月別アーカイブ: 2014年6月

6/22 プレ夏期イベント 1日体験講習

新宿美術学院 現役校 enart 国立です。

全国的に梅雨入りして雨が多いのは例年のことですが、
ゲリラ豪雨やヒョウなど、急激な天候の変化がやってくるのは
近年の特徴です。
今年はエルニーニョ現象が発生する為、梅雨が長引き、冷夏になるとのこと。
皆さん、体調管理には十分気を配ってください。

6/22(日)に国立校では高校1.2.3年生、中学生の為の1日体験講習を開催します。
〇美術系大学に進路を決めたいが、あまり実技勉強をやったことがないので不安がある。
〇実技勉強を高校でやったことはある が、予備校の雰囲気や実態がよくわからない。
〇実際に予備校の実技授業を体験してみたい。
そんな方は是非ご参加ください。
画材はこちらですべてご用意します。

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貸出用鉛筆デッサンのセットDSC05000

木炭デッサンのセット。描き終わった後は皆さん、真っ黒です。DSC05053

webでのお申し込みは こちらから

お電話でのお問い合わせは国立校まで。  042-577-1117

新宿美術学院 現役校 enart 国立は中央線国立駅南口から徒歩2分です。

改札を出たら南口に向かい、右に行ってください。
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駅前はロータリーになっていますので、”たましんと”いう建物を目指します。
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横断歩道を渡って・・・。
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神戸屋キッチンを右に曲がると。DSC06965

マクドナルドと西友を左に見ながらまっすぐ歩いてください。
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西友の向かい側に、看板が出ています。
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見学だけ、相談だけでも大丈夫です。
お気軽にお越しください。

夏期講習会パンフレット訂正について

夏期講習会パンフレットにて下記の内容に誤りがあります。
カリキュラム内容に関わる点ですので受講する方々は確認して下さい。

訂正1
夏期講習会パンフレットp6
彫刻科?後期CD総合力強化コース
8月14日、15日「塑像(外国人モデル)コンテor鉛筆」→「塑像(外国人モデル)」
8月15日「素描(外国人モデル)」→「素描(外国人モデル)コンテor鉛筆」

訂正2
夏期講習会パンフレットp13
中期DK 私立美大総合コース
(2)多摩美工芸・劇場美術カリキュラム
8月1日「静物デッサン(B3)」→「劇場美術カリキュラムは平面構成」
8月4日「静物デッサン(B3)」→「劇場美術カリキュラムは平面構成」
8月6日「静物デッサン(B3)」→「劇場美術カリキュラムは平面構成」
8月8日「静物デッサン(B3)」→「劇場美術カリキュラムは平面構成」
8月10日「静物デッサン(B3)」→「劇場美術カリキュラムは平面構成」

基礎固め

デザイン科夜間部担当の大島です。本年度もよろしくお願いします。

さて、4月からこれまで芸大系・私大系と合同のカリキュラムを制作していた夜間部ですが、今週からいよいよ志望校別クラスに分かれました。

デザイン科夜間部はおおまかには芸大・工芸・私大平面・私大立体の4コースに分かれています。多摩美のグラフィックや武蔵美の視覚伝達を対策する私大平面コースは例年人数が多くなりますが、今年度は多摩美に昨年から新設された劇場美術デザインコースが人気で、立体系を志望される方も多くなっていますね。

さて、私が担当している私大平面コースは最近こんな課題を制作しました。

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そうです。グレースケールをつくる課題です。 とても基礎的な課題ですが、大学生でも案外やったことない人が多いのでは?

とある学生から「この時期にこの課題ですか?」と驚かれたのですが、むしろある程度課題をこなしたこの時期だからでこそ、あらためて基礎を大切にしたいと思っています。

硬さの違う鉛筆でそれぞれ9段階のグラデーションをつくるというシンプルな課題ですが、人によって暗いほうの色幅が似てしまったり、明るいほうの色幅が表現できなかったり、各々のクセが見えてきます。

私大平面=手のデッサン、というイメージもありますが、基礎的なデッサン力さえ身につけば手は半年あれば充分に描けるようになるのではないでしょうか。

また、最近の多魔美や武蔵美の受験傾向をみている限り、もはや手だけが上手になっても通用しない受験問題になっていると感じています(個人的な見解ですが)。受験生の皆さんには「描きかた」よりも、ベーシックなデッサン力というものをまずは身につけて欲しいと思っています。

焦る気持ちもあるかもしれませんが、大丈夫です。
入試直前に仕上げます!

というわけで、夏までは基礎的な課題を積み上げていく予定ですので、これから美大受験をお考えの方も「もう間に合わないんじゃ?」などと思わず、どうぞお気軽に。5月や6月からといった途中入学者の方もたくさんいらっしゃいます。丁寧にイチから教えます!!(←これは宣伝です。)

ではまた。

石膏像を含む室内空間。

こんにちは。彫刻科の小川原です。今回は昼間部の生徒に自由に石膏像を選んでもらい、室内の任意の場所に配置し素描する。という課題を行いました。かなり自由度が高い課題なので、完成度と同時に個性も出していきたいです。思えば僕の受験時代はあまり空間ごとモチーフを描くということはやらなかったです。というより全般的にシンプルなものが多く、基礎力を徹底的に上げていく、という感じでした。でも入試も歴史が積み重なれば多様化してくる訳で、受験生は修得しなければならないことが自然と多くなっていくということですね。一つ一つしっかりクリアーしていきましょう!
さて、作品紹介に移ります。
R.Y君の作品。木炭紙に鉛筆。
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実物のリアルな触覚感がなかなか出ず苦戦していましたが最終的にはいい着地が出来たと思います。自分が思ったより2段階くらい質の高い見方と描写を常に意識しましょう。作品は最終的には「これで決まり!」といえるところまで持っていきたいので、出来るだけ的確な仕事を重ねたいです。荒い探りは後半邪魔になってしまいます。大まかな見切りは良くてもそれがそのままフィニッシュにならない以上、もう少し慎重に、丁寧に、そして正確にするよりほかは無いと思います。
もう少し、ジョセフ以外の描写が良かったらな?(笑)

T.U君の作品。木炭紙大M画に鉛筆。
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高いところに像を置き、蛍光灯を含めた空間を描きました。最後までマリエッタの顔の調子のコントロールは上手くいかなかったですが、ちょっと手を入れただけ(色を抜いた)で良くなったのははっきり分かったと思います。描写力や完成度を上げる為のテクニックは素晴らしいですが、作品としての理想の完成のビジョンは明確に持てていないようです。どんな状況でも作品を最高に良く見せる為に何が出来るか、それさえ掴めれば今よりずっと作品は向上していけるはずです!

Y.Mくんの作品。木炭紙にコンテ。
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出だしから馬頭単体は非常に良くかけていました。裏を返すとこの構図での肝となる奥の壁までの空間感が不足していたり、箱のパースの狂いが目立ったりと、途中経過では雑味が多く、良さをかき消してしまっているのがもったいなかったです。どの段階においても常に作品としての魅力が画面全体に十分行き渡っていることを実感しながら描くことが重要なのですが、やや「途中段階」としてしか作品を捉えていないように感じます。最終的に画面に盛り込みたい要素は開始直後からそれを意識して線や調子に置き換えていきましょう!

さて今回はここまでです。皆大分伸びてきましたが本当にもう一歩と言ったところですね!あと1段階理解を深めると助言など無くても自分の力で自由自在にいい作品に仕上げていくことが出来るようになると思います。それを手に入れる為にはテンションを上げて毎課題楽しんで取り組めること。これが一番大切です!いい作品を生み出す原動力は「義務感」であっては不十分なのです。描くのが「楽しい」と思えたらしめたもので、吸収力は天と地の差となるでしょう(いつも思いますが、常にこんな状態が普通だというタイプの人はあっという間に抜けて出る人です)。浪人生の一番恐い落とし穴は「慣れ」です。新しいものを吸収しなくなればなるほど上達を実感できなくなり、向上心も失われていってしまいます。皆はまだまだ伸びる余地が沢山あるので自分で限界を決めることなく、もっと貪欲に、一番いいものの一段上を目指して頑張りましょう!

作家の言葉

油絵科 松田です。

 

今回は、授業で使用するために集めた資料の中から一部を紹介しようと思います。

資料というのは、過去のインタビュー、レポートなど書籍からの引用ですが作家自身の生の発言集です。

授業ではこれらの資料を使ってディスカッションを行い、各々の制作行為について探っていく内容になります。

断片的で、限られた作家の発言ではありますし、主に平面を扱った方ばかりですが、よかったら読んでみてください。

 

●魂はもがき苦しむことで磨かれ、生まれ出づる。この試練の時代の恐れや喜び、そして悲しみといった生の感情に、芸術家はもはや惹かれない。 もっと研ぎ澄まされた、まだ呼び名を持たぬ感性を呼び起こそうとする。 芸術家の複雑で繊細な人生と同じく、その作品は、そうした感性を感じ取ることのできる人々に言葉を超える感情を与えることができるのだ。                                        (ワシリー・カンディンスキー)

●私の作品が、社会や世界にとって何を意味するのかを聞かれた・・・自分の作品が本当に理解されるのは、資本主義や全体主義の終焉の時だろうと答えた。  なぜならば、私の作品は物を並べたり、空間や形あるものを配置したものではないので、・・・・・そうした意味では、私の作品が社会に与える影響は、開かれた社会への可能性を意味するのだと考えていたし、今でもそう思っている。                                                                        (バーネット・ニューマン)

●私は精神的な存在としての人間を理解しようとしてきた。 人は現実を超えて、さらに自らを高めようとすることを学ばなければならない。 森羅万象においてまったく異なる次元に到達できるような、霊的な方法を作り出すべきだ。                                                             (ヨーゼフ・ボイス)

 

●アートはいつも周りにあるものだと思っているし、自分にはそれが分かるから、[制作するのも]そんなに大したことではないんだ。                                                           (デミアン・ハースト)

●自分にとって一番大切なのは、それがオリジナルなイメージであるということ。 すでにあるなにかを再表現するということではない。 そのために、なんらかのリアリティーを一度自分の中に取り入れたうえで、さらにツイストしたり、モディファイしたり、違った解釈を加えることで、作品的な表現に変えているんだ。
イメージするものの内部に、さらにイメージするものがあるんだ。 私の絵の中に存在しているのは一般的な人たちであって、特定の誰かではない。 イメージしているのは、より一般化されたものだよ。 そうしたものたちによって、何かがうまく再生されていると驚くんだ。 再生のまた再生。 そういうところを表現しているといえるだろうね。 そうすることで主題との間に距離が生まれて、自分が今どこにいるかも確認できる。                                                      (ミヒャエル・ボレマンス)

 

今回はこの五人の作家さん、他の作家さんの発言も載せたいのですが、長文になりそうなのでまた次回にでも。

皆さんの制作の何かのきっかけになればと思います。