カテゴリー別アーカイブ: 新宿校

芸大デザインコース

こんにちは。

充実した夏期講習でしたね。様々な課題に多様性を大切にしながら観察と表現していました。??

 

9/8はリサーチ課題で上野動物園と国立科学博物館、芸祭の展示やアートマーケットに刺激を受けたと思います。 ??

リサーチ課題 学生作品 アニメーション  

9/16、17に開催される全国石膏デッサンコンクールに向けて、デッサン特訓中です。

 

デザ工夜間部、2学期始まりましたー。

デザイン工芸科夜間部です。

夏期講習会お疲れ様でした。そして、2学期が始まってしまいました。

夜間部では、2学期始まってまもなく、保護者面談用と夏期の成果の確認の為に、模擬試験を行います。模擬試験は今の実力のを理解する為に大切です。結果により、個々にカリキュラムを変更して、苦手な科目を特訓することもあります。通常の授業は、臨機応変に演習授業をしていきます。

少し難易度を増やしたモチーフや、演習課題が多くなってきます。夏期講習会で見えてきた問題点や、上達に向けた新たな作戦を考えています。頑張ってついてきてほしいです。

2学期は専攻別でカリキュラムとアトリエも変わりました。

まだまだ、今は修正の時期です。改めて基礎の確認と、苦手な部分に向き合って制作していきましょう。

「今から始める、センター英語対策講座」是非!!

 

 

こんにちは、全科総合部です。
今年の夏の実技は、充実したかと思います。

さて2学期が始まるまで、もう少し時間があります。
疲れを癒すのもよし、宿題をするのもよし。

しかし、刻々と近づくセンター試験。
落ち着きませんよね。

新美では、8月29日(水)に「今から始める!センター英語対策講座」を
開きます。
明日ですが・・・
_まだ間に合います!

センター試験の英語の過去問題を解いた事、ありますか?
センターの英語は問題数が多く、全部解く時間がなかなかありません。
最後までいかない可能性もしばしば・・・。
これからセンターの勉強を始める人、不安ですよね。

こちらの講座では、今からでも間に合うよう無駄のない勉強法を教えてくれます。美大では実技に比重がかかるけど、学科もおろそかにはできません。
合理的に学びたいものですね。そんなあなたにおススメです。

学ぶ方法もわからないあなた!そんな方にもおススメです。

申し込みは、新美のホームページのこちらから!!
http://www.art-shinbi.com/event/2018/natsutoku/

ケンシロウ「リハクよ、おまえはまだ間に合う!」(講座を受けてね?)

 

 

藤田嗣治について(線描編)

こんにちは。油絵科の関口です。
とうとう夏期講習会が終わりましたね。怒涛のごとく色んな課題が押し寄せてきて、あっと言う間に過ぎ去ってしまった…という人も多いのではないでしょうか?中々うまくいかなかった…という人もいるとは思いますが、この講習会で勉強したことは、後で必ず効いてくると思いますよ。

さて前回に引き続き、藤田嗣治について書こうと思います。今回は線描編です。


まず本物を見て思ったのは、この線は「油絵具では引けない」ということです。油絵具は粘度が高いため、筆からスルッと絵の具が降りてくれません。それならテレピンで薄めれば…と思うかもしれませんが、そうすると線が滲んでしまう可能性が高いのです。

そこで登場するのが墨汁の存在。よく作品にも登場しますが、彼は墨を硯で摺って描いているようです。この墨という素材は、非常に粒子が細かく、水の中に細かく分散しているので、筆を伝ってスルスルと線が引けるという仕組みです。
あと、線を引く上で大切なものとして絶対に欠かせないのは、やはり「筆」ですね。藤田は猫を飼っていたので、猫のヒゲを集めて筆を作っていた…とかいう伝説が残っていますが、どうやら筆は日本のものを取り寄せていたようです。
今でもそのお店は九段下にあるようです。平安堂という書道の筆を扱っているお店だそうです。
ウインドウに飾ってあるデカイ筆、ちょっと使ってみたいな…。片手では持てないかも。


ところでこの写真で見る限り、藤田はかなり長い面相筆を使っていますよね。2.5cm位はありそうです。この面相筆というのは、本来は「面」つまり顔を描くための筆なんです。本来の目的を考えると、ここまでの長さは必要ありませんが、藤田はかなり長い線を引くので、それなりの毛の長さが必要だったと考えられます。今現在手に入る筆で、こんなに長いのはほとんど無いと思います。特注品だったのか、当時はこういう筆を作っていたのかは分かりませんが、この筆は藤田の絵には無くてはならない存在だったと思います。毛はコシのあるイタチでしょうかね?長いから複数の動物の混毛かもしれません。

ではこの筆さえあれば藤田の様な線が引けるのか?と言えば、そうは簡単にいきません。時々生徒から「ペンで引いた様な線が引きたい」と言われることがあるのですが、それを実現するにはちょっと技術が要りますね。
抑揚のない硬質な線というのは、昔から日本にも存在します。それは鉄線描(てっせんびょう)と言われるものです。線を引くスピードを一定にして、太さもほとんど変わらぬ様に引かなくてはいけません。

この紫式部絵巻に出てくる線描は「鉄線描」と言っても良いと思います。他にも仏画などにもよく見られます。


反対に鳥獣戯画の線描には抑揚がありますよね。墨を使って線を引いたら、大抵はこういう抑揚が出来ると思って下さい。ただこの抑揚のコントロール、というのは非常?に難しいんですけどね…。


さて、藤田の制作している写真を見ると、筆を立てているのが分かりますよね。実はこの持ち方が大切で、指先を動かさない様にして筆を固定し、肘と肩を使って線を引いている、と考えられます。恐らく手の付け根にある豆状骨という部分を画面に滑らせながら線を引いているのではないでしょうか?実際その辺を意識して描くと、かなり藤田の線に近づけますよ。

あと、これは僕の個人的な見解ですが、藤田が全ての作品を面相筆で絵を描いていた…とは思っていません。恐らく大々的にペンを使って描いていた作品もあるのではないか?と。根拠は色々とありますが、今回の展示をジックリと観察した結果、そう思いました。僕が確信を持てたのは数枚ですが。
このブログを読んだ後、展覧会を見てペンの痕跡を見つけたられた人は、是非声をかけて下さい。ではでは。

藤田嗣治について(下地編)

こんにちは。油絵科の関口です。台風が去って、また暑さが戻ってきましたね。そして次々と台風が発生しているようですが、皆さんも体調を壊したり夏バテしたりしないように、しっかりご飯を食べましょう!

さて先日、空き時間を利用して東京都美術館で開催されいる「没後50年 藤田嗣治展」を見てきました。今日はそのレポートです。

藤田嗣治はエコール・ド・パリ唯一の日本人画家で、おかっぱ頭、丸眼鏡、チョビ髭という出で立ちが印象的ですね。え?僕が藤田に似てるって?よく言われるんですが、別に真似てる訳ではありませんよ。チョビ髭だって生やしてないでしょ?

今回の展示では、初期の頃から晩年まで網羅しており、初来日の作品も多数ありました。非常に見応えのある展覧会だったと思います。
初期の作品では、東京美術学校時代からフランス留学し、キュビズムや当時の美術界の影響を受けた作品から風景画や静物画まで展示されています。単身フランスに渡り、見るもの全てが新鮮で、それまで日本で勉強してきた美術が、ひどく時代遅れである事を実感していたはずです。サインもフランス流にFoujitaとし、貪欲に色んなものを吸収しようともがいている姿が目に浮かびました。
初期の風景。有名になる前の絵なので、スタイルはかなり異なりますが、味わい深くて、なかなか良い作品です。本物を見て思いましたが、実は黒の使い方が上手いんです。

しかし、日本人である藤田がその名を轟かせたのは「乳白色」と称される下地に、細い線描で描いた、まるで日本画の様な作品でした。藤田はどの様に下地を作って、どの様に描いたのか?は絵描き仲間にも秘密にしていた様です。そのミステリアスさと変わった風貌も手伝って、一気にブレークする事になりました。

最近の研究では、藤田の乳白色の下地の正体が少しずつ分かってきました。体質顔料である炭酸カルシウムを油絵具のシルバーホワイトと混ぜて画面に塗布していたようです。炭酸カルシウムは油と混ざると若干黄色くなる傾向にあり、その分量を調整して乳白色を作っていたようです。そして仕上げにベビーパウダーを使って表面に浮いた油分を取り払っていたらしいのです。


ここに写真家の土門拳が、藤田のアトリエで撮った写真があります。彼は当時唯一制作の現場に立ち会うことが許された写真家と言われています。写真にはベビーパウダーが写っているのですが、藤田は肌が弱く、その為に用いられていた…と長年信じられてきたそうです。しかし近年絵の修復の際に画面からタルク(ベビーパウダー)が検出され、ベビーパウダーを使っていた事が判明しました。
写真に写っているのは、和光堂のシッカロール。昭和を感じるデザインです。

通常は、油性下地の上に水性の墨汁で描く事は出来ません。ベビーパウダーとは意外な材料ですが、油性下地に墨汁を使う事を可能にした、魔法の粉なのです。
さて、まだまだ書きたい事はありますが、長くなりそうなので、今日はこの辺で…。今度は藤田の線の秘密に迫ってみたいと思います。乞うご期待下さい。