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彫刻科!盛り上がっていこう!

こんにちは。彫刻科の小川原です。彫刻科はタイトル通りここ最近昼間部も夜間部も全員の成長が目覚ましいです!この夏から集中的に取り組んできたクロッキーの特訓が功を奏してきたのだと思います。でも僕はまだまだ満足していません。絶対に安定してモノが捉えられるレベルまではまだまだです。意識をより高く!向き合っていきましょう!

彫刻科ではクロッキーから出だしの印象の見切りについて特に力を入れて指導しています。クロッキーって技術的にはこういうものだというのが存在するけど、言語化して具体的に指導したりはあまりしないと思います。で、結局狂いの激しいクロッキーを1枚本番前の柔軟体操の様に適当に描いて、そのまま本番も狂ってしまうという人がほとんどではないでしょうか。それだと意味ないです。むしろ誤ったモチーフのイメージが頭に定着してしまうのでやらないでぶっつけ本番に全集中力をかけた方がましかも…。
クロッキー力を身につけるには正しい見方を知る必要があります。それを間違えるとまじめに課題をこなしていても上手くなれないまま時間だけが過ぎていってしまうのです。


沢山探りを重ねて合わせていくクロッキー。


空間的に調子を捉えていくクロッキー。

 


クロッキーをデッサンに繋げていく。


僕が浪人中描いていた描き方で思い出しながらやってみました。陰側を真っ黒に塗りつぶしてから進めます。あまりに特殊すぎて基本的な指導では役に立たないので普段は他の描き方で教えています。


浪人時代もこんな感じのデッサンでしたが、変わったのはスピードです。ヘルメスは2時間。ガッタメは3時間ちょいの時間で描いています。見切りが良くなるといくらでも早く正確に描けます。
描き出しはまさに塗潰し!

デッサンや塑造を学ぶ上で「描き方」「作り方」にこだわりすぎて肝心の「見方」についておろそかになっている人がほとんどだと思います。
評価されている作品をまねているだけでは当然その本人には勝てないし、個性無く似通った作品というものは受験では淘汰されていくものです。上手い人は結局上手い。これは揺るがないです。こういう人は特にクロッキーを描いたことが無くてもやらせてみたらできるものなのです。でもそれは「上手い人理論」なのであって、普通の感覚とはだいぶかけ離れています。そういう意味でクロッ
キーってあまりに感覚的すぎて(実際は違うけど見た目はそう見える)いきなり上手い目標を見せられても内心無理ーっ!!って思ってしまって構えてしまうのだと思います。それを1つ1つ理解していき、最終的には感覚に落とし込んでいくことが大切なのです。

合格を見据えていくには「見る力」を高めて、「個性」を伸ばしていくことが重要です。
新美では指導している中で特にその辺を意識しています。
実際に生徒が描いている状況も含めて見てみましょう。6時間制作です。


やはり出だしが重要ですね!!

調子が美しい作品です。手前の肩をもう少し具体的に形にできると更に良いです。


6時間制作とは思えない完成度だと思います。色々なことを気をつけながらギリギリまで内容を高めようとする努力が感じ取れます。


明快な描写が気持ちいい作品です。描写は丸みが似ているように感じるので、更に部分ごとの変化に敏感になれると良いです。


下が切れてしまった構図がもったいないです。切断面だけで済んだのには救われました。ただそれを補って余る魅力があります。

次に塑造作品を紹介します。バリエーションが大切ということで、4点とも異なる生徒の作品です。(模刻なのでバリエーションも何も無いかもしれませんが)

短時間でしっかり印象を合わせて来れました。細かく作り込むことに一生懸命にならなくてもこういう土付けで捉えていくのは良いと思います。


完成度もあり、精度も高い作品です。毎回安定した作品が出せていますね。この調子です!


目の印象がもう少しかなと思いますが、かなり難しいねじれの動きが捉えられていて良いです!


現役生の作品です。僕は受験課題で良くやる模刻の中ではジョルジョが一番難しいと思っていますが、今回出だしから印象よく捉えられていて驚かされました!これからまたどんどんレベルアップしていけそうないい見方ができていました。

皆まだまだ伸びます!むしろちゃんと分かってきたからこそ出来るようになることは本当に多いです!徹底的に教えていくので盛り上がっていきましょう!!

僕が今制作中の作品。「暗闇の翼」ブロンズにします。