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クレーの天使

こんにちは。油絵科の関口です。

今日はパウル・クレーの天使シリーズを紹介したいと思います。
クレーが描いた天使のシリーズは、晩年の2年間に集中しています。

まずは作品をご覧下さい。

忘れっぽい天使
「忘れっぽい天使」
名作です。

 

泣いている天使
「泣いている天使」

 

ミスエンジェル
「ミスエンジェル」

 

鈴をつけた天使
「鈴をつけた天使」

 

幼稚園の天使
「幼稚園の天使」

 

なんだか癒されますよね。しかし、これらの作品にはこんな背景がありました。

クレーはドイツにあるバウハウス(総合造形学校)で教鞭をとっていましたが、前衛画家という事でナチスの迫害にあい、故郷のスイスに亡命します。しかし、ドイツ国内にあった銀行口座が凍結されてしまい、厳しい生活を余儀なくされます。更に皮膚硬化症という難病を発症し、身も心もボロボロだったと思われます。そういう状況の中で制作されたシリーズです。

 

数々の名言も残していますので幾つか紹介したいと思います。

「左手は右手ほど巧みではない。だからしばしば右手より役立つのだ」

「天才とは、システムのエラーである」

「芸術は人類の保養地だ。一度でも世界を空の上から覗いてみれば気分一新、すっかりくつろいだ気分になれるし、芸術はまさにそのようなものとして、ある」

 

私たちの仕事は中々お金にはなりませんが、お医者さんよりたくさんの人々の心を救うものだ。と僕は考えています。