1学期は中盤へ!

こんにちは。彫刻科の小川原です。ゴールデンウィークが過ぎて、1学期も中盤に向けてテンションを加速させていきたいところです!
さて、前回からこれまでの課題で出た預かり作品を紹介します。

塑像、両手の構成課題です。
K.S君の作品。
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シンメトリーをやや崩した形で、左右の手の平から指先にかけて回転する円や球をイメージさせる構成になっています。とても考えられた組み立てができており、シンプルながら強い魅力を放っています。心棒との境のシュロ縄が見えてしまっているのが見栄えとしてもったいないです。作品として感情移入していたところをちょっとしたことで現実に引き戻されてしまいます。土付けの位置をずらしたり、心棒を工夫することで回避できるので、こうした部分にも一層気を配り、雑味を感じない作品を目指してほしいです。

R.Y君の作品。
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そっと触れる左手に優しさや穏やかさを感じることができる作品です。ただ両手を形として捉えて構成するだけでなく、感覚的なイメージも作品に込めていくというのもまたおもしろさの一つであると言えるでしょう。内容として、手の内側が良くつくられているのですが、手の甲など、起伏の浅い部分になるとやや構造的な強さや密度感に欠ける印象があります。こうした部分でこそ高い説得力をアピールできるので、これからさらに研究を進めてほしいです。

T.U君の作品。
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両手共肘近くまで使いダイナミックに構成しました。大きさの迫力が感じられてよいです。2つ以上のモチーフを構成したときにそれぞれの大きさが似通ってしまうと、要素に欠けて単調な作品になってしまいがちですが、この作品に関しては角度や配置が上手くいっているためそういった粗は見えてきません。大きくは悪くないですが、部分に目をやるとやや皮膚の内側から感じるリアリティーや、つながりの悪さが気になってきます。全ての形に実際の形の魅力が重ねられているか、さらに観察を深め、追求できると良いです。

首無し円盤投げのトルソ像のデッサン。6時間弱での制作です。
T.U君の作品。
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前半やや動きが弱くなっていましたが大分持ち直してきました。頭部が無いので割と進めやすかったと思いますが、6時間弱でここまで描けたら立派なものです。毎回ぱっと見目を引く炭が扱えているので安定して評価を得られていますが、90点のデッサンで満足すること無く、受験においての100点以上のものを見据えて追求を深めてほしいです。ザックリとした見切りは素晴らしいので、完成に到達するまでにもっと沢山の展開を経ることができたらいいと思います(分かることで全てまとめるだけでなく、分からないことを紆余曲折ありながらもどうにかして盛り込んでいくくらいの心構えが必要です)。

さ、4月が終わり、自分の弱点が見えてきた頃だと思います。早いところ克服しちゃいましょう!ただ何となく課題をこなしていてはダメです。皆さんが思っているより求められているものはずっとレベルの高いものだということを胸に刻んで下さい。上手くいかなくて落ち込んでいる暇はないし、悩んで考え込んでいる時間ほどもったいないものはありません!日々最高のパフォーマンスで課題に取り組めるよう、気持ちも体調も万全にしていきましょう!!自分の目標に向かって一直線にダッシュをかけられるやつが結局は一番強いです!

 

GWが明けました。

油絵科の箱岩です。皐月の花も満開のGWも過ぎまして、不安定ながらいい天気が続いていますね。

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?昼間は汗ばむほどになってきて早くも初夏の気配がし始めましたが、皆さんいかがお過ごしですか?

油絵科は各クラス別々のペースで1学期の課題が進められているようです。

私の担当するクラスはオーソドックスに石膏を利用したデッサンの期間中です。週末はフォーンのトルソでした。この像の異常な肉付きは、インドア美術系の子には馴染みの無い大きさらしく、なかなか印象を捉えるのが難しかったようです。

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腕や頭部の欠損により像全体が持つムーブマンが把握し辛いということもあるのかもしれません。

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背後のこの突起も何を意味するのでしょうか?今回のブログは、なんとか全体像をイメージしてもらいたくて、フォーンのトルソについて少し検索してみた話です。

先ずは、ウフィツィ美術館 (フィレンツエ)にあるオリジナルのフォーンのトルソ「踊る牧神:ガッティトルソ」

トルソ

ギリシャ彫刻の完璧な様式美は本当に美しいですが、それにもまして完璧であったものが欠損し崩壊する状態は輪をかけて美しいと思います。

無作為に残された形の美しさ、人工的な物が自然に還るときの輝きは本当に観ていて飽きません。

さて、フォーンの本来の姿はどんな物だったのか?

ギリシャ神話を紐解いてみますと、フォーンまたはパーンは、ギリシア神話に登場するの一柱であるとされています。

アイギパーン古代ギリシャ語: Α?γίπαν, Aigipān, 「山羊のパーン」の意)とも呼ばれ、ローマ神話におけるファウヌスFaunus)と同一視されるとなっています。 このファウヌスが語源になりFaun(フォーン)と呼ばれているようです。長母音を省略して英語風にパンとも表記されます。また意訳して牧神、牧羊神、半獣神とも呼ばれるようです。

皆さんは、映画「ナルニア国物語」をご覧になったことがありますか?

先日、子供と観ていますと気になる人物が・・・・

narunia

劇中の、心優しく少々勇気の足りない山羊の半身を持つ彼こそが、牧神ファウヌスなんです。

さて、フォーンの正体が見えて来たところで、検索にヒットした画像を観ていきましょう。

?Jean-Baptiste Greuze

こちらはジャン=バティスト・グルーズ(Jean-Baptiste Greuze, 1725年 – 1805年)彼は、フランスの画家で市民生活に題材を求めた風俗画を多く描いていました。当時は絶大な人気を誇っていたようですが、その後18世紀の忘れられた画家として低い評価を受けています。この半神半獣の男の素描を観る限り、とても力のある作家だったようです。

Jacob Jordaens2

Jacob_Jordaens_-_Pan_and_Syrinx

この2作品はヤーコブ・ヨルダーンス(Jacob Jordaens、1593年 – 1678年)によって描かれました。少々年老いて荒々しい様子の牧神ですね。ヨルダーンスはフランドルバロック期の画家です。ルーベンスヴァン・ダイク同様、アントウェルペン派を代表する画家です。ヨルダーンスは画家アダム・ファン・ノールトに8年間師事し、後に芸術家ギルドの聖ルカ組合の一員となり、画家として揺るぎない地位を築くと、ルーベンスと同様に、祭壇画、神話画、寓話画を描き、1640年のルーベンスの死後、アントウェルペン最重要の画家となったとされています。

 

続いてはピーテル・パウル・ルーベンス: Peter Paul Rubens1577年1640年)は、バロック期フランドル画家外交官祭壇画肖像画風景画、神話画や寓意画も含む歴史画など、様々なジャンルの絵画作品を残しました。

Rubens, Faun und Maedchen

ルーベンスはアントウェルペンで大規模な工房を経営し、生み出された作品はヨーロッパ中の貴族階級や収集家間でも高く評価されていました。この作品では上半身が中心に描かれていて分かりにくいですが、筋骨たくましい男の不敵な笑みがフォーンの気性を表しています。

??ルーブル博物館

こちらは《牧神パン》ルーヴル美術館、パリ

?おしり、フォーン

こちらは出典が不明なアート画像。映画のワンシーンの様ですが、気になります。

お尻の毛が薄くデザインされた特殊メイク。尻尾の感じが面白いですね。あっ、これがフォーンのトルソの腰のところにある突起ですね。

皆さん、全身像が想像できてきましたか?

?さて、『牧神』というだけあって、彼の仕事は家畜の世話であります。

自慢の笛を吹きつつ、ヤギや羊、牛などの家畜の世話をしているパン。同時に、狩人に獲物を与える神でもあり、豊穣の神としての性質も兼ね備えていたのです。

下半身は毛むくじゃらの山羊、頭にも山羊の角(のような突起)、おまけに顎には長い山羊鬚を生やした、かなり粗野な容姿の異形の半獣神、彼のこの奇怪な姿は生まれつきのものでした。と言うのも、伝令神ヘルメスが山中で羊を飼っていた際、土地の王の娘を見初めて、山羊の姿で接近し口説き落として身ごもらせました。

乳母は産まれ落ちた赤ん坊の姿に仰天し、悲鳴を上げて逃げてしまったといいます。

なんと、フォーンはヘルメスの子供!!

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性格は父ヘルメスに似て陽気な子で、大喜びのヘルメスは、パンを獣毛皮にくるんでオリュンポスへと連れて行き、我が子の誕生を披露しました。

その変ちくりんな姿はすべての神々、特に酒神ディオニュソスを大いに喜ばせ、「すべての」を意味するパンという名がつけられたのだそうです。

パンはアルカディアの山中に棲まい、彼を拒んだニンフ(妖精)シュリンクスが姿を変えた葦で作った笙笛を手挟み、同じく彼を拒んだピュティスが姿を変えた松で編んだ冠をかぶった格好で、山野を逍遥してはニンフたちにちょっかいを出す。

しばしばディオニュソスにも付き従って、淫蕩な性豪ぶりを発揮し、あらゆるマイナス(狂乱したディオニュソス信女)たちと交わったとされます。なにしろ、ヤギ(ヤギは多産の象徴)ですからね。

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 明るく朗らかで快活な反面、気性が荒く、気難し屋。特に寝起きが悪く、岩陰で昼寝をしているところをうっかり起こそうものなら、不機嫌になるどころではない。

突如、不相応に激怒して、山々を轟かす雄叫びを上げ、これを聞く者、大抵は羊飼いたちや羊たちを恐慌に陥れた。この“パニック”という現象は、実はパンの名に由来するそうなんです。

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さて、フォーンの容姿やキャラクターは見えてきましたか?皆さんが目にする多くの石膏像がギリシャ神話の神々を模しています。ギリシャ神話は登場する神々の関係や巻き起こる事件がとても人間的で不完全なキャラクター像が設定されていて、知れば知る程面白くなります。

こういう不必要に脱線した所にある情報が、案外自分のこだわりを生むことがあります。

こだわりは表現のモチベーションを高くしてくれるカンフル剤のような物です。

是非皆さんも、好奇心を旺盛にして日々の制作に打ち込んでみてください。

先端芸術表現科とは

新学期も始まって1ヶ月が経ちました。

1学期の間は、みなさんには様々なエクササイズをしてもらっています。
というのも、新美に来るまで自ら作品を作ったことの無い人も多くいるからです。
どのような人が先端科を目指すのか?
「先端科って何をする科なの?」
「いろいろな表現を学べるの?」
「卒業制作の展示を観に行ったけど、作品を観てもよくわからないけれど、なんだか面白そう。」
など、これまで作品を作ったことがないけれど、直感的に面白そうだなと興味を持ってくる人。
「わたしは小さい頃から絵を描くのが得意でした。しかし、大学ではもっと違うメディアも使い表現の可能性を広げたい。」
「わたしは現代美術を観ることが好きで、○○というアーティストに興味があります。」
といった、制作することや作品を鑑賞することが、好きなひとも来ます。
または、もっと具体的に、
「わたしは、これこれこういう作品を作っています。このようなことを続けていくことで先端科に入れますか?」
「今の時代、こういう活動が必要だと思っています。」
など、自分のやりたいことが明快な人もごく稀にいます。
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生徒作品(パフォーマンス)
ではいったい東京芸大の先端科とはどのような学科なのでしょうか
インターネット環境に慣れ親しんだみなさんは既にされていると思いますが、念のためお伝えします。
やはり、まず最初にやることは、
芸大先端芸術表現科のホームページ(HP)を見ることです。
東京芸術大学のHPと、先端芸術表現科が管理しているHPとふたつあるので両方見て下さい。
1)東京芸術大学のHP内の先端科→
ここでは、先端科の理念が書かれています。
芸術の持つ意味そのものを「表現の問題」として問いかけます。
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先端科の「先端」という意味について、よく聞かれるのですが、
上記の理念からすると「Intermedia Art」と「先端科」を定義しているので、こちらの方が何を意図して作られた科なのか理解できます。
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また、年間カリキュラムも公開されているので、大学でどのような授業が行われているのか一通り目を通しておくと、何をする科なのかイメージが掴めると思います。
2)先端芸術科公式HP→
ホームページでは、
学内のイベント、現在活躍している卒業生、先端科の教授陣が紹介されています。
イベントは、常に何かしら行っているので、観に行くことをお勧めします。
HPで調べることは、
1、どのような理念のもとに作られた科なのか?
2、卒業生はどのような活動をしているのか?
3、教授はどのような方達なのか?
4、大学の授業内容は?
3の教授に関しては、HP内では詳しく紹介されていないので、教授の名前でインターネット上で検索すると、多くの情報を得ることができるので調べてみてください。
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生徒作品(教室に設置されてあるエアコンに、人型に切り抜いたビニールを展示)
では、新宿美術学院の先端科ではどのように芸大先端科を解釈しているのか?
芸大先端科である理念「芸術の持つ意味そのものを「表現の問題」として問いかけます。」という難解な問に対し、
まず最初にやってみる導入の問いとして、
自分で作品というのものを定義してみる。
だと思います。
これはとても難しいことで、すぐにはできるものではありません。
しかし、その都度、「自分なりに作品とはこういうものである。」と定義してみることが重要だと思います。
間違えても良いのです、その都度更新していけば良いだけなので。
何を言いたいかといいますと。
先端芸術表現科で作られた作品というものは、世の中一般としては「現代美術」または「現代アート」と呼ばれているものが想定されていると思います。
しかし、それも先端科の問いである「芸術の持つ意味そのものを「表現の問題」として問いかけます。という射程の一部にすぎません。
おそらく、もっと広い意味で表現活動または作品というものを捉えようとしているのではないでしょうか?
「作る」または「創る」「想像」する。など生産的なイメージが美術やアートにはあります。
また「アート」とは「技術」という意味もあります。
または「発見」「見出す」など新たに価値を見出すことも、表現の中には含まれています。
ただ作るだけではなく、社会や物、自然を観察することから、多くのことに気づくことも、制作に含まれます。
絵画にしろ、造形にしろ、既にあるものの模倣からはじまっているといっても良いくらいです
と考えると、
「10年後の生活環境を想像する。」
「今の社会がどのような経緯で出来たのか?日本や世界の歴史を遡ることで、今やるべきことを考える。」
「日々ニュースを見ていても、山ほどの難題と直面しています。それらとどのように向き合うのか?」
物の形について考えるのであっても、人体は毎日の食事によって体型も変わりますし、環境によっても左右されます。
スポーツ選手の体型とオフィースワークをしている人の体型はまったく異なります。
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生徒作品(布にペイントされた顔:布の重みによって描かれた表情が弛む)
話はかなり飛躍しましたが、「作品を作る」ということを考えた時に、どうしても大文字の「作品」「美術」「アート」っぽいものを想定してしまいます。
しかし、世の中を見渡せば、あらゆる物が造形され、デザインされ、様々なひとの工夫によって成り立っています。
そのときに自分にとって創造的な行為、技術は何なのか?また作品とは何なのか?問いを起こすことから始まると思います。
いや、もしかすると本末転倒かもしれません、世の中を見渡し、自分が何を発見し、驚き、自分もその中に参加してみたいと思うのか?
手探りで、世界と直面していくことが、問いであり、制作活動なのかもしれません。

基礎科専門課題「彫刻」

こんにちは基礎科です。

基礎科ではGW明けから、専門課題の授業がはじまっています。
今回ご紹介するのは彫刻課題です。

彫刻クラスでは、経験者はミロのヴィーナスの首像模刻を、初心者は自刻像を制作しはじめました。
工芸専攻の生徒さんは円の台座と手の模刻制作です。

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ミロのヴィーナスは動きもあり少し難しい課題ですが、皆必死に修正しながら頑張っています。2週に渡っての課題なので先ずは大きな形や動きから!順調。順調。

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工芸の生徒さんは「私台座大好き??」と言いながらピッカピカに磨いています。

皆来週には良い作品が出来上がりそうです!!

今日は学科模擬試験でした。

こんにちは。学生課です。

今日は夜間部生を対象に学科模擬試験が行われました。
新美では全学院生に無料で多摩美系、武蔵美系の類似問題を実施しています。
各回ごとに自身の実力や、志望校判定をみて現状を知るだけではなく
苦手な分野やステップアップするためのアドバイスも記載されています。

特に私立美大を目指す人は学科の点数がポイントになります。合格に近づくために学科の苦手を
克服していきましょう。

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新宿校では昼間部生や土日受験科を対象に月曜日、火曜日、水曜日に
夜間部生は土曜日に美大学科対策の授業を実施しています。
無料で体験もできますので気軽に1F総合受付までお越しください。

多摩美の小論文の添削講座も昼間部、夜間部問わず受講できます。
多摩美の学科では小論文の得点の割合が大きいので、こちらもしっかり対策していきましょう。

また校外生の方は全国公開美大学科模試も実施しています。
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