日別アーカイブ: 2016年8月6日

彫刻科 石膏デッサン集中特訓。

こんにちは。彫刻科の小川原です。もう暑くて暑くて、自分の制作場所はエアコンがないので、暑さとの戦いですが、予備校のアトリエは冷暖房完備で快適でいいな?。大学に行くと彫刻科はそうもいかないので、根性を鍛えておかないとダメですね。

さて、新美彫刻科の夏期講習は石膏デッサン集中特訓コースに入っています。ここまでの作品でなかなかいいなと思ったものを紹介します。割りと数があったのですが、今回はバリエーションということで2人づつ違う人のを見てもらおうと思います。

ヘルメス。
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ドラマチックな光源設定が格好良いです。顔もよく似せて来ていますね!切断面の形が単調になってしまっているのが惜しいところですが、実力を感じさせる1枚です。

1現役生の作品です。粘り強い探りが魅力的です。探ってできた表情がヘルメスによくあっていますね。頭部の空間がもう少し背景に抜けてくれると更に良かったと思いますが、現役生らしからぬ完成度の高さに驚かされます。

ジョセフ。
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上手いです。ここまでくると特に言うことはないです。この作品がどうこうと言うより、このレベルで安定出来れば回りは絶対追いついてこれないと思います。がんばろう!

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この人だから描けるこのデッサン。という感じの個性のあるデッサンです。実際に触っていくような探りが見ている側も触覚的な感覚で見させられます。どんな像でも最終的には「魅力」があるかどうかが大事なので、見失わずモチーフと向き合って下さい。

さて、僕もまた描きました。ブルータス。
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描き出しでは徹底して構図やプロポーション、動き、全体の印象、明確な光源設定を心がけましょう。上手い人ほどこれらの要素を同時に高いレベルでコントロールできます。逆に慣れないうちは多くのことを同時に考えるのは難しいですが、何かが抜けている状態で進めてしまうのではなく、上の項目がきちんとできているかは一つ一つ確認しましょう。出だしがうまくこなせるかこなせないかがほとんど全てだと思います。

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ガーゼを使って空間を出していきます。ベースとして全てがザラ目では奥行きが出ないので、場所に応じておさえ方を変えながら質を変えていきます。

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ガーゼでつくったベースの上にどんどん形を構築していきます。顔は100%似せましょう!顔はデッサンの命です!顔がショボいと評価する側も萎えてしまいます。僕はこの段階で光と陰が響き合いを持つように心がけています。あと、これは自分の作品の方向性として、見ているモチーフはあくまで石膏像なのですが、描いている作品は本物の大理石のブルータスをイメージして描いています。「リアリティ」に対する考え方として、目の前にあるものが答えではなく、もっと上のものを目指しているのです。
ちなみに本物のブルータスを見たことはありません!!  笑

完成
完成です!隙のない完成度を目指します。製作時間は3時間です。最近描く速さが以前より速くなり、かつ正確になりました。手の動きは音速を越えようとしています。 笑

さて、夏期講習も折り返しです!夏の暑さに負けず、どんどん上達していきましょう!受験は夏が勝負です!