月別アーカイブ: 2014年6月

木炭で描くアグリッパ。

こんにちは。彫刻科の小川原です。基礎の課題でアグリッパを描きました。解説を加えながらのデモンストレーションだったので前半撮影が出来ませんでしたが途中からのものを紹介します。
1段階では構図を考えながらアタリをとります。輪郭内の作業では面の変わり目に出来る稜線を探り、立体を掴むようなイメージを深めます。正中線に対する左右の稜線の角度の精度も高め、今後大きく形を直す必要がないことを確認します。
2段階目では光源を設定し、明確に日向と日陰で調子を分けていきます。もちろん調子は最初に捉えた稜線上で変化させます。
そして3段階目。構造にそって調子をコントロールしています。より実際に近い起伏を追い、短時間でアグリッパの持つ印象に限りなく近づけていき、全体を微調整します。大抵の場合はこのくらいの進度で明確な狂いがある場合、アドバイス無く自力で修正するのは困難です。もしモチーフが捉えられていたらこの段階で十分に合わせきれるはずです。逆に合わせられない人はもう少し慎重になってここで精度を上げる努力をすることと、クロッキー力を上げることが求められます。1
4段階目ではガーゼを使って空間を作っていきます。奥行きのある面と逆行側は基本ガーゼで形を起こします。光側はガーゼを使わず、ザラ目を利用し、奥行き面とのコントラストのギャップを高めることで空間性を強めます。
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5段階目では4段階目でつくった下地に具体的な起伏をどんどん詰め込んでいきます。光源設定が崩れない限り、やや黒っぽくなっても良いです。ここでの探りは完成に直結するものなのでじっくり時間をかけて行いたいです。
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最終段階では特に何を重視して描くということは必要ありません。あえて言うなら具体的な描写と、バルールのコントロールは欠かせませんが、そのとき必要だと思ったことは何でもやるべきです。理想とする作品が見えてないと何となく時間が過ぎていってしまいます。どのような作品にしたいのか、その為に何をするべきなのか考えながらいろいろなことを試していくことが大切です。
このくらいで十分かな?というレベルでは実際のところ到底不十分なので、常に自分の限界を超えていくつもりで挑むつもりで向き合いましょう。
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完成作品をフォトショップで加工してみました。出だしでの光源設定では明確な光線状況の説明をしていきたいです。
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色数を4色に減色しました。たった4色でも十分に像の印象を引き出すことが出来ます。どこにどんな色を置いていくか、描き出す前に作戦を立てましょう!
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今回は時間がなかったので2時間半くらいで仕上げました。ちょっと無理がありましたがなんとか間に合わせた感じです(笑)
僕は受験時代も描くのは早かったですが、その当時とはモチーフに対する見方や描き方は全く変わりました。デッサンは普段あまり描かないので日々の特訓の延長で段々変わってきたと言う訳ではなく、どちらかと言うと自分の作品制作の中で形に対する追求度や視野の範囲が変わってきた為にいつの間にか変わっていたと言うのが正直なところです。
受験時代ではいかに奥行きを深く、細部を緻密に、画面全体を明解に描けるかにこだわりを持っていました。やや実際のモチーフの状況を置き去りにしていたところがありましたが、今はどれだけ実際のモチーフの魅力を引き出すことが出来るかと言うことに興味の方向性が変化しています。
皆さんも自分のデッサンに作品としてのこだわりを持って取り組んでほしいです。最初は「こんなデッサンが描きたいな」でいいのだと思いますが。最終的にはそれを越えていくべきだし、自分で理想を見つけていくことがおもしろさでもあります。

さて、プレ夏期講習が近づいてきました。彫刻科では6/22日にプロセスから学ぶモデル首像、29日にプロセスから学ぶ石膏デッサンを行います。どちらも1日で完成させます。まだ未経験でこれからはじめるという人、とにかく早く上達したい人、制作に行き詰まっている人は是非参加してみて下さい。丁寧に制作のコツを伝授します!
基本は現役生対象の講座ですが、学外の浪人生も是非。参加無料です。各日3日前までの申し込みとなっているのでお見逃し無く!!

6/22プレ夏期講習の東京芸大デザイン科コース公開講座

デザイン科総合コースの主任滝口です。
いよいよ1学期も後半になり、夏期講習への意識も出て来ている時期かなと思います。
新宿美術学院では、6/22と6/29にプレ夏期講習公開講座が開かれます。
これは、各科の公開授業として、無料で体験する事が出来ます。

東京芸大デザイン科コースでは、6/22にデッサンと粘土の立体構成を行います。
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デッサン:
デッサンでは、今年度の東京芸大デザイン科合格者の江上秋花さんに、公開デモンストレーションをやってもらいます。
江上さんのデッサンは、とっても鉛筆の調子の美しいデッサンが特徴的で、白くて深みのある自然な石膏デッサンを描いてくれます。
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江上
デッサンでは、アトリエを自由に見学も出来ます。ただ、デッサンの上手い人からヒントを得るには、やはり一緒に制作をして行きながら、どのように1日を過ごしてデッサンをしているかというプロセスも凄く大事になります。描き出し?午前中?3時間の見え方?午後の過ごし方?終了1時間前の見え方?フィニッシュ。その流れを是非とも参考にしてもらえたらと思います。
参加には、申し込みが必要ですので、下記フォームから申し込みください。
http://www.art-shinbi.com/open-s/20140622.html

立体構成:
立体構成では、新美の芸大デザイン科の立体構成を専門で教えている三上先生による「粘土立体の早作りレクチャー」をしてもらいます。
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芸大デザイン科実技試験の特徴の1つは、やはり粘土や紙などの立体構成をどう押さえるのかが大事になってくるかと思います。デッサンや平面構成は、私大受験との両立でも対応が出来るけど、粘土のある立体構成は、どうしても工芸科の模刻等とは違うデザイン科の作品をどう学んで行ったら良いのか分からない人も多いと思います。新美では、立体構成を研究して来ている専門の先生が、分かりやすく技術や考え方等を教えています。
その中で、今回の講座では先ずは技術面での内容で、作りたい形を早く作れる方法をレクチャーしてくれます。三上先生の「早作り」は凄いです。大胆で合理的。一見の価値は必ずあります。
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作品は、今年と昨年度の合格者作品たちです。有機的な形体から板系等の幾何的な形体も何でも、作り方を伝授してくれます。デザイン科は作る技術の競い合いではなく、デザインの魅力が大事です。そのデザインや形の魅力を出す為にも、早い技術習得は必要不可欠です。
是非今回の公開講座で、そのコツを身につけるきっかけを掴んでみては如何でしょうか。
参加には、申し込みが必要ですので、下記フォームから申し込みください。
http://www.art-shinbi.com/open-s/20140622.html

また、東京芸大デザイン科のアトリエでは、合格者や昨年度の作品での優秀作品なども多数展示しています。新美で昨年度生み出された様々な作品たちを、是非とも見て頂けたらと思います。
制作や立体構成のレクチャーを聞くには、申し込みが必要です。
ただしアトリエは開放されていますので、是非ご自由にご見学にもいらして下さい。

基礎科の共通課題!

こんにちは、基礎科講師の佐々木です。
じめじめとした日が続き連日の雨ですが、基礎科生達は頑張っています!

今回の共通課題を紹介します。
モチーフは、石膏と静物。
石膏はマルス胸像。静物は、水色の布が敷かれた卓上に、ブロック、幾何石膏、モンステラ、パプリカ。

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さわやかなモチーフです!
色の違い、質感の違い、葉っぱの下の隙間・・・みんなはどこに興味を持って構図をきりとるのでしょうか??
作品を書き始める前の、わくわくした時間ですね。

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このモチーフ、高さが無く、隙間がある組まれ方をしているので、視線を低くするとまた違った表情が見えてくるのです・・・。

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この目線で描くには・・・・・

 

 

 

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こんな座り方で制作しなければなりません。
ちょっと普段と違った感じで描くのも楽しそうですね!

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中間講評の様子。

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描いている途中で離れて見ることで、客観的に自分の進み具合をチェックできます。
座って描いている時には気づかなかった色々なミス、こんなはずじゃなかった!!!!と、
離れて自分の絵を見てびっくりした経験、ないですか?
それ、とっても大事な発見です。
中間講評や、講評ではそんな発見が出来るチャンスです!が、講評以外でも、自主的に出来るようになると良いですね。試験に講評は、ありませんから・・・・

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こちらは石膏チーム。
最後の描き込みに入っていますね。

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最終講評では、それぞれの講評とともに、現物や参考作品を利用しながら石膏の骨格、動きや、石膏デッサンの基礎的なポイントを説明しました。

 

完成作品です!

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この時期にしては、なかなかの力作が揃いました。
みんな、一枚一枚、自分の持てる力を出し切りながら前に進んでいます!

映像科:武蔵美映像学科入試の変更点まとめ

こんにちは。映像科の講師の森田です。

既に進学情報センターからもお知らせの記事がありましたが、先週末に武蔵美の入学試験の変更点が発表されました。すべての学科、専攻に関係のある内容ですが、映像科は特に武蔵美を第一志望に考えている学生も多いと思うので、映像学科に関する主な変更点をまとめておきます。(*映像学科の変更点です。ご注意ください!)

■センター入試A方式の選択科目の変更
…去年までのセンター入試の募集人数15人は変更ありません。ただし選択科目にこれまでの「小論文」「鉛筆デッサン」「数学」に加えて「感覚テスト」が入り、4科目から選択することになります。一般入試では必須科目である感覚テストが選択に加わることで、しっかり感覚テスト対策をしている人にとっては、一般入試とセンター入試W合格を狙いやすくなったとも考えられます。

■センター入試B方式
…上記のセンター入試A方式に加えて今年から新たにセンター3科目のみで合否が決まるB方式が導入されました。こちらは募集人数が5人ということで、やや狭き門ですね。学科で得意科目があるという人は、このB方式でも合格を目指しましょう。

■公募制推薦入試の方式の変更
…一番大きな変更点が推薦入試での新たな方式です。昨年度の「写真感覚資質型」が「クリエーション資質型」に改められました。HPの情報によれば「すでに志をもって写真や映像を使って表現を始めている人」「写真表現・映像表現の置かれている今日的状況に強く関心を抱き、理論と表現活動を通じて現代的課題を探求する意欲のある人」を求めているということで、これまでの入試とは異なる受験内容も考えられます。そして出願時の評定平均を問わないということで、これまで武蔵美の推薦の基準3.8に届かないことから受験を考えていなかった人にもチャンスが生まれそうです。この方式での募集人数は8人と発表されています。

以上の内容はまだ大学のHPで発表されている段階です。また学科(国語)でも変更点が発表されていますね。詳しくは今週末14(土)と15(日)のオープンキャンパスでしっかり確認しましょう!

http://www.musabi.ac.jp/open14/

DM4.22入稿

1学期 残り1ヶ月!!

デザイン・工芸科 ? 私立美大コース講師の笹本です

まだまだ基本的な課題に取り組んでいます。

いろいろな課題に取り組むことで自分の長所や新しい一面を発見したり、弱点を克服するために試行錯誤しながらの日々も早いもので2ヶ月間が経ちました。

今回は、その一部のデッサン作品を掲載します。

 

①. 構成デッサン(B3画用紙) モチーフ:ガラスコップ、紙(黒)、砂(白)DSC03048

 

②. 石膏デッサン(木炭紙大画用紙) モチーフ:ラボルト

ラボルト

 

①. 構成デッサン(B3画用紙) モチーフ:紙粘土(白、赤、青)

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