アーテイストを目指す者達へ

こんにちは、油絵科夜間部です。

前年度までの謎解きマンガ「入試の件」は、只今リニューアル中です。ご迷惑?おかけしますが、しばらくお待ち下さい。

ということで、今回は、いよいよ今年度、美術大学を目指す皆様にあらためて、言葉を贈りたいと思います。(特にファインアート、油絵科の人かな?)

画学生のあるべき姿とはーーめったにできないことではあるがーー人生のすべてを費やして、自分だけの感覚を愛し、育ててゆくことである。自分の感情を大切にし、けっして見くびらず、それを他人に知らしめることに喜びを感じ、最も純粋な表現を熱烈に追い求めることである。素描の腕を磨くのは、いつか画家になったときに役立つだろうから、などという理由ではない。そんな時間はないのだ。彼は生まれつき芸術家であり、すでに自然から与えられている快感と感情を表現するための線と形体を発見するのに忙しい。知識がなくても、必要なものが目の前にあれば、すぐに見つけられる。

教師たちがこんなことをいって、邪魔することも多い。

「あせってはいけないーーー画家になりたいなら、まずデッサン力をみにつけなさい!」

ああ!デッサンの勉強に明け暮れたあの長く憂鬱な年月!
そんな苦行を重ねた末に画学生は、人体モデルや古代の石膏像を見るたび
この頭部の比例は全体のどれくらいだろう?といようなつまらない感情しかもてなくなる。

子供のころに抱いた、人間や物に対する幻想を忘れては行けない。それらを大事にする心は、冷静な計算と分析によって簡単に汚されてしまう。人の抱く幻想を無視してはいけない。むしろ、仕事を通じてその興奮を持続し、広げていくべきだ。

古代の石膏像をいくら眺めても、その彫刻が表現している美に感動をおぼえなければ、すぐれた作品は生まれない。

石膏像や人体モデルを前にして、なんのテーマも思い浮かばず、そのまま何時間も目的なしでデッサンを続けたりするのは、自分の感受性を硬化させる第一歩である。ーーー見たものから喜びを引き出す力が失われてゆくばかりだ。デッサンやスケッチで表現すべきは、

「どんなモデルだったか」ということではなく、

「自分の感覚がどこにあったか」である。

そのモデルの外見のどこにいちばん強い印象を受けたかをはっきりと示すことである。

以上

と偉そうに書き連ねましたが、実はこの文章は、2年前ぐらいに

話題になりました、「アート・スピリット」という本からの引用です。

私もこの本は高くて買えず、学生に借りて読んだのですが、この作者

非常に熱い!!

ロバート・ヘンライさんという、美術の教師らしいです。

熱すぎて、突っ走るところは、アート教育会の松岡修造と言っても

過言ではないでしょう。

興味のある方は、読んでみてください。

彫刻科 GWまでの近況

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こんにちは彫刻科の氷室です。

次の試験こそは!と新しいスタートを切った気持ちも、やや1年が長く感じられはじめられる頃ではないでしょうか。
実技は丸々自分自身なので、事あるごとに、まだまだ!と言われる部分と、いやここは認めて欲しい!と言う所と様々ぶつかる点もあるかと思いますが、お互い目指すべき最終地点は一緒なので、目標へ向かってたくさん葛藤していきたいですね。まずは目の前の出来ることに取り組んで行くことからでしょうか。

1学期では山場が6月に有る様に思います。気持ちが揺らいだらどの様に気分転換していけるのかが鍵になりますね。
デッサンの悩みはデッサンでしか解決できませんが、気持ちの問題は何かしら気分転換が必要な時も有りますよね。本を読んだり、音楽を聴いたり、散歩をしたり、体を動かしたり、バイトへ行ったり。
まずは6月へ向け!GW、エネルギーチャージをして下さい!

今回、おっと気になった作品を上げてみたいと思います。

自刻像2点です。
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もう一歩骨格の強さが欲しい所ですが、水粘土を活かした表現を楽しいんでいる魅力がある作品です!
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首の表現やまだ力不足な点もありますが、表情は特に自然な表現が出来ており、思わずホォーと見入ってしまう作品です。髪の毛の表現も上手いですね!

F君のデッサン
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ラオコーンの動きに良く反応で出来ています。伸び側の肋骨の奥行きと深さがもっと欲しいですが、表情にもしっかり手が入っていて勢いのある1枚です!

S君のデッサン
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大きな形態感をしっかり保ったまま細やかに描写が乗っており、かつ繊細な炭幅が奴隷の像の魅力を際立たせています。とても良い感度で描かれた1枚です!

こちらは、夜間部Mさんの模刻
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頬骨やおでこの形の表現にもう一歩踏み込んでいけると良いですが、とても素直に観察してある作品です。その観察こそが模刻の命です!

手の塑造Y君
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腕から手のひらにかけての軸や指先の表現はもう一歩欲しい所ですが、力強く言い切りのある作品で良いです!

S君の塑造
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大きく内在している張りと表情ひとつひとつの影の深さがもう一歩マッチしてくると最高ですが、ポーズや表現にしっかりこだわりが感じられます!

この上記2点はGW明けから始まる、木彫実習へ向けてのマケットも兼ねての制作でした!

F君の塑造
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上にそっともう片方の手が繋がっていたのですが、思い切ってなくしてみました。この1本の手でも、十分に彫刻として成立すると思います。腕の筋肉や指先に描けての流れ、素描センスを感じます!

Iさんの塑造
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素直に観察し制作されているとても良い作品です!両手の動きから作られる流れや溜まってくる空間が織りなす魅力は観ていて引き込まれます!

夜間部O君のミロビの模刻
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髪の毛もしっかりと追って行くこの集中力は、果たしてどこからやってくるのでしょうか!?目や唇に落ちる影の部分の表現がとても効いています!首の作りはもう一歩ですが、とても良い作品です!

最後に私個人の話になってしましますが、4月に色々な縁あって2種類のグループ展に参加させてもらいました。
私の出身高校が美術科がある高校だったのですが、その同じ高校出身で年齢はまちまちですが、今も様々な場所で制作・活躍をされている方々が集まった珍しいグループ展でした。
exhibitionA
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『流灯』

もうひとつは、2013年、2014年と栃木県茂木町での野外展に参加したのですが、同じ展示に参加している作家さんから声をかけて頂いてのグループ展でした。東京工科大学に在籍されている方の鑑賞のサイクルと言うテーマの研究とコラボレーションさせてもらい、かつて経験した事がない展示内容になりました。
セカンド オピニオン
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『余白と輪郭と #5.6』

次回の彫刻科ブログ更新日は16日です!担当は、新しく講師としてお迎えした稲田先生です!!
ぜひ自己紹介も兼ねて、宜しくお願い致します。

私立美大デザインコース

私立美大デザインコース講師の笹本です

新学期が始まってから、ちょうど3週間が経ちました。

少し気が早いかもしれませんが………、残り10週間。

それまでに初心者の人も、しっかりと基礎固めです。

1枚1枚を集中して、内容のある作品にしていきましょう。

今週の基礎課題で制作したデッサンの作品をピックアップします。

0428古林

0428小林

0428清水

0428西室

0428加藤

0428佐藤

いかがでしょう、まだ解消できる点はありますが…

どの作品も作者の観点が伝わってくる仕上がりになっています。

g o o d !!

新美渋谷校スタート!!

今年渋谷に開校いたしました、新美渋谷校の箱岩です。

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19年もお世話になった油絵科昼間部を離れ、現役生を中心とした夜間部、基礎科の指導に当たることになりました。油昼間部の指導スタイルを、現役合格を目指す皆さんのためにより必要な事に重きをおいてブラッシュアップ。受験までフルサポートしていきます、どうぞよろしくお願い致します。

いいお天気が続き、授業の前に少しウロウロお散歩してみますが、渋谷の景色は自分的にはとても懐かしいです。予備校生、大学生の頃はよく遊んでましたが、随分と健全な印象になりましたねぇ。

 

さて、開校イベントとして行った3月の無料授業、一日体験、春期講習と昨年度末の芸大入試から、フルスロットルの状態で本日まで渋谷に出突っ張り。気がつけば今年1月1日から4月28日までの完全なお休みは6日間のみ。

自分でも流石に曜日感覚がなくなってきましたが、お陰様で、昼間部のゆっくりと奥歯で噛み砕くような指導ペースから、ムッキムキな脊椎反射的な指導スタイルへ変化してきました。見た目は相変わらずのべ〇マックス風ですが(笑)。

それもそのはず、立地条件の良さなのか、体験で足を運んでくださった高校生の皆さんを中心に大変多くの入学者を迎えることが出来ました。曜日によってムラがありますが、忙しいのは嬉しい事です。写真はスタート第1週目の様子。

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スタートは全コース統一基礎素描課題

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基礎コースの高2生だって、ご覧のとおり。

5月入学時、6月入学時の料金設定が加わっていますので、受験に向けてまずは第一歩を踏み出してみたいという高校生の皆さんも、無料体験授業を試してみてください。

学校から近くて、駅からも近くて、合格からも近い新美に足を運んでいただければ、きっと憧れや夢が、自分の目標に変わると思います。現役生が多浪生ひしめく芸大美大の受験本番で、本気で勝負できる力を手に入れていきましょう。

受験科油絵の方は、絶賛、生徒募集中!!ですのでよろしくお願いします。

 

夜間部デザイン科②「GWおすすめ展示!」

こんにちは。
夜間部デザイン科オオシマです。

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いま夜間部はコロナビールを着彩している最中です。
夜間部が始まって3週間程度ですが、少しずつですが力をつけてきている学生も散見されますね。
反面、授業開始の時刻に対してルーズになっている気もします。毎日のちょっとした努力の積み重ねが数ヶ月後には大きな差となってあらわれるので気をつけましょう。

 

 

さて、そろそろゴールデンウィークがはじまりますねー。ゴールデンウィークのあいだ新美のほうはお休みになりますが、皆さんは9~10ヶ月後には受験を控えた受験生なので羽を伸ばしすぎないようにしてください!やりきれなかった課題や手付かずだった学科など、これまでの遅れを取り戻すチャンスでもあるのです。

しかし、せっかくの長期休みということでぜひ美術館やギャラリーに積極的に足を運んでみてほしいと思います。夜間部昼間部の皆さんはせっかく都内(近郊)に住んでいるのですから、いかないと損です。

そして、皆さんは美術大学に進学しようとしている身です。将来的に美術と関わろうとするであれば、予備校の中でただ絵を描いているだけではなく、美術や芸術、デザインに対しての見聞を自ら広めていく必要があります。

とはいえ、美術の世界に足を踏み入れたばかりの受験生にとっては、どのような場所に何を観に行っていいのかさっぱりわからないことでしょう。というわけで独断でデザイン科の受験生にオススメの展示を紹介するので、ご参考にしてください。

そうそう、美術館やギャラリーに行く際は会期と開館時間と休館日を必ず確認したほうがいいです。GW中はだいたい開いているとは思いすが例外もあるので。あと人気の展示はGW中激混みするので朝イチで行くのが効率いいと思います。学生料金適用のため学生証も忘れずに(浪人生は新美の学生証でもいけたりする)。複数の展示をはしごするときは想像以上に疲れるしお腹が減るから時間とお金は余裕を持ったほうがいいです。

それにしても今年のGWはみるべき展示が多すぎる…。

 

■六本木エリア

国立新美術館「マグリット展」←オススメ!
アートの文脈から観るのもよし、デザインという観点から観るのもよし、だまし絵としてただ楽しむのもよし。専攻関係なくせっかくの機会だから観ておきたいよね?。

2121デザインサイト「単位展 – あれくらい それくらい どれくらい? – 」オススメ!
デザイン志望なら「絶対」みておいてください。できれば、ではなく「絶対」です。「デザイン」について考えるきっかけになるはずです。誰かといったほうが圧倒的に楽しめます。そしてGWはたぶん超混むので開館直後にいくといいと思う。

サントリー美術館「生誕300年 同い年の天才絵師 若冲と蕪村」←オススメ!
若冲なんかはやっぱりだれでも驚くじゃない。初めて知った時。だからまだみたことない人はこの機会にみておくといいよね。筆使いとかみてみると参考になるはず。気に入った人は本屋にも展示と関連した特集本が並んでるので覗いてみては。

森美術館「シンプルなかたち展」
現代日本の欲望を象徴するかのようにそびえ立つ六本木ヒルズの53階にある美術館。この展示は芸大受験をする受験生にとって、立体の勉強の参考になると思います。ちなみに併設された施設では「スターウォーズ展」と「NARUTO展」もやっているそうなので、好きな方は一緒にどうぞ。六本木は美術施設が多いぶん、幾つかはしごすると入館料やご飯代で数千円が軽く吹っ飛びますね…。

 

■銀座エリア

松屋銀座「松屋銀座 誕生60周年記念 ミッフィー展」オススメ!
デザイン志望の人はもとより、会場作りからグッズ展開まで抜かりないはずなのでだれでも楽しめるんじゃないですかねー。

クリエイションギャラリーG8「デザイン飛行展」
グラフィックデザインに興味がある人向け。巨匠・亀倉雄策の仕事の軌跡。歴史的ポスターも展示してあります。わからない部分もあるかと思うけどまぁ無料だし。

メゾンエルメス「線を聴く」
世界的な高級ブランドであるエルメスの8階にあるギャラリー。いつだって入るのに緊張する。でもこういう場所を知ることで大人になれる気がする。「線を聴く」という展示はとても良かったので、無料だし行けるなら行ってみるといいと思う。

資生堂ギャラリー「椿会 初心」
予備知識ないとあんまり楽しめないかもしんないから無理する必要はないけど場所は知っといて損はないと思う。ここも無料だし。

ggg…はデザイン志望の人は是非行ってほしいギャラリーだけど展示替えのためおやすみ。残念。

 

■表参道エリア

根津美術館「燕子花と紅白梅 光琳デザインの秘密」←オススメ!
近年、尾形光琳の名前は画家としてではなく日本古来のデザイナーとしてよく聞くようになりました。おおよそ300年前に描かれたとは思えぬほど斬新な感覚。庭園と和菓子なカフェもいい感じ。

 

?■初台エリア

東京オペラシティギャラリー「ミラー・ニューロン」
新美から近いから新美の行き帰りに寄ってみるといいと思う。現代美術とかよく知らない、って人でも楽しめる内容のはず。ここでみた作家や作品は、今後またどこかで必ず目にすることなります。すぐうえの階にはICCという、メディアアートの国内中心施設があります。いまは展示替え期間ですが…。

 

あと、デザイン科の迷える浪人生なんかは油絵科の関口先生がオススメしている国立近代美術館の片岡珠子展もいいと思います。自分が3浪目のときかな、なにかの雑誌で片岡珠子さんのインタビューを読んで、自分で自分のこと「下手」って堂々と言ってて「これでいいんだ」って元気づけられた記憶があります。

ではよい休暇を!