月別アーカイブ: 2015年3月

視覚伝達デザイン学科再現プロセス(映像付き)

こんにちはデザイン科大島です。

3月11日からの合格者作品展示にむけてちょっとずつ再現作品も増えてきています。
前回は多摩美のグラフィックデザイン学科の作品を紹介したので、今回は武蔵野美術大学の視覚伝達デザイン学科現役合格者の色彩構成の作品と、その製作手順を映像も交えて紹介したいとおもいます。

 

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今年の視覚伝達デザイン学科は、BIRDという文字が切り抜かれたゴムシートが配布され「鳥」のイメージで色彩構成しなさい、というような課題でした。
(モチーフに関しては回収の指示がなかったとのことで、記念として持ち帰ってきた学生のものを借用しています)

レーザーカッターが普及した現在だからでこそ可能なモチーフ…なのでしょうか?
用意するコストや手間を考えるとなかなか予備校泣かせなモチーフです!

 

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試験本番で配られた課題文を持って帰ってきたようです。
重要箇所にきちんとアンダーラインを引いています。

 

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本番で配布された下描き用紙。
テーマや構図を色々と考えた形跡があります。
本番でのエスキース時間は30分くらいだったようです。

 

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表現方法にもよりますが、モチーフをしっかり観察して特徴をつかむのは大事です。

 

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この日は洋服や持ち物も青かったです。ティッシュやラップまでも青いです。
偶然だそうです。

 

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ペーパーカラーという、紙の色を再現した絵の具。これで白い部分を修正していました。
全くもって必須な道具ではないのですが、このブログに掲載したことで来年度の学生が使い始めるかもしれませんね…。

 

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で、完成作品がこちらです。
海の上を飛ぶ渡り鳥(カモメ)のイメージとのこと。

制作者曰く、視デの課題に対しては、自分の好き嫌いではなく、人に伝えることを常に意識しながら形や色を決め、感覚的にならないように頭を使って制作していたとのこと。彼女は多摩美のグラフィックデザイン学科も合格していますが、視デとグラフでは考え方を変えて制作したことが功を奏したのだと思います。

とはいえ本人は「BIRD」の「D」の文字を入れないことに迷いがあり、試験終了直後はダメだなと感じたそう。

インパクトのある作品ではないかもしれませんが、素材の特性、画面の空間、色彩計画、イメージ設定など基本のしっかりした作品に仕上がっているんじゃないでしょうか!

強いて言えばもうちょっとカモメの特徴やフォルムが表現されていても良さそうですね。
でも120点前後はついてそうな作品だと思います(た、たぶん…)!

 

 

詳しい製作手順は映像でどうぞ!!
こうやってみるとやっぱり作業手順や手際がとても良いです。

ほぼ固定カメラで撮りっぱなし、かつテロップもありませんが、やっぱりこういうのは早いほうがいいかなと。簡易版なのでHPからのリンクは貼っていません。

とりあえず311(くどい)に是非お越し下さい!
作品をみるだけなら18日以降のほうが作品点数も多いとは思いますが!
詳細は以下からお願いします!
http://www.art-shinbi.com/startevent/index.html

 

 

ー追記ー


こちらも公開されたそうです!是非!

芸大油画専攻はサテンの布がお好き?

こんにちは。油絵科の関口です。

さて、芸大入試も終わり、あとは発表を待つだけとなりました。皆さん一年間お疲れ様でした。(おっと愛芸や金沢とかはまだありましたね。受験する人は頑張って下さい)

あとまだ新美に荷物や作品を取りに来ていない人は、明日3月10日が持ち帰り期限です。ちゃんと荷物を取りに来て下さいね。そのままにしておくと捨てられちゃいますよ。

 

 

ところで、今年も一次試験にサテンの布が出ましたね。サテンの布は昨年度の一次にも、4年前の一次にも登場しています。これだけサテンの布が出てくると、芸大はサテンの布が好きなんじゃないか?と思ってしまう位、頻度が高いモチーフですね。

このサテンですが、あまり詳しく知らなかったので、ちょっと調べてみました。

サテン布

  • サテン=本繻子(ほんしゅす)

織物組織の名前で、主に絹、ナイロン、ポリウレタン、ポリエステル、アセテート(他にもコットン、ウール、キュプラ等、全ての糸の素材で可能)などの糸を使って作った三原織組織の一つの繻子織。通常縦糸が多く表に出ていて、美しい光沢が出やすい。高級感があり、豪華な雰囲気を持つのでドレス、裏地、ハンドバッグ等によく使われる。

 

 

ところで17世紀オランダの画家で、ヘラルト・テル・ボルフという画家を知っていますか?1617年生まれなのでレンブラントと歳が近いです。

このテル・ボルフ。実はサテンの描写だけは何故かピカ一で、それだけで世の中に残っている。と言っても過言ではありません。人物の表情や描写は…残念ながらイマイチです。なのでメジャーな画家とは言えません。強いて言えば、この作品が有名ですかね。

ヘラルド・テル・ボルフ1654
テル・ボルフ「父の訓戒(通称)」 1654年

でもこの人、今の芸大なら好まれるのでしょうか?
何気に今年の二次絵画の条件満たしてるし(笑)。

映像科:再現制作&年度末の大掃除

こんにちは、映像科講師の森田です。入試直前講習もいよいよ架橋ですね。まだ試験がある人は最後まで気を抜かず、体調に気をつけてがんばってください。

さて映像科でも現在、11日(水)からはじまる「私立美大合格者作品展示」に向けて、入試の再現作品の制作をしています。武蔵美の感覚テスト、鉛筆デッサン、小論文、東京造形大の構想表現や日芸映画学科の面接レポートなど、徐々に集まってきています。映像科の作品はやはり文章がベースなので、ぜひ展示会場でゆっくり見て(読んで)くださいね。

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(※写真は再現ではなく合格者の授業内での作品です)

またこの時期に再現作品を見せてもらいながら「試験本番、どうだった?」という話を聞いたり、入試の一年間の(知られざる)エピソードを聞いたりすることは、何と言うか講師としてもとても勉強になります。映像科の実技の制作は「ストーリーテリング」がその中心にありますが、作品だけでなくひとりひとりが既にドラマを持っているのだなぁとしみじみ思ってしまいます。ちなみに展示会場には「合格者体験記」も置かれていますので、そちらも併せて読んでみてください。

さて、そんな中でも4月からの新学期に向けた準備を少しずつ始めなくては、ということで年度末の片付け(いわゆる大掃除)をしています。7Fの「映像科資料室」には、受験の参考作品だけではなく、写真集や展覧会の図録、DVD、映像関係の書籍や雑誌、そしてももちろん大学の出版物などがかなり大量にあるのですが…。

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(全体はお見せできる状態ではないので一部分だけ)

来年度はもう少し見やすくしてもっと気軽に活用してもらえるようにと思っています。また、映像科の教室では「(小論文や学科の対策として)どんな本を読んだらいいんですか?」という質問をされることがよくあります。そんなこともあり、映像関係の資料だけでなく、小論文や学科の現代文の対策になるような評論文の資料を強化したいなとも考えています。こちらの新美ニュースでも紹介していきたいと思ってますのでお楽しみに!

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(この扉が目印です)

合格おめでとう! ena 新美 くにたち

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国立校です。

私立美大の入試・合格発表もほぼ終了し、現在東京芸大入試の真っ最中。
新美国立校は受験科がスタートして1年目、初めての受験生を送り出し、
私立美大、国公立大は下記の通り素晴らしい結果を出すことが出来ました。

武蔵野美術大学  合格 31名

多摩美術大学   合格 20名

東京造形大学   合格  6名

女子美術大学   合格 10名

京都芸術大学   合格  1名

学芸大学     合格  1名

その他美術大学  合格  7名

※重複合格、補欠合格を含みます。
※講習生は含んでいません。

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◎1日体験講習
新美ではこれから本格的に美大受験の勉強を始める人、興味がある人、迷っている人のために
1日体験講習を行っています。
用具の説明から丁寧に指導しますので、初めての方でも安心して参加できます。
また同時に保護者対象の入試ガイダンスも行います。
無料ですのでお気軽に参加してください。

詳しくは、トップページの[1日体験講習]をご覧ください。

leaflet

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渋谷校開校記念
2015年3月末までの1日体験参加者に鉛筆セットと新美オリジナルクロッキー帳をプレゼント!
新宿校・国立校・渋谷校いずれの体験でも配布しています。goods

 

 

合格者作品展示&多摩美グラフィック再現作品

こんにちは。
デザイン科の大島です。

東京芸大をはじめとする国公立の受験はまだ終わってませんが(頑張って下さい!)、私立美大コースの合格者には再現作品をぼちぼちと描いてもらってます。

というわけで合格者作品展示が3月11日から始まりますが、一足先にちょっとだけ公開します。

すべて多摩美術大学グラフィックデザイン学科の今年度の入試再現です。
ブログに掲載するにあたり上司の了承をなにも取ってないのが心配ですが、こういうのって鮮度が大事ですよね!

今年度、デッサンは「手をにぎる両手」、色彩構成は「ROBOT」という課題でした。

 

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本番でこういうことができる人は少ないので満点近くはついたんじゃないかな??と思います。
怪獣(?)の手の関節のシワがめっちゃ人間ぽいのが個人的に気になりますけど、インパクト抜群です!

 

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現役生らしい、力強いハッチングで描かれています!手を握り合う情景がよく表現されていますね!技術もそこそこに、きちんと「伝わる」デッサンになっています。良い作品です。

 

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これも現役生です。
描いた本人いわく「手汗」がテーマだそうです!

…手汗って。
本番で手汗をテーマに描くほうも描くほうですし(本人いわくエスキース5秒だったそうです、真似しないでください)、よく手汗を評価してくれたものだと思います!
ちなみに、本当に手汗をかきやすい人だったので、本番では緊張して手汗がたくさん出て、余白がものすごく汚れてしまったそうです。

 

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参考作品用のビニールをかけたあとに撮影したので私が反射しております、すいません。
これは多摩美のグラフィックの入試作品として安定感があります。お手本のような作品ですね!

 

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C3PO(スターウォーズ)とキカイダーを彷彿とさせるロボットの顔がドーンと。
インパクトがあっていいんじゃないでしょうか!

 

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直線とROBOTの文字はどこだ!!と思われるかもしれませんが、左上にあります!
ビニールに反射して見づらくなってますが実物もわりと見づらい仕上がりです!
でも、自分を信じて最後までやりきっているところがいい作品ですよね!
キビシイ予備校だったら怒られちゃうような作品を描いて合格するところが新美って感じです!

 

今回はあえて異物感(?)のある作品を混ぜて掲載してみました。
真面目にやっていた人からすれば「えっ?!コレありなの?」と思う作品があったかもしれません。
でもこれが多摩美のグラフィックの受験の実際のところじゃないでしょうか。
募集定員が180人もあるんですから、いろんな合格の仕方がありますよね。

 

合格者作品展示は3月11日から私立美大系が始まります。
(もちろん武蔵野美術大学や他学科の合格者作品も展示しています!あとこのブログに掲載されていないグラフィックデザイン学科の再現作品も展示しています。)
そして3月18日からは芸大合格者の受かりたてホヤホヤの作品と、私立美大の作品も数を増やして展示する予定です。講師も常駐しております。是非新美にお越し下さい!

イベントの詳細はこちらからご覧ください