日別アーカイブ: 2015年3月2日

合格者作品展示&多摩美グラフィック再現作品

こんにちは。
デザイン科の大島です。

東京芸大をはじめとする国公立の受験はまだ終わってませんが(頑張って下さい!)、私立美大コースの合格者には再現作品をぼちぼちと描いてもらってます。

というわけで合格者作品展示が3月11日から始まりますが、一足先にちょっとだけ公開します。

すべて多摩美術大学グラフィックデザイン学科の今年度の入試再現です。
ブログに掲載するにあたり上司の了承をなにも取ってないのが心配ですが、こういうのって鮮度が大事ですよね!

今年度、デッサンは「手をにぎる両手」、色彩構成は「ROBOT」という課題でした。

 

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本番でこういうことができる人は少ないので満点近くはついたんじゃないかな??と思います。
怪獣(?)の手の関節のシワがめっちゃ人間ぽいのが個人的に気になりますけど、インパクト抜群です!

 

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現役生らしい、力強いハッチングで描かれています!手を握り合う情景がよく表現されていますね!技術もそこそこに、きちんと「伝わる」デッサンになっています。良い作品です。

 

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これも現役生です。
描いた本人いわく「手汗」がテーマだそうです!

…手汗って。
本番で手汗をテーマに描くほうも描くほうですし(本人いわくエスキース5秒だったそうです、真似しないでください)、よく手汗を評価してくれたものだと思います!
ちなみに、本当に手汗をかきやすい人だったので、本番では緊張して手汗がたくさん出て、余白がものすごく汚れてしまったそうです。

 

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参考作品用のビニールをかけたあとに撮影したので私が反射しております、すいません。
これは多摩美のグラフィックの入試作品として安定感があります。お手本のような作品ですね!

 

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C3PO(スターウォーズ)とキカイダーを彷彿とさせるロボットの顔がドーンと。
インパクトがあっていいんじゃないでしょうか!

 

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直線とROBOTの文字はどこだ!!と思われるかもしれませんが、左上にあります!
ビニールに反射して見づらくなってますが実物もわりと見づらい仕上がりです!
でも、自分を信じて最後までやりきっているところがいい作品ですよね!
キビシイ予備校だったら怒られちゃうような作品を描いて合格するところが新美って感じです!

 

今回はあえて異物感(?)のある作品を混ぜて掲載してみました。
真面目にやっていた人からすれば「えっ?!コレありなの?」と思う作品があったかもしれません。
でもこれが多摩美のグラフィックの受験の実際のところじゃないでしょうか。
募集定員が180人もあるんですから、いろんな合格の仕方がありますよね。

 

合格者作品展示は3月11日から私立美大系が始まります。
(もちろん武蔵野美術大学や他学科の合格者作品も展示しています!あとこのブログに掲載されていないグラフィックデザイン学科の再現作品も展示しています。)
そして3月18日からは芸大合格者の受かりたてホヤホヤの作品と、私立美大の作品も数を増やして展示する予定です。講師も常駐しております。是非新美にお越し下さい!

イベントの詳細はこちらからご覧ください

クレーの天使

こんにちは。油絵科の関口です。

今日はパウル・クレーの天使シリーズを紹介したいと思います。
クレーが描いた天使のシリーズは、晩年の2年間に集中しています。

まずは作品をご覧下さい。

忘れっぽい天使
「忘れっぽい天使」
名作です。

 

泣いている天使
「泣いている天使」

 

ミスエンジェル
「ミスエンジェル」

 

鈴をつけた天使
「鈴をつけた天使」

 

幼稚園の天使
「幼稚園の天使」

 

なんだか癒されますよね。しかし、これらの作品にはこんな背景がありました。

クレーはドイツにあるバウハウス(総合造形学校)で教鞭をとっていましたが、前衛画家という事でナチスの迫害にあい、故郷のスイスに亡命します。しかし、ドイツ国内にあった銀行口座が凍結されてしまい、厳しい生活を余儀なくされます。更に皮膚硬化症という難病を発症し、身も心もボロボロだったと思われます。そういう状況の中で制作されたシリーズです。

 

数々の名言も残していますので幾つか紹介したいと思います。

「左手は右手ほど巧みではない。だからしばしば右手より役立つのだ」

「天才とは、システムのエラーである」

「芸術は人類の保養地だ。一度でも世界を空の上から覗いてみれば気分一新、すっかりくつろいだ気分になれるし、芸術はまさにそのようなものとして、ある」

 

私たちの仕事は中々お金にはなりませんが、お医者さんよりたくさんの人々の心を救うものだ。と僕は考えています。