求が甘いので、今以上にやりきれると良いです。

自画像。木炭紙に鉛筆。 IMG_7049_済
出だしから画面全体をコントロールしながら作業を積み重ねていく捉え方が説得力のある画面をつくっています。鏡の中の自分、画面の中の自分。実際の自分。自身との対話が形となって現れているようです。

石膏像。パジャント。
T.U君の作品。
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背景も含めて描いてみました。背景の暗い部分の状況がやや分かりづらいですが、非常にテクニカルで完成度の高い内容です。石膏像の手前部分の描写が効いています。

コンクール。ジョセフ。
U.T君の作品。
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光の表現が巧みで明解で目立つ作品です。形のキワに関してはこだわって描写できていますが、塊としての構造感に対する表現に弱さを感じます。そういった意味で、もう一踏ん張りでもう1段階は軽くレベルを上げられる伸び白があります。

R.Y君の作品。
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目の前にあるモチーフに素直に向き合って、嘘のない描写を重ねています。こういうタイプの人は変に技巧的になる事がないのでどんどん経験を重ねて今のまま上達していってくれたら良いです。後は満足のいく物といかない物の判断をきちんと下していく事も忘れずに。

コンクール。クラフト紙の紙袋と荒縄とパプリカの構成。
A.Hさんの作品。
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塑像板上の空間性をフルに使う為にそれぞれの物の角度や配置をこだわり抜いた作品です。完成度も高く。説得力のある内容でした。

H.Iさんの作品。
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シンプルな構成ですが、欠点のない作品に仕上がっています。さらにつくり込みをこだわって、押しの強い作品を目指して下さい。

K.S君の作品。
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クシャッと閉じた紙袋が目を引きます。作りも良いので目立つ内容です。やはり縄の先端が両方とも他のモチーフにくっついているのはやや自然ではないかもしれません。いろいろ試してみて下さい。

Y.M君の作品。
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配置にリズムがあっておもしろい作品です。もう少し紙の質感が上手く出せると(または出しやすいよう誘導できると)尚良くなりそうです。

R.Y君の作品。
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紙袋を量の塊として表現した事に彫刻的な魅力を感じました。縄の扱いも考えられていて、後は描写がどこまで言い切れるか、それだけです。

デッサン。ヘルメス。
T.F君の作品。
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色で形を上手く表現できています。色感の良さを伺える作品です。描写に関してはギリギリ何とかなりましたが、単純にまだまだ技術的に足りないところがあるので特訓しましょう!

T.U君の作品。
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今回は波に乗るまで苦戦しましたが、そこまでの過程でいろいろやった痕跡が作品にリアリティを与えています。始めから上手くいくことはいい事ですが、それなら技術的にこうした要素が感じられる方法論を編み出してみてはどうでしょうか。

K.S君の作品。
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探りの深さとリアリティを感じる表現が出来ています。常に完成のイメージを更新し、その時の満足度を常に超えていく勢いで臨んでくれたら良いと思います。

Y.Y君の作品。基礎科の生徒ですが、講習は受験科に参加してくれました。
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ほとんどアドバイスする事が見当たらないほど一貫して像を捉える仕事が積み重ねられていました。印象が良く素晴らしい内容です。スタート時に無理なく大まかな形が取れれば後は何も問題ないです。

手と水の入ったガラスコップ。素描は芸大の時間に合わせ、3時間です。
Y.M君の作品。
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バランスが上手く取れています。完成度も短い時間の中で高められていて良いです。気になるポイントは2つ、手首(曲がっている部分を斜めに線を関係づける)が太い。コップの底の楕円が正確でない(回り込みがNG。回り込み部分だけ上の楕円と比べると逆パースです)。あと欲を言うと人差し指から奥の空間にはさらにこだわりたいです。

K.S君の作品。
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鉛筆の扱いが明解で良いです。人体としてのしなやかさが良く表現できています。逆に手の甲に厚みが欲しかったのと、コップの楕円の長軸が口も底もズレています。形も歪んでいます。とにかく単純ミスをしない事です。

T.U君の作品。
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こちらも明解なデッサンです。言い切る力は注目を集める重要な要素です。しかしこの作品もコップの楕円が狂っています。透視図法関係は見て描くだけではダメです。観察以上にただ透視図法の基礎理論を交えながら単純に自然かどうかを客観的に見ていくこともしてください。

手と紙コップ。
現役生。R.S君の作品。
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手は日々の特訓の成果があって自然に描けています(やや手首は太いですが)。それより紙コップです。扱いとして弱いのが否めません。いろいろなものの質感表現を特訓しましょう。
コップの形は浪人生よりずっと自然なのが僕は悔しいです…。

塑像。外国人モデル首像。
H.Iさんの作品。
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自然な表現が魅力的な作品です。素直な観察によって柔らかな印象をつくる事ができました。さらに骨格感の意識を高めていきましょう。次回の作品がとても楽しみです。

K.S君の作品。
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土付けの見切りが素晴らしかったです。モデルさんの微妙な顔の歪みまで捉えています。回転台を必要に応じて近づけたり(より具体的な観察が必要な時)離したり(作品として客観的に向き合う時)しているのが印象的でした。

Y.M君の作品。
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力強いモデルさんの骨格構造が強く感じられ、迫力が伝わる作品です。作業のやり取りがモデリングに偏っている為シャープさが弱いので、反りの形に関しては積極的に削ってつくる方法も取り入れていっても良いと思います。

F.Tさんの作品。
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いつもより高い完成度を打ち出す事が出来ました。様々な質感が感じられ、魅力的な作品となっています。骨格構造による張りの形に関してはもう少し緊張感を持たせたいところです。

K.Oさんの作品。
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表情に対する追求に並々ならぬ物を感じます。ベースとなる構造に関してやや量感不足に陥る事があるので注意しましょう。もう少し大きなサイズでここまで作り込めたら説得力はさらに高い物になったはずです。

T.F君の作品。
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柔らかな土付けが人物としての生命感の表現に上手くつながっていて良いです。さらに出来るようにならないといけない事。理解を深めるべき事は本人が一番良く分かっていると思うので、とにかく頑張りましょう!

基礎科、Y.Y君の作品。
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ベースとなる骨格構造の探りが見事で、形の内側から緊張感のある張り出しを感じます。逆に細部があっさりしているところがあるのでもっと早い段階から下地に組み込みつつどんどん突っ込んでいって良いです。

素描。外国人モデル。
T.U君の作品。
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モデルさんの印象を表面的に追うだけでなく、作品として追求し切れている事が素晴らしいです。体(服)の部分のクロッキー的な描写の挑戦も上手くいっていて、爽快感のある作品になっています。

F.Tさんの作品。
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モデルさんの印象が良く引き出せています。作品としてはまだまだ不十分なところはありますが、これからの可能性を強く感じるデッサンです。単純にあと1、2時間描くだけでもグッと内容を上げてこれそうです。ただ実際は3時間なので、そこにどう折り合いをつけていくのか。考えていきましょう。

K.Oさんの作品。
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とにかく上手いです。こういうタイプで3時間でここまで描ける人は他にいないと思います。この感性を他の課題にも生かていけると良いです。

長くなってしまいましたが、その分いい作品が沢山出てきているという事でこちらとしては非常に喜ばしい事です!これからさらに上達していく事が出来るよう一緒に頑張りましょう!
次回の更新は氷室先生です。8月26日を予定。夏期講習後期後半の作品を紹介します!
さあみんな!拳を高く掲げて!エイエイオーーッ!!

木彫作品制作1 左腕の接合から内ぐり、体前面の中間まとめまで。

こんにちは。彫刻科の小川原です。
しばらくぶりのうちに作品も大分進んできました。今日までの制作過程を紹介します。
頭部のまとめの後、胴体正面のまとめ作業を行いました。
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次に左腕をつける作業です。まずは材を新たに丸太から切り出します。
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材を加工し、ダボ(プラモの接合部の凹凸みたいなもの)をつけて接合準備完了。接合面は両面とも平らでないといけないのと、腕の3次元的な角度を事前にしっかり合わせておく必要があります。当然ダボも面に対し垂直でないといけません。
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接着剤(エポキシ接着剤、90分型、30分型混合)をつけてラッシングベルトでがっちり固定します。
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とりあえずロックマンみたいな状態ですが、これからどんどん彫り込んでいきます。
接着剤が硬化したらチェーンソーで荒取りして、形にします。
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ここから内ぐりの作業を開始します。内ぐりとは作品を中空にする為に中の木を削り落とす作業のことを言います。僕は最初の方の作品ではこの内ぐり作業を作品の胴体をまっぷたつにして上下にドリルで穴を空けながら落としていく形を取っていましたが(きれいにくっつくので形に影響が少ない)最近は背中に大穴をあけてそこから削り出して後から穴にふたをするやり方を取っています。この方法だと一度つくった形を壊すことになりますが、上から下まで形はつながったままなので強度が強いです。
このチョークの線に沿って穴を空けます。1つの大穴だとふたを合わせるのが難しいのと、作品の乾燥による歪みの影響を受けやすいです。
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まずはチェーンソーで線に沿って切れ目を入れていきます。
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次にドリルで端からどんどん穴を空けていきます。
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残った部分をチェーンソーで崩していきます。
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上下崩したら間を貫通させます。
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腰、脚は出来るだけ長い穴を沢山空けておきました。
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これで内ぐり作業は完了です。
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続いて脚(前面)を形にしました。片脚まとめるだけで半日かかります。
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今日の制作でここまで進んでいます。
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次回から手をつくり始めます。手は別でつくって後から取り付ける形にします。

8月に入り、夏期講習も踏ん張りどきです。

こんにちは、昼間部講師内田です。気づけば7月が終わり、個人的には、嫌いな夏が一ヶ月過ぎたと思うと少し嬉しいです。夏期講習は中盤にさしかかりました。蒸して熱いですが、中だるみしている人はいませんか?頑張っていきましょう。

彫刻科夏期講習もなかなか盛り上がっています。良い作品が普段より多いので、早速紹介していきます。
アバタ冨樫2
T.Hさんの作品

全体感を崩さず細部まで詰めるところまできています。普段は手が遅いほうなので、目鼻口まで印象を崩さず出来ているので、本人も何か掴んできたのではないでしょうか。

アバタ齋藤

S.Kさんの作品

軸を捉え、全体的に進められています。傾いた鼻の左右の面の関係性や髪の細部に至るまで、気を抜くことなくよく観察しています。

 

村田アバタ2

M.Yさんの作品

頬の張りから首にかけての伸びを面で捉え、自然な表現になっています。髪の表現などは、無理に細部をつくろうとせず、全体の流れで細部までもっていけたような気がします。

 

齋藤ブルータス2

S.Kさんの作品

首の伸びる動きに連動した、左右の眉の違いなどの細部に加え、右頬へ張り出す強さと、ブルータスの塊感が表現できています。

臼田自画像

U.Tさんの作品

画面向かって右からの光を設定し、眼球の細部に至るまで一つの空間に佇むように描かれています。光と影を上手く使って空気感を出すことが素描の醍醐味であり見せ場となるのではないでしょうか。

 

齋藤モデル

S.Kさんの作品

齋藤モデル2

モデルさんの特徴をつかんでいます。の面性や、前かがみに座っていた様子がよく捉えられています。

 

臼田モデル2

U.Tさんの作品

前髪に隠れたおでこから後ろ髪、後頭部へと、外しがちな骨格をかちっと捉えています。初心者には難しいので、おでこから後頭部への繋がりを参考にしてみてはどうでしょうか。髪も頭蓋骨から浮くことなく一体感に落ち着きがあります。

江藤静物

E.Kさんの作品

モチーフ大に置かれている状況説明が明解に説明できています。ブロックの比率やパースもしっかり捉えられました。

 

臼田静物

U.Tさんの作品

複雑なモチーフでしたが、素材感の違いも描き分け、完成度の高い作品として仕上げることが出来ました。

洞口構成塑造

H.Aさんの作品

3つのモチーフの関係性と空間を最大限活用して表現できました。
齋藤構成塑造

S.Kさんの作品

緊張感のある構成になりました。マスクやセロリの完成度の高さにも説得力があります。

 

佐藤構成素描2

S.Rさんの作品

シンプルですが魅力的な造形物ができました。デッサンの内容も客観的で良いです。

岩田構成素描

I.Hさんの作品

 

隙間の空間性を生かした魅力ある構成です。作品としての完成のイメージを強く持って言い切れると尚良いです。

山崎構成素描

Y.Rさんの作品

構成や配置がよく考えられています。床面がもっときれいに空間が抜けてくれると良いです。

臼田細密

U.Tさんの作品

細部まで丁寧に描写できていて良いです。固有色の差も明快に表現できています。

洞口細密

H.Aさんの作品

花のしっとりとした質感が良く表現できています。欲を言えば色味がもう少し美しくコントロールできると良いです。

須藤細密

S.Yさんの作品

絵画的に美しく表現できています。作者の美的センスが光る作品です。

臼田ラオコーン

U.Tさんの作品

力強い熱量を感じるデッサンです。厚みに対して敏感に反応し、魅力的な表現に繋げています。

 

山崎ラオコーン

Y.Rさんの作品

全体の空間をうまくコントロールしながら完成させることが出来ました。雑味がなく、魅力をダイレクトに感じることができる作品です。

 

齋藤ラオコーン

S.Kさんの作品

全体をコントロールしながらも、部分ごとの形体感の特徴(緊張感)を的確に捉えながら表現に繋げることが出来ています。
洞口ラオコーン

H.Aさんの作品

木炭の扱いが独特の魅力を放っています。単純にセオリーに乗っ取った作業以上の作者のモチーフへの観察と探りの深さを感じます。

村田ラオコーン

M.Yさんの作品

出だしから大きな構造に反応して作業が出来ていました。その意識を完成まで維持できたことで厚みの感じられる作品を完成させることができました。

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S.Yさんの作品

調子の扱いに独特の魅力を感じる作品です。表面の起伏だけでなく。背中までを含めた断面の「厚み」に対するアプローチが更に深まると尚良いです。

この夏、皆頑張っているのでブログ紹介が長くなりました。読んでくれた皆様、お付き合いありがとうございます。誤字脱字あったらすみません。。。1人でコメント書ききれずひーひーしてたら、途中から主任がコメント挿入助けてくれました。男前!ありがとうございました!

そんなこんなで、本当に全体的に皆伸びています!紹介しきれなかった作品もありますが作品数が多くて一つ一つのコメントはあっさりになってしまいました。(ごめんね。)しかし、受験生の皆さんは、この調子で熱く、夏に負けないくらいジリジリと攻めて行ってくださいね。

次回の彫刻科ブログ更新担当は氷室先生です。8/19日(火)お楽しみに!ではまた。